初心者でも登りやすい関東近郊の山
関東地方は東京都市部を中心に武蔵野台地を含む日本一の平野が広がりますが、その周囲には関東山地や越後山脈に連なる山があります。裾野に広がる関東各都県には標高が低めの山が多く、初心者でも日帰り登山が楽しめる山も多いと人気です。
関東の山から眺める景色は、見るポイントや山によって違いがあり、それぞれ美しい絶景を楽しむことができますし、そこから広大な山や海といった大自然、都市の夜景を眺めるのもおすすめ。そこで首都圏から日帰り可能で手軽なおすすめ登山スポットと、眺めて欲しい景色についてご紹介をしましょう。
関東地方は山に囲まれた平野
一都六県の関東地方には、それぞれを代表する山地があります。神奈川県、東京都西部から埼玉西部地区にかけては箱根から高尾、秩父の関東山地、北関東は群馬県や栃木県に続く越後山脈です。
関東でも海沿いの千葉県には比較的低山の房総丘陵、茨城県には栃木県との県境にある八溝産地、福島県につながる阿武隈高地があります。関東は広い平野のイメージですが、実際には山に囲まれた標高差のある地域です。
日帰り登山におすすめのスポットがたくさん
関東地方の山は交通網が整備されているためアクセスがよいのが特徴です。鉄道ならJRをはじめ、小田急や東武、西武鉄道など公共交通が、登山口まで登乗り入れている山なら短時間で到着することもできます。
車も首都高速を中心に中央道や関越、常磐道路などたくさんの道があり、登山口の駐車場まで入ることも可能です。女性や子ども、高齢者にも登りやすい関東の山で、行楽シーズンを楽しみましょう。
都心からアクセスしやすい関東の山2選
首都圏には長野や山梨、静岡との県境にたくさんの山があります。どの山からも富士山を眺めることができるため、登山客にも人気の山々です。また関東平野に広がる都市の夜景を楽しむために、遅い時間に登山をする人もいます。
ここでは手軽に登れる関東西部に広がる低山や、登山初級者人気の登山コースがある山をご紹介します。都会の喧騒に疲れたら、山からの景色で癒されてください。
1.首都圏人気の高尾山
首都圏近郊で登山しやすい山として人気が高いのが高尾山になります。標高599mで途中まではケーブルカーもあるため、初心者や高齢者にも登りやすい山としておすすめです。
高尾山頂にはいくつものルートがありますが、登山ルート1号路は薬王院への参道となっているため、神社参拝者も訪れるパワースポットになっています。展望台までケーブルカーも乗り入れているので、足に自信のない人も安心です。
宝石のような夜景
高尾山は2つの絶景を眺めることができます。1つは関東平野の街を見下ろす絶景スポット。そしてもう1つは山の向こう側にそびえる富士山です。
高尾山登山ルートの中でもおすすめは、ケーブルカー山頂駅から徒歩数分の金毘羅台とかすみ台というビューポイントになります。ここから眺める関東平野に広がる都内の夜景はまるで宝石のよう。首都圏内の山だからこそ楽しめる女性に人気の絶景スポットです。
楽しい高尾山の名所
高尾山は登山コースが高齢者に、夜景は若いカップルに、そして子どもたちの遠足にと人気の山です。高尾山薬王院は真言宗三大本山の1つ。天狗の銅像やさる園と名所もたくさんあり、都心から距離が近いのに野生の動物に出会えるのも、高尾山登山の楽しみですね。
2.奥秩父の宝登山
知恵の神様「八意思兼命」が祀られる秩父神社。周辺は奥秩父とよばれ美しい山々と多くの神社がある、関東屈指のパワースポットになります。中でもおすすめが、長瀞駅から登山コースがある宝登山です。
宝登山は長瀞からロープウェイが乗り入れたコースもある初心者でも登りやすい山で、入り口にあるのが秩父三社の1つ宝登山神社になります。ハイキングの前に宝登山神社で参拝し、登山の安全を祈願してください。
関東一の宝登山梅百花園
宝登山は四季に合わせた絶景スポットがあります。新緑に紅葉と冬景色、それぞれ風情はありますが、おすすめは宝登山梅百貨園と臘梅園の梅が見ごろの初春。宝登山は水戸や青梅に並ぶ梅の名所、山頂付近にある臘梅園は関東一品種の多い梅園になります。
山頂は市街地の奥に、武甲山の山並みが広がる絶景スポットです。秩父には三峰山や武甲山もありますが、手軽な登山なら宝登山ハイキングを一番おすすめします。
宝登山入り口の長瀞
関東の中でも、ほかでは見ることができない名所が長瀞の岩畳です。山頂の絶景スポットや梅園も見どころですが、登山の帰りは特別天然記念物の岩畳や長瀞渓谷もぜひ見てみてください。駅の南側は宝登山とは違う楽しみ方ができます。
初心者でも散策気分で楽しめる関東の山2選
首都圏をはじめ関東都市部には散歩感覚で楽に登ることができる山もあります。街中からの距離が短くローブウェイやケーブルカーが乗り入れていなくても若い人から高齢者、子どもが散歩や遠足で手軽に登れる山です。
関東では鎌倉の江ノ島や飯能の天覧山などもその一つですね。そこで地元住人にとっては知る人ぞ知る、絶景が楽しめる手軽で登りやすい山をご紹介しましょう。
1.古都鎌倉の大平山
高尾山に並んで女性や高齢者にも人気の山が古都鎌倉の大平山です。鎌倉市街北東部にある大平山は別名鎌倉アルプスと呼ばれ、地元の人にも親しまれている標高159mの登りやすい低山になります。
大平山は横浜と鎌倉の市境に位置し、鎌倉市内からのハイキングコースには瑞泉寺や鎌倉宮といったたくさんの名所が並ぶパワースポットです。横浜からは金沢八景から10㎞の距離、横浜市立大学から徒歩2時間と手軽な山になります。
大平山展望台からの富士山と相模湾
標高159mと低い山ですが、山頂からの景色は侮れません。富士山を目の前で見える関東屈指の絶景ポイントもあります。人気の天園ハイキングコースは北鎌倉駅がスタートです。
北鎌倉駅から建長寺へ進み、参道を登ると富士山が見える山頂の展望台に到着します。勝上献展望台からは相模湾や鎌倉の街並み、天気がよいと関東近郊の市街地だけでなく、伊豆大島の島まで見渡すことができるようです。
鎌倉は関東一名所の宝庫
古都鎌倉は南関東随一の名所です。大仏に江ノ電、長谷寺や鶴岡八幡宮と楽しむ場所はたくさんあります。街歩きの延長で建長寺まで足を延ばしてみましょう。そこから大平山につながっていきます。鎌倉散策の延長として大平山の登山ができるのが、鎌倉散策の醍醐味です。
2.北関東の低山古賀志山
栃木県は関東でも大小の山が多くある地域です。北部には男体山に白根山、那須ヶ岳と2000m級の山もたくさんあります。一方、ふもとに位置する県庁所在地宇都宮はたくさんの低山に囲まれた地方都市です。
坊主山に榛名山、男抱山と低山めぐりをする方もいます。中でも登山者に人気の高い山が古賀志山です。古賀志山は日本百低山の1つ、関東在住の登山者にも人気のハイキングコースもあります。
北関東の山々日光連山を一望
標高582mの古賀志山はたくさんの登山ルートを楽しむことができる低山です。宇都宮森林公園から登るルートは地元高齢者の散歩道になっていますが、コースによって初心者にはきつい道もあります。
人気のコースには切り立った崖を登る登山ルートもあるので気をつけて下さい。山頂からは宇都宮市内や日光連山の稜線を一望することができますので、低山ながら起伏の多い絶景と岸壁登りを楽しめることでしょう。
MTBコースが人気の宇都宮森林公園
北関東の主要都市宇都宮は日光につながる山のふもとの街です。古賀志山の入り口森林公園の赤川ダム周辺にサイクリングコースがあり、ジャパンカップコースにもなっています。
自転車好きには有名な古賀志山ですが、登山好きな方にも関東でも登りやすい古賀志山はおすすめです。
早起きすれば日帰りも楽しめる関東の山2選
北関東は水上や草津、那須と温泉と山の宝庫になります。日帰りで登山を楽しみ絶景を堪能したら、帰りは温泉でゆっくり癒されるのもいいですね。北関東は標高の高い山もたくさんありますが、標高1000mを下回る低山もあります。
そこで都内から車で数時間、北関東人気の日帰り可能な山と景色をご紹介しましょう。春になったら軽装で登れる、北関東の登山を楽しんでください。
1.百名山の1つ筑波山
つくばエクスプレスを利用すると首都圏から片道2時間の筑波山は、都内から近距離の百名山になります。標高は男体山が871m、女体山が877mと低めで登りやすい山の1つです。
つくば市周辺は大学や研究施設があり働く人や学生が多く集まる都市ですが、筑波山周辺は自然がたくさん残っています。山頂には筑波山神社があり、筑波山の奇岩・怪岩めぐりやパワースポットめぐりに訪れる人もいるようです。
もみじに映える筑波山
朝から日暮れまで時間によって山の色が変わる筑波山は紫峰と呼ばれ、山頂からの景色はもちろん、ふもとからの景色も楽しめる美しい山です。筑波山神社からはケーブルカー、つつじが丘駅からはロープウェイもあり、高齢者や登山初心者の女性にも登りやすい山になります。
関東平野を見下ろすパワースポット筑波山は、紅葉の季節がおすすめです。赤い車体のケーブルカーとライトアップされた紅葉を楽しみましょう。
研究都市と筑波山神社
筑波山の名所といえば「ガマの油売り」でも有名な筑波山神社ですが、もう1つが筑波大学です。筑波大学が設立されてから企業の研究施設も増え、関東でも有数の研究施設がたくさんある地域になっています。
学園都市や研究都市に仕事や研究で訪れたら、そのまま筑波山にも足を延ばしてみてはいかがでしょう。
2.赤城山の黒檜岳
関東近郊で観光名所や温泉の多い群馬県は、登山で人気の山も豊富です。中でも人気の山が赤城山黒檜岳になります。黒檜岳への登山ルートはいくつかありますが、初心者には前橋駅からバスで駒ケ岳登山口まで行くのがおすすめです。
標高1360mの駒ケ岳登山口から1828mの山頂に到着、さらに2時間ほどで黒檜岳登山口へ。山頂から徒歩3分のところにある展望台から、北関東の美しい山の稜線が一望できます。
黒檜岳の山ツツジ
赤城山黒檜岳は北関東を一望できる絶景ポイントになります。新緑に紅葉、雪景色と一年を通して周囲の山や大自然を眺めることが可能です。黒檜岳の南側には富士山が、北側には尾瀬国立公園、東側には日光が広がります。
赤城山は北関東でも人気の展望名山ですが、中でも黒檜岳の展望台は絶景スポットの1つ。春は山全体がツツジの花でピンクに色づき鮮やかです。
登りやすいのに本格的登山が楽しめる
赤城山黒檜岳は、初心者でもきちんと登山用具を準備しておけば登山ができる関東でもおすすめの山の1つです。手軽に散策とはいきませんが、大沼や桐生市など周辺地域の森林公園やキャンプ場もたくさんあります。
日帰りもいいですが、時間的に余裕のあるキャンプを楽しむのもいいでしょう。
関東で日帰り登山を堪能しよう
関東近郊にはたくさんの山があり、美しい景観を楽しむことができます。関東地方には首都圏から日帰り登山ができる低山も多く、ドライブ感覚やハイキングの延長で登ることも可能です。
登山客に人気の山には、温泉や絶景ポイントなど登山以外の楽しみもたくさんあります。都会の喧騒に疲れたら関東近郊の山に登って、素敵な景色に癒されましょう。
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