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【連載】釣行勝負飯第2弾!高菜を上手に漬けて「目張り寿司」を作る!

以前「釣行勝負飯」として島で定番のおにぎりを紹介いたしました。今回は個人的定番の高菜の目張り寿司を紹介いたします。この目張り寿司は島独特のものではありませんが、美味しくて手軽で腐りにくい、釣行にうってつけのものです。今回はおすすめの高菜の漬け方からになります。
2021年1月22日
kuma10
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目次

目張り寿司ってご存知ですか?

和歌山県のソウルフードである「目張り寿司」。簡単に言えば高菜のお漬物の葉っぱで包んだおにぎりです。最近では関西地方では案外手に入りやすいそうですが、全国的にはまだまだマイナーな食べ物です。名前の由来は大きなおにぎりを大きな口を開けて「目を張って」かぶりつくその姿から来ているそうなのですが、そんな大きな目張り寿司を個人的には見たことはありません。もともとは農作業などに持って行くのに一個でお腹いっぱいにするために「ソフトボール大」の大きさがあったそうです。

高菜を漬ける

高菜のお漬物って美味しいですよね。産地では「目張りずし用高菜の葉」なるものも売っているそうですが、ここは一発自分で漬けてみましょう。高菜自体は周年収獲できますが、この記事を書いている時期(2021年1月・冬)は高菜の葉が大きく育ち、漬物用に最良の時期とされています。3月くらいまで安くて大きい株が手に入りますので、ぜひ挑戦してみてください。

高菜の下処理

購入してきた高菜は一旦軸の太い部分を切り落として新聞紙などの上で1~2時間陰干ししておきます。表面がパサついてきたら漬け込みに移りますが、高菜自体が水分の少ない野菜ですからこれで充分なんです。ここで水洗いをして汚れを落とします。余分な水分を払ってキッチンペーパーなどで軽く拭き取ったら次の行程に向かいます。

高菜を葉と茎に分ける

漬け込み方はいろいろありますが、今回は「目張り寿司」メインのために葉と茎を別々に漬け込みます。同じ味で全部漬け込んで(葉と茎を切り分けず)目張り寿司を作る時に葉だけをカットして使う方がオーソドックスですが、茎の味を変えたいので切り分けました。


茎にはひと手間(裏ワザ)

葉と茎を分けて漬ける理由の一つにこの裏ワザがあります。水分が少なく堅い茎は浸かる時間がかかり、葉と食べられる時期がズレます。ですから葉だけなら5日ほどで食べられるのに分けずに漬けると10日くらい食べられません。そこで茎だけを別に漬けるのですが、床に置いてバリバリと踏んであげると繊維が潰れて浸かりやすくなります。この他にも「一瞬お湯に漬ける」裏ワザもありますが、程度を間違えると大変なことになるので私はやりません。足を洗ってビニールで挟んでボキボキ感が無くなるまでフミフミしましょう。

葉と茎の漬け方(茎は古漬けに)

さていよいよ漬け込みですが、高菜はアクの強い植物ですので「仮漬け」と「本漬け」を短いスパンでやることをおすすめします。葉に一枚一枚丁寧にパラパラと塩を振りながら重ねていきます。一回目の仮漬けはこれをギュッと巻いてジップバッグに入れたら終了。2日冷蔵庫で寝かせたらギュッと絞って塩分とアクを抜きます。ここで味見をして、唐辛子と昆布(今回は昆布だしの素)、足りない分の塩を振って本漬けします。ジップバッグに入れて少しモミモミしてあげれば大丈夫。後は空気を抜いて4~5日冷蔵庫でひっくり返しながら漬ければOKです。

茎にはもうひと手間(裏ワザ)

高菜のお漬物は浸かり過ぎて少し臭いの出たものも「古漬け」として美味しくいただけますよね。それを家庭で作ってみましょう。漬け込む時に混ぜる「古漬けの素」なるものも売っているそうですが、もっと簡単に裏ワザをお教えいたします。ご家庭の調味料棚に「ターメリック」はありませんか?そう、「ウコン粉末」です。無くても最近では100円ショップなどでも売られていますので、ぜひこれを「古漬けの素」に使ってみてください。一旦絞ってアク抜きしたあとの本漬けの時にぶちこむだけです。1週間ほどで色も香りも完全に古漬けになりますよ。

目張り寿司を作る

さあ、いよいよ握っていきましょう。とはいえ難しいことは何もありません。寿司と名乗っていますが、中身はおにぎりですのでどなたでも簡単に作る事ができますよ。ちなみにくるむ飯玉は「酢飯ベース」でも「白米ベース」でもどちらでも美味しくいただけます。一度試してからお好きな方で握りましょう。

3日以上漬けた葉を取り出す


毎日ジップバッグをモミモミしてはひっくり返すを3日間繰り返したものがこちらです。もう何だかわからないほど固まっていますが、ちょっと力を入れると汁がしたたるほど良く漬かっています。

葉を丁寧に剥がす

先ほどの状態から葉っぱが一枚一枚きれいに剥がれるとは考えにくいのですが、そこを何とか剥がしていきます。ここは丁寧に丁寧にほどいていきましょう。大きな葉っぱ一枚でおおむねおにぎり3個分、小さい葉っぱでも2個は巻けるのでその日使う分だけ剥がします。水に濡らしてから軽く漬け込み汁を絞ったら、ちりめん皺になっている部分をきれいにほどきます。このちりめんの部分が驚くほど広がりますので、上から目視して「濃くなっている部分」はきちんと広げましょう。

葉のお漬物に味付けする

広げる前に軽く水洗いしてから絞ってあるので、おにぎりを巻く前に味付けをします。これは好き好きでよいのですが、個人的なおすすめは「めんつゆ」「味の素プラス生醤油」「白だし(3倍程度希釈)」がベスト3です。もちろん塩味だけでも美味しいですが、それですと少し濃いめの具を用意した方がよさそうです。

おにぎりに丁寧に巻きしっかり閉じる

おすすめの味付けをした高菜の葉を白飯に巻いて味見をしてみましょう。あ、画像で味見の大きさじゃないと思った方、私食いしん坊なのでこれくらいがちょうど味見サイズなんです。いやあ、これをオカズにごはんが食べられるうまさ。もちろんお酒のアテにも使います。ただし釣行弁当として作るには白飯だけですとちょっと寂しいので、次は具材を作っていきます。

目張り寿司の具材は高菜の茎!


目張り寿司の具材で(個人的に)一番美味いのは「高菜漬け」です。産地でも一番オーソドックスな具材になっていますので、これは反論の無いところでしょう。漬け込んだ茎を荒みじんに切り、葉と同じ、おすすめの味付けをほどこします。そこに白ごまを親指と人差し指でつぶしながら(ひねりごま)たっぷりと混ぜ込みます。暖かいご飯と合わせ、お弁当の分だけおにぎりを作ります。適度な広さにカットした高菜葉できっちりと巻けばできあがりです。味付けの時かつお節をプラスしても美味しいですよ。

鼻に抜ける辛味が最高!

今回は葉っぱ二枚で目張り寿司5個を作りました。具材にした茎がまだ漬かり切っていなかったのでかなり辛味は強かったですが、それがまたいい具合に食欲を増進してくれる味でした。この辛味は「アリルイソチオシアネート」という成分で、ワサビやマスタードの辛味成分と同じものです。抗菌作用が強く、食材を長持ちさせてくれます。冬の間にたくさん漬けておいて、夏場の釣行飯として使うのもいいかもしれませんね。ちなみに今回使った高菜(画像2枚目)は大株2個で200円でした。美味くて安くて健康にも良い「目張り寿司」、ぜひとも挑戦してみてください!

釣行弁当が気になった方はこちらもチェック!

今回「釣行勝負飯第2弾」として記事を書かせていただきましたが、「暮らし~の」のサイトには他にも釣行にうってつけのお弁当情報記事がたくさんあります。「釣行」にこだわるとサッといただけて、サッと片づけられて、栄養豊富、美味しい、腐りにくいなどいろいろな縛りがでてきます。そのような要件も満たしつつ簡単に作れる釣行弁当に興味を持たれた方は下記の記事も合わせてお読みいただけると幸いです。