はじめに
水や肥料~増やし方までマンデビラのわかりやすい育て方!
風車のような独特の花の形を持つマンデビラ。大きめの花がたくさんつくつる性の植物で仕立て方によっていろいろと活用できる便利できれいな花として人気を集めています。これからこのマンデビラを育ててみようとお考えの方へ。簡単な育て方と一歩進んだ増やし方・冬越しの方法などもご紹介しましょう
マンデビラの基本情報と特徴・開花時期について
基本情報
科・属:キョウチクトウ科マンデビラ属
原産地:南アメリカ
英語名/学名:Mandevilla/Mandevilla
マンデビラの和名について
マンデビラは和名でチリソケイと言われていた時期もありましたが、近年はこの名前はまったくといってよいほど使われていません。ごくごくたまにチリソケイと呼ぶ方もいらっしゃるかも知れませんが、同じ花を差す言葉だと覚えておくと良いですね。このほか使われなくなった呼び名としてデブラデニアがあります。
マンデビラの特徴
植物には見た目の違いやその性質がいろいろと違いが見られます。主に原産地であったり同じ〇〇科〇〇属などという分類によってある程度は決まりがあるため、育て方や開花時期・得意な季節苦手な天候など基本情報が参考になりますが、もう少しここでは掘り下げてご紹介しましょう。
特徴1.くさ丈や花の大きさ
つる性の植物なので摘心などによって大きさはセーブできます。低く仕立てれば30cmほどのあんどん仕立ての鉢植えでもみごとな美しさを出せるでしょう。いっぽうネットなどを用いてグリーンカーテンにすれば2階にもとどくような高さまで花を咲かせることが可能です。花の大きさは一般的な大きさで7-8cm程度。これも肥料や咲かせる数などによって違いが現れてきます。大きな花を咲かせたいのであれば、1株あたりの花の個数は少なめに。
特徴2.つる植物である
つる性といっても必ず支柱を立てて何かしらに捕まらせなければまとまらないという手間のかかる植物ではありません。現にマンデビラの品種改良種として人気の園芸種サンパラソルを販売しているサントリーの公式ホームページでは支柱を立てない自然な形でも美しく咲いている画像が仕立て例として紹介されています。
特徴3.栽培できる期間
本来多年草に属する植物ですが日本のきびしい冬はどの地域でも冬越しできるというわけではありません。基本的に春植えで秋までが栽培期間と考えておいてください。
マンデビラの花の旬・開花時期
マンデビラのような鉢花は開花時期が重要ですね。花鉢が流通する時期・苗で購入して開花させる場合の花の期間の目安を見てみましょう。
花の時期
花の時期は日本の温暖地域であれば4月ころからがみごろとなります。このあたりから開花鉢も出回ってきますので、これらを購入すれば一足早くマンデビラの花を楽しむことができるでしょう。
開花期間
一方、同じく4月ころから苗の形で開花前の株の販売もはじまります。これらの花は咲きはじめは開花鉢よりも遅くて5-10月くらいが花の時期となるでしょう。
マンデビラの栽培環境つくり2選
1.日当たり
開花鉢をどこに置いたら長く咲き続けてくれるのか、ポット苗を花壇に植え付けたいけれど日当たりについて何か注意する点があるか。新しい植物を育てるときにはまず悩むところでしょう。
地植えの植え付け方注意点
まず買ってきた鉢植えや苗を地植えにしたい場合、日当たりは必ず直射日光があたる屋外に植え場所を見つけてあげてください。1日のうち数時間日光があたっていれば半日陰の場所でも花は咲きます。
ベランダ栽培・鉢植えの置き場所注意点
地植えの場合と日当たりに関する注意点は同様なのですが、ベランダなどに置く場合エアコンの室外機の風が当たるところには置かないようにしてください。
2.土作り
鉢植えに仕立てられたものであれば、植え替えまでは土の心配はありません。苗を購入した方はこちらの土の作り方・配合例を参考にしてください。
マンデビラに適した土の配合例
マンデビラは弱酸性のpHの土が適しています。ピートモスを混ぜた赤玉土・腐葉土の配合で土を作るとよいでしょう。水はけをよくすることにも気をつけてください。
初心者・鉢植えには市販の培養土もおすすめ
市販の草花用培養土にパーライトを少し混ぜたものが簡単でおすすめです。市販の培養土を買って使用するメリットは、失敗が少ないこととあらかじめ元肥という肥料が入っているので、1ヶ月ほどは肥料の心配をせずによいところでしょう。特に初心者の方や忙しい方、集合住宅で庭(土)がない方に向いています。
マンデビラの基本的な育て方3選
1.水やりと肥料
置き場所や土が決まり植え付けが完了したらあとは日常的な基本のお手入れをしていくこととなります。
マンデビラの水やり方法
この植物は過湿を嫌います。少し乾燥気味くらいの方が元気に育ってくれるでしょう。土づくりでも水はけのために赤玉土を入れる配合をおすすめしていますが、水やりでも加減してあげることが必要です。
マンデビラの肥料時期と与え方
肥料は元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきますので、1ヶ月ほどは心配せずにかまいません。花がたくさん咲く植物なのでどうしても肥料ぎれが心配。開花時期(6-10月)には固形肥料なら月1回は古いものと新しいものの交換、液体肥料であれば月に2-3回を目安に与えましょう。
2.苗の植え付け
すでに鉢で仕立てられたものであれば、植え付けを植え替えと読み替えていただいて構いません。ポット苗の場合は最初から次のようなことを気をつけると良いでしょう。
マンデビラ苗の選び方ポイント
苗を買う場合はまず時期に気をつけてください。マンデビラの苗が出回る時期は4-6月ころ。しかし終わり頃になるとどうしても売れ残りであったり、品うすでほしいものが手に入りにくくなってしまいます。その場合は好みのカラーも大切ですが、その中でもできるだけ徒長(節と節の間隔が広く間延びしている株)したものは避け、また虫や病気が見られないものを選ぶようにしてください。
マンデビラの植え付け時期
植え付けは苗を購入したらすぐにおこまいます。植物は何を育てるにしても苗が出回る時期がお住まいの地域での植え付け時の目安となるからです。自分で種まきから育てる場合は、植え付けに適した大きさになったら植えます。詳しい解説は種まきの項をご参照ください。
マンデビラの植え付け方法
地植えの場合は他より少し高めに土を盛って植え付けることで水はけをよくすることができるでしょう。
3.病害虫
植物を育てる上で見栄えを悪くしたり、ひどくなると枯らしてしまうのが病気や害虫の被害です。マンデビラは以下のような病害虫に注意して育てましょう。
マンデビラ栽培で気をつける病害虫と時期
まず気をつけるのが多湿による根腐れ。他にかかりやすい病気というのはないので、まず水やりに注意していれば心配はないでしょう。いっぽう害虫はアブラムシがつきやすいです。これは見つけ次第指で捕殺するのが一番ですが、グリーンカーテンなど高い位置では気づけなことも。春先に株元にオルトランなど浸透性の薬を散布しておくとこのような吸汁性の害虫が避けていくため予防となります。同じ薬剤ばかり続けて使うと耐性がある虫ができてしまうためいくつかの種類に替えながら散布しましょう。
マンデビラのもっと進んだ育て方4選
1.採取した種からの種まき
マンデビラの多くは種ではなく苗の状態で販売されています。種まきから育てる場合はすでにある株からの自家採種でおこないましょう。
種まき時期
種まきから育てるのであれば、その時期は植え付け時期と同じです。具体的には4月くらいからが適期。涼しい・寒い地域であれば6月くらいになることもあるでしょう。
種まきからの苗作り
清潔な種まき用の土かピートモスに種をまきます。市販の苗くらいの大きさが植え付け時の目安。間引きなどをおこないながら、ポットあげして育てると植え付けやすくなりおすすめ。その年はそのままポットで栽培して冬越しをさせ翌年植え付けます。
2.植え替え
地植えのものを冬越しさせるのは非常に難しいので、植え替えは鉢植えで管理したものを基準としてご説明します。
植え替えが必要な苗の目安
鉢植えで水切れが早いものは根鉢がいっぱいになっている可能性が高いです。乾燥を好む植物ですがあまり小さな鉢にぎゅうぎゅうで育てていくのは花つきも悪くなりますので、ひとまわり大きな鉢に植え替えてあげましょう。
マンデビラの植え替え時期と方法
植え替え時期は植え付け時期と同じ。成長期である春4-5月ころ。弱酸性の土の配合・または市販の草花用培養土で、根鉢を少しくずしがちにして新しい土を補充する形で植え替えてください。
3.増やし方
基本的に1年草扱いで気に入ったら翌年も新しい鉢を購入するのがおすすめですが、上手に育ててあげれば自分で株を増やすことも可能です。
増やし方1.挿し木
一般的には挿し木が簡単でおすすめ。やり方は健康そうでみずみずしい枝を選び、鹿沼土などしめらせた土に差しておきます。約1ヶ月ほどで発根をはじめますので、少しずつ日なたに出してきて日光になれさせ新しい鉢に植え替えてください。
増やし方2.種の採取
基本的に花がら摘みを必要とする植物なので種はつかないようにしますが、どうしても種まきをしてみたいという方は種まき用の株を観賞用とは別に用意すると良いでしょう。花後に綿毛がついた種が収穫できます。
4.マンデビラの剪定時期とやり方
つる性のマンデビラは摘心や切り戻しをすることによってコンパクトながらもたくさん花がつくように仕立てられます。
剪定1.摘心
摘心は新しく伸びてきた新芽を摘むこと。これによって高さが制限され脇芽が増えボリュームのある株となります。ご希望の高さになったときにおこないましょう。
剪定2.切り戻し
切り戻しはある程度花を楽しんだあとに枝の整理としておこないます。具体的には花後に冬越しさせる場合に半分くらいの位置でハサミを入れて小さく整えます。冬越しをしない場合は切り戻しの必要はありません。
参考にしたい!マンデビラの誘引と仕立て方例4選
マンデビラの誘引
マンデビラはつるを誘引してあんどんに仕立てるのがポピュラーな形です。しかしその他にもたくさんの仕立方で楽しまれている方も多いのでご紹介しましょう。
誘引時期とやり方例
株数や枝数が少ないうちは摘心せず伸びたつるを横に(反時計回り)誘引して支柱に絡めていきます。時期はつるが伸びて上ではなく垂れてくるようになったら。
つる植物のマンデビラは支柱仕立てが可能
基本的なあんどん仕立てからグリーンカーテン、または自然にまかせて支柱なしで仕立てるやり方と解説します。
仕立て方1.あんどん
あんどんとはいくつか柱を立て上でひとつに収束した形の支柱です。朝顔市の朝顔などでおなじみでしょう。誘引と摘心を繰り返して好みの形に仕上げます。コンパクトながらも花がたくさん付くのが特徴。
仕立て方2.アーチ
マンデビラはつるを摘心せずに伸ばしてやれば3mほどまで伸びる植物です。庭のアーチにからませて楽しむことも可能。この際あまり株数がない場合は摘心は早めにして脇芽の数を増やしてから上へと誘引してあげると良いでしょう。
仕立て方3.グリーンカーテン
基本的にはいくつか株を一直線に並べて壁などにかけたネットを這わせる仕立て方です。壁の装飾としてご利用ください。これもまずは横方向に誘引してやり、そこで摘心・脇芽を増やしてから上へと伸びるようにしてあげるのがポイント。
仕立て方4.支柱を使わず自然な感じに仕立てるやり方
支柱を立てず誘引せずに自然な感じに鉢を作ることもできます。この場合ハンギングにして垂れ下がるようにしても面白いですよ。つるをあまり長くならないよう摘心を繰り返すのがコツ。
マンデビラの冬越しは可能か?
やり方によっては冬越しも可能
鉢植えであれば冬の間は室内に取り込んでおくことで冬を越させることも可能でしょう。また温かい地域であればごくごく稀に屋外でも冬越しできるようです。
マンデビラの耐寒性
マンデビラは耐寒性はほとんど無いに等しいです。霜にあたるとすぐに枯れてしまうでしょう。冬越しのコツは霜に当てないこと。また秋のうちに切り戻しをして株元の葉数枚を残して小さく切ってしまうのも冬越ししやすくさせるポイント。
まとめ
美しいマンデビラを栽培しよう!
いかがでしたでしょうか。キョウチクトウの仲間であるマンデビラという美しい鉢花の育て方や増やし方をご紹介しました。きれいに仕立てるコツは少し伸びてきたら早めに摘心して脇芽を出しまた摘心・脇芽出しと繰り返すこと。自分の好みのボリュームに調整して楽しんでみてくださいね。
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