はじめに
本棚やカラーボックスにDIYで簡単におしゃれな扉を付ける
本棚やカラーボックスで自分で組み立てるようなものは安価なのは良いのですが扉がついておらず中に入れたものがほこりになってしまったり、丸見えで隠したいと思った時に何かDIYで一工夫する場合が出てくるでしょう。かわいい布をかけたり、突っ張り棒で簡単なカーテンを作って取り付けるのも良いですが、見た目もおしゃれで高級感も出るフラップ扉を自作してみませんか?自作でも100均材料だけでも作ることができ意外と簡単でローコストで作成可能。今回はこのフラップ扉とは?という基本的なことから簡単な作り方を動画で確認しながらそれらの手順や注意点について解説していきます。
フラップ扉とは?その仕組みと構造
フラップ扉とはどのような扉なのでしょうか。なんとなく知ってはいるけれどその仕組みや構造はよくわからないという方にフラップ扉とはどのようなものか御覧ください。仕組みや構造を知ることでよりフラップ扉のDIYがしやすくなるだけでなく、自作するときにも今何をしているのかわかりやすく失敗が少なくなります。
フラップ扉の仕組み
フラップとはものが垂れ下がった状態の蓋のようなものを意味する英語です。たとえばシャツの胸ポケットに時々ついている小さな垂れ下がっている飾りのようなもの。ボタンが付いていて留められるようになっている部分。あれもフラップと呼びます。上部でのみ蝶番などを用いて固定されていて、下から上へと開く扉が一般的なフラップ扉の仕組み。
フラップ扉の構造
シャツならばただ垂れ下がっているだけの蓋ですが、棚の扉となると取り出す物によっては両手を使いたいという場合もありますね。フラップ扉の構造的に重力により手を離すと下にパタンと落ちてきてしまいます。両手を使いたい場合には使い勝手があまりよろしくないので、フラップ扉のみ棚の中に蓋部分を押し込み落ちて来ないよう・または出っ張って邪魔にならないよう収納できるような構造になっています。ただしこの収納構造になっていないものでもフラップ扉と呼ぶことはできるのでご注意ください。
自作フラップ扉DIYに準備する材料と道具
フラップ扉の材料はとてもシンプル。一般的に使われる材料と今回作り方手順でご紹介する動画内で使われている材料2つに分けて見ていきます。
材料1.木材
フラップ扉の構造上、あまり重さのある厚い木材は開け締めや戸棚・カラーボックスの棚の中に収納するのに不向きです。100均などで売られている1cm前後の厚みの平板を組み合わせて作るか薄手合板をサイズに合わせてカットして使いましょう。ただし扉に本などを立てられるようにしたい場合はある程度の重量に絶えなくてはいけないのでその部分だけは扉本体よりも少し厚手の丈夫な板の方が適しています。
今回の作成例での使用木材
今回使っている木材はダイソーすのこ400x250mmのもの2枚、角棒ダイソーの450x20x20mmサイズを300mm使用・丸棒直径910x9mmのものを適量使用しています。
材料2.釘や金具・塗料
例えば100均のすのこをばらして平板として使用する場合ボンドや小さな釘などを使って扉サイズの大きさに加工します。また扉の持ち手部分などをおしゃれな装飾金具にしたい場合はそれらの金具類も適宜ご用意ください。このほか、塗装もする場合は塗料も必要です。扉をスライドさせるパーツは専用の金具でも良いですし、100均などでも売られている配線カバーやカーテンレールなどで代用することも可能。用意した板の厚みに合うものをご用意ください。
今回の作成例でのビスや釘等
ダイソーの釘セット(プラスチックの箱入りで12-25mmの長さのもの)の中の一番小型なものとストッパー用に13-16mm程度の長さのビス2本・スライドパーツとして配線カバー(口径11mmで長さ500mmのもの)1本とそれを留めるための強力両面テープ(ハイパワーテープ)。外見を良くし少しでも自作扉を丈夫にするためにダイソーの水性ニス(けやき)で塗装して仕上げています。
道具1.ノコギリ金づちなどの基本工具
今回取り付ける本棚やカラーボックスはDIYせず、扉の作り方のみのご紹介となります。取り付ける棚側の素材にもよりますが、木材の場合はのこぎりと金づち・電動ドライバーなどの基本工具で十分作ることができるでしょう。
今回の作成例での基本工具類
すのこの釘(物によってはタッカーの針)を抜くためのペンチ類・かなづち・ノコギリ(すのこはカッターでも気をつければ切断可能)・釘穴を開けるための目打ちかキリ・ニスを塗るための刷毛もご用意ください。
道具2.その他あると便利な道具
カットした木材の組み立てにはボンドで仮止め・ビスや釘などでしっかり固定するという形で強度を付けていきましょう。またスムーズなスライドのために切り口をなめらかにするための紙やすり(80番手程度の粗さ)もあると出来上がりのクオリティがあがります。塗装をする方は刷毛も必要です。
今回の作成例でのそのほかの道具
ダイソーのサンドペーパー(木工用)400番手1枚・木工用ボンド・定規・印付けのための鉛筆・そのほかはみ出たボンドを拭き取る用に雑巾などの不要な雑布を少しだけ用意してください。
100均素材でつくる簡単な自作フラップ扉の作り方
それでは早速100均材料で作ることができるカラーボックスや本棚用のフラップ棚DIYの方法をご紹介しましょう。こちらでは100均ということで合板ではなく幅の狭い板を組み合わせて蓋を作るところからはじめています。合板で作る場合は1は飛ばしていただいて手順2からはじめてかまいません。
作り方1.すのこをバラして1枚の板状にする
扉は合板などの板を買ってきてカットしても良いですが100均にはそれほど大きな板は売られていません。どこのお店でもたいがい置かれているすのこを一度ばらして1枚の広い板にして仕上げていきましょう。すのこはタッカーや小さな釘で留められているだけなので簡単に板を外すことができます。間に入れるだけではピッタリとはまりませんでしたので、全部はずして裏側の角棒に留め直す必要があるでしょう。棒の不足分は継ぎ足して作ってください。
作り方2.棚の幅に合わせてカットやすりをかける
すのこ板を組み合わせて蓋を作ったら今度は幅の調整です。棚の内側の寸法よりも2-3mm短くするのがうまく蓋を収納できるようにするコツ。また接ぎ合わせた板の横に出っ張りがあるとそこでひっかかりやすのでそこも綺麗に一直線にカットしてやすりをかけます。この作業をすることでフラップ扉を使う時のストレスが大幅に軽減されますので、ぜひ面倒がらずにおこなってください。
作り方3.L字パーツを作り取り付ける
蓋となる平板の調整ができたら、扉下方にあるL字型の持ち手兼雑誌や小物を立てかけられる部分を作っていきます。これはすのこの余った板をボンドと小さな釘でL字になるように組んでいきます。小さな釘やネジだけではあまり強度も出ませんので必ずボンドを使うようにしてください。またアレンジとしてはこの部分を100均で売られている棚受け金具にしても良いでしょう。その場合は先に4の塗装を済ませてから取り付けしてください。
作り方4.フラップ扉の塗装
扉の形が完成したら塗装をしていきます。白木のままでも使えないことはないですが、せっかくのおしゃれなフラップ扉。ニスやペンキ・オイルなどで塗装して見た目をグレードアップさせましょう。このあと棚に扉を付ける作業となりますが、塗装はしっかりと乾燥させてから次の手順に進んでください。
作り方5.配線カバーを取り付ける
スライドの金具というものも存在しますが100均であるもので、同様の効果を作るには便利なのが配線カバーやカーテンレールといったアイテムです。素材がプラスチックとなってしまうので頑丈さはあまり期待できませんが、それほど重くない蓋素材にして頻繁に開け締めしないようであれば、すぐ壊れてしまうこともないでしょう。また壊れてしまったとしても作り直し・付け直しも安価でできるためおすすめ!
取り付け方は両面テープで
配線カバーに穴をあけてビス留めしても良いですが、簡単に作るなら強力な両面テープでOK。この強力両面テープもダイソーやセリアなど大型の100円ショップでは常備されているものですので、1つは持っているとDIYがはかどります。取り付ける場所は蓋の厚み+2-3mm下を目安に。カットする部分は、必ず90度ではなくななめ(できれば45度)にしてください。これがうまく蓋の上部の隙間をできるだけ開けずにスムーズに収納できるようにするコツ!
作り方6.ストッパーを作り付ける
配線カバーに蓋をセットするとこれだけでスライドして収納することは可能ですが、引きすぎると蓋が外れてしまいます。これを何とかするために蓋部分の後ろ部分にストッパーとなるパーツを付け、棚の入口側の配線カバー中央にストップさせるためのビス打ちをしなければいけません。パーツの作り方は簡単で、使用する材料は角材と丸棒。角材は30mm程度(これは丸棒が取り付けられればいいのでそれに合わせてカットしても)で丸棒の方は配線カバーに入る直径のもので長さは配線カバーの深さ+少し飛び出るくらいにしてください。
ストッパーを作り扉の後方位置に仮止めする
それぞれカットできたらストッパーとして組み立てます。そのやり方は角材に丸棒をボンドで接着してビスか釘で固定。100均の板はそれほど硬く丈夫ではなく釘などが太いと簡単に割れてしまうので、このような小さなパーツの場合は最初に必ずキリ等で穴を開けてから釘やビスを打つようにしましょう。そのストッパーパーツを扉の後方のラインに合わせて最初は両面テープ等で仮止めしてから、次に配線カバーの前面中央付近にストップさせるためのビスを留め付けてから次の作業手順に進んでください。この部分は扉の上部にできる隙間をできるだけ減らし見た目やすべりをよくするために重要なポイントです。
作り方7.隙間を見て微調整して仕上げる
ここまで出来るとフラップ扉としてはかなり本格的な仕上がりとなっているでしょう。しかし蓋を開け締めしてみると上に隙間が空きすぎている(これがほとんどでしょう)・逆に隙間が少なくて収納しようとしたときに少しひっかかりを感じる場合が出てきます。これを何とかきれいに、スムーズに使用できるよう仕上げるための調整を最後にしましょう。
ストッパー位置と隙間の関係と調整の仕方
配線カバーをななめ45度にしたのは扉がうまく棚に収納しやすいようにです。ストッパーの位置が奥であれば上方向に開く隙間が広く、手前にずらしていくと少しずつその隙間が少なくなってきます。まずは現段階の上の隙間をチェックして前方か後方にストッパー位置を付け直してまたテストしてください。これでジャストな位置が見つかったらそこで両面テープから釘とボンドを使ったしっかりとした固定をしてできあがりです!
フラップ扉を使ったおしゃれ家具見本例
最後になりますがフラップ扉をどこに活用したら良いのか、参考になるようなおしゃれ家具をご紹介していきましょう。中には本当に日曜大工初心者の方でも作れそうなおしゃれ家具もあります。素敵な作品はぜひヒントとしてより、自分のニーズにあったものづくりに活用したいですね!
テレビ台のビデオ置き部分に取り付けてほこり防止
テレビ台などでよくビデオ棚の部分がオープンになっているものを見かけます。リモコン操作やディスクの出し入れに便利なのはわかるのですがほこりがたまるのが気になる方もいらっしゃるでしょう。後付でも簡単に付けることができるフラップ扉で使う時だけ棚に扉を収納。あとは締めておけばほこりを防止してくれるのでおすすめ。
オープンなラックの見せる収納隠す収納
ニトリなど大手の生活雑貨や家具のお店ですべてオープン式の棚を購入され使用している方も多いでしょう。安価に買えてそれなりにおしゃれなのですが、チェーン店や通販の商品だと同じものを使っている人が多くオリジナリティを考えると少し抵抗がある方もいらっしゃるのでは?そんな時は一部分だけフラップ扉を取り付けて自分らしさと使いやすさ・おしゃれさをプラスしてみてはいかがですか?
四角い箱にフラップ扉を付けるだけの簡単おしゃれなDIY
こちらは棚というよりも箱を作ってそれにフラップ扉を付けて収納に使用されている例です。これなら自分の好きな大きさで作成することも可能。箱を作るだけですのではじめて大工仕事をされる方でもそれほどハードルが高くなく取り掛かりやすいのが魅力。材料もすぐに集まるものばかりです。箱型の棚でも良いのですが、扉を付けることでよりクオリティが高い作品になるでしょう。
すべて隠して収納力アップ
物がたくさんあってどうしても棚がごちゃごちゃしていまうため、どうしてもおしゃれとはかけ離れたものとなっていた棚にはフラップ扉を付けて目隠しをすればたくさん物を詰め込んでも大丈夫。扉をおろしておけば今まで見た目で使えなかった空きスペースにもアイテムを詰め込むことができて収納力がアップするでしょう。もちろんフラップ扉を閉めればその前に雑誌などを飾ることができてさらに物がおしゃれに片付きます!
フラップ扉付き棚は初心者DIYにおすすめ!
こちらはDIYのワークショップに参加された女性の方がはじめて作ったフラップ扉の棚。棚部分からすべて手作り。使いやすそうな大きさでちょっと植木鉢や写真立てを飾ったり、ベッドサイドに設置してランプを置いても良いですね。もちろん、扉付きで中に何を収納しても良いから散らかりがちな小物がスッキリ片付くでしょう。フラップ扉の棚は初心者向けワークショップでも人気のお教室です。
まとめ
おしゃれなフラップ扉を簡単にDIYしよう
扉をスライドさせたり棚に収納させるなど動きのあるものを木材で作るのは大変と思われていた方も多いでしょうが、その仕組や構造・作り方を知ると意外と簡単にできるものなのだとおわかりいただけたのではないでしょうか。今回は安価に購入できるカラーボックスに100均材料で作るフラップ扉の作り方で解説しましたが、これと同じ原理・方法で木製本棚や表面に扉のない棚にフラップ扉を取り付けることが可能です。扉の下の方をL字にすることでそこにちょっと手に取りたい雑誌類をディスプレイしつつ収納できるのでおしゃれで便利!簡単に自作することが可能ですので、はじめてDIYをされる方でも気軽にチャレンジしてみてくださいね。
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