フリースタイルから広がる自分のスタイル
スノーボードは自然の中で、仲間や家族、あるいは一人で技術を上げるなど、さまざまな楽しみ方ができるスポーツです。うまく滑れるようになればなるほど楽しみも大きくなります。また、スノーボードの滑り方の中には、さまざまな種類があるのです。
中でもフリースタイルと呼ばれる種類はスノーボードの基本であり、すべてのジャンルに通じているといわれています。この記事ではそんなフリースタイルとはどのような滑り方を言うのか具体的に解説します。
初心者でもフリースタイラー
初心者は横滑り、ターンの練習、緩斜面での低スピードの滑走、リフトの乗降、スケーティングなどスノーボードの基礎からスタートすることでしょう。少しずつ滑れるようになり、ゲレンデで滑ることのできるコースが増えれば、スノーボードも楽しくなってきます。
技術レベルが上がるとゲレンデ内にある地形や積雪の変化などにも対応できるようになり、フリーランが楽しめるようになるはずです。つまり、初心者の方でも立派なフリースタイラーだと呼べるでしょう。
フリースタイルはスノーボーダーの個性
スノーボードの縛りが無く、ゲレンデ内のコースを自分のスタイルで自由に滑る。そんな個性的なフリーランという滑り方の中にスノーボードのさまざまなジャンルにつながる要素が豊富に詰まっているのです。
フリースタイルは簡単なようで奥が深いジャンルでもあり、スノーボーダーの数だけスタイルがあるといえます。つまり、一人一人の個性のようなものだといえるでしょう。
フリースタイルから見つかる自分のスタイル
フリースタイルを楽しんでいると自分の好きな滑り方、楽しみ方が見えてきます。例えば、起伏のある地形でのジャンプ、大自然を感じられる林間コース・ツリーラン、カービングターンを駆使し早く滑りたいなどといった楽しみ方です。
ゲレンデや時にはゲレンデ以外の場所で自由に滑るフリーランは、自分のスノーボードスタイルを見つけるきっかけとなることでしょう。
スノーボードの多種多様なジャンルを知ろう
フリースタイルは重要な要素が詰まったスノーボードの基礎でもあり、1つのジャンルです。ここからはフリースタイルに関連したスノーボードの多様なジャンルについて紹介します。
スタイリッシュにスピード感ある滑りをしたい
カービングというスノーボードのエッジを使い、切れのあるターンでゲレンデの起伏や斜度を判断しながらさっそうに滑るスタイルも立派なフリースタイルと呼べます。
カービングターンでは板のずれ、スピードを追及したコース読みなどを意識しながら滑るため、スピード競技であるスラロームやターンの美しさを競うテクニカルなどにつながるのです。
フリースタイルの技術が生かせるバンクドスラローム
近年では、アメリカのマウントベーカー発祥の競技であるバンクドスラロームが人気となっており、多くのスキー場でバンクドスラロームコースの設置や大会が開催されています。
バンクドスラロームとはカーブが連続するコースを完走するまでのタイム競う競技です。ある程度のフリースタイルで滑りこんでいれば十分楽しめるので、興味があれば気軽に大会にも参加してみてはいかがでしょうか。
パークを流してトリックにチャレンジ
ゲレンデ内には、地形の起伏や落ち込み、コース脇の壁などトリックにつながるものが多々あります。常設のアイテム設置コースはパークと呼ばれ、様々なアイテムから自分に合ったアイテムにチャレンジできるのです。
パークにはキッカー、JIBと呼ばれるBOXやレール、その他にもスパインやウェーブ、ハーフパイプなど豊富なアイテムが設置されているので、ぜひチャレンジしてみてください。
積雪が少なくとも楽しめるグラトリ
最近では通常のコース内で滑りながらトリックを行うグランドトリック、通称「グラトリ」が、けがの心配も少なく、気軽にチャレンジできることから人気が高まっています。
また、JIBアイテムも年々様々な趣向を凝らしたアイテムが出てきており、好奇心を掻き立てられるでしょう。このようなグラトリやJIBは、シーズン初めなど積雪量が十分でない状況においても楽しめるジャンルです。
誰も滑っていない新雪に自分の滑りを刻みたい
スノーボードは天候に左右されるスポーツです。場合によってはスノーボード中に吹雪や雨が降ることがあるでしょう。しかし、そのようなデメリットばかりではありません。
新雪が降り積もると、誰も滑っていない非圧雪コースが出来上がります。そこでのフリーランは粉雪を巻き上げ、起伏や落ち込みを使ったコース取りを楽しみ、浮遊感を感じながら気持ちよく滑れるといった大きな魅力があるのです。
大自然のスリルを満喫できるバックカントリー
バックカントリーは最もフリースタイルの滑走能力が試されるジャンルです。バックカントリーとは通常のゲレンデ内のコースではなく、板を担いで山を登り、自らの判断と意思でコースを選びながら滑り降りる、究極のスノーボードともいわれている滑り方です。
雄大な大自然を眺める楽しみや整備されていないコースを滑るスリルなど、豊富な魅力があるフリーランですが、危険も伴うのでガイドや土地勘のある仲間と同行するのがよいでしょう。
雪上の格闘技!スノーボードクロス
起伏やカーブの多いコースを4人で競う雪上の障害物走がスノーボードクロスです。オリンピックの正式種目であり、迫力あるレースは見ているだけで興奮します。
複雑なコースを複数のスノーボーダーが同時にスタートし、スピード感あるレース展開、時にはぶつかって転倒するなどのアクシデントもあり、雪上の格闘技ともいわれているのです。
スキー場によってはスノーボードクロス専用のコースが設置されているところもありますが、初心者の方にはおすすめしません。
フリースタイルスノーボードのセッティング
スノーボード板の種類は大きく分けると、アルペンボードとフリースタイルボードの2種類に分けられます。アルペンはスピード競技用のボードでフリースタイル用のボードとは形状から全く異なります。
初心者の方はアルペンボードよりもフリースタイルボードに注目しましょう。ここからはフリースタイルボードのセッティングなどについて解説します。
スノーボード板とビンディング
スノーボードはビンディングをセッティングすることにより、両足を固定します。セッティングするビンディングの角度をアングル、両足の幅をスタンスと呼び、それらは好みやジャンルに合わせて調節が必要です。
このセッティングにより滑りやすさや板の扱いやすさに影響します。スノーボードを行っていくうちに自分に合ったセッティングが把握できてくるので、その都度セッティングし直しましょう。
フリースタイルに通じたセッティングとは
フリースタイルにはこれでなくてはならないというセッティング(スタンス、アングル、ビンディングなど)はありません。ただし、初心者は様々なコンディンション、地形、スピード調整、扱いやすさなどを考慮すると初心者向けのフリースタイルボードやビンディングを使うのがよいでしょう。
アングルやスタンスもはじめから特徴的なセッティングをするよりは前足、後ろ足ともに6から15度程度の角度を進行方向に向けるのがおすすめです。
ジャンルに合わせたセッティングを行おう
アングルやスタンスはジャンルによっても様々です。パークスタイルなどの場合は両方向に進行、回転しやすいセッティングとしてダックスタンスという両足を反対方向に角度をつけるセッティングが基本となります。
一方でカービング、スピード重視のアルペンスタイルの場合は進行方向に大きめに角度をつけるセッティングが基本です。自分の滑りやすいアングル、スタンスを見つけつつ、滑走技術も上がった段階でジャンルに合わせて調節していきましょう。
スタンサーで客観的に自分のセッティングを知る
最近ではスタンサーと呼ばれる自分にあったセッティングを計測できる機器を保有するショップなどもあります。最適な自分のセッティングを客観的に見つけたい場合には活用してはいかがでしょうか。
スノーボード板の基本的なメンテについて
スノーボードのメンテナンスには自分で行う方法とお店にチューナップを出す方法があります。通常、買ったばかりの板はメンテナンスがされていないので、前方後方部のエッジのダリングやベースワックス、滑走ワックスを塗って滑走性、安全性を高めなければなりません。
このようなメンテナンスで滑走性を高めれば、上達も早くなるはずです。ここからはそんなスノーボード板の基本的なメンテナンス方法について解説します。
初心者でも簡単にできるワックス塗り
春先などはワックスの効果で滑走性の差が顕著に表れる時期です。滑りが悪い、板の引っ掛かりを感じるなど、ストレスの要因にもなり、滑る楽しみよりも疲れる、なんてこともしばしば。
手間と時間は必要ですが正しい知識を持ってメンテナンスをすることで、よりスノーボードを楽しむことができるでしょう。初心者のうちは、ショップなどにメンテナンスを依頼するか、簡易的なペースト、スプレー式のワックスを使用してワックスがけしましょう。
定期的なソールのクリーニング
一見すると綺麗に見える雪面でも実は目に見えない汚れがあります。そんな雪面を滑っているとスノーボード板のソールは汚れていきます。汚れたソールは快適性を低下させる原因にもなるため、定期的にソールをクリーニングしましょう。
クリーニングの際には、リムーバーと呼ばれる専用の洗剤を使用します。やり方は非常に簡単で、リムーバーをキッチンペーパーなどに染み込ませてソールを全体的に拭くだけです。
全ての滑り方につながるフリースタイル
スノーボードのフリースタイルについて紹介しました。スノーボードの全てのジャンルに通じるフリースタイルには、スノーボードをより楽しむ、より上手くなるためのヒントが豊富に隠されています。
スピードを出して滑ったり、かっこいいトリックを決めたり、といったさまざまな楽しみ方ができるのです。自分なりのフリースタイルを見つければ、きっとスノーボードの楽しさが無限大に広がりますよ。
スノーボード初心者の方はこちらもチェック
今回はスノーボードの中でもフリースタイルについて解説しました。フリースタイルとはスノーボードの基本だということが理解できたかと思います。しかし、フリースタイルを理解したからといってスノーボードが楽しめるのかというと、そうではありません。
スノーボードにはその他にも理解しなければならないことが豊富にあるのです。そんなスノーボードを最大限楽しみたい、という方はこちらの記事も参考にしてください。スノーボードを始める上で必要なことが詳細に掲載されていますよ。
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