スノーボードのスタンス幅・角度を調整してみましょう
スノーボードを始めたばかりで、ビンディング(バインディング)の調節の方法がわからないからと、とりあえずそのままで滑っていませんか?この記事ではターンを習得したい「初心者」から脱初心者の方(グラトリやカービングターンをやってみたい人)に向けて、目安となるスタンスの説明をしていきます。基本的な考え方は、キッズや女子スノーボーダーも同じです。セッティングは、初心者の方でも覚えてしまえば難しい作業ではないので安心してください!
スノーボードのスタンス幅の決め方
ボードにどのくらい足を広げて立てばいいのか、体の向きはどうしたらいいのかを考えましょう。身長や筋肉量、キッズや女子、滑り方によってしっくりとくるスタンス幅はそれぞれ違います。絶対にこのスタンス幅にしなくてはいけない!というものはありませんが、なぜ変える必要があるのかを知ると、今の自分にちょうどいいスタンス幅を見つける道しるべになるはずです。初心者、グラトリ、カービングターンの滑り方別に決め方を紹介しているので参考にしてください。
スノーボードのスタンスとは?
ゲレンデでスノーボーダーを見ていると、どちらかの足を前に構えてスノーボードを滑っていますよね。滑っているときの体の向き(足のかまえ方)のことをスタンスと呼んでいて、レギュラースタンスとグーフィーの2つの種類があります。まず1つ目はレギュラースタンスで大多数派で右利きの人に多く、左足を前右足を後ろにして滑るスタンスのことを言います。2つ目はグーフィーといって、右足を前にして滑ります。左利きの人に当てはまることが多いです。
体の向き(スタンス)の決め方
どちらのスタンスを選ぶかの目安は、ボールをける足(利き足)がどちらの足なのかで決めます。自分はどちらの方がけりやすいのかを思い出してみてください。右足でボールをける方が得意という人は、レギュラースタンスを選びましょう。逆に、左足でボールをける方がしっくりくる人はグーフィーを選ぶといいです。または、両利きでどちらとも決め難い人は、まっすぐに立ち後ろから押された時にとっさにでた方の足を、スノーボードの利き足にして試してみるといいでしょう。
スタンス幅を変えると何が違う?
スタンス幅をせまくする
スタンス幅をせまくすると、ひざの屈伸運動がしやすくなるため、下半身をしっかりと使い体重を乗せながらのターンがしやすいです。しかし、自分の体よりも外側に出ている板が長くなるので、板の重みを感じやすなりボードコントロールが少ししづらくなります。また、体の重心が上がることで板の上でバランスが取りづらくなります。カービングターンやパウダースノーの中をすいすい滑りたい人は、スタンス幅をせまくすると滑りやすいでしょう。
スタンス幅を広くする
スタンス幅を広げると、スタンスをせまくした時に比べてひざの曲げ伸ばしはしづらくなり、ひざや腰への負担が増します。一方で体よりも外側に出ている板の長さは短くなるので、板を軽く感じられるでしょう。特にトリック系の動きをするときには板の扱いやすさがあり、また重心が下がることで板の上でバランスが取りやすく、安定感が増します。グラトリなどでトリック系の滑りをしたい人は、スタンス幅を広めにすると滑りやすいです。
滑り方別 スタンス幅の決め方
ターンを習得したい初心者、グラトリ、カービングターンの目安となるスタンス幅の紹介です。ボードの長さは身長でだいたい決められていますが、脚の長さなどでもちょうどいいと感じるスタンス幅は違います。実際に板の上に立ってみてひざの曲げ伸ばしをしたり、滑っているときのイメージを持ちながら全身を動かしてみてください。スタンス幅は、ビンディングの底にある円盤(ディスクプレートと言います)の中心から中心までです。はかり方はしっかりと覚えておきましょう。
スノーボード初心者
ターンに慣れるまでは、初心者さんの目安は肩幅(身長×0.3)、または「推奨スタンス」(板のビス穴の所にマークがあります)で合わせてみるといいです。身長でボードの長さは選んでいるので、肩幅に足を開いてボードの上に立つと、おおよそ推奨スタンスに足がくるのではないでしょうか?肩幅くらいのスタンスにしておくと、ひざの曲げ伸ばしや、体重移動、ボード上のバランスの取りやすさにおいても、それほど不便なく体を使えます。
グラトリにも挑戦してみたい!
肩幅(身長×0.3)よりも少し広めを目安にしてみましょう(+5〜10cm)。広めのスタンス幅にしている理由は、まずは板の扱いやすさです。スピンの先行動作で必要になるノーズやテールのしなりや、板を回すときの動きでは、板を軽く感じられた方が体力的に楽です。また重心を低くして、スピン後の着地を安定させます。いきなり広げてしまうとひざや腰への負担が大きくなるので、初心者のころのスタンスから少しずつ広げるといいでしょう。
カービングターンを極めたい!
肩幅(身長×0.3)〜少し狭め(−5cm)が目安です。カービングターンでは地面に板を押しつけるようにして、板全体をしならせながらターンをしていきます。スタンス幅はせまいと体重がかけやすいです。また、ひざをダイナミックに動かしやすくなるので、下半身と体重を利用したカービングターンがしやすくなります。スタンス幅がせまくなると、ボードコントロールはしづらくなったり、不安定さが増すので、少しずつせばめていくようにしましょう。
ビンディング(バインディング)の角度の決め方
ビンディングの角度を修正してみると、滑りやすさに変化が起きます。何度か数値を変えてみて、ちょうどいいポジションを見つけましょう。角度の決め方は滑りたいスタイルごとに特色があります。自分が目指す滑りに沿った角度を選んでください。ビンディングの角度は、ビンディング本体に刻まれているめもりに、ディスクプレートを回して合わせていきます。+から−まで動かせ、つま先を進行方向にすると+、逆にボードの後ろ方向につま先を向ければ−です。
ビンディングの角度を変えると何が違うの?
前足の角度を大きくする、小さくする
前足の角度を大きくすると自然と体が前に向くので、ターンをするときの目線や肩の先行動作がスムーズです。重心や体重移動もしやすい体勢となるので、ターンのスピードに同調できます。カービングターンや初心者をする人は大きめの角度に設定しましょう。角度を小さくするとスイッチスタンス(前後の足を逆に滑る)にしても違和感が少なく滑れるので、トリックをした時にも安定感がでてきます。グラトリやアイテムを使って楽しむ滑り向きです。
後ろ足の角度をプラスにする、マイナスにする
まず後ろ足の角度をプラスにすると、両足のつま先が進行方向に向くので、体が前向きになります。ひざや体重を使って板全体を地面に押し付けやすくもなるので、ターンをするときに有利です。初心者やカービングターンに向きます。一方で後ろ足をマイナスにした場合は、両足のつま先が反対に向くので、体勢が不自然になりひざや腰への負担を感じます。スイッチスタンスで滑る場合はスムーズに動けるでしょう。グラトリなどのトリック系の滑り向きです。
滑り方別 角度の決め方
スノーボード初心者
前足+15°〜21°/ 後足+3°〜6°
ターン習得にはげむ初心者さんは、ターンがしやすいように両足のつま先を進行方向にそろえてください。すると、体が自然と前に向くので、ターンをする時のきっかけの動作を見つけやすくなります。ひざも十分に使えるので、体重を入れたり抜いたりもしやすいです。上達に合わせて他のスタンスへと変更していくことも考え、後ろ足はあまりきつい角度にはしないでおいた方がすぐになじめます。
グラトリに挑戦したい
前足+9°〜15°/後足0°〜−12°
後ろ足を−の角度にします。普段のターンをするときには意識的に体を前へと向かせて滑ることになるでしょう。後ろ脚のひざや腰は前方にひねった体勢となるので、負担は感じます。スイッチスタンスになっても、レギュラースタンスのときとのギャップは少ないので滑りやすさはありますが、スイッチスタンスでのターン練習は必須です!後ろ足の角度は、0°あたりを目安に徐々に広げ、いい塩梅の角度を見つけましょう。
カービングターンを極めたい
前足+18°〜24°/後足+6〜9°
両足とも初心者の設定よりも角度をプラスにつけましょう。つま先の角度がより前方に向けてついているので、進行方向に体を向けやすくなります。後ろ足も前に向いているので、よりひざの曲げ伸ばしをスムーズに行うことができるし、体重を乗せた滑りがしやすいです。エッジをしっかりと使いながらのターンがうまくできるようになれば、スピードに乗せて気持ちの良い滑りを楽しむことができますよ。
まとめ スタンス幅 / 角度の目安
- 初心者
スタンス幅:肩幅(身長×0.3)
角度:前足+15°〜21°/後足+3°〜6° - グラトリ
スタンス幅:肩幅(身長×0.3)+5〜10cm
角度:前足+9°〜15°/後足0°〜−12°
- カービングターン
スタンス幅:肩幅(身長×0.3)〜−5cm
角度:前足+18°〜24°/後足+6〜9°
スノーボードのセッティングをしてみましょう
ビンディングのセッティング作業にとりかかりましょう。文章だけだとわかりづらいと思うので、動画などを見ながら一緒にセッティングをしていくとよくわかります。ビンディングのビスの取りつけ取り外しには、必ず+3サイズのドライバーを使用してください。他のサイズのもので代用していると、ネジ山が潰れたりなめってしまい、きちんと板とビンディングを固定できなくなってしまうかもしれないので、使う道具には十分注意を払いましょう。
準備するもの
- スノーボード
- ブーツ
- ビンディング
- ドライバー(+3)
- メジャー
セッティングのやり方
まずボード上でスタンス幅を合わせ、ビンディングをどのビス穴につけるとちょうどいいかを確認します。ビンディング本体のメモリとディスクプレートの矢印を動かし角度を合わせたら、ビンディングの穴とビス穴をそろえてください。ビスを軽くとめ(仮どめ)ビンディングにブーツをきちんと履かせてつま先とかかとがボードから出っぱり過ぎていないかを確認します(センタリングの確認)。最後に、仮どめにしていたビスをしっかりしめましょう(ビスは対角線にしめていく)。
さいごに
スタンスの決め方のポイントは、今の自分のレベルとどんな滑りをしたいかをはっきりさせることです。そしてそれに合うセッティングで滑ることができると、スノーボードが今よりも上手になります。少しずつスタンスを変えてみると、だんだんと自分にとっての滑りやすさ、滑りづらさがわかってくるでしょう。そうした感覚を知っていくこともスノーボードの技術向上につながっていきます。セッティングをしっかりと理解をして、今よりもっとスノーボードを楽しみましょう。
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