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立山の登山コースおすすめ4選!初心者にピッタリの日帰りコースをご紹介!

立山に日帰りで登山するとなると初心者向きでは室堂から一の越を経て雄山に登り、同じ道を戻るコースに限定されます。ここでは立山山麓のトレッキングやハイキングも含めて初心者向きの日帰り可能な登山コースとして紹介します。また、室堂までの入山ルートについても説明します。
2020年10月14日
aakm.yamada
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まず、立山について

Photo byKANENORI

立山は北アルプスの北方の富山県にある3000m級の山ですが、実は一つの山の名前ではなく、標高3003mの雄山(おやま)、3015mの大汝山(おおなんじやま)、2999mの富士の折立(ふじのおりたて)の3ツの峰を総称して立山と呼ぶのです。一般的には、立山に登ったと言えば室堂から一番近い雄山に登ったことを意味し、立山の主峰といえば標高の一番高い大汝山ではなく雄山を指します。雄山は立山を代表する山といえます。立山は山岳信仰の山で日本三大霊山の一つでもあります。

北アルプス

北アルプスは正式には飛驒山脈(ひださんみゃく)といい、富山県、新潟県、岐阜県、長野県に跨って連なる山脈で広大な山岳区域を持っています。北アルプスには最高峰の奥穂高岳(3,190m)のほか、槍ヶ岳、乗鞍岳、白馬岳、立山、剣岳などの有名な山々が含まれます。

立山山麓の広大な平原

立山の西側山麓にはなだらかで広大な平原が広がります。立山山麓の室堂平、その西側に続く天狗平と弥陀ヶ原高原、さらに西側の美女平へとつながっています。それぞれ簡単に紹介しておきましょう。なお、これらの全平原のマップが1枚のマップとして見られます。下のリンクのサイト内で「03マップ」を探してみてください。

おすすめコース紹介 - [立山満喫]美女平から室堂へ1泊2日コース|歩こう立山
「歩こう立山」おすすめコース紹介[立山満喫]美女平から室堂へ1泊2日コースです。

室堂平

室堂平の標高はおよそ2,450m程度です。立山黒部アルペンルートのターミナルがあり、富山方面と大町方面からの観光客のあつまる観光の拠点となっています。周囲を見渡せば、剱岳、立山三山、大日連峰の3,000m級の雄大な山々が迫ります。立山火山の火口湖で湖面の澄んだ「みくりが池」や、火山活動の噴煙をあげ続ける「地獄谷 」を見ることが出来、立山山麓の日帰りトレッキングにおすすめの場所です。

弥陀ヶ原

弥陀ヶ原は富山県側から入る立山黒部アルペンルートの美女平から室堂への途中にある標高2000m前後の高原です。「餓鬼の田圃(がきのたんぼ)」と呼ばれる池塘が散在して高山植物が咲き乱れる湿原が広がります。この一帯は「立山弥陀ケ原・大日平」として、ラムサール条約(水鳥の生息地として重要な湿地の保全に関する国際条約)にも登録されています。

美女平

美女平は標高1000メートル前後の場所にあります。樹齢200年を超えるブナの巨木が茂る豊かな森林地帯です。美女平の西端には、下の立山駅から発車する立山ケーブルの上の駅の美女平駅があり、ここが室堂行のアルペンルートのバスの始発駅にもなっています。この高原バスは例年4月中旬から11月末までの期間運行されます。

初心者におすすめの日帰り立山登山:雄山登山コース

初心者が日帰りで立山に登山するとなると、おすすめのコースも期間も限られます。室堂ターミナルを出発し、一の越を経由して雄山頂上に登り、そこから同じ道を戻って室堂まで至るコースが基本です。コースタイムは正味で登り2時間、下り1時間30分、往復3時間30分で、初心者でも問題ありません。富山駅または大町駅から一番早い便で室堂に着き、最終便で帰ると室堂滞在時間が7時間以上確保できますので、日帰りが可能です。なお、初心者に適した登山の期間は7月後半から8月末の夏山シーズンの期間です。

コース説明

標高2,450mの室堂ターミナルから室堂山荘を経由して一ノ越(2,692m)までは、ゆるやかで整備された登山道を約1時間歩きます。途中、夏でも雪渓が残っていることもありますので、その場合は注意しながら通過して下さい。一ノ越には山荘と公衆トイレ(有料)があります。一ノ越から雄山の頂上(3,003m)までは、岩場の急登となりますが途中から槍ヶ岳や笠ヶ岳が見えてきます。一ノ越から神社がある山頂までは1時間ほどで到着します。山頂からは同じ道を戻りますが、足元に注意して下りましょう。
 

雄山山頂


雄山山頂には雄山神社峰本社があります。展望が良く、天気がよければ遠く富士山、白山、御嶽山や近くは黒部川の源流まで望める360度の大パノラマを楽しめます。マップを広げて、マップ上の山を自分の目で確かめるのもおすすめです。7月1日~9月30日の期間には、社務所でお守りや登山バッヂなども売っており、参拝料を納めるとお祓いを受けた後に御神酒が振舞われます。

初心者におすすめの日帰り立山登山:縦走コース

主に山の稜線を歩く立山三山縦走は別山の方へ続く縦走路やその先に剣岳が見え、西方には大日連峰が、その下には室堂平の全景が見える展望のすばらしさが大きな魅力です。しかし立山三山の縦走コースは初心者が日帰り山行するのは可能ではありますが、時間的にも技術的にもかなりきびしくお勧めできません。縦走の気分を味わうコースとして、雄山から次の大汝山まで縦走して同じ道を戻るコースをおすすめしたいと思います。コースタイムは雄山登山コースに40分加えた4時間10分です。

雄山~大汝山日帰り縦走コース説明

室堂から雄山までは先の記録を参照してください。雄山から先について解説します。雄山頂上からは大汝山方面は緩やかな下りになります。眼下に室堂平が箱庭のように見えます。ゴロゴロした石だらけの細い縦走路はやがてアップダウンを繰り返すようになり、大汝休憩所が見えてきます。ここから山頂まで急登ですがすぐです。雄山頂上から20分程度の行程です。帰りは同じ道をたどって室堂まで戻ります。

大汝山山頂

Photo by kikmoyoo

標高3,015mの山頂は岩だらけでスペースは狭く10名程度でいっぱいになります。山頂から剱岳や奥大日岳が見えます。黒部湖も見えます。天候が良ければ剱岳を背景にした山頂の写真が撮影できます。なお、山頂直下にある大汝休憩所は7月上旬~9月下旬の期間のみ営業しています。

初心者におすすめの日帰り立山登山:室堂平トレッキングコース

室堂バスターミナルを起点に室堂平の主なポイントである、みくりが池、地獄谷、雷鳥沢キャンプ場、室堂小屋、などを回る3時間弱の立山山麓トレッキングコースを紹介します。時間の制約や体力的な面からこのコースを短縮することも可能です。雷鳥沢までは行かずに雷鳥荘で引き返す案、みくりが池から先には行かず、みくりが池を周回してみどりが池、室堂小屋に向かう案などが考えられます。

コース説明と主なポイントの説明

コースとしては、室堂ターミナルーみくりが池展望台ーエンマ台ー雷鳥荘ー雷鳥沢キャンプ地の順に進みます。戻りはエンマ台までは同じ道を戻り、みくりが池展望台への途中から、来た道と分かれてーみどりが池ー室堂小屋ー室堂ターミナルへと戻ります。所要時間はトータルで正味2時間30分~3時間です。立山連峰と大日連峰がまじかに見え、アップダウンもあるコースでトレッキングの名前にふさわしいコースです。

室堂平周辺マップ

出典:https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/25126/CUSTOM/G25126120223140611.html

上のマップにはコース説明のポイントの「みくりが池展望台」と「雷鳥沢キャンプ地」の名前がありませんが室堂周辺部も含めてわかりやすいマップになっていますので載せました。なお、地獄谷の周遊コースがマップには記載されていますが、現在(2020年)地獄谷は立ち入り禁止になっていて入れません。

室堂ターミナルからみくりが池展望台

トレッキングに不必要な荷物がある人は室堂ターミナルにコインロッカーがありますので預けると良いでしょう。ターミナルのすぐそばに「立山玉殿の湧水」があり、おいしい冷たい水が湧き出ています。ここで水を補給してから「みくりが池方面」に遊歩道を歩きます。すぐに「みくりが池」が見えてきます。しばらく進むと道が分岐しますので、左折してみくりが池の西側を歩きます。ターミナルを出発してから20分ほどでみくりが池全体が見渡せる展望台につきます。

みくりが池

みくりが池は約1万年前の立山火山の噴火でできた火口湖です。周囲630m、水深15mの小さな湖ですが、湖面がきれいで湖畔にはハイマツが生えライチョウが生息しています。展望台を過ぎてしばらく進むとみくりが池温泉があります。この温泉は、日本一高所にある天然温泉で、源泉は地獄谷にあります。無加水、無加温で白く濁るかけ流しで男女別に展望内湯が一つずつあります。従来日帰り入浴ができたのですが、2020年7月現在中止となっています。

みくりが池展望台から雷鳥荘まで

みくりが池展望台を出発し、みくりが池温泉を通過すると道の分岐点に来ますので左に道をとります。右に行くとみどりが池方面です。しばらくすると硫黄のにおいがしてきます。進路左側の地獄谷から来ます。地獄谷を一望できるエンマ台(展望台)を通過し、りんどう池を回り込んで雷鳥荘に到着です。ここまで途中休憩がなければ展望台出発から約20分の行程です。


エンマ台(展望台)

地獄谷展望台とも呼ばれるエンマ台(展望台)はみくりが池温泉の近くの高台にあります。地獄谷全体を間近に見下ろすことができます。また、地獄谷と反対方向には立山連峰が見え、雄山の中腹には氷河によってできた山崎カール(圏谷)が眺められます。ここから見る山崎カールはスプーンでえぐられた様な地形がはっきりとわかります。なお、山崎カールは国の天然記念物に指定されています。

雷鳥荘

らいちょう温泉/雷鳥荘は高台にある大きな建物で53室260名の収容能力です。この場所からは色とりどりのテントが密集している雷鳥沢キャンプ場が見下ろせ、また左手には地獄谷が見えます。温泉の湯量は豊富(かけ流し)で展望浴場からは雄大なパノラマを楽しめます。なお、雷鳥荘では日帰り入浴も可能です。

雷鳥荘から雷鳥沢キャンプ場

雷鳥荘からキャンプ場のある雷鳥沢の平地までは約40分間の下りです。途中石段が続く急な下りの場所もあります。雷鳥沢キャンプ場は室堂での唯一のキャンプ場で剣岳を目指す登山家、立山縦走や大日連峰に向かう登山家、室堂周辺をトレッキングする人などの色とりどりのテントが並びます。キャンプ場周辺は高山植物の群生地です。踏み込んだりしないように気を付けましょう。

雷鳥沢から室堂ターミナルまで(帰路)

雷鳥沢から雷鳥荘、エンマ台までは同じ道を戻ります。エンマ台の先で分岐点があり、来た時の道と分かれて血の池やみどりが池の方へ向かいます。エンマ台から10分ほどでみどりが池、さらに15分ほどで立山室堂山荘です。隣に日本最古の山小屋とされる簡素な作りの立山室堂があります。ここから室堂ターミナルまでは15分です。

立山室堂

立山室堂は修験者が宿泊または祈祷を行った堂で、そのご立山に登拝する宗教登山者の基地/山小屋となりました。美女平の立山スギが建材として使われています。この建物は「室堂小屋」あるいは「立山室堂」と呼ばれ、国の重要文化財に指定されています。室堂山荘が隣接地に新築され、山小屋として使われていた室堂小屋の建物は大規模な復元修理が行われ、保存されています。現存する建物の原型は加賀藩の援助で18世紀に建てられたものです。

初心者におすすめの日帰り立山登山:弥陀ヶ原ハイキングコース

トレッキングとは?ハイキングとは?

ハイキングコースを紹介する前に、トレッキングとハイキングについて解説します。トレッキングとは海外では、「ロープやアイゼンなどの登山用具を使用する登山や岩登りのことを登山といい、特別な道具を使わない普通の登山はトレッキング」といいます。日本では「山頂を目指すのではなく、山の中や山麓を歩くこと」をトレッキングと呼ぶことが多いです。ハイキングは海外ではあまり使われない言葉ですが、日本では自然の風景や景観を楽しむために軽装備で、一定のコースや距離を歩くことをいいます。

室堂ハイキング

前項で紹介した室堂トレッキングのコースでも雷鳥荘や雷鳥沢をカットした「みどりが池」を周回するだけのコースを考えると大きなアップダウンがなく楽に歩けます。このプランであれば「室堂ハイキング」と言っても良い様にも思います。
 

弥陀ヶ原ハイキングコース

弥陀ヶ原については最初の方で紹介しましたが、ラムサール条約に登録された湿地帯です。美女平発室堂行の高原バスで途中駅の弥陀ヶ原で降りると目の前に弥陀ヶ原ホテルがあります。ホテルの左側の入り口を起点に湿原に敷かれた木道を歩いて40分程度で周回できる内回りコースと1時間半程度で周回する外回りコースの2ツのモデルコースがあります。なだらかな高原の木道ハイキングでは点在する池塘とワタスゲやゼンテイカなどの高山植物が楽しめます。一番のおすすめ期間は6月、7月です。なお、コースマップ(エリアマップ)は下のリンクに載っています。

弥陀ヶ原を散策する|おすすめの楽しみ方|弥陀ヶ原ホテル【公式サイト】
弥陀ヶ原ホテルのおすすめの楽しみ方(弥陀ヶ原を散策する)についてご紹介いたします。

立山登山の入山ルートと所要時間


立山登山の基地である室堂へ入るルートは富山からと信濃大町からの2ツあります。富山と大町からの交通機関の名前と所要時間を紹介します。
富山側から:電鉄富山駅ー立山駅(51分);立山ケーブルカー立山駅ー美女平駅(7分);立山高原バス美女平ー室堂(50分)
大町側から:アルピコ交通バス信濃大町ー扇沢(40分);トロリーバス扇沢ー黒部ダム(16分);ケーブルカー黒部湖ー黒部平(5分);ロープウエイ黒部平ー大観峰(7分);トロリーバス大観峰ー室堂(10分)
 

室堂着の一番早い便と室堂発の最終便

2020.9.15~11.3 の期間の立山黒部アルペンルート 時刻表によれば、室堂着の第1便は:富山からは9時10分、 大町からは8時55分です。室堂発の最終便は:富山へは16時30分、 大町へも16時30分です。したがって、どちらから入山しても室堂での滞在時間は正味7時間は確保することが可能です。このことを頭に入れて日帰りの立山登山を計画すると良いでしょう。全体時刻表は下のリンクから見ることができます。

立山黒部アルペンルートの 時刻表

初心者の立山登山におすすめの期間、装備、服装

初心者の立山登山に最も適した期間は、7月下旬から8月一杯の夏山シーズンです。 また、夏の立山登山の服装としては、帽子など強い日差しを遮る装備、通気性の良い服装をおすすめします。またこの時期でも立山は標高3000m級の高山ですので天候によっては気温が10度前後となりますのでジャンパー程度の防寒具は装備として用意しましょう。必要な装備品については次に説明します。

必要な装備品

防寒具以外の立山登山のための装備品をリストアップしてみます。まずザック、、足首まである登山靴、厚手の靴下。登山では両手をフリーにしておくべきですのでザックは必須の装備品です。次に雨具上下。日帰りの予定でも万一を考えて懐中電灯も装備します。後は水1Lと携帯食(チョコレートなどの)。そのほか、帽子をかぶり登山マップや磁石も装備することをおすすめします。
 

室堂トレッキング、弥陀ヶ原ハイキングでの装備品

室堂トレッキング、弥陀ヶ原ハイキングのシーズンとしては高山植物が目玉の夏シーズンが6月~8月の期間、紅葉が目玉の秋シーズンが9月中旬~10月中旬の期間となります。夏では服装装備の面では、日差しを避ける帽子をかぶって風通しの良い服装をします。ルートマップも持参しましょう。秋山シーズンでは保温性のある服装、厚めのズボンなどを選びましょう。ジャンバーやジャケットなどの防寒具も装備品に加えましょう。ルートマップも必要です。履物は、室堂トレッキングでは遊歩道が整備されていますし、弥陀ヶ原ハイキングでは、主に木道を歩きますので登山靴よりも厚底スニーカーの方が適しています。
 

おわりに

ここまでお読みいただき有り難うございます。いかがでしたか?

初心者で日帰りできるコースをご紹介しましたが、単独行で雄山頂上まで登る場合については、等高線の付いた登山マップが読めて、2,3回の登山経験がある初心者に限定します。全くの登山経験のない人は経験者と同行登山するか或いは登山ツアーに参加するようにしてくださいね。

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