ノゲイトウ(セロシア)とは
ノゲイトウ(セロシア)はケイトウ属の野生種
初夏から晩秋にかけて開花時期を迎える、雄鶏のトサカのようなちょっと風変わりな、そしてまるで造花のようなトサカケイトウは、皆さんご存じのことと思います。トサカケイトウの他にも花冠や、花穂が異なる色とりどりのケイトウは園芸店の店頭にもよく出回っており、それらのケイトウはケイトウ属の園芸品種です。今回解説するノゲイトウとは、ケイトウ属のなかでも野生種のケイトウです。園芸店でよく見かける園芸品種のケイトウは和名で「鶏頭」と表記しますが、ノゲイトウの和名は「野鶏頭」と書きます。
和名の「野鶏頭」の由来
ノゲイトウの和名はその文字のとおり、野生に育っているケイトウの品種だからです。野生に咲いているキャンドル状の花序をもつケイトウ属の花です。ケイトウの和名「鶏頭」とは、花をニワトリのトサカに見立てた和名です。ノゲイトウは和名に「鶏頭」と付く園芸品種であるケイトウの野生種であるため、ノゲイトウの和名は「野鶏頭」と書きます。
ノゲイトウの学名
ノゲイトウはヒユ科ケイトウ属の植物で、学名はCelosia argenteaと表記されます。学名とはその植物の特徴や性質を表わし、学名はその植物の名前の由来にもなる言葉で表記されています。学名の最初に表記されている「Celosia」という名は、ノゲイトウの別名「セルシア」という呼び名にもなっており、ノゲイトウの学名の最初に表記されている「Celosia」とは、ケイトウ属のすべての種類の総称でもあります。意味はギリシャ語で「燃える、燃焼」という意味です。
学名とは
学名とは世界共通のその植物の名称で、属名と種小名の順に記載されています。学名の中の属名とは、先ほども説明したように、その植物の特徴や性質を表す語であり、その植物の名前の由来にもなっています。また学名の中の種小名は属名を修飾する語が記載されています。キャンドルのような花序のノゲイトウも、同属の園芸品種も、属名は「Celosia」ですが、ノゲイトウの種小名は「argentea」、園芸品種は「cristata」です。ちなみにノゲイトウの学名の種小名「argentea」とは、ギリシャ語で「銀白色の」という意味です。
どの種類も燃えているような花序!
ノゲイトウにしても、その園芸種であるケイトウ属の種類にしても、花のように見える部分は花ではありません。花の房が配列している花序の部分です。これは茎が変形し肥大したものです。ノゲイトウやその園芸種のケイトウの花は、小さく目立ちません。ケイトウの種類は花穂や花冠の違いによってトサカケイトウ、ヤリゲイトウ、羽毛ケイトウ、久留米ケイトウなど様々な種類があります。どの種類も花が「燃えている」ように見える特徴から学名の属名に「Celosia」という語が使われています。そしてノゲイトウの花序は頂点から下に行くにつれ白っぽくなるので、種小名に「argentea」という語で表記されています。
ノゲイトウの特徴
キャンドルの炎のような花序が特徴
ノゲイトウはケイトウ属の中でも花序が細長いのが特徴です。花序の色は薄いピンクや濃いピンク色をしており、まるでキャンドルの炎ように、上部の明るい色からだんだんと銀色へと変化するしていきます。花序はドライフラワーのようにカサカサしていて、茎を切って逆さに吊るしておくだけで、色もあせず簡単にドライフラワーになります。花の後には薄皮のような果皮の中に種子が1個入っている実ができます。
ノゲイトウは自生している野生のケイトウ
ノゲイトウはアメリカ南部から熱帯アメリカが原産地です。現在ケイトウ属は世界各地の熱帯~亜熱帯地方などに数多くの品種が分布しています。日本では関東より西の暖地の道端や畑の端などに野生のノゲイトウが咲いています。開花期間は5月~12月頃。茎は直立しており、50cm~80cmくらいの高さがあります。
ノゲイトウは茎の高さが高い
ノゲイトウの特徴は茎が直立しており、高さがあるのが特徴の1つです。中には高さが1mにもなるものもあります。ノゲイトウは高さがありますが、ほかのケイトウの種類はそれほど高さのあるものはありません。たとえばトサカのような花序を持つトカサケイトウは茎の高さは40cmくらいの高さが普通です。ただ近年はノゲイトウのようにキャンドル状の花序をしている園芸種で、高さのない矮性種の品種も誕生しています。
ノゲイトウの育て方1:種まき
種まきは3月~4月!
ノゲイトウは日本の高温多湿の夏にもよく耐え、初夏から晩秋まで長い期間、花を楽しむことができます。ただ多熱帯植物なので、発芽には20℃~25℃の気温でなければ発芽しません。種子から育てる場合、種まきはその土地の八重桜が終わったころが種まきの目安です。種まきして種子から出てくる根は、直根で地中に深く伸びるので、移植を嫌い、植え替えには弱い種子なので、ポットに5~6粒の種子をまき、種子が発芽したら強そうな苗を残し、間引きして生長させ、幼いうちに植え付けます。種子から種まきするのが心配なら、苗を購入して植え付けするのおすすめです。
初夏なら直まきも可能!
種まきする場合は、4月の中旬~5月の中旬に、種子をビニールポットなどにまき、発芽させて苗を育てて植え替えしますが、気温が暖かくなる初夏なら直まきでも大丈夫です。直まきする場合も、幼い苗を花壇に植え替えする場合も、株間は30cmくらい間を取って植えましょう。鉢植えする場合は、6号鉢に2株くらいが目安です。鉢植えの場合は根がまっすぐ伸びる直根性なので、深さのある鉢を選んでください。茎が高くなってきたら、支柱を立てて支えてあげるのも良いでしょう。
ノゲイトウの育て方2:水やりと肥料について
植え付け時は水はたっぷりと!
ノゲイトウの育て方で大切なのは、苗の植え付けの前後は、たっぷりと水を施してあげることです。植え付け時にはしっかりと水やりしましょう。そのあとは、乾燥がかなりひどい場合でない限り、水やりの必要はありません。
肥料は元肥をしっかりと!
種子から種まきして苗を育てて植え付けるにしても、苗を購入して植え付けるにしても、植え付ける花壇の土壌には完熟堆肥や腐葉土を多めに混ぜ込んで耕しておきます。鉢に植える場合は、用土に市販の草花用の用土を使用すると、すでに元肥となる肥料が含まれているので特に植え付け時に肥料は必要ありません。しかし新しい土を使用するのでないのなら一度ふるいにかけ、土の中に残っていた根などを取り除き、元肥に緩効性肥料を与えて植え付けしてください。そのあとは特に成長が悪くなければ追肥の必要はありません。
ノゲイトウの育て方3:病害虫について
病気は立枯病に注意せよ!
植物の育て方で心配な病害虫についてですが、ノゲイトウは立枯病に注意が必要です。立枯病とは土壌からの伝染病で、土壌の細菌が根や根元の茎部から侵入して、株の生育が悪くする病気です。下葉や茎が茶色くなり、株全体が萎れていきます。
立枯病の予防や対処法について
立枯病の予防は植え付ける前に土壌消毒を行うこと。鉢植えで、市販の新しい用土を使う場合はそれほど心配はいりませんが、以前ほかの植物が植わっていた土を再利用する場合や、他の植物が植わっていた花壇の場所に植え付けする場合は、土の消毒することをおすすめします。園芸店やホームセンターで土壌殺菌消毒の有効剤が売っていますので、それを利用するとよいでしょう。またこの病気は、病原菌が土壌で繁殖してしまうため、花壇などでほかの植物が隣に植わってる場合は、病気になった株は抜き取ってしまいましょう。
センチュウ類やアブラムシに注意!
ノゲイトウはセンチュウ類やアブラムシの被害に合う場合があります。センチュウ類では、体長1mm以下の肉眼では見えないほどの大きさのネコブセンチュウが付きます。特に地上に原因がない場合でも生育が悪くなるのは、ネコブセンチュウが原因の場合があります。予防はマリーゴールドを近くに植えたり、鉢を置くと退治する効果があります。アブラムシは発見したらすぐに取り除き、市販の殺虫剤を撒いて退治してください。
ノゲイトウ(セロシア)の花言葉1:希望の灯
「希望の灯」という花言葉の由来
ノゲイトウの花言葉「希望の灯」とは、一目瞭然!キャンドルの炎のような見た目の印象が由来している花言葉です。ケイトウ属の中で野生種のノゲイトウは色数は少ないですが、花序の形と、花序の先にいくほど濃い色になる見た目の印象、そして花序がキャンドルのような形をしていることが由来し、「希望の灯」という言葉にイメージされているようです。
由来の根拠は乏しい
ノゲイトウの「希望の灯」という花言葉の由来は、キャンドル状の花序が特徴であることだからだという説が多いけれど、見た目の印象から付く花言葉の由来の根拠は、残念ながらとても乏しいのが実際のところです。しかしながら、他のケイトウ属と種類と比較すると明らかに花序は灯のような見た目をしています。
ノゲイトウ(セロシア)の花言葉2:幼い時からの友情
「幼い時からの友情」という花言葉の由来
由来の根拠は残念ながらわかりませんが、ノゲイトウの花言葉に「幼い時からの友情」という花言葉があります。花言葉というのは、その花の特徴や特質で象徴的な意味が含ませた言葉であったり、ギリシャ神話などの古い伝説や神話、誕生説、そしてその花に関連した風習や歴史が由来となるなど、人々の自由な発想から誕生した言葉で表現されています。ノゲイトウの「幼い時からの友情」という言葉の由来は知りたいところですが、その由来は残念ながら根拠がわかりません。
「深い思いやり」という花言葉もある
ノゲイトウの花言葉を調べると「深い思いやり」という花言葉でもイメージされています。この花言葉の由来も根拠はわかりません。ケイトウの種類でも、キャンドル状の花序をしたノゲイトウは「深い思いやり」という花言葉も持ち合わせているで、贈る花に加えるにも最適です。
ノゲイトウ(セロシア)を楽しもう!
ケイトウ属の仲間で、野生種のノゲイトウは、キャンドルの炎のような見た目をしています。花言葉は「希望の灯」「幼い時からの友情」「深い思いやり」です。花言葉の由来については残念ながら根拠の見当たらない言葉がたくさんですが、細長く伸びた花序の姿を見ていると、ふとこれらの言葉が心に浮かぶ節もあります。過去の人々の自由な発想で生み出された詩的な花言葉。ノゲイトウの花言葉を知って、あなたの庭にノゲイトウを種まきしてみませんか。
セロシアのついてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では、セロシア(ケイトウの種類)について他にもまとめています。もっとセロシアについて情報を知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3813193?title=%E3%83%8E%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%A6&searchId=76968515