エアコンの仕組みがわかれば取り付けは簡単
電気線とガス管をつなげばエアコンは動く
エアコンの電気重要部位は本体と室外機の基盤にあり、配線をつなぎコンセントを差せば電気工事は完了です。
エアコン設置工事の面倒な部分は冷暖房に使われる「冷媒ガス」の通路であるガス管を室内機と室外機につなぐことです。あとは結露などで発生する水を外に出す「ドレン」を引くことも同時に施工して、取り付け工事は終了です。
仕組みがわかれば、エアコンを自分で設置するのは難しい作業ではありません。ぜひチャレンジしてみましょう。
エアコンdiy・工具選びのコツ3選
工具選びはエアコン取り付けdiy作業の第一歩
作業に使う工具は何でもよいわけではなく、性能や使いやすさでスピードと仕上がりに大きな変化があらわれます。とくに家庭用エアコンを自分に取り付けるときは重要です。
工具選びもエアコン取り付け工事の大事な1作業と考えて、使いやすく見あった価格の工具を選びをするのが大切です。ドライバー、スパナ、六角レンチ、ペンチなどは自宅に用意されていることも多いでしょう。高所作業では脚立も必要ですので忘れ物のないように注意してください。
①すべての工具をリストアップして分類
クーラーを自分で設置するには専用の工具が必要です。精度の高い工具が理想ですが、全てを用意するとなれば専門業者に工事を頼んだ方が安くすみます。必用だけど滅多に使わない工具であればレンタルという方法もあります。
工事手順と設置場所の状況も考えながら、必要な工具は全て揃えるようにしましょう。工事に使う工具全てと自分で持っている工具をチェックして、足りない工具の準備にとりかかってください。
②必要な必要な特殊工具なども全て追加
クーラーの設置工事には自分で用意できる工具のほかに特別な専門道具が必要です。自分で持っている工具でも精度が高く使いやすい工具が必要になることもあります。工具をリストアップしたら、自分で用意できるものと特別に用意する専用工具に分けて手配しましょう。
真空引きに必要な「真空ポンプ」、労力軽減のための「インパクトドライバー」、配管切断に使う「パイプカッター」、ガス管接続部加工に使う「フレアツール」や「トルクレンチ」は用意しておきたい工具です。
③購入するかレンタルかを選ぶ
自分でクーラーを設置する機会に新しい工具を購入するのはよい選択ですが、特殊な工事用品であれば購入しても使う機会は限られるでしょう。購入するかレンタルにするかは、近くに貸し出し店舗があるかレンタル料金は適正かなど総合的に考えて決めてください。
レンタルは使いやすい工具が多く、「クーラー取り付けや交換に使用」と伝えれば見あった商品を提供してくれます。セットでのレンタルや購入は費用を安く抑えられます。
エアコンdiy・設置前準備のコツ2選
万全な準備がdiy成功のカギ!作業方法と手順を十分にイメージする!!
家庭用クーラーを新規もしくは交換取り付けするときに説明書を熟読するのは当然ですが、他にも準備したいものがあります。
とくにアパートやマンションであれば床を傷つけたりできないので、施工の方法には注意が必要です。設置工事を始めれば多くのゴミも出ますので、施工前にゴミ箱なども用意するなど、エアコン設置のdiyができる最適な準備をしておきましょう。
十分な準備とイメージを深めてから、手順と要領を再確認して最善の方法で施工をしてください。
①配管用の穴とコンセントの位置を確認
家庭用クーラーの設置に配管用の貫通穴とコンセントは必須です。アパートやマンションにはあらかじめエアコン用の配管穴と近くにコンセントが用意されている物件も増えました。お部屋探しの条件の一つに加えるのもよい方法です。
コンセントが近くになければ遠くからも引くけますが、見栄えが悪くなったり他の機器もつなぐとなれば容量オーバーにもなり兼ねません。エアコンを設置するときには、まず配管穴とコンセントが近くにあるかを確認してください。
②配管用の穴がないときは障害物を避けて穴あけ(最後の手段)
新しい家庭用クーラーへの交換では交換前にの穴を再利用できますが、はじめてクーラー取り付けるときに配管用の穴があるのかは大きな問題です。家庭用のエアコンを取り付けるには必ず穴が必要で、穴は専用の工具を使い柱や壁裏に配線などを避けて施工しなければいけません。工事をするときには管理者の許可が必要なため注意してください。
エアコンdiy・手順別作業のコツ11選
1.エアコン据え付けプレートの取り付けのコツ3選
家庭用クーラーの取り付けや交換では、室内エアコン本体を設置したあとに室外機へつなぎます。エアコン本体は壁に直接取り付けるのではなく、本体を引っ掛ける「据え付けプレート」を壁にとりつけてから本体をプレートにセットします。
据え付けプレートの取り付けでエアコンの位置が確定するため、とても重要な作業です。据え付けプレートの取付がゆるいと災害などのときに事故の原因にもなりかねません。諸注意を守り順序にしたがって丁寧に施工しましょう。
①プレートはプレート裏に書かれた通りの場所に取り付ける
据え付けプレートの裏側には細かい位置設定(穴からの距離など)が書かれいるので指示にしたがって施工してください。普通は4点をビス止めしますが、プロの方は上4本と下2本の合計6本をとめます。万が一、1本が抜けたときでも他のビスへの負担軽くなるためです。
新しい家庭用クーラーを交換するときに前のビス穴が残っていることがあります。同じ穴を使用すると強度に不安が残りますので、交換前に使用していた穴を避けて設置しましょう。
②エアコン専用アンカーボルトを使ってプレートをつける
新しい家庭用のエアコンには据え付け用プレートの「固定ビス」が付属されていますが、市販の「アンカーボルト」を使うと頑丈に固定できます。ホームセンターで販売されているので、上4本と下2本で合計6本を購入してください。
アンカーボルトは壁が薄くてもネジを挿入すると裏側の留め具が開いて普通のボルトよりも簡単に強く固定してくれる優れものです。災害や経年劣化による被害がないようにアンカーボルトを使用しましょう。
③プレートは水平が基本!プロは穴側を少しだけ下げる!!
据え付けプレートは「水平器」を使って限りなく水平に取り付けます。プレートに水平器を置きながら、水平な場所を探して取り付け位置を決めてください。
よい場所が見つかったら、アンカーボルトを打つ場所にマジックなどで印をつけましょう。電動ドリルなどで穴をあけてからアンカーボルトを打ちこみ、据え付けプレートを取り付けます。完全な水平はプロでも不可能です。
キーポイントは穴側を少しだけ(1ミリ弱)下げて排水がスムーズになるような勾配をつくることです。
2.エアコン本体の設置と室内の配管・配線のコツ5選
壁に据え付けプレートをしっかりと固定したら、プレートに本体をセットします。エアコン本体はプレート上部に引っかかり、下部はジョイントでカチッとはまる構造です。エアコン本体をプレートにセットする前に、本体の配線や配管の準備を行ないましょう。
本体には強い力が加わると破損する場所もあるので慎重に手順を踏んで作業をしていきます。プレートの位置で本体設置場所が決まるので、上下左右の必要な空間を確保するように考えて設置してください。
①エアコン本体を取り付ける前に本体の配線を完了させる
エアコン本体への配線は太い灰色の絶縁体の中に「黒と白と赤の3本の配線」があり、3本とも細い絶縁体に包まれています。外側の灰色の絶縁体を5センチほど切って中の3本をむき出しにし、各3本の細い絶縁体を15ミリほど切って中の芯線を本体基盤につないでください。
基盤の接続部分に色の表示があるので3本を差し込み、外した逆の手順で保護カバーなどを取り付けます。コンセントのコードは必要な分だけを残すようにテープなどで固定しましょう。
②銅管のフレアー加工がエアコン取り付けの重要ポイント
冷媒が通る銅管は室外機までは届かない長さしかないのが普通です。よって室外機まで届くように銅管とドレンホースを延長します。ホースを延長するのは簡単ですが、銅管をつなぐには片側をフレア加工という方法で、管先を開いた状態に加工する必要があります。
銅管フレア工事のでき栄えがエアコン設置の重要なポイントで、故障の原因の多くが接続部分からのガス漏れです。工具によって仕上がりに大きく差が出ますので工具選びは慎重におこないましょう。
③取り付けセットを購入すればフレアー加工は必要なし
通信販売などでは「クーラー取り付けセット」が販売されており、中にある延長用銅管はフレア加工済みでとても便利です。
セット内容は延長用の銅管の他に、延長配線、保護カバー、穴埋めパテなど必要な道具一式が揃っているものを選びます。長さも50センチ違いで用意されており、ちょうどよい長さのセットを購入すれば、自分でフレア加工をする必要はありません。
④銅管の取り扱いは慎重かつ丁寧に
家庭用クーラーの故障の多くが「冷媒ガス漏れ」で、大きな原因のが銅管の損傷です。保護カバーが付いていても、中の銅管は簡単に折れる弱い商品です。プロでもたまに破損させてしまうので、自分で取り扱うときには十分に注意しましょう。
取り付けのときには銅管を壁に這わせるて障害物を避けるために曲げる必要があります。方向を変えるときは大きな力を一気に加えず、両手で持って少しずつ慎重に曲げていきます。手順通りの施工を丁寧に進めてください。
⑤配線と配管の切れ目は故障の原因になるので完全につなぐ
フレア加工した銅管の先端のみ(ねじ山には塗らない)に「ガス漏れ防止剤」を塗って、もう一方の銅管を繋いでナットを締めていきます。
2つのレンチを使い、一方のみ(室外機側)を既定のトルクで締めてください。つなぎあわせる両方の接続部分を真正面に向けてナットを締めていきます。
最初から上手くナットが回らないときは上手く接続されていない証拠です。もう一度同じ手順でつなぎ直してください。銅管のジョイント不良は冷媒ガス漏れに直結します。
エアコン室外機への接続と真空引きのコツ3選
室内エアコン本体の設置がおわったら、貫通穴から配管や配線を通して室外機につなぐ施工をします。配線や冷媒ガス配管および水出しドレンは最後にまとめて保護テープできれいにまとめますが、施工がしやすいようにビニールテープなどで仮止めしておくと作業のときに便利です。
つぎに延長した配管や配線などを室外機につなぎ、室外機の中にある不要な水分や空気を取り除くために「真空引き」という方法を使って冷媒ガスの導線を掃除します。
①配線と配管はねじれがない丁度よい長さで
配線も配管も「ねじれ」のないように向きを揃えてつなぐと仕上がりがきれいです。配線の接続部分が、黒・白・赤の順番ならば、配線も同じ向きにあわせる簡単なことで、ねじれを防止して接続不良を防ぎ見栄えも見違えるほどにかわります。
水抜きドレンホースは長さが重要です。床に届かないギリギリの長さで切断します。床に届いてしまうと切り口から虫や異物が混入し、中が詰まって水漏れをひきおこします。長さや向きには意味があることを覚えておきましょう。
②真空引きは専用の機械を使うのが基本
真空引きは「真空ポンプ」という特殊機器を使って、配管内に残留している空気や水を抜く作業です。空気や水が残っていると、冷媒ガスと反応して不具合をおこし故障につながります。最悪のときはガス全ての交換が必要です。
「エアパージ」という正式に認められていない方法も紹介されています。新品のエアコンには冷媒ガスが多めに充填されているため、余分なガスを送り込んで空気や水を取り除く簡単な方法ですが、中古品への交換などには利用できません。
③ガス漏れチェックがOKならば配管と配線を保護
真空引きを終えたら真空ポンプを止めて10分くらい放置し、内部が密閉されているかをチェックします。真空ゲージを見て数値に変化がなければよいのですが、数値が変化するときは空気が流入している可能性があります。原因を追究してください。
ガス漏れチェックで問題がなければ接続は完了です。あとはむき出しにの配管や配線に保護テープ(化粧テープ)を巻きます。巻き方は下から上に巻くのが基本です。上部から雨水が侵入するのを防ぎます。
「ひと手間余分にかける」のがdiyのコツ
余分に手間をかけれれば簡単にきれいな取り付けが完成
家庭用エアコンを正常に動くようにするだけなら、配線や配管を手順通りにつなげば大丈夫です。しかし、せっかく自分で施工するのなら仕上がりにもこだわりたいですね。新規の取り付けでも交換のときも同様です。
きれいに仕上げるには「ひと手間余分に手をかけること」です。次の作業がやりやすいように配線をまとめておくとか、簡単な作業も丁寧に手間をかけると仕上がりは見違えるほどにかわります。配管カバーや穴うめパテも使用し、見た目にもこだわりましょう。
要所での点検作業でミスを早く見つける
ここまでで家庭用エアコンの取り付け作業は終了です。六角レンチで2本のバルブを半時計回りにしてガスを全開すれば準備完了です。(バルブを開く順番はどちらが先でもOK)最も低い温度に設定してクーラーの試運転をしてください。
最後のテスト運転で問題がなければOKですが、要所での点検も大切です。全ての作業が終了してから修正や修繕するには余計な時間と手間を要します。新規取り付け交換にかかわらず、簡単な点検を何度も繰り返しながら作業をすすめましょう。
エアコンdiyはコツがわかれば難しくない
家庭用のエアコンを自分で取り付けることは仕組みがわかっていれば、新規での取り付けや交換でも難しい作業ではありません。ご紹介したエアコン取り付けdiyのコツさえわかっていれば、安心して安全にきれいな仕上がりの作業ができます。
急いで取り付け作業を始めるよりも、施工前に作業方法や手順を理解してイメージすると時間と手間が省けて効率のよい作業ができます。「16のコツ」読んで、エアコンを簡単な方法で美しく設置してください。
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