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天国を飛ぶ鳥の花!?優美で鮮やかなゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方を徹底解説!

観葉植物に分類されていますが、花も咲かせる「ストレリチア」は、鳥が羽を広げて飛んでいる様な花の姿と、エキゾチックな色合いから「極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)」と呼ばれています。インテリアとしても人気のあるゴクラクチョウカの育て方や手入れの方法をご紹介します。
2020年9月22日
Meigen Oka
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ゴクラクチョウカ(ストレリチア)はどんな植物

Photo byEfraimstochter

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の漢字表記は「極楽鳥花」です。学名は「Strelitzia reginaeストレリチアレギネ」」でゴクラクチョウカ科ゴクラクチョウカ属が科目です。学名のストレリチアまたはストレチアの名で流通しています。南アフリカ原産で、原産地では草丈が10mに達するものもあるということですが、通常鉢植えでは60~150cmほどになります。根出葉(株元から直接出す葉)は芭蕉(ばしょう)の葉に似た肉厚で濃緑の葉だけでもきれいですので観葉植物の鉢植えとしても人気があります。花後の花摘みや剪定も必要ですが、生育が旺盛ですので、株分けで簡単に増やすこともできます。

ゴクラクチョウカの特徴

Photo byArtTower

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の開花時期は5月と10月の2回ですが、生育環境によっては季節を問わず花を咲かせることもあります。耐暑性はありますが、寒さには弱いので、日本では温室での栽培とされています。花茎は固く棒状で株元から直立または斜上に伸ばして先端に包葉(つぼみを包む葉)を付けます。ひとつの包葉から複数の花を咲かせる性質もあり、開花すると2週間ほど花持ちが続くことから、切り花としても利用されています。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の種類

ストレリチア属は有茎種(株元から茎を伸ばして葉と花を付ける)と無茎種(葉茎と花茎が株元から別に出る)とに大きく分類されています。南アフリカ原産種は6種あり、その内有形種はオーガスタで正式名はストレリチア・ニコライといい、草丈10mにもなります。大きな葉の姿から生長を抑制させて観葉植物として流通しています。無茎種ではレギネや葉が付かないノンリーフ(交雑種)がありますが、ゴクラクチョウカ(ストレリチア)と呼ばれているのはレギネです。

ゴクラクチョウカ属の主な種類

一般的にはストレリチアという場合レギネを指しています。レギネとノンリーフのユンケアの自然交雑種の「バルビフォリア」はスプーン状の葉が特徴。葉茎が棒針状に生長させる「ユンケア(ジャンセリア)」、近年開発された新品種で、花色が黄色の「ゴールド・クレスト」、オレンジ色が花色の「オレンジ・プリンス」があります。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の名前の由来と花言葉

Photo byAlexas_Fotos

学名「Strelitzia-Banks」は、英国王ジョージ3世の王妃シャーロット・ソフィアの生家「Mecklenburg-Strelitz(メレンバーグ・ストレリッツ)」にちなんだもので、1773年に植物学者ジョセフ。バンクスが南アフリカから持ち帰った際に皇后を敬って付けられたのが名の由来です。英名が「Bird-of-Paradise(天国の鳥)」と呼ばれています。花姿が飛ぶ鳥に似ていることや花色が艶やかで優美なことから極楽の鳥、すなわち「極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)」と名付けられたのが由来です。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の花言葉

Photo byblende12

花言葉は、凛(りん)とした花の立ち姿から「寛容」、花の華麗な花姿から恋に浮かれた様な期分にさせるという意味で「気取った恋」「恋する伊達物」と付けられています。また、華麗で凛(りん)とした姿にちなんで「輝かしい未来」とも付けられていますので、進学、結婚などのギフトにもされています。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その①

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)は、芭蕉の葉に似た特徴的な葉と、トロピカルな花の雰囲気からインテリアグッズのひとつとして人気のある植物です。育て方もそれほど手間を必要とせず、温度管理、病害虫に気をつけ、見苦しくなった花後の花がら摘みの剪定などをこまめに行えば管理しやすい植物と言えるでしょう。植え付け・植え替え、剪定などを含めて育て方や手入れのポイントを挙げてみました。


手入れ法とその時期/育てる環境(場所)

原産が南アフリカですから耐陰性に弱いので、明るく暖かい場所と良い日当たりを好みます。通常室内に置いて育てたりしますが、できれば暖かい季節には、風通しが良く日当たりの良い場所に置くのがベストですが、室内で管理する場合は午前中だけでも日が射す窓際に置きます。夏の高温時は直接日光が当たると葉焼けを起こしますので、カーテンで遮光します。冬季は3℃以上保持できる場所であればOKですが、エアコンの風などが直接当たる場所は避けましょう。植え付け・植え替え、株分けを行った場合は、根が活着するまで30日ほど戸外の風通しの良い半日陰に置きます。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その②

手入れ法とその時期/水やり

Photo by sorarium

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)への水やりは、熱帯地域原産の観葉植物と同じで良いでしょう。また、多肉植物の様に根に水を貯めることができる性質があります。生長期間の4月から10月は用土の表面を指で触ってみて完全に乾いた状態の時に鉢底から水が出るまでたっぷりと与えます。冬季は休眠期に入るので、用土が乾いていても2~3日おいて与える程度で良いでしょう。植え付け、植え替え、株分けを行った時はたっぷりと与えておきます。

適宜な葉水は必要です

Photo byHG-Fotografie

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の葉は大きめで肉厚ですので、適宜葉水をかけてあげると良いでしょう。特に冬季は空気が乾燥していますので、適宜の葉水は必要です。微量要素を含有している葉面活力剤を希釈した水溶液を噴霧すると葉の艶なども良くなります。生長期には時折戸外に出してホースで水かけをしてあげると、埃なども洗い流せて病害虫の予防にもなりますよ。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その③

手入れ法とその時期/植え付け・植え替え

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)は根の発育が旺盛で、放っておくと鉢中でいっぱいになってしまい、根詰まりを起こして生育に影響が出てしまいますので、1~2年に一度は植え替えが必要です。植え替え、植え付けの適期として春は5月、秋は9月末頃に行い、剪定も同時に行うと良いでしょう。株分けをしないで、そのまま植え替える場合は一回り大きな懸崖鉢を用意します。

植え付け・植え替えの手順

Photo byTanteTati

用土は市販の観葉植物用土か、硬質赤玉土(小)5:腐葉土2:パーライト3を混合したものを用意しますが、鉢底には水捌けを良くするために必ず軽石の大粒を敷き詰めます。旧鉢から株を引き抜き、根回りの土をほぐし取り、黒ずんだ根は切り取ります。鉢に1割程度の用土を入れておき、整理した株を入れて用土を根が隠れるまで入れてから、株を少し上に引き上げて用土を足し、ヘラで用土を突いて根の周りに馴染ませます。後はたっぷりと潅水して終了です。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その④

手入れ法とその時期/肥料の施し方

Photo by salchuiwt

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の生長期に肥料を施せば、新しい葉の生育を促し、花付きも良くなります。生長期の5月、6月、7月初旬と秋9月に肥料を与えます。7月中旬から8月の気温が高い時期には肥料は控えます。また、休眠期の冬季にも施肥はしないでおきます。ゴクラクチョウカの鉢植えは室内で管理する場合が多いですから、臭いを発する有機質肥料ではなく、緩効性の固形化成配合肥料(チッソ8:リン酸10:カリ8)を株元から離して、鉢の縁に2ヶ月に1回置き肥します。液体肥料を与える場合は水やりの後、10日に1回の頻度で与えます。


ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その⑤

手入れ法とその時期/増やし方(株分け)

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)を種で発芽させるのは、交配の難しさと発芽率の悪さ、また時間的なロスが大きいことがネックとなりますので、増やす方法として一番良い方法が株分けです。株分けの適期は植え付け・植え替えと同時期の5月と9月です。株が生長し、大株になると鉢中の根もいっぱいに混みあってしまい根腐れを起こしてしまいますから、植え替えを行いますが、同時に株分けをします。その折に剪定して切り取った葉茎や花茎の根株も取り除いて整理します。

株分けの手順

植え付けや植え替えと同様に、鉢から株を抜いて、古い用土と古い根の整理をしたら、最低3株ずつを目安に根元からハサミかナイフで切り込みを入れ、手で少しずつ押し広げて株分けをしていきます。切り分けた株は保護殺菌剤の溶液に2~3時間根の部分を浸けておき、その後、植え付け・植え替えの項を参考に鉢に植え付けます。植え付け後はたっぷりと水を与え、30日ほど戸外の半日陰に置いて管理します。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その⑥

手入れ法とその時期/株の整理(剪定方法)

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の剪定とは、樹木や他の植物に行う剪定とは少し趣が違います。葉が枯れた状態の時に根元から切り取りますが、そこから新しい葉茎が出ることはありませんから、株分けの際にその部分を根ごと取り除いて株を整えます。花がら摘みの剪定として、蕾(つぼみ)から3~5輪の花を咲かせますが、咲き終わった花から取り除きます。一通り咲き終わったら花茎を株元から切り取る剪定をします。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)の育て方その⑦

手入れ法とその時期/病気

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)は病気には比較的強い植物ですが、注意したいのは水捌けが悪く鉢中が加湿状態になっていると根腐れを起こしやすく株自体に影響がでます。また、肥料過多によって葉に黒い斑点が生じたり、真夏の直射日光に当たって葉焼けを起こすことがあります。未熟の有機質肥料を与え、温室の様な締め切った室内での場合、発生したアンモニアガスによって葉に黒い斑点が生じ、放置すると枯死する場合があります。株元から離して施肥すれば影響はありませんが、観賞用として室内に置く場合は化成肥料を使用した方が良いでしょう。

手入れ法とその時期/害虫

Photo bybarmalyanich

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)に発生する害虫には、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、ナメクジなどがあります。風通しが悪かったり、日光もあまり射さない場所に置くと発生しやすくなります。常に観察することが大切で、発見次第処理する必要があります。

アブラムシ

花芽の先などに無数の緑色、または黒色の点が付いているのを見つけたらアブラムシです。放置すると養分を吸汁して花芽を弱らせてしまい、見た目も悪くなります。発見次第殺虫剤を噴霧し、戸外に出して水を掛けて落としてしまいます。

カイガラムシ


気温が高く乾燥する時期に発生します。特に新しい葉の裏などに発生することが多く見られます。白色や茶色の殻(から)を被った小さな塊が点々と付きます。放置すると葉裏全体から茎にまで広がります。なるべく初期の内に発見次第殺虫剤を噴霧して駆除します。葉などにこびりついていますので、歯ブラシなどでこそげ落とします。

ハダニ

最初、葉に黄色っぽい斑点が現れ、葉の色も褪せてきます。症状が広がると葉全体がカスリ状にクモの巣が張った様な状態になり枯死します。これはハダニが発生したもので、他の植物から移ってくるのが原因です。主に温室やハウスで管理している場合が多く発生します。初期のうちは殺ダニ剤の散布をするか、葉茎を切り取って廃棄処分します。一般家庭ではあまり心配いりませんが、葉水などをこまめにかけてあげると予防できます。

他の害虫

他には、いつの間にかナメクジが発生したりします。戸外で水かけなどをして、そのまま放置すると鉢中に忍び込んできます。新芽などを食害することと、這いまわった後の白い痕跡が見苦しいですよね。見つけたら割りばしなどで駆除shます。市販のナメクジ駆除剤をばら撒いて予防します。蟻(アリ)も鉢中に巣を作る場合がありますから、殺蟻剤などで駆除します。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)育て方のポイント

Photo byCapri23auto

耐陰性のあるゴクラクチョウカ(ストレリチア)は、寒さにも5℃以下にならなければ暖地であれば戸外でも育てられる丈夫な植物です。但し、南アフリカ原産といえども戸外で真夏の直射日光に当てるのは厳禁です。

花が咲かない、葉が丸まってしまう?

花が咲かない理由としては、日光が当たらないと花付きが悪くなりますので、室内に置く場合でも窓際の日当たりの良い場所がベストです。葉が丸まってしまうのは、根詰まりが原因や、葉が乾燥していることがあります。適宜葉水を与えることと、植え替えは必要です。葉に切れ込みが入るのは問題ありませんが、見苦しければ植え付け・植え替え時や剪定の折に株元から切り取ってしまっても良いでしょう。

まとめ

Photo byblende12

すらりと伸びた葉茎と肉厚の芭蕉形の葉など、全体のフィルムがすっきりとしていることから、鉢のデザインも工夫をすればインテリアの一部として十分機能することでしょう。ゴクラクチョウカという名前からも優美さを感じるものですが、その育て方や手入れ、剪定などをご紹介してみました。

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)についてはこちらもチェック!

ゴクラクチョウカ(ストレリチア)や観葉植物についてなど「暮らし~の」のWEBマガジンでも興味深い記事がありますので、ぜひ訪れてみて下さい。

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