クロスバイクの命のチェーンは自分で交換
クロスバイクのチェーンを自分で交換したことがある方はいらっしゃいますか。クロスバイクのチェーンは消耗品であり、定期的なメンテナンスと交換が必要な部品ですが交換したことがある方は少ないでしょう。
クロスバイクのチェーンは動力を伝えるクロスバイクの命であり、劣化したチェーンでは上手くギアチェンジができず、周辺の部品にまで悪影響を与えます。
クロスバイクのチェーン交換は、自転車屋に頼まず自分でできる作業です。ぜひ正しい方法で取り付けてみましょう。
クロスバイクのチェーンは消耗交換品
消耗品のチェーンは定期点検と交換が必須
クロスバイクのチェーンは動力を伝える重要な部品ですが時間とともに劣化する消耗品です。チェーンは切れてしまえば自転車は動かなくなる「クロスバイクの生命線」であり、メンテナンスをせずに長期間放っておけば、クロスバイクの寿命までも縮めてしまう重要な部品です。
メンテナンスの頻度を増やしてチェーンの寿命を延ばすことは可能ですが、劣化の進行は止められないため、自転車の点検時にチェッカーなどをつかい、チェーンが劣化によって伸びた長さを見てください。
クロスバイクは寿命を待たずにチェーン交換しよう
クロスバイクチェーンの寿命は、走行距離で3000キロメートルから5000キロメートルだといわれています。寿命がくるとギアの入りが悪くなったり、接触する部品なども傷めることにもなるため、兆候があらわれる前に早く自分で交換しましょう。
自転車の手入れ方法や乗り方、チェーンの太さや種類によっても寿命は変わりますが、早期の交換が愛車を長持ちさせる第一の方法です。
クロスバイクのチェーン劣化を見逃すな
自分でギアチェンジに違和感を感じたときには、既にチェーンは伸びきっています。伸びきっているとは言っても新しいものと比較すれば5ミリメートルほどの長さですが、5ミリメートルの小さなたるみは自転車のチェーンにとってはトラブルとなる致命傷です。こまめに自分でメンテナンスをして、チェーンの劣化を見逃さないようにしましょう。
クロスバイクの交換用チェーン選び
チェーンの太さは3種類
チェーンには「1/2×1/8」や「1/2×3/32」という表記があります。「1/2」はチェーン1リンクの長さ(ピッチ)を表し単位は「インチ」です。
1インチは25.4ミリなので、ピッチの「1/2インチ」は12.7ミリメートルという意味であり、「1/8」や「3/32」の数字はコマの内幅の長さで単位は同じインチです。
1/8インチは3.3ミリ(JIS規格)、3/32インチは約2.38ミリで、1/8より3/32のチェーンのほうが幅は狭くなります。
リンクとコマとピッチ
単位 | 意味 | |
---|---|---|
リンク | 個 |
チェーンを構成する「ひょうたん型の個体1つ」 |
コマ | 個 |
内リンクと外リンクの組み合わせで「1コマ」 |
ピッチ | インチ |
1リンクにある2つの穴の中央を結んだ長さ |
レギュラーチェーンとナローチェーン
一般に1/8チェーンは単速自転車や家庭用自転車に取り付けされ、3/32のチェーンは多段変則機能のついた自転車用に取り付けられます。自転車の変速機は日々進歩しており、スプロケットの歯数が増えたためチェーンの幅を狭くしました。
チェーンの内幅に大きな変更はありませんが、外幅は8.2ミリから7.2ミリまで縮小されました。8.2ミリ幅の種類を「ナチュラルチェーン」と呼び、7.2ミリ幅の超多変速自転車用に改良した種類は「ナローチェーン」と呼びます。
自分のクロスバイクに最適な種類のチェーンを選択する
チェーンはクロスバイクにあった種類のものを取り付けなくてはいけません。クロスバイクの後輪にはギア数分の歯車を重ねたスプロケットが取り付けられ、チェーンが歯車を移動して変速機能が稼働します。ギア数が多く改良されたスプロケットは厚くなり、1段ごとの歯車を薄くしました。
ギア数が多く歯が薄いスプロケットを「薄歯」、ギア数が少なくて歯の厚いスプロケットは「厚歯」といい、薄歯には細い3/32チェーン使用し、厚歯には太い1/8を取り付けています。
繋ぎ部品の付属も確認
自分のクロスバイクにあうチェーンを選んだら、チェーンの両端を繋ぐ部品が入っているかも確認しましょう。「ミッシングリンク(スマートリンクとも呼ぶ)」や「コネクトピン」というのが繋ぎ部品の名称で、1種類でも付属されていれば十分です。繋ぎの部品は小さいので、捨てたり失敗したときには再購入となるので注意しましょう。
クロスバイクのチェーン選びは、チェーンの太さと繋ぎ部品の付属を確認します。チェーンの種類は装着されていたものと同一品が最適です。
クロスバイクのチェーン交換に使う工具
必要な工具と部品はチェーンの外し方と繋ぎ方で違う
チェーンは丸めて売られていますが、伸ばせば1本のひも状です。ギアに噛ませて両端を繋ぐ必要があります。チェーンの繋ぎ方には「ミッシングリングを使用した繋ぎ方」と「コネクトピンを使用する繋ぎ方」の2種類があり、各々の繋ぎ方で用意する工具と部品がかわります。
チェーンの繋ぎ方や外し方は難しい作業ではありませんが、慣れないと専用の工具を上手く使えないこともあります。余ったチェーンで何度か外し方と繋ぎ方を繰り返せば誰でも覚えられるでしょう。
ミッシングリンクを使うときの工具と部品
用意する工具と部品など
- チェーン(表裏のあるものとないものがある・1000円~3000円)
- ミッシングリンク(2個で700円程度・取り外し工具付きも)
- チェーンフック(500円程度・ハンガーなどを使って自分で作っても可)
- チェーンカッター(1000円~1500円)
ミッシングリンクプライヤー(700円~)
- 手袋(油が染みないものが使いやすい)
- ウエス(布切れ・多めに用意)
コネクティングピンを使うときの工具と部品
用意する工具と部品など
- チェーン
- コネクトピン(3本で800円程度・使うのは通常1本)
- チェーンフック
- チェーンカッター
自転車屋に支払う工賃1回分で工具を全て揃えよう
自転車屋にクロスバイクのチェーン交換を頼むと、チェーン代金の他に工賃として2000円程度を請求されます。チェーン交換を自分でおこなう道具や部品は、ちょうど2000円程度で売られており、1回自分でチェーンを取り付ければ元が取れる計算です。
2回目からは工賃が浮くのでコストの削減にできますし、工具はメンテナンスや非常時にも役立ちます。クロスバイクのチェーン交換は、慣れれば短時間で終わる簡単な作業です。自分で交換する機会に工具を購入しましょう。
クロスバイクチェーン交換・準備と外し方
⑴交換前の準備・取り付ける新しいチェーンを丁度よい長さにする
新しいチェーンは長めで販売されているため、交換する前に丁度よい長さに切って準備しておきます。チェーンの長さは余程の理由がない限り古いチェーンと同じ長さにするため、同リンク数で揃えるのがコツです。
注意したいのは、繋ぎに使うためのミッシングリンクも数えるのを忘れないことで、1リンクの長さは自転車に大きく影響します。短く切ってしまったときでも修正は可能ですが、新しいチェーンが傷だらけになってしまうので、切る長さには十分注意しましょう。
⑵正しいピンの外し方で古いチェーンを切る
劣化したチェーンの外し方は、チェーンカッターでチェーンピンを押し出して切ります。カッターという言葉からは、チェーンを真っ二つに切断する場面を想像すると思いますが、チェーンのリンクを繋げているピンを抜く作業です。
チェーンピンの切る場所(どこでもOK)をチェーンカッターの中央に置いて固定し、チェーンピンをチェーンカッターで押し出す外し方でチェーンを切断します。チェーンカッターとチェーン両方のピンを一直線に当てて押すのが上手く切るコツです。
⑶チェーンフックを使って外せばチェーンが暴れない
新しいチェーンの繋ぎ方にかかわらず、古いチェーンはチェーンカッターを使って外します。チェーンカッターで外すときには、手製のものでもよいので「チェーンフック」使って、チェーンが暴れるのを抑えながらの外し方で作業をすると安全です。
チェーンの外し方は取り除くだけなので簡単ですが、新しいチェーンを付けるときにプーリーなどへの通し方を忘れて困ることがあります。外し方よりもチェーンの装着していた状態を、しっかりと頭に焼き付けておくようにしましょう。
⑷新しいチェーンを取り付ける
新しいチェーンを取り付けていきますが、稀にチェーンには表と裏の区別をつけている商品があるため、説明書などで確認しながら指示された向きで取り付けてください。
新しいチェーンは前のギアに上部からかけるようにして軽く固定して、取り外し画像などを参考に後ろ側にも通し、取り外しのときと同じようにチェーンフックで留めておくと繋ぎ方へ移行するのに便利で安全です。
クロスバイクチェーン交換・2種類の繋ぎ方
1、ミッシングリンク(クイックリンク)を使うチェーンの繋ぎ方
ミッシングリンクは「クイックリンク」とも呼ばれ、専用の工具がなくても自分で簡単にできるチェーンの繋ぎ方です。
ミッシングリンクの外側と内側の2枚で両端の先端をはさんで繋ぐ方法のため、繋ぐ両端が2つともメスでなければいけません。どちらかがオスならリンクを1つ外して両端をメスに揃えてください。
両端のメスをリンクではさみ、ペンチなどでミッシングリンク内の稼働するピンを移動させて固定します。
ミッシングリンクを使う交換方法は外し方も繋ぎ方も簡単
ミッシングリンクを使ったチェーン交換は、外し方も繋ぎ方も簡単な方法です。ミッシングリンクは数回の取り外し(5回程度)がも可能なため、チェーン自体を取り外して洗浄できます。チェーンにミッシングリンクが付属しているときもあるので、チェーンを選ぶときにはよく見るようにしましょう。
2、コネクティングピンを使ったチェーン交換
コネクティングピンを使ったチェーンの繋ぎ方は、チェーンの外し方と反対の手順でおこなう作業です。
チェーンの両端をオスとメスにして両方を重ねて、重なった穴の中にコネクティングピンを通してチェーンカッターの中央部分に接続部分をのせて固定し、ハンドルを回してコネクティングピンを押し込んいきます。ピンが真っすぐに奥まで刺さったら、はみ出しているピン先を折れば完了です。
チェーン交換の最大のポイントは「チェーンの繋ぎ方」
クロスバイクのチェーン交換で最も重要なのは「チェーンの繋ぎ方」です。チェーンの繋ぎ方によって使う工具や道具もかわり、チェーンを切る長さも違ってきます。
コネクティングピンを使う繋ぎ方が主流でしたが、使い勝手のよさからミッシングリンクを使う繋ぎ方もする人も増えたようです。チェーンに繋ぐための道具(リンクやピン)はチェーンを購入した際についてくることも多いので、自分でおこなう交換方法にあわせてチェーン選びをしてください。
油を塗って試運転
打ち込んだピンの両端が同じ長さであるかを確認し、両手で馴染ませるように動かしててください。馴染んでピンの長さも丁度よくなったら、チェーンとギアの双方に油を差して完成です。
チェーン交換のときには、せっかくチェーンを外して作業をするので、ついでに普段はメンテナンスができない部分を清掃するのもよい方法です。ギアチェンジの重要部品であるスプロケットを車用のパーツクリーナーなどで磨いてあげれば、きっと愛車も喜んでくれるでしょう。
クロスバイクチェーンのメンテナンス
クロスバイクのチェーンは定期的なメンテナンスが必要です。まずは「チェーンに油を差すこと」だけで、チェーンの寿命が延びよい状態が長持ちします。
チェーンはメンテナンスをしても消耗が避けられない部品でもあります。チェッカーと呼ばれるチェーンの伸びを測定する器具が売られています。チェーンに上からかぶせて嵌めるだけで、チェーンの交換時期を早期に知り得られるため、購入してメンテナンスの一環としてチェーンの伸びを確認するのもよい方法です。
チェーンは定期チェックで早めの交換を!
クロスバイクのチェーンは走行距離と使用期間によって劣化する部品です。使用の仕方やクロスバイクの保管方法によって、個々に交換時期も変わります。ギアを変えたときに異音や違和感を感じたときは既に交換時期を過ぎていると考えられます。
クロスバイクのチェーンが劣化した状態で走行を続けると、他の部分まで傷めてしまいます。定期的なメンテナンスでチェーンの劣化を見極め、早めのチェーン交換で愛車を長く健康に保ちましょう。
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