鋸山の登山は初心者にもおすすめ!
鋸山は、千葉県の房総半島の南部に位置します。正確には、千葉県安房郡鋸南(きょなん)町と富津市の間にあり、標高は329.4mと低山ではあるものの、海岸線に近いため、頂上からは館山や東京湾の開けたすばらしい景色が見られるほか、富士山や伊豆大島まで見渡すこともできます。鋸山の登山コースはいろいろあり、徒歩でのハイキングのほか、車道からドライブでも、ロープウェイから空中散歩でも、頂上に向かうことができます。そんな鋸山は、ハイキング初心者の方でも気軽に散策でき、見どころも多く、観光地としても魅力がたくさんあります。今回は、鋸山へのアクセス方法や駐車場の場所、登山道の入口の情報、ハイキング時間、難易度別んのコース、さらには周辺のおすすめの観光情報など、鋸山登山に必要な情報をご紹介したいと思います。
快適な登山のために鋸山を知ろう!
鋸山の正式名は乾坤山(けんこうざん)といいます。乾坤山は日本寺の山号で、境内は鋸山に広がります。鋸山は凝灰岩でできた山で、建築資材に適していたことから、古くから採石が盛んに行われていました。このため、山肌が鋸の歯のように見えたことから、鋸山の名がついたとされています。自然保護規制が強化されたことで、1985年の採石を最後に、現在は観光資源として利用されています。鋸山は、江戸期の日本名山図会や、日本百低山に数えられています。
鋸山
- 住所〒299-1901
千葉県安房郡鋸南町元名 - アクセス【電車】JR「浜金谷駅」から「ロープウェイ山麓駅」まで徒歩15分
【車】館山自動車道「富津金谷IC」から10分
鋸山登山コースを目指すためのアクセス方法
車でのアクセス
鋸山へ車でアクセスする場合、富津館山道路にて富津金谷ICか鋸南保田ICから国道127号線を使ってアクセスします。車で鋸山頂上にある日本寺まで行く場合、館山登山自動車道という有料道路のほか、館山観光自動車道という無料道路もあります。無料道路は混雑しますので、マップを見て状況を確認してからどちらの道路を選ぶのかを決めましょう。
駐車場の場所は?
鋸山の駐車場は、日本寺内に3か所あります。寺院内の駐車場は、有料の館山登山自動車道からアクセスできる有料の駐車場が2か所、無料の館山観光自動車道からアクセスできる無料駐車場が1か所ですが、無料駐車場は混雑が予想されます。また、鋸山周辺にも駐車場があります。ロープウェイ利用者用の無料駐車場のほか、鋸山保田口バス停付近にも無料駐車場があります。こちらのマップでは、無料の鋸山観光道路からアクセスする駐車場マップをご紹介します。
電車でのアクセス
鋸山へ電車を使ってアクセスする場合、JR内房線で浜金谷駅か保田駅で下車しましょう。浜金谷駅はロープウェイ近くの駅ですが、保田駅は表参道入口に近い駅となります。どのコースを使ってどのような方法で登山するのかによって、どちらの駅を利用するのかを決めましょう。マップで位置確認することも忘れずに。
フェリーでのアクセスもあり
神奈川県方面からのアクセスは、久里浜港から千葉県金谷港まで、東京湾フェリーを利用するアクセス方法もあります。フェリーは、車といっしょでも乗船できますので、鋸山登山の後、車を使って旅をする神奈川方面の方は、フェリーでのアクセスも便利です。金谷港からのマップを参考に、登山コースへと進んでいきましょう。
鋸山の日本寺の入口は5カ所
鋸山登山に欠かせない日本寺参拝。入り口は5カ所あり、寺院内にいくつもの名所が点在します。日本寺境内の出入口は、どのコースで登山するのかによっても異なりますので、鋸山の名所や周辺のおすすめスポットをどのように散策するのかによって決めましょう。ちなみに、出入口の場所は、山頂エリアの出入口、羅漢道のそばに2カ所の出入口、大仏広場の近くある出入口、表参道の近くにある出入口となっています。
鋸山登山コースで立ち寄りたいおすすめの見どころ7選
鋸山周辺の見どころ①頂上からの絶景
鋸山といえば、そのすばらしい眺望こそ、見どころのひとつに数えられます。なかでも、千葉県冨津市の房総半島から見える富士山の眺望は、関東の富士見100景に数えられ、訪れたらぜひ海の向こうに浮かぶ美しい富士の姿を拝みたいものです。なお、鋸山頂上の展望台は、鋸山山頂展望台、日本寺展望台、地球が丸く見える展望台(東京湾を望む展望台)の展望台があります。日本寺の公式サイトのマップで確認しましょう。
鋸山周辺の見どころ②日本一大きい大仏
日本で一番大きな大仏と聞くと、奈良の大仏や鎌倉の大仏を思い浮かべる方は多いはず。しかし、奈良の大仏は15m、鎌倉の大仏は11mですが、鋸山の大仏は30mで、倍の大きさを誇ります。さらに、鋸山の日本寺は、関東最古の勅願所ともいわれています。日本一の大仏を見ずに下山するのはもったいないです。この大仏は、日本寺マップの中腹エリアの境内入口からアクセスできます。
鋸山周辺の見どころ③スリリングな地獄のぞき
鋸山の頂上には、崖が突き出た地獄覗きと呼ばれるポイントがあります。この足がすくむポイントはラピュタの崖とも呼ばれ、人気の観光ポイントでもあります。高所恐怖症の方は要注意ですが、スリルを味わいたい方はぜひのぞいてみましょう。ロープウェイを下りてすぐに日本寺境内への出入口があります。日本寺のマップでは山頂エリアに位置します。
鋸山周辺の見どころ④歴史を感じる石切り場跡
鋸山の石切り場跡は、日本最大級ともいわれ、歴史的にも貴重な遺跡として興味深い観光ポイントのひとつです。採石に使われていたショベルカーなどが当時の姿のまま佇み、切り刻まれた岩の姿から、その仕事のスケールの大きさを感じさせます。採石場は1985年に幕を閉じましたが、この地が房州石の産地であったことを実感するはず。日本寺境内からは、山頂エリアの出入口から出て、登山道を下ってハイキングがてらアクセスします。マップ上にも記されていませんので、道標をたよりに足を延ばしてみましょう。
鋸山周辺の見どころ⑤千五百体もの羅漢像
江戸時代の後期に奉納されたという東海千五百羅漢。これほどの羅漢像が石山に並ぶと圧倒されます。鋸山の頂上から日本寺の大仏広場へと続くルート沿いに配されています。明治のころの廃仏毀釈運動によって、破壊された石仏もありますが、表情豊かな石仏に心が落ち着きます。ロープウェイや有料道路からアクセスした場合、境内入口からすぐに位置します。日本寺のマップでは羅漢エリアとされています。
鋸山周辺の見どころ⑥空や海や陸の安全を守る百尺観音
百尺観音は、金谷石の切り出しに使われたきり通しを抜けたところに佇む百尺もの高さの巨大な磨崖仏です。太平洋戦争をはじめとした戦没者を供養するために作られたもので、航空、航海、陸上の交通安全のご本尊としても知られています。百尺観音は、山頂エリアの出入口のすぐそばに位置します。
鋸山周辺の見どころ⑦食べ処とお土産処がひとつになったthe Fishや道の駅
鋸山の周辺には、いくつもの食べ処が点在しますが、食べ処とお土産処がいっしょになったthe Fishは、家族連れにおすすめのスポットです。海の幸を存分に味わいながら、帰宅後も旅の思い出を楽しむためにぜひ立ち寄りましょう。また、鋸山周辺には2カ所の道の駅もあります。
鋸山登山おすすめのコース7選【難易度・コースタイム別】
鋸山の登山コース①【ロープウェイ、初心者におすすめ、1時間】
このコースでは、ロープウェイで山頂まで上り、鋸山の頂上を目指します。頂上までは軽いハイキング道で、初心者でも安心です。頂上の展望台で眺望を満喫したら日本寺の地獄のぞきへ。スリリングを味わったら百尺観音を参拝し、体力と時間に自信があれば、散策を続けましょう。
鋸山の登山コース②【車+ハイキング、初心者におすすめ、2時間】
鋸山へ車でアクセスし、駐車場から散策するハイキングコースです。日本寺には3カ所の駐車場がありますが、いずれの場合も駐車場から大仏前の参道を通って大仏広場へ向かいましょう。続いて千五百羅漢道を経て山頂へ。地獄のぞきで絶景を楽しみ、周辺の散策を続けながら駐車場に戻ります。
鋸山の登山コース③【観月台コース、初心者~中級者におすすめ、1時間~】
こちらのコースは、車力道コースと組み合わせて、上りと下りを楽しむ方の多い人気のコースです。単なる散策ではもの足りないという初心者の方にもおすすめのコースとなっています。この観月台コースは、JR浜金谷駅からすぐの関東自然歩道を行くコースです。車力道コースとの分岐を正面に進みます。木段や石段をかなり上っていくと、観月台から東京湾の眺望が楽しめます。おすすめは、日本寺の入口に向かう前に、石切り場を目指すルートです。そこから地球が丸く見える展望台を経て、山頂エリアの入口から日本寺へ進みましょう。
鋸山の登山コース④【車力道コース、初心者~中級者におすすめ、1時間】
車力道コースは、鋸山から採石した房州石を運んだ道で、石敷きの道となっています。その風情を楽しみながら、当時の史跡を訪れる道中となります。多くの登山者が利用しているため、危険な個所もなく、初心者も安心です。石切り場跡に立ち寄りながら、地球が丸く見える展望台へ。こちらのコースも1時間ほどで頂上に到着します。日本寺の参拝をしつつ、観月台コースなどちがうコースで下山してみましょう。
鋸山の登山コース⑤【金谷川コース、中・上級者、2時間半】
こちらのコースは、JR金谷駅から金谷踏切を渡り、華蔵院山門前、神名神社を通り、富津館山道路の高架下をくぐり、最奥の家から沢沿いの林道に進んでいくコースです。沢沿いの林道を進み、途中、水量の少ない大滝を眺めながら、鋸山の東の肩を経ます。ここにはベンチなどがあって休憩が取れます。ここで沢コースと合流し、鋸山の頂上へと上っていきます。
鋸山の登山コース⑥【関東ふれあいの道コース、中・上級者、2時間】
このコースは、JR保田駅からスタートします。線路沿いを進み、鋸山方面へと歩を進めます。鋸山ダムを右手に通過すると、採石場が現れ、その先に鋸山林道口が出てきます。ここから山道がはじまり、鋸山の東の肩を経由します。ここは、視界が開けていませんが、ベンチなどがあって休憩をとることができます。そこから鋸山の頂上へと進んでいきます。
鋸山の登山コース⑦【保兵衛井戸と沢コース、上級者、2時間】
このコースは、2020年9月現在、通行止めとなっています。2019年の台風15号による影響で、倒木の崩落が多く、いまだ復旧できていない状況です。しかし、鋸山の登山コースの中では、沢沿いを進み、素掘トンネルを進むという特徴的なコースとなっていました。コースの終わりには、鋸山の東の肩から山頂を目指していきます。
鋸山の登山で注意するべきこと
登山道かどうかを確認すること
鋸山は、標高が329.4mと低山であるため、多くの登山者が気軽に訪れます。初心者でも簡単にハイキングできるコースもあり、山頂にはすばらしい眺望を楽しめるポイントもいくつもあり、また、周辺にはさまざまな観光ポイントも点在します。しかし、元は採石場だった鋸山には、石切り職人たちが歩いた跡がたくさんあります。この跡が、まるで登山道のように見え、間違えて登山道ではない道に入り込み、事故や遭難などにつながるケースも少なくありません。
低山だからと油断しない
低山は、多くの登山者が訪れる人気の高山とは違い、道標も少なく、登山道が荒れていることが多いです。倒木も多く、本来の登山道を邪魔していることも多く、道に迷ってしまうケースもあります。登山コースを選ぶ際は無理することなく、マップやコンパスなどを準備しましょう。初心者の方は、王道のコースを選び、徐々に登山に慣れていくようにしたいです。
初心者でも楽しめる鋸山の登山で魅力的なプランを
鋸山の登山コースは、初心者でも気軽にはじめられる魅力的なハイキングコースもありました。美しい眺望や岩のすばらしい風景を見つけに、ぜひ鋸山を目指しましょう。山頂の日本寺周辺には、神秘的な観光スポットが点在し、神聖な気分で散策することができます。体力や時間に応じて、境内をぜひ散策してみましょう。疲れたらロープウェイを使って下山することもできますので、無理せずに魅力的なコースのハイキングを楽しみましょう。
鋸山周辺が気になる方はこちらもチェック!
鋸山は、電車やフェリーなどでもアクセスできますが、車で訪れる方は周辺の駐車場や鋸山と合わせて訪れたいツーリングスポットなども気になるものです。ぜひ鋸山周辺の情報について、こちらの記事も参考にしてみてください。
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