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【連載】ミミジャーって何?夏のアジング・エギング釣果別料理!

夏の桟橋は若者が愛を語りあう場所だったりしますが、アジングをする釣り人にとっては邪魔者でしかありません。しかし若者自体が居ない地元桟橋は健全で、釣り以外で常夜灯のある桟橋が使われることはありません。今回はアジング中に仕留めたアオリイカを含めた料理の紹介です。
2020年8月28日
kuma10
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目次

桟橋アジングで「ミミジャー」ゲット!

フエフキダイの仲間はとても種類が多いのですが、中でも特に美しいとされているのが「ヒメフエフキダイ」です。ピンクの薄物をまとい、潤んだ瞳でこちらに流し目をくれます。沖縄では「ミミジャー」という通り名で知られています。味の良い魚なのですが、こちらでは今まであまり見かけることのない魚でした。しかしこの夏の桟橋アジングで、すでに2回釣れています。もしかしたら地球温暖化などにも関係しているのかも知れませんね。環境が変わるのは怖いことですが、ちょっとだけ恩恵があるのかもしれません。今回はこいつを刺身にしてやりました。

桟橋アジングで「アオリイカ」もゲット!

別日の釣果ですが

いつも潮の動く時間を狙っての釣行になるのですが、なかなかベストな時間に出撃するのは難しく、この日もあまり潮の状態は芳しくなかったのですが、アジング中にイカの影が現れてくれました。ただ、食い気のあまり立っている動きではなかったので、少し遠目に投げてフリーフォールを何度か繰り返し、食い気を立たせてからシャクリを入れてみました。すると一発でグンと乗ったのですが、一回目は掛かりが悪くエギがはじかれてしまいました。

食い気を引き出せばこっちのもの!

そのまままるで「イカの最初の攻撃で死んでしまった魚」のような演出でディープに落とし込んでいたらPEに違和感が。一気に合わせると今度は完璧なフッキング。検量するときっかり500gのアオリイカでした。ちなみに使用エギはグリーン系の「アジカラー」。潮は中潮(7月18日)の上げ5分。時間は午前2時ころでした。一回バラしてしまっていたので多少のパニックもあって写真を撮り忘れました。すいません。

今回の桟橋アジング

フェリー桟橋の常夜灯周り

今回ヒメフエフキを釣ったのは8月9日。潮汐は大潮後の中潮。満潮が大体夜の10時すぎころだったので、出撃は人のいない深夜0時。潮は下げ3分程度。向かった先は常夜灯のあるフェリー桟橋。大潮後と言ってもあまり潮の動きは無く、ライズもあまりない状態。ただベイトの数は多く、どこで活性が上がるか分からない状態。ベイトのほとんどが「フォーミンクヮ」。標準語では「ネンブツダイ」です。あとは「グルクマ」の小さな群れ。


常夜灯のカクテルライトに浮かぶ嫁足

フェリー桟橋の先端に最近急に設置された船付け用コンクリート階段。この上から投げると多少飛距離が伸びるからと、当家の嫁の専用釣り場になっております。ここから沖に向かって投げるとちょうどこの階段の影が魚の捕食場所になるようで、メアジやギンガメアジが良くかかります。この日はリーダーが長すぎてガイドに結び目が接触して軽いバックラッシュを繰り返していた嫁。思わず知らずディープシンキングアジングになっていたようで、底の方でヒメフエフキがヒット。

ヒメフエフキのお刺身

まずはウロコ取りから

さあ、いつものようにペットボトルのフタを使ってのウロコ取りからです。細かく剥ぎやすいウロコなのでサクサクと終わらせます。ウロコを剥ぐ前、剥いだ後、常に真水の流水で洗いながらの作業になります。海水で洗うのが一番だと思っておられる方が居ますが、それは間違いです。海の魚に付いているバクテリアなどは海水耐性ができています。必ず「真水」で洗いましょう。

頭と内臓を外す

ヒレの下(人間ならば脇の下)から両側に斜めに包丁を入れ、頭を落とします。この時お腹に肛門から包丁を入れておくと頭を外した時に内臓まできれいに外れますよ。頭からは良いダシが出ますのでお味噌汁などのダシ取りに使います。掃除をしたら一塩して冷凍しておきましょう。

三枚におろす

三枚おろしは魚の背側と腹側に骨に添って包丁を入れて行きますが、最初に包丁を入れる角度が大事です。いきなり背骨に添って平行に包丁を入れてしまうと包丁の刃がどんどん背骨から離れて行ってしまい、たくさんの身が残ってしまいます。まずは皮に切り込み(包丁ガイド)を入れ、45°位の角度で背骨に包丁の刃を当てましょう。そこからゆっくりと刃先に背骨を感じながら身を削いでいきます。両面刃が入ったら一気に腹骨を断ち切ります。慣れないうちは腹骨のみハサミで切っても良いですよ。

腹骨を漉く


腹骨は丁寧に漉(す)きましょう。今回のハマフエフキのように小さいものは歩留まりを良くする意味もありますが、やはりお魚で一番美味しいのは「腹身」ですからね。なるべく腹身は多く残せるようにしましょう。最後は包丁を立ててスパッと落とします。

血合いを外し皮を剥ぐ

小骨を取るのは面倒くさいので、血合い部分を落として5枚におろしたら皮を曳きます。尻尾側の身に約80°の角度で包丁を入れ、皮の手前で包丁を止め、少し(10°~20°)角度を付けて皮を曳いていきます。時々包丁に被った身を持ち上げながら「皮を切ってしまっていないか」「身をぶ厚く切っていないか」などの確認をしながら剥きましょう。

お刺身は削ぎ切りで

一緒に釣れたメアジのお刺身と共に食卓へ。いや、小さくてもフエフキダイです。歯ごたえのある身をゆっくり噛んでいると、出てくる出てくる甘みと旨味。とても上品なお刺身になりました。削ぎ切りにするのは小さな身を大きく見せるためと、繊維を断ち切って口どけをよくするためです。

アオリイカのお刺身とお寿司

軟甲と内臓を外す

アオリイカは家から歩いて行ける小さな屋根付き桟橋で釣ったものですが、アニサキスが怖いので食べる日まで冷凍しておきました。まずは軟甲(フネ・透明な骨)側に包丁を入れ、軟甲を抜いたらゲソ部分を掴んで上に引きます。これで内臓まですべて外れます。この時期のサイズとしてはちょっと小ぶりですが、肉厚のキレイな身でした。肝は小さかったので今回は食べませんでした。

皮を剥いたらさらに剥く!


このひと手間を省略する方が多いのが現状だと思います。大きく可食部を切り取るのがもったいない、と言う方と単純に面倒臭いと言う方、または薄皮を剥くこと自体を知らない方など理由はさまざまです。「細かく飾り包丁を入れれば同じ」だと言う方もおられますが、薄皮を曳くのと曳かないのとではイカは「まったくの別物」になります。一度試してみて下さいね。

お寿司とお刺身でいただきました

アオリイカは薄皮を曳く時にかなり大ぶりに身を切ります。それは捨てずに細かく刻んでお吸い物などに利用しましょう。食品ロスはなくしましょうね。アオリイカは柵を上下二分割にしてからお刺身用とお寿司用に切り分けます。下側の身を厚めの削ぎ切りにしてちょうど6貫分の寿司ネタが取れました。薄皮を曳いてあるので、隠し包丁も飾り包丁も無しでとても柔らかいお寿司が握れましたよ。今回は息子が帰省していたので三人前の御膳です。

夏の桟橋アジングには夢がある!

今年の夏は例年以上の猛暑(2020年8月執筆)になっています。人との接触をなるべく避けなければならないご時世ですが、そうそう家の中でエアコンの風だけを友としては生きていられません。そんな時は人気(ひとけ)のない時間を狙って夜釣りと洒落込もうではありませんか。釣りをしたことのない方でも、経験者でもアジングはとてもお手軽な釣り方です。夏の常夜灯のある桟橋を狙ってのんびりとロッドを振ってみませんか。涼しい思い、楽しい思い、美味しい思いの「3しい」が待っていますよ。

魚やイカのさばき方が気になった方はこちらもチェック!

今回連載をさせていただいてから「釣って食べるシリーズ」では第11弾となります。いろいろな釣りのハウツーをご紹介して行きたいのですが、どうしても自身が食いしん坊なために食や料理に関する記事が多くなってしまいます。そのために一度書いた魚さばきの手順などがぞんざいになってしまいがちです。「暮らし~の」のサイトにはイカや魚のさばき方などに詳しい記事が数多く存在しております。ぜひそちらの記事も合わせて見ていただいて参考にしていただきたいと思います。