検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

自宅でスーツの水洗いはできる?絶対失敗したくない人のための洗い方講座!

「スーツは水洗いできない」が常識ですが、本当に洗えないのでしょうか。いくつかのポイントを抑えておけば、難しいとされていたスーツの洗濯も不可能ではありません。今回は、自宅で出来るスーツの水洗い方法を注意点も含めてご紹介します。
2020年8月28日
sakakibara-tetuji
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

水洗いできるスーツ・できないスーツの違いとは

一般常識では「スーツは自宅で丸洗いできない」と言われてきましたが、近ごろのアパレルメーカーは、ウォッシャブルスーツなど家で自分で洗濯できる商品を販売しています。最新の洗えるスーツと、従来の洗えないスーツの違いはどこにあるのでしょうか。ポイントは素材と縫い方にあります。洗えるスーツは、化繊を使用していたり、ポケットや袖口を頑丈に縫い合わせていたりするので、洗濯機でガンガン洗っても大丈夫なんです。

シルク・カシミヤ以外は基本的に洗濯できる

スーツの代表的な素材はウール。このウールや化繊を使ったスーツは、注意点を守れば家で自分で洗濯することができます。洗濯表示に「水洗い不可」と書かれている場合でも、絶対にNGというわけではなく「自分で洗うのは難しいですよ」といった意味合いになります。絶対に控えるべきは「シルク」「カシミヤ」などのデリケートな天然素材のスーツです。こちらは自分で丸洗いすると、縮んだりシワになったりして、回復不可能になります。

スーツを水洗いするメリットを紹介

場合によっては、クリーニング店へ依頼するよりも、スーツを自分で丸洗いした方がメリットが大きくなることがあります。費用、汚れの落ち方など、クリーニング店では得られないメリットをチェックしてみましょう。

メリット①時間とお金

ジャケット(上着)とパンツのセットのクリーニング費用相場は1,000円前後。そしてサービスにかかる時間は3~7日程です。家で自分で丸洗いすると、このような時間とお金をかけずに完了させることが可能です。仕事や家事で忙しい方や、出費を抑えたい方はセルフ洗濯を試してみる価値がありますね。

メリット②水溶性の汚れがスッキリ

一般的なドライクリーニングでは、皮脂などの油性汚れにしか対応しません。一方水洗いでは、食べこぼしや泥ハネなどの水溶性の汚れに効果的です。クリーニングでは落とせない汚れをカバーできるので、洗いあがりさっぱりした着心地になるでしょう。

スーツを水洗いするデメリットを紹介

自分で丸洗いするには多少のリスクもあります。スーツには様々なタイプがあるので、自宅で正しい洗い方をマスターしても毎回安定した仕上がりになる保証はありません。デメリットがあることも頭に入れておきましょう。

デメリット①シワ伸ばしにコツがいる

スーツを家でセルフ洗濯する場合、最も重要な工程がアイロンがけです。シワ伸ばしをしっかり出来るかどうかで、仕上がりが変わってきます。失敗すればスーツの原型を失いことになりますし、綺麗に仕上げたとしてもクリーニング店のプロの業には敵わないので、シワが気になる方はご注意ください。

デメリット②着れなくなる可能性も

洗剤を入れ過ぎたり、アイロンがけを雑に行ったりすると、スーツがヨレヨレになってしまうことがあります。時として回復不可能といった事態になりかねないので、可能性として最悪のケースがあることも覚悟しておく必要があるでしょう。

スーツを水洗いする前の注意点

自宅での洗い方を紹介する前に、注意点を把握しておきましょう。これからお伝えするスーツの状態に該当する場合は、家での丸洗いはおすすめできません。トラブルを防ぐためにも、洗う前にスーツに問題がないか確認してください。

色落ちチェック

商品によっては色落ちしやすいタイプがあります。色落ちに関する情報は、洗濯表示に書かれていないため、自分でチェックしてみましょう。まずスーツの目立たない箇所に中性洗剤を少量付着させ、3分後白い布を当てます。布に色が付いてなければOK。濃いネイビースーツなど、ダークカラーのアイテムは色落ちしやすいのでご注意ください。


ほつれ・破れチェック

スーツにほつれや破けている箇所がないか入念に調べてください。ジャケット(上着)のボタン周辺、パンツのポケットの縫い目など、くまなくチェックします。もし少しでも糸がむき出しになっているようなら、補正してから丸洗いしましょう。そのまま洗うと、ほつれている部分がますます広がってしまうのでご注意を。

スーツを自宅で水洗いする洗い方を紹介

スーツを家で丸洗いするメリットや注意点が分かったところで、ここからは本題のスーツの洗い方について紹介したいと思います。優しくを大前提に丁寧に洗濯してあげれば、美しい状態に仕上がりますので安心してトライしてみてください。

用意する物

中性洗剤(エマールなどのおしゃれ着用)、洗濯ネット2枚、スーツ用ハンガー、スチーム機能付きアイロン、当て布。以上のアイテムを揃えておいてください。特にアイロンはスチーム機能が必須です。普通のアイロンがけだと、ジャケット(上着)の風合い感が損なわれてしまい、不自然な仕上がりになってしまうからです。

スーツを自宅で水洗いする洗い方①洗濯機

まずジャケット(上着)とパンツを畳んだ状態でネットに入れてください。ネットはジャケット(上着)に1枚、パンツに1枚と各々に1枚づつ使います。洗濯コースは「手洗いコース」または「ドライコース」などのパワーの優しい設定で洗いましょう。洗剤は直接流し込むと一カ所だけ色落ちする危険があるので、必ず洗剤投入口に入れて洗剤を溶かしてから入れてください。

ジャケット(上着)とパンツは一緒に洗う

ジャケット(上着)を別々に洗ってしまうと、上下で色ムラが生じることがあるので、ジャケット(上着)とパンツは必ず一緒に洗濯機へ入れてください。また綺麗に汚れを落とすためにも、他の洗濯物とは一緒に洗わず、ジャケット(上着)パンツのセットだけで丸洗いしましょう。

スーツを自宅で水洗いする洗い方②干し方

上着はジャケット用のハンガーにかけて、パンツはピンチハンガーでウエストを4カ所とめて干します。ジャケット(上着)用ハンガーとは、ジャケット(上着)の肩幅に合った設計をしており、型くずれ防止に役立ちます。パンツはピンチハンガーで干すことで、型くずれ防止はもちろん、乾燥を早くしてダメージ軽減効果をもたらします。

陰干しがベター

洗いたてのスーツを直射日光に当ててしまうと、色あせしたり劣化スピードを早めたりする原因に繋がります。なので干す場所は風通しの良い日陰が良いでしょう。晴れた日なら、湿度が低くなる正午すぎに、日陰干しすると良く乾きますよ。乾かないからといって乾燥機に入れるのはNG。生地が縮んで着られなくなります。

スーツを自宅で水洗いする洗い方③仕上げ

スチームアイロンを使って、しわしわヨレヨレになったスーツに張りと立体感を作っていきます。スーツが完全に乾ききる前にアイロンがけすることで、シワが伸びやすくなるので、半乾きの状態からアイロンを当てましょう。

ハンガーにかけたまま

まずはハンガーにかけたまま、服の丈を引っ張って生地を伸ばしたら、上からスチームアイロンをかけていきます。生地を傷めない為にも、低音の120度くらいから始めて、シワの状態を見ながら高くても150度くらいまでの温度設定にしておきましょう。当て方は手のひら1つ分のスペースを、3秒ほどかけてシワを伸ばしていきます。アイロン台を使わないことで、スーツに立体感が生まれます。

袖まわりは当て布をしてしっかりシワ伸ばし

襟や袖回りなど、ビシッとしたシワ伸ばしが必要な個所は、アイロン台に置いてしっかり熱をあてていきましょう。その際当て布は必須アイテムです。ウールなどの天然素材は熱に弱いため、直接当ててしまうと、繊維の先端がつぶれてテカリの原因になってしまいます。

スーツを自宅で水洗いする手洗い方法を紹介


ここまでは洗濯機使った、スーツを家で自分で洗う方法でしたが、ここからは手洗い方法について紹介します。手洗いモードなどの優しい設定がない、2槽式洗濯機・旧型の洗濯機を使っている方は、手洗いがおすすめです。

手洗いのメリット

手洗いは、ピンポイントで付いたシミ汚れを綺麗にしたり、素材へのダメージを最小限に抑えたりするメリットがあります。ぬるま湯を使えば、さらに効果的に汚れを落とすことが出来るでしょう。

手洗いのデメリット

一方手洗いのデメリットは、人の手で行うため洗い残しが発生することがあります。時間をかけて丁寧洗うことが大切ですね。また洗剤を溶かしたり桶に水を張ったりと、手間が増えるのも大変な作業になります。

スーツを自宅で水洗いする手洗い方法①もみ洗い

洗濯機での水洗いと同様、ジャケットとパンツは別々のネットに畳んで入れてください。洗剤はスーツを入れる前にあらかじめ水に溶かしておきます。準備ができたら、スーツを洗剤水に浸して、手洗いの基本となる押し洗いをしていきましょう。生地をマッサージするように、ギュッギュッと少し強めに押していきます。汚れが目立つ場所に関しては、歯ブラシで擦るたたき洗いや、指でつまんで洗うつまみ洗いで対応してください。

時間をかけずスピーディーに終わらせよう

手洗いによる丸洗いは時間との勝負です。あまり長い時間スーツを洗剤に浸してしまうと、生地を傷めてしまうので、長くても15分以内で作業を終わらせる必要があります。特にぬるま湯を使っている場合は、汚れが落ちやすくなる半面、素材への負担も大きいので要注意。またすすぎ残しも、スーツにとって良くないので、しっかり洗剤を落としきってから脱水しましょう。

スーツを自宅で水洗いする手洗い方法②脱水

自分で手洗いしたあとは自分で手絞りするのが一般的な方法ですが、水分をたっぷり吸い込むスーツの場合、手絞りは現実的ではありません。なので洗濯機の脱水機能を使っていきます。長い脱水は服を傷つけてしまうため、1~2分程度の短時間で回収しましょう。1分でも十分水気は取れますので、必要以上に脱水する必要はありません。

干し方と仕上げ工程は洗濯機洗いと同じ

脱水が終わったら、洗濯機で丸洗いした時と同じように、専用ハンガーにかけてスチームアイロンで整えてください。これでスーツを家で自分で丸洗いする方法は終了です。次のセクションでは、万が一のトラブルに関する対処法をお伝えします。

スーツの水洗いによるトラブルについて

デリケートな衣類を家でセルフ洗いすることは、それなりの確率が何らかのトラブルが生じがちです。もし完了後に色落ち、シワ、テカリなどの問題を発見した場合、クリーニング店へ解消の依頼をするか、自分で対応できる範囲なら家で修正するのも良いでしょう。

家でのセルフ洗いによる代表的なトラブル例

最も多いのが縮みやシワが治らないといったトラブルです。次にテカリ、色落ちといった例が多く、解消できなければ、せっかく綺麗に洗ったのに使えないなんてことも。損しない為にも、万が一に備えて対応策を身につけておきましょう。

スーツの水洗いによるトラブル対応①色落ち

色落ちチェックをしたつもりでも「洗ってみたらすっかり色が落ちてしまった」なんてトラブルもあります。そんなときは迷わずクリーニング店で修正依頼をしましょう。少ない面積なら部分的な修正を、スーツ全体が色あせるようなら染直しを。料金相場は5,000円~10,000円で、服の素材によって価格が変わります。


修復不可能なケースもあり

繊細な作りのスーツの染め直しは難しいので、クリーニング店によっては受け付けてもらえないことがあります。また引き受けてくれたとしても高額な見積もりになることもあるので、あまりにも高い印象を受けるようなら、新調した方が安く済むパターンも。よく相談して決めていきましょう。

スーツの水洗いによるトラブル対応②テカリ

洗剤の濃度が濃すぎた、アイロンを強く長時間当てすぎた、これらの失敗でウール素材の先端がつぶれてしまい、生地がテカってしまうことがあります。狭い範囲や薄いテカリなら、自分で修復することが出来るので、まずは家で出来る対応を取ってみてください。

水分を程よく与える

テカリの原因は、本来繊維にあるデコボコが平らになることで、光を反射させて起きる現象。なので、つぶれてしまった繊維を立体的に起こすために、蒸気の力を利用します。スチームアイロンをスーツから2cm程度離して蒸気を当てていきます、乾いた後ブラッシングをして、テカリが無くなってきたら完了。もし取れない場合は、湿度の高い使用後のバスルーム内に干しておくと、程よく水分を吸って繊維が回復することがあります。
 

スーツの水洗いによるトラブル対応③シワ

よくあるトラブルの代表例がシワや縮みです。生地がヨレヨレになる原因は、ウールなどの天然素材が「水分を吸って乾燥する」この工程を繰り返すことによって、繊維の絡み具合が少しずつズレていくことで起きます。なので繊維のズレを直すために、スチームアイロンなどで少量の水分を与えつつ、シワを伸ばしてあげる対応が最適です。軽度なシワなら霧吹きで水をかけながら、ブラッシングするだけで取れることもあります。

ひどく縮んでしまったスーツは戻らないことも

程度の低い縮みなら、着ていくうちに直ることがありますが、表面が固くなるといった重度な縮みは直せません。クリーニング店でも直すのが難しいと言われているので、家で処置するのは厳しいでしょう。どうしても元のサイズに伸ばしたい場合は、特殊クリーニングを扱う店舗へ問い合わせてみましょう。

まとめ

カシミヤなどのデリケートな素材で作られたスーツでなければ、基本的に自宅で丸洗いOKです。注意点を守って丁寧に作業すれば、自分でやるスーツの水洗いも怖くありません。ドライクリーニングでは落とせない汚れを落とせば、着るのが楽しみになるでしょう。定期的に洗ってあげて、気持ちよく使っていきたいですね。

スーツのお手入れが気になる方はこちらもチェック

洗うだけが自分で出来るスーツのお手入れではありません。毎日のブラッシングも、素材の劣化を予防して長く使うための秘訣になります。またクローゼットで長く眠っていたスーツには、カビが付いてることもあるので、正しい対策が求められます。もっとスーツのお手入れについて知りたい方は、下記の関連記事もチェックしてみてください。