花言葉に由来するひまわりの特徴
キク科ヒマワリ属の花
コロンブスのアメリカ大陸発見以降、ヨーロッパに持ち込まれ、人気となったひまわりは、キク科ヒマワリ属の1年草です。学名はHelianthus annuusと表記します。原産地はアメリカ西海岸です。開花時期は夏。夏の太陽をそのまま花にしたようなひまわりの英名は、見た目通りsunflowerといいます。日本ではヒュウガアオイ(向日葵)、ニチリンソウ(日輪草)、ヒグルマ(日車)などという別名でも呼ばれています。
太陽の方向に向いて咲く性質
ひまわりは花言葉の由来ともなる性質があります。その性質というのは生長期の花が、太陽の動きに合わせて向きを変えるという性質です。この性質は蕾や若いころのひまわりの花に見られるひまわりの性質です。この性質を植物学的な用語で「向日性(こうじつせい)」といいます。しかし花が成長すると、花は徐々に動かなくなり、遮るものがなければ、ほぼ東を向いたまま動かなくなるのもひまわりの特徴です。このような特徴が別名の由来になり、またこんな特徴がひまわりの花言葉の由来にもなっています。
ひまわりの誕生説1:キンセンカの誕生説より
キンセンカの誕生説から転じた説
ひまわりの誕生説は、別の花の誕生説の伝承が時代を経て、ひまわりの誕生説へと伝承されたとされています。その伝承に1つは、ギリシャ神話の中で伝承されているキンセンカの誕生説が、時代の流れを経て、ひまわりの誕生説へと伝承されたと言われています。
キンセンカの誕生説とは
それはギリシャ神話の中に伝わる話です。その内容とは、イタリアのシチリア島に住む1人の少年が太陽の神アポロンに恋をしたのだと。少年は昼間は喜びにあふれていましたが、夜になり太陽が姿を消すと寂しくて仕方ありませんでした。その様子を見ていた雲の神がいたずらをして、8日間も太陽の姿を雲で隠したのだとか。そのため太陽に会えない悲しみに嘆き、少年は死んでしまったのです。
少年の姿をキンセンカの花に変えたアポロン
少年の憐れな姿を見つけた太陽の神アポロンは、彼をキンセンカの花に変えて、この世に生き返らせたとギリシャ神話に伝承されています。今でも花が太陽に向かって咲くのは、アポロンを恋しく思って見つめているからだというキンセンカの誕生説が、時代を経て、ひまわりの誕生の神話となり変化していったとされている説が、ひまわりの誕生説の1説です。
ひまわりの誕生説2:ヘリオトロープの誕生説より
ヘリオトロープの誕生説から転じた説
ひまわりの誕生説は、キンセンカの誕生説が転じてひまわりの誕生説だと伝わるようになったほかに、やはり太陽の方向を向いて咲く、濃い紫色の花が密集して咲くバニラに似た特有の芳香があるヘリオトロープのギリシャ神話に伝承されている誕生説が、ひまわりの誕生説に転じた話が、ひまわり誕生説だという説もあります。
ヘリオトロープの誕生説とは
ヘリオトロープの誕生説の内容はこんな話です。太陽の神アポロンに恋をした水の精。しかし太陽の神アポロンは彼女に見向きもしませんでした。そして地上に住む1人の王女を好きになったのだと。王女に嫉妬した水の精は、王女の父親に悪い告げ口をしたことで、父親は娘が不義を働いたと激怒し王女を殺してしまいました。王女が死んでしまった後、太陽の神アポロンは天上に戻り、悲しみに暮れるばかりでしたが、水の精に心を動かすことはありませんでした。
水の精の生まれ変わりがヘリオトロープとなった
アポロンと王女を引き裂いたことを後悔した水の精は、地上に降り、天上の太陽を見上げながら許しを乞い、叶わぬ恋を嘆いたのだと。悲しみに衰弱していく水の精は、だんだん青白くなり、やがて青い花に変わりました。大地に根付く姿になっても毎日空を見上げ、太陽のアポロンを追い続けたという話が、ギリシャ神話の中に伝わるヘリオトロープの誕生説です。この物語が時代を経てひまわりの誕生説へと変化していったという説もあります。
ひまわりの性質や誕生説が由来する花言葉
「あなただけを見つめます」
太陽のように輝いて咲く花が魅力的なひまわりは、コロンブスによってヨーロッパに持ち込まれた時は「ネイティブアメリカンの太陽」とか「インディアンの太陽」と呼ばれ人気になりました。毎日太陽の方を向いている性質が由来となり、ひまわりの代表的な花言葉は「あなただけを見つめています」です。こんな花言葉を持つひまわりは、プロポーズの時に贈る花にも使われます。
「愛慕」
ひまわりは「愛慕」という花言葉も持ち合わせています。この花言葉の由来は、キンセンカやヘリオトロープの誕生説が時代を経て転じて、ひまわりの誕生説となって伝えられるギリシャ神話の物語が由来となったひまわりの花言葉です。
ひまわりの歴史が由来する花言葉
「崇拝」「太陽神」
太陽信仰が盛んであった南米のペルーでは、太陽に似た神々しいひまわりの姿から、太陽の神様の化身としてひまわりを神聖な花として崇めていました。神殿にはひまわりの花模様の彫刻が刻まれていたり、神殿に使える巫女たちの黄金の冠も、ひまわりの形を模していたと言われています。そんな歴史と同時に、太陽の方向に向いて咲くという神秘的な特徴が由来となり「崇拝」「太陽神」という花言葉が付いています。
「情熱」
ひまわりに付けられた「情熱」という花言葉は、花の色が太陽のような黄金色である見た目の印象が由来している言葉であるほかに、フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホの作品で、ゴッホが生涯13枚描いたという「ひまわり」の黄色に関係しています。ゴッホは太陽の輝きの色でもあるひまわりの黄色を自作の絵の中に出すことに、大変情熱を注いだのだと言われています。自作のひまわりの色にこだわり、妥協なきゴッホの生き方を象徴する花だということが由来となり「情熱」という花言葉が付いているそうです。
「ほがらか」
ヨーロッパにひまわりが伝わると、その後、日本にも渡来してきてその名が伝わりました。日本に渡来してきたひまわりについて、江戸時代の図解辞典「訓蒙図彙(きんもうずい)」に、図とともに「丈菊、俗に言ふ天蓋花(てんがいか)、一名迎陽花(げいようか)」という記述が残されています。これは太陽に向かう明朗さを表している文章だそうです。そんなことが由来となり「ほがらか」という花言葉が付いています。
ひまわりの否定的な花言葉とは
「偽りの富」
ひまわりの花姿や鮮やかな黄色は、まるで太陽を花にしたようであり、ひまわりの太陽の方を向いて咲く特徴は、その特徴自体が歴史にも文化にも影響して、ポジティブな花言葉で印象付けられていますが、ひまわりは「偽りの富」という、ちょっと否定的な花言葉も持ち合わせています。
その由来は
「偽りの富」という花言葉の由来は、16世紀、スペインの征服者たちが、南アメリカのペルーやボリビア、エクアドルを中心に現地の民族が築いたインカ帝国の幸福と財産をことごとく奪い去ったことに由来します。征服者たちは宝石や黄金を手に入れればよく、神殿の周りに咲く花などには興味を示さなかったのだと。しかし花は花でも、征服者たちが盗んだ花とは、インカ帝国の崇拝の対象であったひまわりをモチーフにした黄金の冠や、神殿の祭壇に飾られた黄金のひまわりの装飾です。インカ帝国の民族にとっては、黄金の冠や装飾品のひまわりよりも、植物のひまわりの方が神聖でなにより大切だったのです。そんな言い伝えが由来して付けられた花言葉です。
ひまわりの花言葉を知って観賞しよう!
ひまわりの見ごろの季節が到来します。ギラギラと照りつける太陽を一心に見つめて咲くひまわり。数あるひまわりの花言葉は、歴史を振り返ってみても、また誕生説からも、まるで太陽を見つめて咲いているような、向日性の性質が由来した花言葉です。否定的な言葉もありますが、太陽のように輝いて咲くひまわりを観賞していると、ひまわりのポジティブな花言葉しか思い浮かびません。ひまわりの花言葉を知って、今年の夏は、ひまわりをより一層楽しんでご観賞ください。
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