SIBLING 押しボタンスイッチ
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スイッチとは
日本でいきなり「スイッチ」といえば任天堂のゲーム器を想像する人が多いと思われますが、「スイッチ」という言葉は 切り替えを行う技術や装置のことを言います。電気関係では電流の入り、切りを切替える部品や電流が流れる方向を切り替える部品のことです。機械的な面でいえば鉄道の線路を切り替える分岐器のこともスイッチと言います。この記事では電気関係で使われる小型スイッチについて取り上げていきます。
スイッチの種類の分類
電気関係でつかわれるスイッチにはいろいろな種類があり、その分類の仕方にいくつかの方法があります。人間が操作するスイッチ、自動的に切り替わるスイッチ、形状による分類、埋込みタイプなど取付方法による分類、接点の様子での分類、スイッチが制御する電気回路の数による分類などなどです。この記事では人が操作するタイプで、制御する回路の数による分類とスイッチを操作する形式(スイッチの形状)の二通りでの分類をご紹介します。
スイッチの種類の分類:制御する回路の数
スイッチには1ツだけの回路をon-offするもの、2ツの回路のうちの1ツの回路をonにするもの、3ツの回路のうちの1つだけをonにするもの等々があります。それぞれ単投式、双投式、三投式といいます。良く使われるのは1ツあるいは2つの回路を制御するためのスイッチの単投式と双投式です。ここで電気と関係なさそうな「投」の字が使われていますが、これはスイッチを入れるという操作を英語では「throw」ということからきているのです。
スイッチの種類の分類:操作する形式
スイッチを操作する形式での分類では、押しボタンスイッチ、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、ロータリースイッチ、スライドスイッチ等々がありますが多く使われているのは押しボタンスイッチ、トグルスイッチ、ロッカースイッチです。これらについて簡単に説明いたします。
押しボタンスイッチ
押ボタンスイッチは、操作部が「ボタン」になっていて指で押すことで接点を切り替えるスイッチです。「オルタネート」と「モーメンタリ」の2種類があり、「オルタネート」はスイッチのボタンを押すごとにオンとオフが入れ替わります。「モーメンタリ」は、押している間だけオンまたはオフになるもので、ボタンが押されていない時にはオフの「常時開」と、ボタンが押されていない時にオンの「常時閉」の2種類があります。
トグルスイッチ
トグルスイッチは、つまみ状の操作レバーを上下あるいは左右のどちらかの方向に倒すと、接点が切り替わるスイッチです。トグルスイッチの「トグル(Toggle)」という英語は帽子などをかけるフックの意味です。スイッチから突き出したレバーの様子がフックに似ているからです。トグルスイッチの、レバーの部分だけを指す場合はバットと言います。これは形が野球のバットに似ているためです。
ロッカースイッチ
ロッカースイッチは、操作部分の両端をシーソーのように交互に押すことで、接点を切り替えるスイッチです。ロッカースイッチの名前は「ロッカー(Rocker)」がロッキングチェアの円弧状になった床に触れる部分を指す英語であることから付けられました。シーソースイッチあるいはタンブラースイッチと呼ばれることもあります。
便利な機能を持ったスイッチ
これまでに説明した小型スイッチの分類とは関係なしに使用者に便利な機能を持った小型スイッチがいろいろとあります。その中で主なものを3種類ご紹介しましょう。それは、パイロットスイッチ、ほたるスイッチ、3路スイッチの3種類です。この中で3路スイッチは単独の1個のスイッチの名称ではなく、1か所の照明を2か所の離れた場所でオンオフできるスイッチシステムのことです。
パイロットスイッチ
パイロットスイッチとは電源をオンにするとスイッチの内部に組み込まれたランプが点灯するスイッチのことです。オンの状態の時に内臓ランプが点灯するので、電源が入っていることをスイッチから離れた場所から確認することができます。照明以外の家電で、例えば換気扇のような場合にはうっかりして消し忘れるのが防げます。電源がオンの時だけ光るので「オンピカスイッチ」と呼ばれることもあります。
ほたるスイッチ
ほたるスイッチとは、電源がオフの時にスイッチの内部に組み込まれたランプが光りスイッチの場所を示してくれるスイッチのことです。電源がオフの状態の時に、暗闇で光る蛍のように見えることから「ほたるスイッチ」と呼ばれます。夜中でもスイッチの位置が分かるため、トイレや階段の照明用スイッチによく使われます。また、電源がオフの状態の時に光るため「オフピカスイッチ」とも呼ばれます。
3路スイッチ
1つの照明器具を、それぞれ離れた場所に設けた2箇所のスイッチからon-offできるようにするために3路スイッチシステムが使われます。3路スイッチを構成するために前に説明した双投スイッチ2個がセットで使われます。よくあるのは、階段の下でスイッチを押して灯りをつけ、上に着いたら上にあるスイッチを押して灯りを消すといったものです。3路スイッチシステムの場合、使われる双投スイッチには3本の配線がつながれていますので、この双投スイッチ自体を3路スイッチと呼ぶこともあります。3路スイッチという言葉は3路システムと3路を構成する個別の双投スイッチの両方に使われます。
3路スイッチの配線
双投スイッチ(3路スイッチ)の3ツの端子には支点側に0番、切り替えられる側に1番と3番の名前が付けられています。白黒赤のVVFケーブルを使って3路回路を配線する場合についてジョイントボックスは省略して説明します。まず電源の非接地側(プラス側)の黒色電線を1ツ目の双投スイッチの0番につなぎます。電源の接地側の白色電線を照明器具につなぎ、照明器具のもう一つの端子と2ツ目の双投スイッチの0番を黒色電線でつなぎます。2ツの双投スイッチ間のわたり配線として1番と1番、3番と3番を白色と赤色の電線でつないで3路回路の結線は完成です。
防水スイッチの種類
防水スイッチも小型スイッチの一種ですから、これまでに解説した接点形式や操作形式などによる分類も同じように存在しますが、ここでは防水性能という面から分類した種類について紹介します。全防水形小型防水スイッチ、パネルシール防水型の小型防水スイッチ、防水キャップによる小型防水スイッチ化の3種類があります。
全防水形の防水スイッチ
スイッチ取付け時のパネル表面とパネルプレート内部の両方ともに防水性を持つタイプです。スイッチ本体が防水構造になっており、端子部の防水についてはリード線で保護した上に防水材を塗り固めて防水対応しています。これらの対策によりスイッチ取付け時のパネルプレート表面からの水の侵入もパネルプレート内部での水の侵入も防ぎます。
パネルシール防水型の防水スイッチ
パネルシール防水型のスイッチをパネルに取付けた際には、パネルプレート表面からスイッチ本体内部への水の侵入がありませんし、パネルプレート表面から裏面への水の侵入もありません。但し、何らかの理由でパネルプレート表面以外からプレート裏面へ水が侵入した場合には対応していません。
防水キャップによる防水スイッチ化
非防水スイッチに防水キャップを使用することにより、パネルシール防水スイッチにすることができます。また、小型防水型スイッチに防水キャップを使用することで、塵埃、土砂などが多い悪環境での使用により安心して使用できるようになります。
防水の保護等級
日本工業規格(JIS)に電気機械器具の防水や防塵の保護の程度について規定されています。IPコードと呼ばれ通常「IP68]のように4文字で表されます。3桁目の数字は塵に対する保護等級を、4桁目は水に対する保護等級を表します。水に対する保護等級だけを表示する場合は3桁目を「X」として「IPX8」のようにします。防水スイッチの製品にもこの防水等級が表示されていることが多いです。
IPXコードの内容
IPXコードの防水保護等級は0から8まであり、「0」は保護されていないことを意味し、「8」は継続的に水に浸かっても内部に浸水しないことを意味します。1,2は上から落ちてくる水滴に耐え(防滴)、3は横なぐりの雨に耐え(防雨)、6はあらゆる方向からの強い噴流水に耐える(耐水)、など数が大きくなるほど防水能力が高くなります。一般的には全防水型のスイッチはパネルプレート表面、内部ともにIPX7を満たし、パネルシール防水型は、パネルプレート表面ではIPX7を満たすが内部ではIPX0、防水キャップを使ったパネルシール防水ではパネルプレート表面のみIPX5程度とされています。
防水スイッチの主な用途
防水スイッチが使用される主な用途としては、まず屋外で使用される工作機械や特殊な車両に使用される操作パネルプレートの小型スイッチ、屋外の照明のオンオフに使用されるスイッチ、船舶用の操作パネルプレートの小型スイッチなどが考えられます。また厨房や浴室の水回りでスイッチが必要な場合には防水スイッチが使われます。そのほか、バイクにフォグランプを取り付ける場合には小型防水スイッチが必要ですし、バイクの外装をLEDでイルミネーションする場合にもon-off用に小型防水スイッチが使われます。
DIYで使う防水スイッチは
上に紹介した多くの用途の中で、DIYで使われる可能性のあるものは、屋外照明用のスイッチ、バイク用のフォグライト取付け時に必要なスイッチ、バイクの外装をLEDイルミネーションする場合に使うスイッチあたりでしょうか。これらのDIY用途については具体的に解説していきます。
屋外照明用の防水スイッチ
一般家庭で屋内の照明用に使われるスイッチは、ほとんどが壁に埋込まれたロッカースイッチです。壁に取付け金属枠を埋込んでこれにスイッチを取り付け、スイッチの周囲にスイッチプレートをはめ込んだものです。埋込みタイプは埋込まれた分表面からの出っ張りが少なく外観上も好ましい。埋込み式にはホタルスイッチやパイロットスイッチなども使われます。屋外照明用としては屋外設置の非常階段、倉庫の通用口、ガレージ、ガーデン照明などのスイッチが考えられますが、小型防水の埋込みロッカースイッチのほかに本体が壁から出っぱる小型防雨露出スイッチ(埋込み型より取付けしやすい)が状況により使われます。
屋外照明用の防水スイッチ:使用例1
倉庫内にあった照明用スイッチを入り口の外側に移設する
倉庫内にあった照明用の埋込みスイッチが倉庫内の荷物が多くなったりして使いにくくなり、倉庫の外側の入り口部分に移設することにしました。暗いところで照明用のスイッチを探すより、屋外の入口部に照明スイッチがあった方がはるかに便利です。まず倉庫の電源を切ります。次に従来のスイッチから配線を延長して倉庫入り口部で板壁に穴をあけて屋外に出します。屋外の倉庫入り口の柱に埋込み式より取付けが簡単な防雨露出ロッカースイッチの単投式を設置して、これにつなぎます。屋外にあって雨にもかかりますので防水タイプを選びます。
屋外照明用の防水スイッチ:使用例2
非常階段の照明用3路スイッチを階段の上下に取付け
屋外の非常階段にLED照明を取り付けることにしました。照明器具の取り付けや配線作業が行われましたが、照明をON-OFFするスイッチは階段の下と上の2か所に取り付けることにしました。防雨露出型のロッカースイッチの双投式を階段の上と下に3路方式で取り付けました。埋込み型にする必要はありませんので埋込むより取り付け容易な露出型にします。階段の下で点灯し、上に上がったら消灯します。その逆も可能です。3路方式の配線の仕方は、最初の方の「便利な機能を持ったスイッチ」の見出しで「3路スイッチ」として説明していますので参考にしてください。
バイク用の防水スイッチ:LEDフォグランプ用
フォグランプとは、霧の中で走るときに使われるライトということですが、下向きに取り付けられていて、悪天候時や夜間に使用するとヘッドライトのみ点灯時に比べて良く見えます。そのため最近は夜間走行するバイクライダーが好んで取り付けています。ヘッドライトは装着義務がありますが、フォグランプは装着義務がなく、必要とする人のみが取り付けているのです。スイッチはハンドルに取り付けられ、運転中にも操作可能なように、防水式のロッカースイッチか押しボタンスイッチのどちらかが使われることが多いです。
バイク用の防水スイッチ:LED電飾用
車やバイクの外装をLEDテープで電飾することが今はやりです。普通の素人の人でLED電飾する人が増えています。専用のLEDテープが多種類発売されています。電飾したい時間帯は限られているでしょうから、電飾をオンオフするためのスイッチが必要です。車の場合は普通のスイッチで良いですが、バイクの場合には雨が降ればスイッチも濡れますので防水スイッチが使われます。バイクのLED電飾とスイッチについて解説します。
車やバイクのLED電飾
車の場合は車の外装と内装に、バイクの場合は外装に電飾LEDテープが使われ、いろいろな種類の製品が売られています。必要なものがセットになったタイプもあります。バイクの場合5000円程度以上の高価なセットタイプでは電飾のオンオフから発光の強弱、色の変更など自由に操作できる専用のリモコンが準備されている場合が多く、この場合はオンオフ用のスイッチを別に取り付ける必要はありません。LEDテープとスイッチだけを単品で購入してバイクを単色電飾したい場合について説明します。
電源の取り方
電飾用の電源は通常ACC配線の適当な場所からとってもバッテリーから直接取ってもよいです。いずれの場合も途中にスイッチを入れてLEDテープのオンオフを制御します。ACCから電源を採った場合は、キーを抜けば電飾は消えますが、バッテリーから電源を採った場合にはキーが抜かれた状態でも、スイッチがオンであれば点灯のままですので注意が必要です。
スイッチの取り付け
スイッチをどこに取り付けるかは十分に事前の検討が必要です。 スイッチの取り付け場所としては、まず、操作しやすい場所であること、次いで取り付ける外装カウルなどのパネルプレ-トに穴あけ加工がしやすい場所であること、3番目には取り付けるカウルなどのパネプレートル裏側にスイッチの裏側部分やLED配線などを収容するスペースのあること、などの条件にかなった場所である必要があります。スイッチは防水タイプのロッカースイッチか押し釦スイッチを使います。
使用スイッチの一例
SIBLING 押しボタンスイッチ
LEDテープの取り付け
購入したLEDテープをどの場所にどの長さで張り付けるか事前に考えておきます。1本もののテープを購入した場合には、それに従ってテープを切断します。切断したテープには電線との半田付けが必要であり、電線間の接続にはギボシ端子を使用します。テープを本体に取り付けるには両面テープや結束バンドなどが使用されます。
使用LEDテープの一例
12V超高輝度 5M 600連 LEDテープ
電気工事と資格について
電気工事士の資格が必要な作業
この記事では防水スイッチをDIYで設置する内容になっていますが、作業内容によっては電気工事士の資格が必要な場合があります。その時は自分で作業せずにアイデアを伝えて資格を持った人に作業を依頼してください。電気工事に関係することで資格が必要とされる作業は電線を直接造営材その他の物件に取り付けたり、取り外す作業、電線管、線樋ぴ 、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業、配線器具を造営材その他の物件に取り付け、取り外す作業の3つです。
物置や非常階段にスイッチを取り付ける作業は?
配線器具を造営材その他の物件に取り付け、取り外す作業は電気工事士の資格が必要です。造営材とは「家の壁」や「柱」、「梁」のことで、配線器具には「コンセント」や「照明スイッチ」が含まれますので、物置や非常階段にスイッチを取り付ける作業は電気工事士の資格が必要ということになります。
バイクにLEDテープやスイッチを取り付ける作業は?
この作業は上で説明した電気工事士の資格が必要な作業には含まれませんので、DIYで作業することは問題ありません。但し、車検に通るかどうかという別の問題があります。関連する情報を集めて、問題が出ない形での作業を進めてください。
バイクフォグランプの車検基準
フォグランプは、道路運送車両法で定められた補助灯であり、フォグランプを取り付けたバイクを車検に通すには、フォグランプの色は白色もしくは淡黄色であること。フォグランプはヘッドライトよりも上につけてはいけない。具体的には、フォグランプの上縁の高さは地上から800mm以下、下縁の高さは250mm以上であり、フォグランプの中心位置はヘッドライトの中心より下であること。これらの基準を満たす必要があります。
バイクLED電飾の車検基準
光源(LEDの光っている所)が見えないこと、ウインカー(オレンジ)やテールライト(赤)と同じ色でないこと、ウインカーやテールライトの光を遮らないこと、ナンバー灯を遮らないこと、光量が高すぎないこと、前方と後方は照らさないこと、などに気を付ければ車検は問題ありません。
おわりに
スイッチの一種である防水スイッチをDIYで使用する場面に焦点を置いた記事ですが、一般の人が防水スイッチを設置するということは非常にまれなことですね。造営物の壁、柱、梁などにスイッチやコンセントを取り付ける作業は電気工事士の資格がないとできないのです。車やバイクにLEDテープやスイッチを取り付けることはできますが、車検に通るための制限がありますので、作業の前によく調べておく必要があります。
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