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【連載】お魚の魅力を最大限に活かすには?包丁のお手入れ方法教えます!

釣れたて新鮮なお魚はどうやっても美味しいと思ってはいませんか?実はさばく包丁のお手入れ具合でお魚の味は変わります。今回は美味しい料理を作るための、包丁の砥ぎ方なども含めたお手入れ講座です。よく切れる包丁で料理を作ると料理の腕が上がった気がしますよ!
更新: 2021年1月4日
kuma10
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目次

包丁のお手入れって重要なの?

包丁の手入れは料理をする上で最重要事項です。その切れ味でお刺身を「切り付け」た時の見た目や食味が変わります。切れ味の悪い刃物を使うと食物の繊維を潰してしまい食材そのものをダメにしてしまったり、調理時間が伸びてしまい食材の持つ本来の旨味を殺してしまったりと良いことはありません。特にお魚料理を作る場合は、使う包丁の種類にまでこだわって料理したいものです。またサビの出た包丁で食材を切り付けると、当然サビ臭くなってしまいます。美味しいものを美味しくいただくために、包丁の手入れはこまめにしましょう。

包丁のお手入れの下準備

砥石に水分を含ませる

まずは包丁の砥ぎ方からですが、いきなり砥石に包丁の刃を当ててはいけません。砥ぎ方の前に下準備をします。砥石にたっぷりと水分を含ませましょう。これはボウルやバケツなどに水を張り、砥石を沈めます。ぷくぷくと細かい泡が砥石から出てきますので、これが治まるまでできれば20分ほど漬け込んでおきましょう。これは砥石の摩擦を減らし、砥ぎやすくするために必ず必要な行程です。

掛け水などを用意する

砥石を水に漬けている間に磨き台を設置しましょう。本当なら大きな舟を用意してその中で砥げれば一番良いのですが、家庭ではなかなか用意できないと思いますので、油分の付いていないタオルや布巾を濡らして下敷きにしましょう。砥いでいる間に水切れを起こさないように掛け水をボウルなどで用意することも忘れてはいけません。特に荒砥ぎではすぐに水切れが起こりますので、気を付けましょう。

鉄包丁のお手入れ方法

各部の名称

なにも各部の名称をすべて覚える必要はありませんが、この記事でもちょいちょい説明に専門的な部位の名称が出てきます。「これどこのことだ?」と分からなくなったらここへ戻って見直してください。

鉄包丁の砥ぎ方①「中性洗剤で洗う」

和包丁の場合片刃のものと両刃のものがありますが、基本の砥ぎ方は同じです。切っ先、ソリ(各部の名称画像で刃先と示されている辺り)から刃中、刃元、の3つの部位を指二本分づつの広さで砥いでいきます。今回は分かりやすいように「菜っ切り包丁」を砥いでみます。まずは中性洗剤で両面の汚れをしっかりと落としましょう。


鉄包丁の砥ぎ方②「刃先は立て気味に」

刃先を砥ぐ時には、「少し刃を立て気味」に砥石に対して45°位の角度を保って砥ぎます。これは切っ先の部分はシノギの角度がきつく付いているために他のところのようにシノギに角度を合わせられないからです。

鉄包丁の砥ぎ方③「刃中は45°」

刃中を砥ぐときには、刃と砥石の角度を10°から15°くらいに保ち、包丁全体を砥石に対して45°くらいの角度で砥いでいきます。この時包丁に指を当てますが、実は砥げるのはこの指の当たっている下の部分だけなんです。ですから一本の包丁の片側は、包丁の刃渡り÷指二本分の横幅の数だけ砥ぎます。

鉄包丁の砥ぎ方④「刃元は90°」

最後は刃元の研ぎ出しになります。ここは包丁の柄が邪魔になりますから、包丁と砥石の角度を直角に保って砥ぎましょう。全ての部位の砥ぎ方に言えることは、「刃の背中方向に砥ぐ時に力を入れる」「一か所10から20回砥ぐ」、これだけです。

鉄包丁の砥ぎ方⑤

表面がすべて砥ぎ終わったら刃の裏に指を当てて「バリ」の確認をします。刃のラインに一律に返し(バリ)が出ていれば砥ぎは成功です。今度は裏面の刃を砥石で1~2度なでてバリを取り、砥ぎは終了です。

鉄包丁の保管方法「乾燥」

包丁の最大の敵は湿気です。常に「乾燥」を心掛けましょう。鉄包丁はまな板にちょこっと置くだけでもまな板の湿気を吸ってサビ始めます。保管場所は常に乾燥している場所を選びます。また、常に乾燥させておくために新聞紙やキッチンペーパーなどに包んでおくのも良いでしょう。長く使わない場合は機械油を薄く塗って保管しましょう。

ステンレス包丁のお手入れ方法

シャープナーはちょっとだけ


V字に切り込みの入ったシャープナーや、回転砥石の付いた電動シャープナーなど、ステンレス包丁には使用可能な砥ぎ道具がいくつかあります。とても便利なのですが、これの使い過ぎはよくありません。実際には砥いでいるのではなく「こすって刃を荒らしている」にすぎません。刃が荒れると食材への食い込みが良くなりますから、切れ味が戻ったような気がしますが、それだけです。また、鉄包丁への使用は極力避けて下さい。鋼の部分が飛んでしまいますよ。シャープナーはステンレス包丁のみ!

バリ取りをしっかり

ステンレス包丁をシャープナーで砥ぐと、目に見えないようなバリがたくさん出ます。ちょっと使ってさっと調理に使うくらいはいいですが、ちゃんと包丁のメンテナンスをするつもりならシャープナーをかけた後は軽くで良いですから砥石を使ってバリ取りをしておきましょう。

包丁が刃こぼれしていたら?

刃こぼれ位置まで砥ぎましょう

もしも使っている包丁が欠けてしまったら、これは即治しましょう。特に鉄包丁は刃の入り方が悪いと簡単に欠けます。もうそうなってしまったらそれはもう刃物としての価値がありません。もったいなくても欠けの部分は全て削り取ってしまいましょう。

砥面は使わない

刃こぼれしている場所が無くなるまで、砥石の側面を使ってガリガリと刃を削って行きます。もったいない気もしますが心を鬼にして削りましょう。その時に気を付けるのは、砥石の砥面はなるべく使わないことです。砥面を荒らしてしまったら、後のメンテナンスが大変です。

全体のバランスを見ながら仕上げる

刃の欠けているところだけを何とかしたいものなのですが、それですと「グルカナイフ」のような妙な形の包丁ができあがってしまいます。ですから全体的にバランスを見ながら欠け部分を削って行きましょう。

包丁研ぎの注意点

トクソの扱い


砥石で包丁を砥いでいると茶色い砥汁が出てきます。荒砥ぎの場合は流しながら砥げばいいのですが、本砥ぎをする時はこれは流さずに砥ぎましょう。この茶色い砥汁は「トクソ(砥糞)」と言って、これ自体が研磨剤になります。細かい粒子が、より刃を美しく仕上げてくれます。

力の配分

包丁研ぎで難しいのは力の配分です。押す時に力を入れるとか決まっているのであれば話は簡単なのですが、包丁研ぎはそれではいけません。刃の付いている方向には優しく、刃の付いていない(背側)方向には強く押し付けて砥ぎます。それも「軽く強く」程度です。あまりぎゅうぎゅうやってはいけませんよ。最後に、砥いで刃を付けた裏側のバリを取る時には本当に撫でるように砥面を包丁で滑らせます。

無理ならばプロに任す

包丁の欠けなどがひどく入ってしまった場合などや、刃欠けの矯正に失敗してしまい刃を潰してしまった時などは素人ではなかなか修正の効かないものです。プロの砥ぎ屋さんに出しましょう。また、何度か砥ぎに挑戦してみても切れ味が上がらないなどの場合も一度プロに頼むことをおすすめします。作業中でも声掛けすれば、ある程度コツなど聞けると思いますよ。

ピカピカの包丁で美味しい料理を!

おいしい料理はピカピカの包丁から。これは間違いありません。安い包丁でも手入れさえしっかりしていれば切れ味は落ちません。こまめに手入れをしましょう。包丁は置いてあるだけで(特に和包丁は)どんどん劣化が進みます。調理中でも乾燥した布巾などを常に手元に置き、切り付け一工程ごとに拭くくらいの手は掛けましょう。きっと料理の腕も上がりますよ。

シャープナーが気になった方はこちらもチェック!

記事中で「シャープナーはあまり使わないように」と注意喚起させていただきましたが、シャープナーも使い方によってはとても便利なものです。また、最近では「なかなかやるじゃないか」と唸らせてくれるシャープナーも出現しています。「暮らし~の」のサイト中にも最近のシャープナーを細かく紹介している記事があります。興味を持たれた方は下記もチェックしてみて下さい。お手軽な包丁のお手入れができますよ。