イキシアの花とは
イキシアの花の特徴
細くけれど、手ではちぎれぬほど強い茎のてっぺんに、穂状に星形の可愛い花を咲かせるイキシアは、アヤメ科イキシア属の秋植えの球根花です。学名はIxiaです。緑の葉や茎を傷つけるとネバネバした液が出ることから、ギリシャ語で「Ixos(イクオス)=鳥もち」を意味が由来となり「イキシア」と呼ばれるようになりました。「Ixos(イクオス)=鳥もち」とは、果実が美しい庭園樹であるモチノキから採取できる、鶏や昆虫を捕まえるための原料となる粘着物のこと。「イキシア」とはその意味に由来した名前です。
別名はヤリズイセン(槍水仙)という
イキシアは南アフリカ原産、特にケープタウン付近にたくさん自生しています。別名ヤリズイセン(槍水仙)と呼ばれていますが、それは緑の槍のように細い緑の葉と、すらりと伸びた花茎に花をつける姿がヒガンバナ科のスイセンに似ていることが由来した名前です。スイセンに似ているのは見た目だけで、スイセンとは全く違う種類です。アフリカでは、昔、トウモロコシ畑などにたくさん自生していたので、African corn lily(アフリカン・コーン・リリー)という名で呼ばれることもあります。この呼び名はイキシアの英名でもあります。
イキシアの花の開花時期
開花時期は4月から6月
イキシアは10月から11月に球根を植えて春に花が咲く球根花です。開花時期は4月から6月。その年によっては3月中旬に開花する年もあります。イキシアの球根はチューリップの球根の半分くらいの大きさで、握りしめた手のひらの中に納まるくらいのものです。球根の表皮は網目のような繊維状です。たとえばクロッカスなどの球根の見た目とよく似ている球根です。
すらっとした花姿が特徴
例年は4月になると、まるで緑の槍のような緑の葉が伸びてきて、針金のような細い花茎が続いて伸び始めます。そしてその先端に円錐状の星形の花を穂状に付けて、下から順番に開花していきます。草丈は30cmから50cmくらいです。高いものは1mくらいの高さになりますが、横には広がらないので、すらっとしたスマートな花姿が特徴の花です。
イキシアの花の色
豊富な花の色がある花
イキシアの特徴の1つに、花の色が豊富にあることが紹介できます。白、赤、ピンク、黄色、紫、オレンジ、翡翠色などです。中には白とピンクと言った複色の種類も人気です。アフリカにはイキシアの原種が50種類以上あり、さらに自然交雑種を含め、園芸品種が50種類以上あると言われています。だから色の種類が多いわけでもあります。ただ花は、ほとんどの種類、一重咲きです。イキシアの花は優しい香りを放ちますが、品種によって香りの強弱が違います。
翡翠色の美しい花色の種類が人気
イキシアの花色の中で、特に注目されているヴィリディフロラ(viridiflora）という品種は、綺麗な翡翠色が特徴です。自然界の花の色ではあまり見かけない、翡翠色の花を咲かせるこの品種は、誰もがこの翡翠色の美しさに魅了されてしまいます。花の中心部は黒に近い紫色をしており、花びらが艶やかな青みの緑色、ペパーミントグリーンとも表現できる色です。まさに花にはあまり見かけない翡翠色の神秘的な花が魅力の種類です。
イキシアの花姿が由来となる花言葉
「誇り高い」「団結」
花を飾るときも、また花をプレゼントする時も、花言葉を知っていると花を選ぶ時の楽しみもぐんと高まります。イキシアを代表する花言葉は「誇り高い」「団結」という言葉です。この2つの言葉はイキシアの見た目の花姿が由来する言葉です。スラリとした緑色の葉を伴う花姿のイメージから「誇り高い」という言葉に由来し、ほっそりとした緑色の花茎の先に十数個の花が穂状に付き、次々に開花する様子が由来となり「団結」という言葉が付けられています。
イキシアの植物学的な特徴が由来する花言葉
「君を放さない」「秘めた恋」
イキシアを象徴する花言葉はまだあります。その由来はイキシアの植物学的な特徴が由来となる言葉です。緑の葉や茎を傷つけるとねばねばとした粘着性の液が出る、そんなイキシアの特徴から「君を放さない」「秘めた恋」という言葉がつかられています。槍状の緑の葉や茎は細くても、その内部にはこんな物質が潜んでいたとは、まさに秘めた恋心にたとえられます。
イキシアの色別花言葉はある?
色別の花言葉は特にない
白、赤、ピンク、黄色、紫、オレンジ、青、翡翠色など豊富な色の種類の花を咲かせるイキシアですが、特に色別に花言葉は付けられてはいません。イキシアの花言葉は、上記にご紹介したように、見た目の印象が由来する意味を持つ花言葉と、イキシアの植物学上の特徴が由来する意味からくる花言葉が付けられているのみです。
白い花に共通する花言葉
イキシアに限ったわけではありませんが、白い花には「純粋」「清純」「純潔」「優美」というシンボルとなる言葉が、白い花に共通する花言葉として付いています。白いイキシアを選んで飾ると、イキシアを代表する花言葉に加えて、こんな花言葉を持つ花だと楽しめます。
ピンクの花に共通する花言葉
プレゼントの花によく選ばれる色であるピンク色の花。白い花のように共通する花言葉はありませんが、ピンクは愛情、優しさ、幸せを象徴する色とされているので、恋人や結婚を控えたカップルなどにプレゼントする花によく選ばれる色です。星形の花が可愛いイキシアのピンクの花を選んだアレンジや花束は、幸せなカップルや恋人へのプレゼントにおすすめです。
青は平和のシンボルカラー
花の色に種類の多いイキシアですが、色別には特に花言葉はありません。しかしその色が象徴する意味から、シチュエーションにあった色のイキシアの花を花束やアレンジメントに加えて贈ると、イキシアのポジティブな花言葉にも拍車がかかります。青い花は心の落ち着く花の色です。青の特徴は落ち着きがあり、平和や信頼のシンボルカラーとされています。青いイキシアに特に花言葉はありませんが、色的にはポジティブな要素を持っている色です。ただ青い花はよく「儚い恋」とか「短い愛」などという花言葉を持つ花もあります。イキシアの青い花にはそのような花言葉はありませんが、恋人に贈るには、誤解を招くこともあるかもしれないので、おすすめはできません。
自然界の花にはほとんどない翡翠色の花言葉
イキシアのヴィリディフロラ(viridiflora）の品種は、自然界では少ない翡翠色の花を咲かせます。その魅力的な色の花の感動を友人にも届けたいところですが、贈るときに気になる花言葉。しかし色別に花言葉を持たないイキシアは、イキシアを代表する肯定的な花言葉に想いを託して、お友達に翡翠色のイキシアをプレゼントしてみましょう。翡翠色の花はめったにありませんが、翡翠色は高貴さ、美しさ、そして神秘さを意味するシンボルカラーです。花言葉は特にありませんが、色的には肯定的な要素のある色です。
イキシアの花言葉のほかに気になる誕生花
誕生花の意味とは
花言葉と一緒に紹介されている誕生花とは、1年の中でその花に決められた月日のことです。文字通り生まれた月日にちなんで選ばれた花のことです。はるか昔から伝えられてきた話ですが、花や木に神秘的なパワーが宿るとされ、神々と暦を結び付けて「この月のこの日にはこの花」となぞられた花が誕生花です。誕生花に選んだ意味については、国や地域によって様々な説があり、誰が決めたか、またその根拠はさなかではありません。ただ花言葉と同じように、誕生花を知ってその日に誕生日を迎える人に、誕生花を贈るのは、喜ばしプレゼントになることには違いありません。
誕生花は3月17日と4月20日と5月16日
誕生花となるイキシアになぞられた月日は、3月17日、4月20日、5月16日の3日です。誕生花というのは1年のうち1日だけに割あたられているわけではありません。花によっては1年で1日だけしか誕生花とされない花もありますが、1年のうちに何日か誕生花とされる月日になぞられる花もあります。
誕生花は1年に1日とは限らない
たとえば薔薇などは色別にも誕生花がありますが、白やピンク、青、翡翠色など色の種類が豊富なイキシアは色別の誕生花はありません。しかし1年に3日、イキシアの誕生花とされる日があります。この日に誕生日を迎える方への花のプレゼントには、ぜひイキシアを添えて贈ってみてください。
イキシアの楽しみ方
鉢植えはポピュラーな楽しみ方
イキシアは目立った病害虫もなく、ガーデニング初心者でも育てやすい花です。庭の花壇や植木鉢に球根を植えて楽しみます。イキシアは草丈が高くなりますが、横に広がらないので、移動も楽な植木鉢で楽しむのがポピュラーな楽しみ方とされています。最初は5号鉢にイキシアの球根を5、6個、3cm程の深さに植えて楽しむのがおすすめです。花壇に植えるにしても植木鉢に植えるにしても、全体にスラリとした花なので、倒れないように支柱を立ててあげるとよいでしょう。
切り花として楽しむ
花壇に植えたり植木鉢に植えて楽しむほかに、庭に咲いたイキシアをカットして切り花にして部屋に飾ったり、アレンジメントにしてみるのも楽しみ方の1つです。イキシアを活けるときは草丈の高さを生かして2、3本をスラリと飾るのもおすすめです。また穂状の花を活かして低くこんもり盛るのも可愛く飾れます。一色に統一したり、いろいろな色を組み合わせるのも楽しいです。
イキシアの上手な育て方のコツ1
球根の植え付けは10月から11月
イキシアを庭に植える、もしくは鉢植えで楽しむ場合、どちらにせよ球根の植え付けは10月から11月の間に行います。球根は土壌や用土より3cm程の深さに植え付けます。庭に植えるときは日当たりの良い場所を選んで植えましょう。鉢植えは、日当たりの良い場所で育てるようにしてください。冬場は霜に当てないように地植えのものには土壌を藁で覆ったり、鉢植えのものは場所を移動して管理してください。イキシアは開花を迎えると日の当たる日は花が開きますが、寒い日や曇りの日、また夜は花を閉じてしまいます。
イキシアの上手な育て方のコツ2
花が咲き終わったら掘り上げてる
花が咲きおわったら(5月下旬から6月下旬)、球根を掘り上げて分球し、球根を乾燥保存してまた秋に植え付けします。鉢植えの場合は、花期が終わった夏の時期は、水を切り、涼しい場所で鉢ごと乾燥させます。鉢植えのものは用土の上が枯れてしまってもは球根が植わっていますので、そのまま様子を見て、冬場は霜に当たらぬように移動し、春になったら日当たりの良い場所に移して適度に水を施してあげてください。
イキシアの花を楽しもう!
細い茎をまっすぐ伸ばした先に小さな星型の可愛い花を穂状に咲かせるイキシアは、花色が豊富でガーデニングでも楽しめ、また花束やアレンジメントにも利用できる、楽しみ方も豊富な花です。イキシアは素敵な花言葉を持ち合わせている花です。花のプレゼントに加えるのもおすすめです。イキシアの誕生花の日にお誕生日を迎える方に、花のプレゼント贈るときは、自然界の花にはほとんどない翡翠色のイキシアを加えるとさらに魅力的な花のプレゼントになることでしょう。恋人に贈るときは、イキシアの植物学的な特徴が由来する花言葉の想いを託しピンク色のイキシアの花束もおすすめです。花姿に気品を感じるイキシア。ぜひ楽しんでください。
イキシアの情報をもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では、ほかにもイキシアの情報をまとめています。イキシアをガーデニングで楽しむ時の育て方のコツなど、イキシアの情報をもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。上手な育て方やお手入れの仕方などの情報がたくさん紹介されています。
イキシアの育て方・栽培方法まとめ！植え付けから増やし方まで詳しくご紹介！
イキシアは、針金の様な細く長い茎からは、想像できない豪華絢爛な花が咲きます。今回はそんなイキシアの育て方はもちろん、球根の保存方法などもまと...
イキシアの育て方！元気に育てる管理・手入れ方法までご紹介！
イキシアは秋に植える球根植物として人気の花です。イキシアの花はそれぞれが個性があり美しいのが特徴です。しかし球根植物ならではの手入れが必要な...