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センニンソウ(仙人草)ってどんな花?その種類や特徴をご紹介!

夏から秋に花をさかせるセンニンソウ(仙人草)。センニンソウ(仙人草)という植物はどんな花をつけるのでしょうか。その種類や特徴について詳しく調べてみました。センニンソウ(仙人草)の別名や毒性、類似する植物までご紹介していきます。
更新: 2020年12月1日
yn.57
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(山野草)センニンソウ(仙人草) 3号(1ポット)

はじめに

センニンソウ
Photo by houroumono

センニンソウ(仙人草)は北海道南部から沖縄まで日本全国の温帯から亜熱帯地域や中国中部、台湾、朝鮮半島南部と広い範囲で生育しているかわいらしい花。家庭で育てることも難しくなくないので園芸用としても手軽に購入することができます。センニンソウが伸ばすツルを木や石などに絡ませることができることから、庭作りやガーデニングにも最適。フェンスなどに彩りを加える植物としても勧められています。

センニンソウの種類や生育環境について

センニンソウの種類

種類
Photo byqimono

センニンソウは被子植物でキンポウゲ科センニンソウ属、常緑つる性半低木の1種です。センニンソウ属は世界中に300種類あるといわれ、日本国内だけでも20種類以上が確認されています。センニンソウの変種には東京都小笠原諸島で生育するムニンセンニンソウという種類があり、これは環境省の絶滅の恐れがある野生生物として絶滅危惧Ⅱ種にも指定されました。またセンニンソウ属は毒性のある種類のため取り扱いには注意が必要です。

センニンソウが生育する場所

道端
フリー写真素材ぱくたそ

センニンソウは日当たりの良い平地や山野の道端、山地の林の中など多くの場所で生育しています。長く曲がりくねるように伸ばすツルを持つことから、神社に茂る木に絡みつくセンニンソウや山道の茂みで白い花を多く咲かせているセンニンソウ、土手や道端の隙間に芽を出すセンニンソウといった様子で山に出かけたときだけでなく普段の生活の中でも見かけることがある植物です。

漢字では仙人草?センニンソウの名前の由来と別名

センニンソウの名前の由来

仙人
Photo by jimoneilalaska (AKA: Jim O'Neil on ipernity)

センニンソウという名前は実に仙人のヒゲのような綿毛が付くことや、花咲く時期が終わると枯れて仙人を連想させる見た目になることなどからセンニンソウと名付けられました。漢字での表記は仙人草。クレマチスの仲間であることからも学名はClematis ternifloreです。

センニンソウの別名

センニンソウ(仙人草)の別名には有毒植物であることが由来して、馬や牛は絶対に口にしないという意味で「ウマクワズ(馬食わず)」や、馬が口にすると歯が落ちるほどの毒があるという意味で「ウマノハオトシ(馬の歯落とし)」、「ウマノハコボレ(馬歯欠)」などといったものがいくつも存在。また牧草地では有害雑草とも言われ、センニンソウ(仙人草)という名前の由来とは裏腹に別名はあまり良い印象を与えないような直接的な影響から生まれたものが多くあるようです。

センニンソウの花言葉


センニンソウは「安全」、「無事」、「あふれるばかりの善意」といった花言葉を持ちます。別名が持つマイナスのイメージとはまた違った印象があり、花言葉の方が仙人の名に相応しいようにも感じられます。またセンニンソウの誕生花はありません。

センニンソウの特徴

センニンソウの花弁の特徴

センニンソウ
Photo by harum.koh

センニンソウは白色で2~3cmの花をつけます。花びらが咲いているようにみえますがセンニンソウは花弁を持たず、花弁状の萼片(がくへん)と呼ばれるものが4枚あり十文字に開きます。センニンソウは雄しべが多く、雄しべが花弁状の萼片よりも短いといったことも特徴。またセンニンソウの花は開花とともに良い香りを漂わせ、見た目だけでなく臭覚から楽しめることも特徴であり魅力になっています。

センニンソウの実の特徴

センニンソウの実は長さ7~10mmの卵型で扁平の痩果で色は赤褐色。花弁状の萼片が落ち、残ったセンニンソウの実には白いヒゲ(雌しべの花柱)が2.5~3cmと長く伸びて成長します。これはセンニンソウ(仙人草)の名前の由来にもなったもので、ヒゲは伸びてから羽毛状の綿毛のようになることも特徴。センニンソウの綿毛はやがて風に飛ばされることで繁殖します。

センニンソウの葉の特徴

センニンソウ
Photo by harum.koh

センニンソウの葉は枝に対にして生える羽状複葉に分類され、小葉は卵型で少し光沢のある3~5cmの無毛のものが3~7枚(ほとんどのセンニンソウは5枚)つきます。卵型の丸い全縁ですが、茎の下部につく小葉には2、3片と切れ込みがみられることもあります。また小葉は緑色をしていますが、枯れると暗緑色になります。

センニンソウの茎の特徴

センニンソウの茎は緑色で無毛。直径7mmほどの円柱形で長く多岐に分かれて伸びていきます。中心の茎から分かれていった茎(葉柄)は他のものに絡むように曲がりくねって伸びるツル性という特徴を持ち、茎と葉の間から花をつけていきます。センニンソウは名前の由来にもなった実だけでなく葉や茎にも強い特徴がみられ、センニンソウと類似する種類の植物を見分けるポイントにもなります。

センニンソウの毒性の種類と対策

センニンソウの毒性と体への影響

毒
Photo byqimono

センニンソウの毒は茎の切れ目や葉から出る白い汁、濡れた花粉に含まれています。センニンソウの毒が皮膚に触れると水ぶくれやただれといった炎症を起こし、成長したセンニンソウの葉を口にすると下痢や胃腸炎といった症状を起こすことがあります。毒の成分はプロトアネモニンサポニンとヘデラゲリン。その毒性の強さからセンニンソウの葉を潰したり枝を叩いたものを川に流して魚を獲る魚毒という漁の方法に使われることもあります(現在は禁止されています。)。

センニンソウの毒に触れないための対策法


センニンソウの毒性は皮膚に触れることで炎症を起こすもののため、センニンソウの手入れを行う際には手袋を使用することがおすすめされています。センニンソウが植えられている庭の中で作業を行う場合、どうしても毒に触れてしまう危険性が高くなってしまうので注意が必要。また濡れた花粉にも毒性がみられることから、雨上がりや水やりの後に触らないようにするなどといったことを頭に入れておくことも大切です。

センニンソウの毒性から体を守る

守る
Photo bykalhh

センニンソウは柔らかく綺麗な緑色の葉をつけますが、ウマクワズという別名がつけられるほど危険な葉でもあります。別名の通り口にすると歯が落ちるということはありませんが、小さい子どもがいる家庭などでは誤って口にしないよう特に注意しなければいけません。小さい子どもの胃腸炎は一大事、センニンソウがもたらす毒性の危険から体を守りましょう。

センニンソウを葉が薬として使われていることについて

センニンソウはその毒を生かし体の不調を治すといったことに使われることもあるようです。その使い方のひとつには夏から秋にかけて取ったセンニンソウの葉をそのまま患部に当て扁桃炎や神経痛、リューマチなどの痛みを和らげるといったものがあります。しかしセンニンソウの生の葉を患部に当てることは民間療法で行われ、効果や効能についての根拠はなく解明もされていません。

センニンソウを使った漢方薬や生薬

センニンソウは漢方薬や生薬としても使用されているようです。その使い方はセンニンソウや類似される植物の根を乾燥させて、神経痛やリューマチの痛み止めとして煎じて飲用するというもの。他にもセンニンソウの茎や葉を潰して軟膏にし、のう水を破るといったことにも使われているともいわれています。これらも全て民間療法なので独断で使用しては絶対にいけません。また民間療法でセンニンソウを使用する場合にも副作用がみられることがあるので充分な注意が必要です。

センニンソウと類似の植物と見分け方

センニンソウに類似の植物①ボタンヅル

ボタンヅル
Photo by harum.koh

ボタンヅルはキンポウゲ科センニンソウ属に分類されるツル性の半低木。ボタンヅルの花も花弁がなく4枚の花弁状の萼片が十文字に開きます。実への変化もセンニンソウと変わりません。センニンソウとの違いですが、ボタンヅルの実の形は紡錘型また萼片と雄しべの長さが同じといったものがあります。センニンソウとの大きな違いは葉にみられ、センニンソウは縁の丸い小葉が3~7枚つくことに対してボタンヅルは1回3出複葉で3~6cmの卵型で葉の縁に不揃いの鋸葉状になる小葉をつけます。この小葉が牡丹の葉に似ていることからボタンヅルと名付けられ、センニンソウと見分ける特徴にもなっています。

センニンソウに類似の植物②コボタンヅル

コボタンヅルはキンポウゲ科センニンソウ属に分類されるツル性の半低木。花はセンニンソウとボタンヅルと同じく花弁状の萼片を4枚つけますが、コボタンヅルも小葉にセンニンソウとの違いがみられます。コボタンヅルは2回3出複葉という種類(3枚の葉が3度、計9枚の小葉をつけます)。小葉には細長く粗い鋸葉が見られ、葉の表面の葉脈がへこむといった特徴があります。またコボタンヅルの実は無毛ですが、センニンソウとボタンヅルは実に毛がつくといった違いからも見分けることができます。

センニンソウに類似の植物③キイセンニンソウ

キイセンニンソウもキンポウゲ科センニンソウ属に分類されるツル性の半低木です。生育する環境も似ていて、日当たりの良い山地の道端や林の縁に繁殖。キイセンニンソウとセンニンソウは葉と茎の違いから見分けることができます。キイセンニンソウの小葉は2回3出複葉。センニンソウの小葉は先が細くなる卵型なのに対してキイセンニンソウは卵型もしくは長楕円形、またセンニンソウよりも小葉に厚みと光沢があるといった違いがみられます。そしてキイセンニンソウの葉柄(中心の茎から分かれて伸びる茎)に節があることもセンニンソウと見分ける特徴のひとつとなっています。

センニンソウに類似の植物④フジセンニンソウ


ボタンヅルなどに比べるとセンニンソウに似ている程度が少しだけですが低くなりますが、センニンソウと見分けることが難しい類似の植物として最後に紹介したいのがフジセンニンソウ。フジセンニンソウはキンポウゲ科センニンソウ属ですが、ツル性の半木本性という種類に分類されます。センニンソウと同じく山野の道端や林縁などに生育し花や実からはほとんど違いがみられません。見分けるための特徴としては、フジセンニンソウは緑色の葉が枯れると黒褐色に変化するといったものがあります。

センニンソウの購入を考えたら

センニンソウを植える時期と場所

ガーデニング
Photo byjag2020

センニンソウは日本で自生している植物なので扱いやすく、生命力が強いことから自由に剪定をすることができます。センニンソウの植え付けの時期は花が咲く前の4、5月と花が咲き終わった10、11月。剪定の時期は10月です。センニンソウは日当たりと風通しの良い場所で育てることが最適ですが、真夏の日差しは強すぎるので半分日陰になる環境に置いてあげることも必要です。また庭に直接植えるだけでなく鉢植えでも育てることができます。

センニンソウの育て方

センニンソウは根付いてからの水やりは不要で、順調に花をつけている場合には肥料を与える必要もありません。害虫にも強いですが、風通しが悪かったり梅雨時期のときにはうどん粉病になることもあります。地植えだとほとんど手がかかりませんが、鉢植えの場合は水やりが必要になったりと育て方に多少の違いがあるので注意しなければいけません。

まとめ

(山野草)センニンソウ(仙人草) 3号(1ポット)

出典:Amazon
出典:Amazon

花の種類や名前の由来など特徴の強いものがあったり、毒性の危険性といった注意点があったりと興味深い内容の多い植物のひとつでもあるセンニンソウ。日本国内に自生していることから気軽に見に行くこともできるので、センニンソウの花を楽しむきっかけになれば幸いです。

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