アサリの味噌汁は特別!
プロフィールでは省略していますが、実は筆者には二つふるさとがありまして、それが神奈川県ともう一つ愛知県なんです。幼少時代をアサリの一大産地、愛知県の渥美半島で過ごしたKUMA10。アサリの味噌汁には特別な思い入れがありまして、「大粒アサリ」などと表示されたアサリをスーパーで目にするとつい購入してしまいます。まあほとんどがガッカリな結果なんですが、それでもアサリの味噌汁を飲むとパッと視界が開けるような(悪いお薬は入れていません)染み渡るものを感じます。今回はおだしの滲み出たうまい味噌汁の作り方を解説していきます。
うまい味噌汁の条件
新鮮なアサリ
アサリに限らず貝類は死んだ瞬間から傷み始めます。ですから最低限「活貝」を使用しましょう。もしもご自分で掘ってきたアサリならば3%の塩水に漬けて砂抜きをします。スーパーで売られている物はほとんどが「砂抜き処理済み」になっていますから砂抜きの行程はいりませんね。ちなみに3%の塩水は500mlのペットボトル一杯の水にペットボトルの蓋すりきり2杯分の塩で作ることができます。これは豆知識として覚えておくと役に立ちますよ。
うまい合わせ味噌
当然と言えば当然なのですが、うまい味噌汁を作るのにもう一つ必要なのが「うまい味噌」です。貝類は「赤だし味噌」に限ると思うのですが、アサリの味噌汁に赤だし味噌単体ではきつい気がします。赤だし単体はしじみ汁、アサリ汁は合わせ味噌が合うと思います。KUMA10は先ほども書きましたが、幼い頃愛知県で暮らしていた関係で八丁味噌命なので、ベースは八丁味噌。1:1で信州味噌と混ぜて使っています。どちらも辛口ですので、味噌量はかなり少なめです。
アサリの味噌汁の作り方①
一応砂抜きはしましょう
さて、冒頭で最近のアサリは「砂抜きされている」と書きましたが、一応3%の塩水に漬けることをおすすめします。今回使ったものも砂抜きしてあると表示されていましたが、20分も漬けておくと画像の通りです。人の言うことを簡単に信じてはいけない典型ですね。
洗貝は真水でごしごし
アサリは食べる直前に真水で洗います。貝と貝をこすり合わせるようにゴリゴリと洗って下さい。この時塩水を使わないのは、貝に付着している菌の対策もあります。海水で生活している菌は当然塩水には強い耐性を持っています。真水には弱いので、海の物を洗う時は真水を使います。そしてもう一つ。塩水の中で「ああ、居心地がいいなあ」などと油断しているアサリにストレスを与えてやりましょう。これによってアサリ自体の旨味が上がると考えられています。
アサリの味噌汁の作り方②
アサリは水から煮出す
鍋に新鮮な活アサリを並べていきます。フタの開きが阻害されないようにアサリはできれば重ならないように並べます。もう一つ気を付けることは水の量です。貝類は茹でると大量のアクを噴出します。このアクをすくう時に茹で汁もかなり掬ってしまいます、他の味噌汁を作る時に比べて2割増しほどの水で作り始めましょう。
絶対に沸騰させない
最初は強火でガンガンと温めて行きます。鍋のフチから細かい泡が出始めたら気を付けましょう。全体を軽く混ぜ水温を一定にし、火を弱火に落とします。この時には貝のフタがすべて開いていることを確認しましょう。ここまで来てフタが開いていないヤツは元々死んでいるか、よほど我慢強いヤツなので敬意を表してそっと箸でつまんで捨てましょう。茹で汁の中で傷んだ(腐った)臭いを撒き散らされたくないですものね。ここからは絶対にグラグラと沸騰させないようにします。
アサリの味噌汁の作り方③
丁寧なアク取り
アサリに限らず貝類を茹でると大量のアクが発生します。このアクの色が大事で、アクに緑や黒、赤などの色が付いているとそれは「洗貝不足」で、味噌汁に雑味が入ります。アクの色は純白を目指しましょう(アクが出た時には「時すでに遅し」ですが)。これを丁寧に掬っていくとアサリの旨味成分の一つ「コハク酸」の色の付いた白濁したスープができます。
赤白合わせ味噌を溶く
ここで合わせ味噌の登場です。赤の八丁味噌も白の信州味噌も味噌界では名うての辛口野郎ですので、「おい、俺を溶かす時には量に気を付けな」などと辛口のアドバイスをしてきます。せっかくのアサリの美味しいお出汁を活かすためにもくれぐれも味噌は少なめに溶きましょう。入れ過ぎて水を足すより、少なすぎてあとから味噌を足す方が間違いなく美味しくできますから味を見ながら慎重に溶いていきましょう。
アサリの身は食べる?
アサリは出汁取り?
アサリの味噌汁の作り方を見ていただきましたが、だしの素や他にお出汁の出るものは一切入れません。アサリ単体で充分なお出汁がでます。ここで議題に登るのがアサリの身は味噌汁の具として食べるか否か問題です。近しい人たち何人かにアンケートを取ったところ、驚くことにアサリの身は食べないという不届きものが一人いました。そいつはアサリもシジミも食べる派のKUMA10を宇宙人を見る目で眺めておりました。結構多かったのは「アサリは食べるけどシジミは食べない」派の人達です。お願いです、味噌汁の貝は食べましょう。
アサリを具として扱う
夫にあさりの味噌汁をだすといつも身を食べずに残す
— いこあん:cherry_blossom: (@ikoan0517) February 28, 2018
なんで食べないの?って聞くと
あさりはダシだから..とのこと
いやいや あさりの身ってちゃんと食べますよね!?
アンケートで決着つけさせてください!
あなたはあさりの身を....
味噌汁の具としてアサリを見られない方の意見として「出汁が出ちゃって美味しくないじゃん」の他に「食べにくいじゃん」というものがありました。確かに箸で身を剥がすと貝柱が残ってしまったりしますね。これはまず何も付いていない貝殻を一枚用意しておくことで簡単に解決できる問題です。食べようとするアサリの身の下に貝殻を差し込み、スプーンのように貝柱をこそげましょう。簡単に貝柱を剥がすことができます。また、怪しい裏ワザですが、貝柱の裏側の貝の外側を指でこするとポロリと貝柱が外れるとうちの父が言っておりました。
アサリの味噌汁の副菜
塩ジャケ最高!
アサリの味噌汁に合う副菜は何でしょう。個人的な意見で申し訳ないですが、これはもう「焼き魚」で決まりだと思います。アジの干物、サバの塩焼きなど焼き魚はいろいろありますけれど、KUMA10的には塩ジャケがベストパートナーだと信じております。ご飯の最後の一口を、ジクジクと脂の滲み出た腹皮とご飯のコラボレーションでフィニッシュする時に、最後の味噌汁でそれを胃に流し込んで御覧なさい。満足感と満腹感が同時に心のドアをノックしてくれます。
塩ジャケは自作する
スーパーで手に入る塩ジャケのなんと甘いことか。昔の塩ジャケは焼きたてをお湯に漬けるだけで立派なお吸い物ができるくらい塩辛かったのですよ。これをチビチビとこそげながらご飯のおかずにして、余ったらおにぎりの具にしたものです。まあ、無い無いと嘆いていてもはじまらないので、私はサーモンをスーパーで購入したら即塩漬けにしちゃいます。やりかたは簡単、一掴みの塩を塗りつけて冷蔵庫で1日寝かすだけです。焼く前にさっと水洗いしていただきます。美味しいので皆さんも1度やってみてくださいね。
アサリの味噌汁で食卓に潤いを!
お味噌汁は我々にとって本当に身近なスープです。おとうふやワカメ、大根にナス、どんな食材でもお味噌汁として成立します。ですがそれ単体で具と出汁両方カバーできる食材はとても少なく、アサリはその筆頭でしょう。アサリに含まれるタウリンは疲労回復にも効果が高く、アサリは健康食材としても注目できる食材です。ぜひ美味しいアサリをお味噌汁にして食卓と体を潤しましょう。
アサリのことが気になった方はこちらもチェック!
今回アサリのお味噌汁に特化した記事を書かせていただきましたが、「暮らし~の」サイト中にアサリに特化した記事がありました。とても丁寧な記事で、アサリの旬や美味しい食べ方などが紹介されています。ぜひ御併読ください。
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