はじめに
龍王峡は周囲が山に囲まれた静かな峡谷です。同じ渓谷内でも岩の種類や形によって名前が分けられており、それぞれ異なった景色が広がっています。近年ではアウトドアが人気ということで、ハイキング目的で訪れる観光客が増えました。4つのハイキングコースが整備されており、難易度別にコースを選ぶことができます。整備されたハイキングコースにはマップも用意されており、初心者でもチャレンジしやすいです。また首都圏から行きやすい立地は車の有無を気にしなくていいので、いろいろなライフスタイルの方に選ばれる理由です。【この記事は2020年4月28日時点の情報です。】
龍王峡の概要
【住所】栃木県日光市藤原1357
【電車で行くには】野岩鉄道会津鬼怒川線龍王峡駅より徒歩すぐ
【お車で行くには】日光宇都宮道路今市ICより約19km
絶景ハイキングコースの紹介
龍王峡で絶景が見られるハイキングコースは主に4つあります。初心者や予備知識のないまま来た人から、とことん歩きたい人まで、万人受けするところが人気のひとつの理由です。難易度や人数、時間などで条件が変わります。自分がどのコースを選ぶのか、装備や難易度は問題ないかなどを確認しておいてください。はじめてのハイキングコースでは道に迷う心配もあるかと思いますが、ところどころに現在地を示すマップがあります。そのマップには見どころが写真付きで紹介されているので、カメラをお持ちになると楽しみが増えます。
龍王峡ハイキングコース1
4つのコースの中で最もチャレンジしやすいコースがむささび橋巡回コースです。いくつかの見どころを見た後は、龍王峡でも撮影スポットとして多くの写真を撮られるむささび橋に到着します。ここからUターンをして、スタート地点に戻ります。スタート位置から出発後、再度スタート位置に戻ってくるのがこちらのコースです。龍王峡の見どころを短時間で見たい!時間がないけどハイキングコースを歩いてみたい!という方でも気軽に歩くことができるのが出来ます。虹見の滝に虹がかかる様を見ることができるかもしれません。虹見橋はたくさんの観光客がカメラをかまえています。
コース概要
【難易度】初級者から中級者
【距離】2.5キロ
【所要時間】1時間半
龍王峡ハイキングコース2
コース2はスタート地点から白岩まで歩きます。コース1のむささび橋巡回コースではむささび橋から来た道を戻るのですが、このコースはその先を行きます。むささび橋付近から目をこらすと、岩の色が変化しているのがわかります。この辺りは青龍峡と呼ばれ、青い岩が目立つようになります。このコースのみどころは大観と呼ばれる場所です。全国観光地百選渓谷の部で第五位に選ばれました。ここでは様々な形の岩と、鬼怒川が目に飛び込んできます。ちなみにコース2からはスタート地点からスタート地点に戻る計算がされておりません。
コース概要
【難易度】初級者から中級者
【距離】2キロ
【所要時間】1時間
龍王峡ハイキングコース3
コース3は白岩のさらに先にある白岩半島を通過したのち、浜子橋に到着することが目標です。この辺りになると気軽に歩くという距離ではないため、徐々に人が減ってきます。ハイキングコースが鬼怒川の蛇行している部分に位置しており、スタート地点からは約3キロほど歩きます。ハイキングコース自体の終盤になるため、疲労感はありますが写真撮影をするのに最適です。紫がかった岩が目をひきます。そのため紫龍峡という名前がついています。もし疲労等でハイキングを終了したい場合は、バス停が近くにあります。本数は少ないものの、マイカーで来ていない人にはとても便利です。
コース概要
【難易度】初級者から中級者
【距離】3キロ
【所要時間】1時間半
龍王峡ハイキングコース4
最後のコース4は川治温泉薬師の湯を終着地としています。コース3までは多くの見どころを楽しみながら歩いてきました。この先は林道やトンネル内を歩く場所があります。この長い道のりの先には川治温泉がありますので、たくさん歩いた後に温泉に入ってリフレッシュしたい、という方におすすめです。ほかのコースに比べて距離が長くその分時間もかかるので、じっくりと歩きたい方はチャレンジしてみてください。道中には南平山登山道への案内マップがありますので、あじさい公園方面に進んでください。
コース概要
【難易度】中級者から上級者
【距離】6キロ
【所要時間】3時間
龍王峡ハイキングおすすめの時期
紅葉と鬼怒川のコントラストが印象に残る秋がおすすめです。日光は紅葉が有名で交通網の大渋滞を起こすほど観光客でごった返します。特に東北自動車道の週末はかなりの混雑が起こります。観光本などでもやはり秋が最もおすすめされている傾向があります。龍王峡も秋は素晴らしい紅葉を見ることができます。気温は平地と比べてぐっと下がるので、暖かい服装を心がけてください。また落ち葉の下にハチの巣が潜んでいる可能性があります。コースを外れることなく、マップを確認しつつ絶景を楽しんでください。
夏場のハイキング
栃木県は太平洋岸気候区です。龍王峡のある栃木県北部は日本海岸気候区の特徴があります。日光市は比較的標高がある土地のため、夏は割と涼しいです。鬼怒川のすぐそばまで行くことができるので、川の気持ちのいい冷たさを感じることができます。よって、龍王峡の夏場も比較的過ごしやすいといえます。しかし、ハイキングをするので汗を非常にかくため、しっかりとした水分補給や紫外線対策等は必須です。服装もタウンユースのものより、ハイキング用の服装で訪れることをおすすめします。
夏場の服装:トップス
夏場のハイキングを行うにあたり、服装の機能面で重視したい点は速乾性です。トップスは半袖のベースレイヤーと長袖のミドルレイヤーの2枚重ねがおすすめです。さらにレインウエアを用意して、天候の急変に備えておくと万全です。
ベースレイヤー
ベースレイヤーは汗をかいてもすぐに乾く、化学繊維を用いたものがいいです。暑い夏は面素材のTシャツ一枚でも大丈夫と思いがちです。ハイキングを行う際は素材選びを気にかけてください。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーは保温が目的のため、長袖を選ぶといいです。素材は様々なものがありますが、脱ぎ着しやすい、前開きのものがおすすめです。
夏場の服装:ボトム
ボトムは動きやすく、破れにくいことが重要です。長時間体を動かすので、体の動きを妨げないパンツ選びが必要です。ボトムは基本的に重ね履きをしませんが、天候悪化時にレインウエアを履く場合があります。パンツ自体が撥水効果がある場合は、レインウエアが不要な場合もあります。
冬場のハイキング
夏が涼しかったかわりに、冬は気温がぐっと下がり、山沿いは雪が降ります。龍王峡の位置する日光市は周囲が山に囲まれているため、積雪量が多い地域になります。冬場は夏場に比べて難易度が上がります。普段は見えるマップが雪で隠れる可能性もあります。最低気温が摂氏0度以下になることも珍しくはないので、しっかりとした防寒対策が必要になります。イヤーマフや帽子、手袋をつけるなど、肌が出ている部分は極力隠してください。ホッカイロを持っていくこともおすすめです。また、マイカーで訪れる際はスタッドレスタイヤを装着するなど、必ず対策を行った上でお願いします。
冬場の服装:トップス
寒さの厳しい栃木において、冬場の服装選びはとても重要になります。ベースレイヤーとミドルレイヤー、アウターレイヤーを重ね着することが基本になります。
ベースレイヤー
ウール素材を使ったもので防寒することが重要です。冬場は寒いとはいえ、休憩時等に足を止めると急激に体温が低下します。保温性が高く、速乾性の優れたウエア探しをしてください。
ミドルレイヤー
中間着として着るミドルレイヤーは軽量でかさばらないものがおすすめです。薄手のダウンジャケットや、フリース素材のものを選ぶことで、快適に動くことができます。
アウターレイヤー
アウターレイヤーは外気の影響を受けずらいものを選ぶことが重要です。なぜなら冬の厳しい外気を防ぐことができないと、体温の低下をひきおこしてしまい、体力が落ちてしまうからです。ゴアテックス素材などは値段ははるものの、しっかりとした防寒対策ができます。
冬場の服装:ボトム
冬場のボトムは夏場と同じように動きやすいことと丈夫なことに加えて、外気の影響を受けずらいものを選んでください。また、フリース素材は汗を吸収してしまうと汗をかいてしまい、体温調節が難しくなります。ここでも速乾性の高いものを選んでください。
龍王峡のハイキングにおいての靴選び
服装選びとともに重要なのは靴選びです。基本的には滑らない靴を履くことが安全です。龍王峡は鬼怒川に沿うような形でハイキングコースが整備されている関係で、滑りやすくなっている箇所がいくつもあります。運動靴、特にトレッキング用の靴を履いておくと歩きやすいです。メレルやモンベルなどのメーカーが有名なので、自分の足に合った靴選びをしてみてください。新しい靴を買った際は、できればハイキングをする前に足に慣らしておくといいです。長時間なれない靴で歩くと靴擦れが生じる可能性が高くなります。
龍王峡ハイキング後におすすめの日帰り温泉1
栃木県は温泉地として知られており、鬼怒川温泉と川治温泉が近い龍王峡は日帰り温泉に立ち寄るハイカーが多くみられます。宿によっては日帰り温泉が営業しているのでハイキング後は温泉につかり、疲れをとるハイカーも多いです。そこでおすすめの日帰り温泉をご紹介します。はじめに鬼怒川温泉は開湯が江戸時代と歴史のある大型温泉地です。多くのホテルや旅館があり目移りしてしまうほどです。泉質はアルカリ単純泉で疲労回復などに効果があります。湧出する源泉数は600以上あり、東京からのアクセスも容易なため、多くの観光客が訪れます。
鬼怒川公園岩風呂
鬼怒川温泉駅からほど近い場所にあります。電車利用の人でも立ち寄りやすいです。リーズナブルな入浴料や、露天風呂の広さで人気を集めています。週末は観光客が多く訪れるので、混雑することもあります。開放感あふれる露天風呂は男女ともに人気で、日光の山々を臨むことができます。内湯もあるので、お好きな風呂を選んでください。ちなみに鬼怒川温泉駅近くの観光情報センターではグルメマップの配布をしています。温泉入浴後に食事をされたい方は、このマップが役に立つので探してみてください。
鬼怒川公園岩風呂の施設概要
【住所】栃木県日光市藤原19
【営業時間】10:00~20:30
【電話番号】0288-76-2683
【入浴料】大人510円/小人250円
花の宿 松や
まるで大正時代にタイムスリップしたかのような宿は写真映えします。露天風呂は鬼怒川のそばに設置されているため、入浴しつつ風景を楽しめるのがリピーターにも喜ばれています。貸し切りの家族風呂もあり、ご家族でくつろぐことができます。働いているスタッフの対応がいいと評価が高く、また訪れたくなる気持ちにさせてくれます。
花の宿 松やの施設概要
【住所】栃木県日光市鬼怒川温泉藤原19
【営業時間】13:00~15:00
【電話番号】0288-77-1221
【入浴料】大人1000円/小人500円
龍王峡ハイキング後におすすめの日帰り温泉2
前項のおすすめの温泉1は鬼怒川温泉でしたが、せっかくなので川治温泉にも入浴されてはいかがでしょうか。川治温泉は鬼怒川温泉よりも静かなたたずまいです。ゆっくりとした時間の中、のんびり温泉につかりたい方はこちらの川治温泉のほうが好まれます。開湯は江戸時代と古くから愛されてきた温泉地です。こちらの泉質は疲労回復等に効能があるといわれているアルカリ性単純泉です。きっと疲れた体をほぐしてくれるでしょう。鬼怒川温泉よりも奥まった場所にあるので、あらかじめ観光マップで場所を確認しておくとスムーズです。
薬師の湯
薬師の湯は龍王峡ハイキングコース4でご紹介した終着地点の温泉です。共同温泉場として地元の方をはじめ、観光客も利用することができます。サウナや貸切風呂、混浴露天風呂などバラエティーに富んでいます。特に混浴露天風呂は野趣あふれる岩風呂になっており、根強い人気があります。はじめて来た方はびっくりされるかもしれません。利用料金がリーズナブルなのも人気のある理由です。
薬師の湯の施設概要
【住所】栃木県日光市川治温泉川治227
【営業時間】10:00~21:00 水曜日定休
【電話番号】0288-78-0229
【入浴料】大人510円/小人300円
湯けむりの里 柏屋
大正15年創業という歴史のある温泉宿です。平日限定になってしまいますが、日帰り入浴が可能です。川治温泉は温泉の温度が高くないので、一時間に一度通る野岩鉄道の列車を待つのもいいかもしれません。眺望自慢と謳っているように、絶景を眺めながらの温泉は格別です。もしゆっくりと温泉につかる時間がない方は、無料で開放されている足湯があるので、そちらを利用されてはいかがでしょうか。
湯けむりの里 柏屋の施設概要
【住所】栃木県日光市川治温泉高原62
【営業時間】14:00~15:00 平日のみ
【電話番号】0288-78-0002
【入浴料】大人1500円/小人1000円
龍王峡ハイキングまとめ
あなたの一生に残る龍王峡のハイキングコースについてご紹介しました。1から3までは比較的歩きやすいので難易度は初級者から中級者向けです。コース4はほかのコースに比べて歩く距離が2倍ほど増え、林道なども歩くことから中級者から上級者向けになります。首都圏からもアクセスのいい龍王峡は気軽に行けるハイキングコースがあり、初心者にもベテランにもおすすめできます。
ハイキングが気になる方はこちらをチェック!
龍王峡で絶景を楽しんだ後はほかのハイキングコースも行ってみたくなるかもしれません。関東圏でおすすめの箱根山です。
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