植物のグリーンカーテンでおしゃれに日よけ
グリーンカーテンは、夏の暑さを植物によって軽減させるばかりか、省電力効果も期待できるため、ガーデニングでぜひ取り入れたい日よけの方法です。
さっそく簡単にできる方法でガーデニングにはじめてみようと思っても、どんな種類の花、野菜、果物などではじめたらいいのか、悩みは尽きないものです。
今回は、日よけに向いている植物ご紹介すると同時に、簡単でおしゃれに仕上げたいグリーンカーテンのおすすめの方法についてご紹介します。猛暑になる前に、さっそくガーデニングでグリーンカーテンづくりをはじめましょう。
グリーンカーテンって?
つる性の植物を使った自然のカーテンのこと
グリーンカーテンとは、つる性の植物のつるを伸ばして、窓の外や壁などを覆う自然のカーテンのことです。
この自然のカーテンによって、強い日差しを遮断することができるだけではなく、植物から蒸発する水分によって温度を下げることができ、見た目にも涼し気な印象を与えることから、自然の力を使った省電力効果があると期待されています。
植物の選び方でグリーンカーテンの雰囲気を演出
グリーンカーテンは、選ぶ植物によって、雰囲気が変わります。鮮やかな花をつける植物を選ぶと、おしゃれでかわいい雰囲気のグリーンカーテンになりますし、野菜や果物ができる植物を選べば、収穫した実を楽しむこともできます。
ただ、植物の選び方を間違えてしまうと、暑さで枯れてしまったり、葉がこんもりとして暑苦しく見えてしまったりすることもあります。
失敗せずにおしゃれなグリーンカーテンが作れるように、まずは日よけの植物としておすすめの種類をご紹介していきたいと思います。
グリーンカーテンにおすすめの日よけ植物の条件
つるが伸びる種類がいい
ガーデニングではじめたいグリーンカーテン。選ぶポイントとして第一に考えたいのは、つる性の植物であるということです。グリーンカーテンを作りたい窓辺や壁面のそばにつる性の植物を植え、芽をどんどん上に伸ばしていきます。そうすることで、グリーンカーテンができあがります。
暑さに強い種類がいい
グリーンカーテンを作る際に選びたい植物は、暑さに強い種類のものにしましょう。グリーナーテンは、夏の強い日差しにさらされるため、暑さにあまり強くない種類の植物を選んでしまうと、枯れてしまうこともあります。
このため、グリーンカーテンを作る際は、暑さに強い熱帯地方で育つ植物を選ぶようにすると失敗しません。
涼し気に見える種類がいい
家庭のガーデニングでグリーンカーテンを作る際は、葉が小さく、風通しのいい植物を選ぶようにしましょう。葉が大きいと風通しが悪くなり、グリーンカーテンがこんもりとしてしまい、暑苦しく見えてしまうこともあります。
また、通気が悪くなると、植物の生育も悪くなり、植物が枯れてしまうことも考えられます。なるべく涼し気に見えるような種類の植物を選んで、猛暑の夏も快適に過ごせるグリーンカーテンを作りましょう。
【花】日よけにおすすめの植物2選
①アサガオ
グリーンカーテンで人気の高い花はアサガオです。暑さに強く、育てやすく、可憐なつるがどんどん上に伸びていくので、涼し気なグリーンカーテンを作ることができます。
また、グリーンカーテンが必要な時期とアサガオの時期はちょうど重なります。春先から植えて、ガーデニングを楽しみながらグリーンカーテンを作ることができます。
アサガオの花は種類が豊富
アサガオは、もともと中国から日本に伝えられた外来の花です。種類が多く、花色も白、ピンク、青、紫などさまざまで、花の大きさも大きなものから小さなものまで実に多様にあります。
グリーンカーテンでアサガオを育てようと考えてらっしゃる方は、カーテンの仕上がりをイメージしながら花の種類を決めていきましょう。
小さなお子様がいらっしゃる家庭では、アサガオ日記として記録を残し、夏休みの課題に提出することもできます。
②フウセンカズラ
小さな白い花が咲いた後、紙風船を膨らましたような実ができるフウセンカズラも人気です。熱帯地方で育つ植物なので、真夏の暑さに強く夏から秋にかけてつるを伸ばし、秋には実をつけるため、長い間、楽しむことができます。
また、実ができたら、中にできる種がハート型でかわいいので、贈り物にもおすすめです。
熱帯や亜熱帯の花もおすすめ
南米産のミナ・ロバータは、晩夏から秋にかけて花をつけ、花の色が変化します。ツンべルギアという花は、熱帯や亜熱帯が原産の花で、花の種類も多く、花期が長いことで知られています。つる性の品種を選べば、花が楽しめるグリーンカーテンとなります。
このように、花がつくグリーンカーテンを作りたい場合は、つる性の好みの花がつく種類を選びましょう。
【野菜】日よけにおすすめの植物4選
①きゅうり、ゴーヤ
夏野菜で作るグリーンカーテンは、好きな野菜を植えると一石二鳥です。ただし、つる性の植物でなければカーテンのようにはなりません。つる性の野菜といえば、きゅうりやゴーヤが人気です。
ゴーヤはその苦みがおいしい野菜ですが、お子様がいらっしゃる家庭では使いにくいということもあります。きゅうりは、サラダにして食べてもおいしいし、塩もみして水分補給にもなります。
②かぼちゃ、スイカ、メロン
横に伸びるつる性の野菜には、かぼちゃなどもあります。同じように横に伸びる植物として、スイカやメロンなどもあります。ともに、つるを上に伸ばしていくことも可能ですので、いろいろと作ってみましょう。
ただし、元来、大きなサイズの野菜はミニサイズの野菜を選ぶようにしましょう。実が重くてつるが伸びていかなくなることもあります。
③インゲン
グリーンカーテンを作るのにおすすめの野菜がインゲンです。インゲンには、つるのない品種もありますが、つる性のインゲンもありますので、種を購入する際は、必ずつる性のインゲンを選ぶことが大切です。
インゲンは、春に植えて夏に収穫を迎えるため、グリーンカーテンを作りながら野菜も作ることが可能です。
④ミニトマト
ミニトマトはつる性の野菜ではありませんが、夏、元気よく育つ野菜ですので、グリーンカーテンのように作ることができます。伸びてきた芽をネットや支柱に誘引し、上の方へと伸ばしていくことで、グリーンカーテンができます。ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
【果物】日よけにおすすめの植物2選
①ブドウ
ブドウの木で作るグリーンカーテンは、かなり本格的に作らなければなりません。一度植えたら、毎年、植え替える必要はありませんが、しっかりとした棚を作り、十分に管理していく必要があります。
うまくいけば、毎年、グリーンカーテンを楽しむことができるばかりか、晩夏まで長い期間、グリーンカーテンとして効果を発揮することができるため、本格的なガーデニングに挑戦してみたい方はぜひブドウで日よけを作ってみるのをおすすめします。
実を食べられないように注意
グリーンカーテンとして、手をかけてブドウを育てていき、やっと実が食べられると思ったら、うっかり鳥に果物の実を食べられてしまった、なんていうことがあります。
グリーンカーテンとして果物を育てていると、カーテンとしての役割にうっかり気がいってしまい、収穫のタイミングを忘れてしまうこともあります。大切に育てた果物を食べられないように注意しながら、グリーンカーテンの管理を行っていきましょう。
②パッションフルーツ
日よけの植物に果物を植えようと考えてらっしゃる方は、パッションフルーツを選ぶと、異国情緒あふれるおしゃれな窓辺を演出することができます。パッションフルーツもつる性の植物で、しかも夏の暑さに強いため、ぜひ今年のグリーンカーテンはパッションフルーツを選んでみてはいかがでしょうか。
果物としてもおいしくいただくことが可能
もちろん、パッションフルーツは、独特の花を楽しんだ後、同じく独特なフルーツを楽しむこともできます。ただし、実によっては酸味が強く、食べにくいものもありますので、ハチミツなどを使って味を調整して、夏の暑さを吹き飛ばしましょう。
パッションフルーツは比較的育てやすいので、初心者の方におすすめです。
日よけ植物を使ったグリーンカーテンの作り方
①どこにグリーンカーテンを作るのか
グリーンカーテンを作ろうと考えたら、まずどこにグリーンカーテンを作るのかを考えましょう。窓の外、ベランダ、縁側など、日よけにグリーンカーテンを作るのにふさわしい場所をうまく選んでいきます。
ただ、いろいろ考えてしまうと、どこに植えたらいいのかわからなくなってしまいますので、初めての方はとりあえずベランダや窓辺に作ってみるというはじめ方もおすすめです。
おしゃれなグリーンカーテンをイメージする
場所を決めたら、どんなイメージでグリーンカーテンを作るのかを考えましょう。窓をきれいに覆うように作るのか、グリーンカーテンと窓の間にスペースを作り、風や人が通れるようにするのかなど、作り方によってさまざまなカーテンを作ることができます。
エアコンの室外機などがある場所にグリーンカーテンを作る際、カーテンの内側に室外機を入れると直射日光からの日よけにもなります。野菜や果物を植える方は、収穫のしやすさなども考慮する必要があります。
②ガーデニングの基本的な用具でOK
どんな植物を使ってグリーンカーテンを作るのかを決めたら、さっそくその植物の植えつけの時期にはじめましょう。グリーンカーテンを作るための準備は、ガーデニングの基本的な準備と同じです。苗や種、プランター、用土や肥料、さらに必要となるのは、支柱やネットです。
直植えでグリーンカーテンを作る場合の注意点
同じ場所に同じ種類の野菜や果物を栽培すると、連作障害が起こることがあります。このため、毎年、同じ場所にグリーンカーテンを作ろうと考えてらっしゃる場合、植え付けの際に土を入れ替えるか、グリーンカーテンが終わったら、秋ごろに苦土石灰を入れて中和しておくようにしておきます。
直植えでグリーンカーテンを作ろうと考えてらっしゃる方は忘れずに行いましょう。
③直植えの場合は土を準備してから
グリーンカーテンを作る際も、通常のガーデニングのときと同じように、植物を植える前に土を耕しておきましょう。肥料を混ぜておき、苗や種を植える準備をしておきます。
植え付けの際は、それぞれの植物に合った植え方で植えていきましょう。必要であれば肥料を施し、水をたっぷりと与え、植物を育てていきます。苗を植える場合、高さが同じぐらいになるように調整し、株間は50cmほどにすることをおすすめします。
プランターの場合の植え付け
プランターを使ってグリーンカーテンを作る際、作りたいカーテンのイメージに合ったプランターを準備します。プランターは深さがあるのがおすすめです。種まきの場合、ひとつの穴に2~3粒ずつまき、株間は20~30cmほどにします。
大きなグリーンカーテンを作ろうと考えてらっしゃる方は、プランターをある程度準備することになりますので、事前にどれぐらい必要となるのか決めておいたほうがよいでしょう。
④植物が成長していったらネットを張る
グリーンカーテンのために植えた植物が生長していったら、ネットの準備をしましょう。ネットの張り方はいろいろあります。ネットの上部は、壁や柱にフックなどを使って固定するほか、ベランダの手すり、すだれ用の金具などに取り付けましょう。
ネットの下部は、プランターに固定するほか、ブロックなどの重いもので固定する方法があります。
ネットの張り方に工夫を
ネットの張り方ひとつで、グリーンカーテンの雰囲気がおしゃれに仕上がります。ただまっすぐに伸ばすのもひとつの方法ですが、少し斜めにすると日が当たりやすく、花や野菜、果物がよく見えるようになります。
洗濯の竿を使ってネットを張る人もたくさんいらっしゃいますし、市販のグリーンカーテン用のネットには、ネットを固定できるキットなどもあります。
⑤支柱を立ててネットに誘引する
グリーンカーテンを作るためにネットを張りたくても、ネットを張るスペースがなかったり、ネットを張るほどでもなかったりした場合などは、日よけ用の植物に支柱を立てるという方法もあります。
また、ネットを張った後に支柱を立てると、ネットへの誘因もうまくいきますので、支柱をうまく活用しましょう。
支柱とネットが一体化した製品もある
日よけの植物に支柱を立てる際は、植物のすぐそばに立てるようにします。支柱からネットに誘引するために、支柱とネットを結び付けましょう。支柱を立てた後は、風などで支柱が倒れないように注意しましょう。
なお、最近では、グリーンカーテンを作るためのさまざまな商品が市販されています。支柱とネットが一体化した製品もありますので、いろいろと検討してみるのもおすすめです。
⑥混み過ぎたグリーンカーテンはNG
グリーンカーテンを作る際、株間をあけて、通気もしっかりと確保しておくことは意外と重要です。グリーンカーテンに選んだ植物を隙間なく植えてしまうと、外の景色が見えなくなるため、室内が暗くなり、閉塞感すら生じてしまいます。
日よけと同時に採光も確保して、涼し気でおしゃれな窓辺を演出するようにしたいです。
虫が集まりやすいというデメリットも
混み過ぎたグリーンカーテンは、虫が集まりやすくなります。そのため、グリーンカーテンを作る際、株間をあけると同時に、窓や壁とグリーンカーテンの間に隙間を作り、通気を確保して、虫が集まってもストレスにならないようにしましょう。
窓辺に植物を置くと、緑がおしゃれで雰囲気はよくなりますが、どうしても湿っぽくなりがちです。換気をしっかりとして、なるべく窓辺をすがすがしくデコレーションしたいです。
⑦日々の管理を忘れないで
グリーンカーテンをおしゃれですてきに作るためには、日々の管理が大切です。とくに忘れてはならないのが水やりです。日よけとして育てている植物ですので、体力も奪われてしまいます。しっかりと水をあげて、必要に応じて肥料も施し、元気よく育っていくように管理するように心がけましょう。
日よけ植物の成長には時間がかかる
日よけのために植えた植物が、グリーンカーテンになるまでそれなりに時間がかかります。すぐに作ることができるわけではありませんので、焦らずにしっかりと育てていきましょう。しっかりと管理して、きちんと生長させることができたら、おしゃれですてきなグリーンカーテンとなります。
⑧日よけの植物を枯らさないように
日よけ植物は、ガーデニングで育てるほかの植物と同じように育てていきます。つまり、日よけ植物の葉が落ちれば拾わなければなりませんし、花や実が落ちたら掃除しなければなりません。
こうした日々の管理もしっかりと行っていかないと、せっかく涼し気でおしゃれな窓辺を作ろうとしても、汚らしくなってしまいます。なるべく日よけの植物を枯らさないように気を配りながら育てていきたいです。
日よけ植物が終わったら翌年の準備を
日よけ植物の生長が終わったら、グリーンカーテンの大掃除です。大規模なグリーンカーテンを作ってしまうと片付けが大変になりますが、枯れたまま放っておくと落ち葉などで周囲に迷惑をかけることもありますので、周囲に気を配りながら掃除するようにしましょう。
片付けが終わったら、翌年の準備です。連作障害を起こさないように土を調整し、再びおしゃれできれいなグリーンカーテンを作りましょう。
日よけ植物でグリーンカーテンを楽しもう
グリーンカーテンは、夏の鋭い日差しを遮断し、涼し気な窓辺をおしゃれに演出するガーデニングのテクニックのひとつです。毎日、植物を手入れする必要はありますが、省電力効果などもありますので、ぜひ日々のガーデニングで取り入れていきましょう。
お気に入りの花、野菜、果物などを育てながら作ることで、楽しみが二倍、三倍と増えていきます。
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