新企画第一回は「舌平目」に決定!
第一投で見事に釣れました。いや、釣れてしまいました。はぁ。がっかり感満載なのは後で説明するとして、「釣って食べるシリーズ」第一回目のお相手は「舌平目」に決定いたしました。食レポは二の次で、釣り方や仕掛け、さばき方などを中心にお送りして行こうと思います。特にカレイやヒラメなどのようなフラットフィッシュ系の魚はさばき方が特殊なのでそれの説明ができればいいかな、と思います。
いきなり企画倒れの予感
舌平目の定番
舌平目といえば定番の料理はムニエルですよね。洒落たレストランでよく冷えた白ワインとともに出されるあれです。「舌平目のムニエル」と発音するだけで「ああ、俺も大人になったな」などと少し遠い目で若い頃の過ちなどを思い出すあれですね。ところがこの系統の魚は種類が多く、食用にならないものもかなりの確率であります。
今回の企画で使うヤツ
これ実は厳密には舌平目ではありません。舌平目もカレイの仲間の「ウシノシタ科」に属しますが、こいつは「ダルマカレイ科」の仲間です。どちらもカレイの仲間なのですが、ダルマカレイは食用認知されていないカレイです。筆者は何度も色々な料理で挑戦しましたからその理由は分かっているのですが、インターネットでどう検索しても理由は書かれていませんでした。ですので皆さんはこの記事で食べる食べないを決めましょう。
ダルマカレイが食用にならない訳
毒があるのなら「釣れたからと言って食べるのは勘弁して下さい」と泣きを入れるところなのですが、コイツに毒はありません。あるのは細かくて硬い無数の棘。それも身の中にびっしりと。島に移住して初めて釣れた時に刺身を試して泣いた覚えがあります。その後骨切りを入れてもう一度お刺身を試しましたがやはりだめ。焼いても煮ても口の中が骨だらけになるこの魚が食用認定されるわけがありませんよね。
企画用料理「南蛮漬け」
さて、今回の企画用料理は何にしようかと頭を悩ませました。骨を感じずに食べるには、全体をパリパリのおせんべいのように揚げるか、骨を一本一本抜くか、「溶かす」しかありません。実は過去に唐揚げも試したことがあるのですが、それも骨が邪魔をして失敗でした。骨を抜くとなればきっと下ごしらえで3日はかかるでしょう。ここはお酢の力を借りて骨を溶かしてしまいましょう。今回の料理は「南蛮漬け」に決定です。
今回の仕掛け(チヌ狙い)
エサは鶏皮
今回使用したエサは「鶏皮」。日本全国でいろいろな魚種をいろいろなエサで釣り上げていると思います。例えば筆者の地元(神奈川県の漁師町)では秋口にはスイカでチヌを釣ります。また寒メジナは海苔で釣ったりします。それはその辺りの名産の物が余った時に海に捨てたりした結果、地付きの魚がそれを食べて育ったためだと考えられます。しかしなぜかこの南の離島では鶏や豚の脂身でチヌを狙います。浄化槽の整備などが遅れたために家庭の排水が海に流れ込んでいた結果なのかも知れません。
魔改造磯竿
家の下に時々現れるチヌは大きいものですと50cmを越えます。当然竿や仕掛けもある程度の強度が必要です。ただし遠浅なので遠投の必要があります。そこで5.4m、3号の磯竿を遠投用に改造して使っています。画像ではトップが映っていませんが、トップを10cmカットしてトップガイドを一回り大きいものに換え、ティップを硬くしました。そしてリールシート(リールの取り付け金具)を20cm前方に移動させ、遠投できるようにしてあります。カヌー釣りやショアジギングがメインで磯に上がる機会が減ったための改造です。
今回の釣り方
投げ釣り
これは「ジェット天秤」という投げ釣り用のオモリです。天秤の先には一ヒロ(約150cm)のハリスと5号のチヌ針。道糸はPE1号で、ショックリーダーとしてナイロン3号を約3m取ってあります。天秤は20号の重さです。シャクる強さによっては頭部の三角形部分のフィンが効き、ふわりと浮いてくれるので、根掛かりも少なく愛用しています。いろいろな釣り方に対応できますが、通常はキスやカレイなどの投げ釣り用に使用します。
投げ釣りのコツ
投げ釣りの釣り方は「ぶっこみ」と違い、投げて投げっぱなしではありません。ゆっくりと竿を立てながら海底の地形を探り、魚にエサを食わせる釣りです。何投かしているうちに海底の「段丘」部分がはっきりと分かるようになります。これを「カケアガリ」といいます。カケアガリは魚たちのエサ場になっていることが多く、カケアガリを感じたらしばらくステイします。コツコツやグイグイというアタリが出たら、魚に警戒されないように少しラインを送ることも大事です。ルアーロッドなどより穂先が柔らかいので、大アワセをして魚を乗せましょう。
舌平目を料理する①「さばき方」
ウロコを曳いて頭を落とす
真水でじゃぶじゃぶと魚を洗ったら、ウロコを曳いていきます。ウロコ剥ぎは専用ペットボトルのふたを使います。カレイ・ヒラメ系のお魚は裏の白い部分にはウロコが無いと思っておられる方もおられるでしょうが、お刺身で食べる以外(お刺身は皮を剥いじゃいますからね)、細かいウロコがありますので必ず表裏両面のウロコを曳きましょう。ウロコが取れたら頭を落として、内臓を抜き、水洗いをします。
五枚におろす
普通のお魚のおろし方は「三枚おろし」といって身が2枚に骨が1枚の三枚におろしますが、カレイやヒラメは「上身2枚」「下身2枚」「骨1枚」の5枚おろしにします。まずは中骨に沿って包丁を入れます。刃を45度の角度で中骨に沿わせ、腹骨に沿って半身を削ぐように開いていきます。半身(正確には4分の1身)が外れたら、もう片方も同じように削いでいきます。上身から2枚の切り身がとれたら下身も同じようにして1匹から4枚の切り身をとりましょう。
こんな感じです
この状態になったら後は料理に合わせてさばき方を変え、手を加えましょう。例えばお刺身ならば皮を下にして包丁を皮に沿わせて曳いていき、柵取りします。焼きや煮付けなら斜めやバッテンに飾り包丁を入れて火の通りを良くしたりします。今回はカリカリになるまで揚げるので、このまま塩胡椒をして薄力粉をまぶします。
舌平目を料理する②「下味を付け揚げる」
二度揚げでパリパリに
下味を付け、薄力粉をまぶした身をたっぷりの油で揚げて行きます。温度は最初170度で、カレイを入れることで160度以下に下がるでしょうからその温度をキープします。中火ですね。表裏を返しながらじっくりと揚げて行きます。ポメラニアン色になったら一旦取出し、冷ましておきます。再度高温に油を熱し、菜箸やおたまで押した時にボコボコという空気や水分が抜けるまで揚げます。
一緒に漬けるナスも揚げる
南蛮漬けの液はナスの揚げ浸しのものと大差がないので、ついでにナスも揚げましょう。ナスはまな板の上で転がしながら上に来た面を半分に切る感じで乱切りにしていきます。油に当たる面積が大きいと火の通りがよく、油も吸って美味しくなりますよ。ナスの白い面がキタキツネ色になったら上げましょう。
舌平目を料理する③「南蛮液に漬ける」
合わせ酢はお手軽に
南蛮漬け液はご自分で作っても構いませんが、簡単な作り方を紹介しておきます。市販の味ポン(今回はユズポン)50cc、市販の寿司酢15cc、お酢をお好みで5~10ccを合わせるだけです。ここに玉ねぎスライスを4分に1から2分の1ほど漬けておきます。
最低1時間は漬け込みましょう
揚がったカレイの切り身、おナスを玉ねぎ入りの南蛮酢に漬け込みます。お酢を含ませるコツは、漬け込んだ具材の上からラップをギュッと押し付け、間の空気を抜くようにします。このままの状態で粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間以上寝かせます。よく漬かっていた方が良い方は次の日まで寝かせても構いません。
さて食レポです
えー、まずは左奥のフライドチキンからですね。この島には有名フライドチキンのお店がありませんのでそれ風に作ってみました。「うまい」の一言です。次が右奥のワカメの酢の物ですが、これも優しい酸っぱさがチキンの脂を中和してくれて絶品です。ここで食レポ終了したいのですが、それは許されませんね。さて南蛮漬けのお味はどうかと口に含んでみると、うん、まあまあイケる。皮が硬いので少し食べずらいですが、骨っぽさはあまり感じません。味自体はカレイなので当然美味しいです。しかし手間を考えたらあまりおすすめできる料理ではありませんでした。次回はどうなることやら。こうご期待!
舌平目が気になった方はこちらもチェック!
今回初めての試みで、少し強引な記事になってしまいました。きちんとした舌平目に関する記事が「暮らし~の」のサイトにありましたので、よろしければこちらもご覧ください。こちらは本当に美味しそうです。
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