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タイラガイのおすすめの食べ方5選!旬の食材のすしや刺身などレシピをご紹介!

タイラギやタイラギガイとも呼ばれているタイラガイ。旬は冬から春で、独特の食感を持つ大きな貝柱が特徴です。天然物の水揚げが減少していることもあり、一般家庭ではあまりなじみのない貝ですが、とても美味な貝です。今回はタイラガイのおすすめの食べ方やレシピの紹介です。
2020年8月28日
kuma10
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タイラガイってどんな貝?

時々お魚屋さんの店先などにも並んでいるムールガイのお化けのような貝がタイラガイです。黒っぽい大きな二等辺三角形の姿は、例えるならばまるでSF映画に出てくる宇宙戦艦ような凶悪な姿をしています。それもそのはずタイラガイは、日本国内で「食用・食材として」流通している二枚貝の中で最大の大きさを誇っているのですから。大きな二枚貝は、食材としては通常貝柱のみを使用しますが、タイラガイは周りの「ヒモ」も全て食します。それらのさばき方なども説明していきますね。

タイラガイの生態

タイラガイの名称由来

和名の表記では「タイラギ」が標準和名とされていますが、貝の事を「ケ」や「ゲ」、「ギー」などと発音する地方があり、大元は「平な貝でタイラガイ」だったものが「ガイ」の部分が「ギ」となりタイラギと発音され、それが和名になったものだと考えられます。本記事では、関東周辺で多く使われている「タイラガイ」という呼び方を使用したいと思います。日本では古くから食用にされていましたが、近年漁獲量は減っています。

タイラガイの生息域

イガイ目ハボウキガイ科の貝ですので、形は確かに防波堤などに密生している「ムラサキイガイ」に似ています。しかしその生息域は海底の砂泥域に限ります。大型の貝ですから当然かもしれません。海底に尖った方を下にして突き刺さるように潜り、砂泥からは後殻のみ少し顔を出します。成長は早く、殻長20cmになるのに約2年しか掛かりません。分布は千葉県以南の水深10m前後の砂泥域。2タイプあり、2タイプをすべて含めると北海道以南の日本中で一応は見られます。

タイラガイの産地

過去の一大産地

福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県の九州北西部4県にまたがっている有明海が1990年頃までの一大産地でした。主な漁法はヘルメット潜水による「潜水漁」で、水底に直接人間が降りてタイラガイをカギで引っ掛けて水揚げしていました。福岡県を中心とした都市部から関東地方まで有明産のタイラガイは流通していましたが、現在は水揚げが減り、漁獲はほとんどありません。諫早湾では1993年以降休漁が続いています。

現在の産地

現在は愛知県の三河湾と瀬戸内海の全域で漁獲があります。北海道以南の各地域でも見られはしますが、販売ルートに乗るほどの漁獲はありません。高級なお寿司屋さんなどでは国産が出されることが多いですが、韓国産のお安いネタも日本国内に大量に出回っています。ちなみに味や食感に大きな違いはありません。旬は冬から春に掛けてですが、通年漁はあります。

タイラガイのさばき方


意外に簡単なさばき方

タイラガイは貝の幅広の方が締りません。ですからそこからペティナイフや貝柱ハガシなどを貝殻沿いに突っ込んで片方の貝柱を貝から切り離します。貝を開けたら二つにし、ヒモを外します。この時貝の尖った側のヒモを掴み、一気に持ち上げれば全部きれいに外れます。貝殻にはおいしそうな貝柱のみが残ります。それを外した貝の平らなところを使ってこそげれば貝柱が取り外せます。魚介類の中ではさばきやすい部類の貝です。

タイラガイの掃除は氷水で

外した貝柱は氷水の中で洗います。理由は二つあり、一つは冷たい水で締めて食感をよくするため。もう一つは後述しますが、食中毒の原因菌(ビブリオ菌)が発生したことがあり、その菌の抑制のためです。ビブリオ菌は4℃以下では繁殖できないことから氷水を使ってのお掃除をおすすめします。またそれは貝柱のみではなく、貝ヒモの部分も同じ扱いをして下さい。貝柱は薄皮まではぎましょう。

タイラガイのおいしい食べ方①「刺身」

貝柱の繊維を断ち切るように

貝を開け、貝柱を取り出したら氷水で締めながら薄皮の掃除をします。その時に細かいゴミも落としましょう。水分をよく拭きとったら丸い面を下にしてまな板に乗せます。5mm以下くらいの薄切りにしていきますが、その時「刺身包丁を小刻みに揺らしながら」切ると、断面が「波々」になります。これによって醤油のりがよくなると共に、断面の面積が大きくなり旨味をより感じる事ができるようになります。ちょっと難しいですが、できれば挑戦してみて下さい。食感も良くなりますよ。

ヒモはしっかり掃除する

ヒモ部分はぬるぬるして少し扱いにくいですが、まずはキモを外しましょう。流水で洗うように汚れを落としたら、まな板の上でヒモの肉厚部分周りの余分なヒラヒラを包丁で落とします。ヒモを5cmほどの食べやすい大きさにカットしたらボウルなどに取り、塩を振ります。手でゴシゴシと洗濯し、ヌメリを落としていきます。ザルに移して流水で流しながらもう一度洗濯します。氷水で締めたら水分を拭き取り、ヒモの刺身の出来あがりです。コリコリとした食感をお楽しみください。

タイラガイのおいしい食べ方②「寿司」

高級寿司ネタです

タイラガイは1990年代のバブル期と有明海の不漁時期を経て、「時価」のお寿司屋さんで食されるような高級食材になりました。しかし近年は外国からの輸入が増え、最近では回転寿司のメニューにも定番で載るようになってきました。そのためか産地近郊のお魚屋さんなどではかなり安価で手に入れられる魚介類の一つになりました。

お寿司レシピ


生のタイラガイは繊維を断ち切るように薄切りにし、何本か飾り包丁を入れて握ります。おいしそうに見せるコツは貝柱でシャリを包み込むように握ることです。このためにも握りの長辺に平行に飾り包丁を入れることをおすすめします。また表面を軽く炙ると甘みが増し、旨味も凝縮されて良いのですが、火を入れたタイラガイには海苔がマッチします。ぜひ海苔で巻いて召し上がってみて下さい。二種類の味と食感が楽しめます。

タイラガイのおいしい食べ方③「塩焼き」

食感を楽しむために熱はさっと

タイラガイに限らず魚介類はおおむね軽く火を通すと味に深みが出ますが、タイラガイの「塩焼き」は絶品です。できれば炭火での調理が望ましいですが、ご家庭ではなかなか難しいので、ガス台で焼く時のコツを一つ。コツは「強火の遠火」です。薄切りにした(刺身用くらい)タイラガイであれば軽く塩をしたものをバーナーで炙るだけでもOKです。厚切りの場合は網などに乗せてガスの炎が近づきすぎないように調節しながら焼きます。魚介類の焼き方の基本になります。

タイラガイのおいしい食べ方④「磯辺」

旬に食べたい「磯辺巻き」

冬から春にかけての旬にどうしても食べたくなるのが「磯辺巻き」です。新鮮なタイラガイを薄切りにして、焼き海苔で巻いて食べるだけのシンプルなレシピですがこれが美味い。味付けは軽く塩を振ってレモンやスダチをひと絞りするか、わさび醤油をちょいとなするだけ。あとはパリパリの焼き海苔で巻いて口に運ぶだけです。旬ならではの食材を活かした一品です。

香ばしさが際立つ「磯辺焼き」

もう一つの「磯辺」レシピが「磯辺焼き」です。こちらは生のままではなく、軽く炙りを入れます。表面に焦げ目が付いたらさっと醤油を塗って焼き海苔で巻いていただきます。生よりもさらに食感が良くなるのと同時に磯の香りが香ばしさの中に立ちます。どちらもさばき方はお刺身と同じでかまいません。産地の愛知県三河湾周辺でよく食べられている食べ方です。

タイラガイのおいしい食べ方⑤「バター焼き」

バターと醤油は魚介類の友だち

バターと醤油の相性の良さは万人の認めるところでしょう。またこの組み合わせは魚介類を劇的に美味しくさせます。今回はタイラガイのバター焼きレシピを載せますが、バターと醤油にもう少し調味料を足してみましょう。レシピ中の「ケッパー」は酢漬けのものですが、これは無くても構いません。今回は胡椒とにんにくをプラスしてみました。

タイラガイバター焼きレシピ

少し厚めにカットしたタイラガイ(お刺身の2倍くらいの厚さ)に軽く塩胡椒します。フライパンにオリーブオイル大さじ1を曳き、つぶして微塵切りにしたにんにく半片を入れて温めます。タイラガイを入れたら両面に軽く焼き色を付けて取り出しておきます。フライパンにケッパー5~6粒をつぶしたものを入れ、バター10g、醤油数滴をたらしてフライパンの中身がふつふつしたらソースの完成です。出しておいたタイラガイにたっぷりかけていただきます。バター、醤油、にんにく、胡椒、全部が食材を美味しくしてくれます。


タイラガイの意外な注意点

寄生生物も食べられる

タイラガイのさばき方が分かったらぜひ殻つきで食材を手に入れましょう。天然のタイラガイにはかなり高い確率で寄生している生物がいます。それが「カクレエビ」の仲間。1匹からまれに4匹ほど入っていることがあり、さっと素揚げにすると最高のおつまみになります。これが養殖できるのならば養殖してもらいたいと思えるほど優秀な食材です。産地のタイラガイの漁獲が増える冬から春がカクレエビも旬だと言われています。柔らかくて美味しいのですが、挟まれると泣くほど痛いので気を付けて扱いましょう。

食中毒に注意

魚介類をお寿司やお刺身でいただくリスクに「食中毒」の問題があります。タイラガイも例外ではなく今までに食中毒の報告があります。その正体は「腸炎ビブリオ」。最後に集団感染した大阪府の例では、さばき方やレシピに関係なく輸入貝柱が汚染されていたようです。魚介類は新鮮な食材を新鮮なうちに食べるのが基本です。どうしても取り置きしておかなければならない場合は「4℃以下」で保存し、食す直前に氷水で洗ってから使用しましょう。

タイラガイを家庭で味わってみましょう!

コリコリ、サクサクした食感の、美味しい旬のタイラガイ。これからますます美味しくなる季節(この記事は2020年3月5日に書いています)です。簡単ですのでぜひさばき方を覚え、ご家庭でお寿司や焼き物を作ってみてはいかがでしょうか。レシピはここに書かれているものの他にもフライや中華炒めなど無限にあります。産地近くを通りかかった際にはお魚屋さんを覗いてみるのも良いかも知れません。店頭でさばき方など見せてくれるお店もあります。ぜひご家庭でタイラガイをご堪能下さい。

珍しく美味しい貝が気になった方はこちらもチェック!

世の中にはたくさんの珍しい貝が存在しています。中には食べて美味しい貝類もいます。今回ご紹介させていただいたタイラガイもその一つでしょう。普段あまり目にしないですが、実際に食べたら美味しい貝の記事が「暮らし~の」のサイトにはいくつもあります。その中から2つ併載しておきますので、珍しくて美味しい貝好きの方はどうか御併読下さい。