自然を満喫できる渓流釣り、危険も隣合わせ!?
いよいよ渓流釣りも解禁。渓流釣りは自然を満喫できる分、その危険も隣合わせなことも。今から始めようと思っている入門者の方、そしてベテランの方も今一度安全に楽しむ為に、渓流に潜む潜在的危険を紹介致します。
渓流に潜む危険其の一「天候の急変」
アウトドアを楽しむ上で、天候とは切っても切れない関係だと言えます。山間で楽しむ渓流釣りでは、特に"降雨"に注意が必要。それでは降雨によりどんな危険が起こるのでしょうか?
最近では「ゲリラ豪雨」という言葉も定着したように、局地的に集中して雨が降るとその下流側は青空が広がっていても河川が増水する、所謂"鉄砲水"が発生する可能性ががあります。鉄砲水の予兆の判断材料としては、川が急に濁り出したり、枯葉等のゴミが流れ出したら上流での降雨を疑い、注意をするといいでしょう。
また、降雨の際は"雷"が発生する事も多です。渓流釣りに限らず釣りで使うロッドは通電性のカーボン素材のモノが殆どで、ロッドに雷が落ちる可能性も。空が暗く成り、ピカッと閃光が走る様ならロッドをたたみ被雷しない様に直ちに回避行動を取るようにしましょう。
渓流に潜む危険其の二「凍結」
渓流釣りは、早い地域で2月に解禁を迎えます。ここでは早期2~3月に潜む危険を考えてみましょう。先ず雪の降る地域では道路の凍結に注意が必要。市街地の主要な道路は除雪されているかもしれませんが、渓流釣りでは車の通りが少ない林道等を通る事が殆ど。釣り場に向かう際は道路事情とも相談した上で釣り場を決めるようにしましょう。
道中の安全に気を付けて、釣り場に着いてからはどこを注意しないといけないでしょうか?渓に降りれば陽の光が当たらない日陰が多く水際は氷が張り易くなっています。一番の注意ポイントは釣りをする際「石」を足場として歩くと思うのですが、この石の表面が濡れて凍っている事がよくあります。滑り難いとされるフェルトソールのウェーディングシューズでも氷のでは歯が立たないので、ピンフェルトやねじ込み式のピンを撃ち滑り対策をする事をお勧めすします。
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渓流に潜む危険その三「滑落」
山で多い事故に滑落があります。山菜狩りや登山で山に入り、足を滑らせて谷底に滑落したという事故は後を絶ちません。渓流釣りでもポイントまでのアプローチに「林道」や「登山道」の様に高所を歩く事が多く有り同様の危険が存在します。アスファルトで整備された道を歩くのとは違い、凸凹で滑る事を念頭に置いておきましょう。
また、釣りの最中も岩を乗り越えたり、石から石へと飛び移るシーンがあると思います。その際は、浮き石(不安定に積み重なった石や岩)でないかを確認する事や、苔で滑らないかを常に意識して渡渉する事が重要です。
渓流に潜む危険其の四「落石」
釣りをする渓は勿論、その道中でも落石の可能性があります。これは、動物たちが崖の上を歩いたり、風雨における自然発生等と原因は様々。これを回避するには「頭上注意」が大事。石が転がるとカランカランと乾いた音がする為、気付く事が出来るはずです。重要なのはどの方向でその音がしているのかを特定し距離を取る事。例え落ちた石が小さかったとしても、連鎖して別の石が落ちてくる事も多いので安易に近づく事は避けましょう。
また、源流と呼ばれる山岳渓流では登山用ヘルメットは必須。近年では、転倒した際の頭部保護の為、ライトな渓流でもヘルメットを着用するアングラーも増えています。安全にやりすぎは無いのでしっかりと準備をしましょう。
渓流に潜む危険その五「動物・虫」
渓流で釣りをする際は、野生動物達の生活圏に踏み入る事を忘れてはいけません。山岳渓流でなくても山に食べ物が少なく成った事で人里にクマやイノシシが出没するケースも昨今では珍しくないのです。大人しいイメージのあるシカやカモシカも、パニックになる事で突進や蹴りをする事があるので刺激するのはご法度。至近距離での遭遇を避ける為にクマ鈴等の音の出るモノを身につけましょう。
また、渓に分け入ると虫を多く見かけます。これらの中には毒を持つモノもいる為、肌の露出は極力控えるのが鉄則。長袖シャツで充分ですが、藪漕ぎを要する様なハードな釣行には防虫効果を持つアウターをお勧めします。
加えてダニや蚊はウィルスを媒介する事もある為、小さいからといって侮ってはいけません。先ず重要なのは寄せ付けない事。そして釣りを終えた跡もウェアや衣類に付着していないかチェックして、車や自宅へ持ち帰ってしまわない様に気を付けましょう。
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最後に
渓流には危険が沢山潜んでいます。しかしこれまでに解った様に、事前に予測し備える事で回避する事は可能なのです。さあ、怖がらないで日常とかけ離れた世界に飛び出してみましょう。その先にはきっと宝石の様に美しいトラウト達との出会いが待っているはずです。
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雨により濁りの入りだした流れ。早めの退渓が無難です。