筆者のカナディアンカヌー紹介
これからこの連載でちょこちょこ使用する予定の艇ですので、簡単に説明させていただきます。艇名は「オールドタウン・ディスカバリー158」。購入したのは約30年前。ヨーロッパで探検や狩猟用として開発されたカナディアンカヌーで、総重量は36kg、最大積載量は510kg(現在のスコバー158は455kg)となっています。川下りキャンプ用に購入しましたが現在は海釣りの相棒として活躍しています。最近流行のシーカヤックフィッシング用カヤックの2~3倍の積載量を誇ります。
カナディアンカヌーでの海釣り
移動が簡単なカナディアンカヌー
陸っぱり(おかっぱり)からの釣りで限界を感じてくると人は大海原に夢を馳せます。そんな時に手軽に沖に漕ぎ出せるのがカヤックやカヌーです。軽いポリカーボネイトのシーカヤックに人気は集まっていますが、実はカナディアンカヌーもそんなに重くはありません。何と言っても元々探検隊がジャングルの中を担いで移動していたのですから。慣れてしまえばひょいと車に積んで好きなところで釣り糸を垂らすことができます。
動きの制限が少ないカナディアンカヌー
いざ釣りを開始しようとしてもシーカヤックはかなり体の動きが制限されます。最近ではシットオンタイプの物が主流で、以前のシットインタイプの物に比べるとずいぶんと動きは楽になりましたが、やはり安定性ではカナディアンカヌーに軍配が上がります。時合いを逃さずに狙いの魚を手返し良く釣り上げるために、動きの制限の少ないカナディアンカヌーを海釣りで使ってみて下さい。好釣果が期待できますよ。
カナディアンカヌーの利点と欠点
とにかく広い艇内(利点)
海釣りではどんな魚が掛かるのか分かりません。アジ狙いの釣行でイナダが掛かることだってあります。持って行く道具、例えばクーラーボックス一つにしても大型の物が積めるだけで安心感があります。また思わぬ釣果で小さなクーラーボックスでは用が足りないこともあります。仕掛けもしかりで、さまざまな仕掛けを積んでおく余裕がカヌーにあれば、海の上でがっかりする回数も減るでしょう。
とにかく風に弱い(欠点)
カナディアンカヌーには何種類かあり、川下り(ホワイトウォーター)用や止水用など、ほとんどがバウ(船首)の形と船腹の大きさで決まります。しかしどのタイプであっても風に弱いという弱点があります。海上でアンカーを打たずに流し釣りなどしていて風が吹いて来るともう釣りになりません。それは喫水の浅さが原因(乗艇していない場合1cmとか2cm)なので解決できる問題ではありません。風の吹く日は釣行をあきらめなければならないのが弱点です。
カナディアンカヌーで根魚狙い
ジグで底を攻める!
カナディアンカヌーに限らず手漕ぎボートなどでのジギングは底物(ロックフィッシュ)が簡単で有効です。動力を腕力や脚力に頼っているカヤックフィッシングでは、ナブラ撃ちをしたくてもなかなかナブラに間に合いません。最初からジグを落として釣る根魚狙いが効果的です。対象魚にもよりますが、20gから40gほどのジグを何本か用意しておくと一日楽しめます。ジグの届く距離でナブラが湧いた場合にはもちろん遠投して狙いますが、その時もカナディアンカヌーはロッドが振りやすく釣りやすい造りになっています。
根魚狙いの装備
筆者のフィールドは少し皆さんのフィールドとは魚種が異なると思いますが、仕掛けや釣り方は大差がないと思いますので、紹介させていただきます。使用ロッドは負荷40g、長さ9.6ftのシーバスロッド。船釣りには少し長いですが、遠投もあるのでこれがメインになります。ラインはPEの色付き1号、リーダーはナイロン3号を3メートルとっています。使用ジグにはこだわりはありませんが、アシストフックやオモックなどは手作りしています。この連載中に作り方なども紹介していきますね。
根魚の狙い方
まずはジグをカヌーから素早く落としていきます。オモックやタイラバなどの場合は着底後即ゆっくりのただ巻きで根魚と回遊魚を同時に狙いますが、ジグの場合は着底したらちょんちょんと誘いをかけます。オモック、タイラバ、ジグ、全てに共通するテクニックは「着底したらすぐアクション」です。これには2つの理由があります。一つは「根掛かり防止」のため。もう一つは「魚に見切らせない」ためです。着底してジグなどが数秒動かなければ、魚は「ニセモノ認定」します。これを知っているだけで釣果がかなり違いますよ。
カナディアンカヌーで五目釣り!
アンカーを打ってサビキ釣り
カヤックフィッシングの基本は「流し釣り」ですが、カナディアンカヌーはアンカーを打っての釣りも楽しめます。シーカヤックフィッシングでは「パラシュートアンカー」を使いますが、厳密にいえば艇は止まってはいません。これですとコマセを使ってのサビキ釣りなどでは効果が薄く、好釣果は期待できません。ところが船が大きく、安定しているカナディアンカヌーならば通常のアンカーを打っての海釣りが安心して行えます。何度か釣行し、魚の回るルートを掴んでおけば安定した釣果が得られますよ。
カヌーフィッシングでのサビキ仕掛け
海釣りではどんな魚が掛かるか分かりません。カヌーなどでの釣りは、普段フィールドにしている防波堤などの近くであっても魚種ががらりと変わります。サビキ仕掛けなども少し太めのラインを使いましょう。ロッドはシーバスロッドの併用でも構いませんが、ナブラが湧いた時などに慌てないようにサビキ仕掛け用のロッドは1本持っておくと便利です。ちなみに筆者は2.4mの真鯛竿を使用しています。
あると安心海釣りグッズ
魚群探知機
魚群探知機といえばマイボート釣りなどをするうえであると便利な物№1ではないでしょうか。昔は(筆者の言う昔は40年以上前)個人では高くて手の出ない物でしたが、最近では安価な品物がたくさん出回っています。ではその性能はどうでしょう。実はこれが案外使えるんです。何度か色つきのラインで水深も確認しましたが、水深の誤差はほとんどありませんでした。また魚群の探知能力も文句なく、音量を調節しなければうるさいくらいに知らせてくれます。この反応がモチベーションアップにもつながります。
尻手紐(しってひも)
カナディアンカヌーに限らずカヤックフィッシングなどの海釣りで一番悲しいのが道具や装備の水没です。ほんの一瞬の不注意で、手塩にかけて育てた大事なタックルを「思い出」にしてしまうこともあります。ロッドの尻手には必ずコードを付けておきましょう。またタックルボックスやクーラーはいちいちふたを閉め、転落しても浮いているようにしておきましょう。安定感のあるカナディアンカヌーですが、「沈」がないわけではありませんから。
保存用ジップバッグ
釣りをしていると、ぬるぬるの魚やスミで真っ黒なイカなどの確保に困ることがあります。同じクーラーボックスに入れるのはちょっと忍びない。なんてことが良くありますね。また携帯電話やライターなど水に濡らしたくない小物の置き場所に困ることもあります。そんな時に役立つのが「保存用ジップバッグ」です。このジップバッグが世に出た時に「これは釣りの神様が釣り人用に作ってくれたのでは」と思ったものです。濡れた下着からカワハギのキモまで何でも入れられるジップバッグ。LとMの2種類くらい用意しておくと便利ですよ。
眠っているカナディアンカヌーはありませんか?
一時期本栖湖や西湖など水質の良い湖でのカヌー遊びがとても流行りました。ブラックバスやナマズ、鯉にヒメマスなど、止水でのカヌー釣りがアウトドアでのお楽しみ上位だったころです。その後カヌーで釣りといえばシーカヤックでの海釣りを指すほどシーカヤックフィッシングが台頭してきました。もしかしたらその頃乗っていたカナディアンカヌーが倉庫で眠っていたりしませんか?そんな方は、ぜひカヌーを海に引っ張り出して海釣りに使ってみて下さい。新たな楽しみが生まれますよ。
カヌーフィッシングがもっと気になる方はこちらもチェック!
カヌーフィッシングのやり方はたくさんありますが、今回のようにカナディアンカヌーを使用する海釣りはなかなか情報も少ないと思います。「暮らし~の」のサイト中にカヤックフィッシングのノウハウの紹介されている記事がありましたので併記しておきます。興味を持たれましたらご一読ください。
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