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オリーブオイルの賞味期限はどのくらい?味は変わる?その実態と保存術を解説!

健康や美容を気にしてオイルを変える方が増えています。その筆頭が「オリーブオイル」です。しかし案外使いきれずに賞味期限や消費期限の切れてしまったオリーブオイルにお悩みの方が多いのではないでしょうか。今回はオリーブオイルの賞味期限や保存方法などをレポートします。
2020年8月27日
kuma10
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オリーブオイルってどんなオイル?

オリーブの実を絞って抽出するオリーブオイル。主となる産地はスペインです。特にアンダルシア地方での生産が多く、どのくらいの出荷量があるのかと言えば、世界の約三分の一がアンダルシア産だと言われています。ほとんどの植物性油脂が熱処理をしなければ食用に適さないのに対し、オリーブオイルは生のまま分離したものを濾過するだけで食用になります。ここが他の食用油との最大の違いになります。ですから葉緑素がそのまま残り、ポリフェノールたっぷりの鮮やかな緑色のオイルになるんです。

本場のオリーブオイル事情

オリーブオイルの歴史

オリーブオイルの歴史は古く、現在のパレスチナ地方が原点だと言われています。現在でも地中海沿岸が主たる生産地となっていますが、昨年(2019年)1月にトルコの南部で4000年前のオリーブの種子が発見されたのは記憶に新しいと思います。当然それ以上の歴史があるわけですから、もしかしたら人類の歴史と同じくらい前からあるオイルなのかも知れませんね。実際に「オイル」の語源は古代エジプト語の「オリーブ」の意味だそうです。つまり「オイル」イコール「オリーブ」ということになります。

ヨーロッパでの使われ方

オリーブオイルの歴史の古いヨーロッパでは本当にいろいろな使われ方をしています。食用としては当然ですが、ほかに薬用やヘルスケアなどの薬として。また家具や楽器などを磨くワックスとして。さらに歴史的に特筆すべきは、金属を溶かすために強力な火力が必要な時に火力の誘発剤として使っていたそうです。この鉱業的な使い方には当然大量のオリーブオイルが必要になります。青銅器時代にヨーロッパ全域に広がった理由がわかりますね。

日本のオリーブオイル事情

日本でのオリーブオイルの歴史

では日本でのオリーブオイルの利用はいつ頃からなのでしょうか。最近だと思っておられる方が多いのではないでしょうか。実は日本にオリーブオイルが入ってきたのは案外古く、安土桃山時代だといわれています。ポルトガルの宣教師が持参したもので、「ホルト油」と呼ばれていました。当時は薬剤の一つとして扱われ、日本に苗木が入ってきたのは文久2年といいますから江戸時代末期になります。現在のオリーブは明治12年にイタリアから輸入した苗木が元となっています。ただし国産のオリーブオイルが販売ルートに乗るのは昭和30年代になってからです。

日本での使われ方

昭和30年代のオリーブオイルは、食用よりもハイカラさんたちの使う化粧品としての使われ方の方が多かったようです。その後安い外国産オリーブオイルの台頭と、美容や健康に良い成分が含まれているという研究成果などによって日本中の食料品棚に並ぶようになりました。現在では消費量も世界で第14位・15位あたりで定着しています。ではどのくらいの量を摂っているのでしょうか。実は日本人一人あたりの年間平均摂取量は200gていどなんです。世界ではギリシャの31kgオーバーがダントツ1位になります。

オリーブオイルの賞味期限はどのくらい?

法律上の開封前賞味期限


瓶のラベルのどこかに印刷されている「賞味期限」を探してみましょう。きちんとした法整備がされているわけではありませんが、「国際オリーブオイル協会」の規定では「賞味期限は瓶詰め後未開封で12ヶ月から18ヶ月」と定められています。ずいぶんアバウトな感じがしますが、これは収穫後すぐに絞ったのか貯蔵していたオリーブを絞ったのかで賞味期限が変わるためだと思われます。非加熱製造であるがゆえの措置なんでしょうね。

実際の開封前賞味期限はどのくらい?

オリーブオイルは酸化しにくい油です。実際に効能としても「抗酸化作用」があると聞いた方は多いでしょう。酸化しにくいということは実は変質(腐る)しにくいということです。未開封のオリーブオイルなら「5年くらいを賞味期限に」という方もおられます。保存期間や保存状態、保存場所にもよりますが、オリーブオイルは賞味期限と消費期限に大きな差があるオイルです。あくまでも自己責任になりますが、賞味期限が切れるのと消費期限が切れるのが同時ではないことだけは覚えておきましょう。

賞味期限切れのオリーブオイルの見分け方

「賞味期限切れ」未開封の場合

未開封のオリーブオイルで賞味期限(ラベルに印刷されている)が切れている場合、食べられるかどうかは「味をみて」からで充分です。遮光瓶に入っている場合中の葉緑素が光合成をしないので、風味落ちがほとんどありません。風味が落ちるとすれば時間経過で「遊離脂肪酸」が増えてしまった場合です。これはそのまま中性脂肪になるため生食は避けましょう。ただしオリーブオイルは賞味期限切れで古くなっていても「美味しくなくなる」だけで毒素は出さないので開封前であれば(自己責任で)食べても問題はありません。

賞味期限は臭いで見分ける

さて、通常1本のオリーブオイルはどのくらいのスパンで使い切れるでしょう。1ヶ月、2ヶ月あるいは半年くらいあれば使い切れるでしょうか。ラベルに書いてある賞味期限内であっても、開栓後どのくらいで消費期限は切れるのでしょう。もちろん保存状態にもよりますが、実はオリーブオイルはそう簡単に酸化したり腐ったりしません。まずは開封された瓶の口の臭いを嗅いでみましょう。もしかしたら「機械油」のような臭いがするかも知れません。それは「酸化」の臭いです。賞味期限切れかどうか次項に確かめ方を記します。

酸化しているのは瓶の口だけかも

開封後保存期間が長くなってしまい賞味期限が切れている場合、瓶の口周りの臭いを嗅ぐのですが、きちんと栓をしていた場合は半年くらいでは賞味期限切れにはなりません。まずは瓶の口周りを清潔なキッチンペーパーなどで拭いてみましょう。ほとんどの場合これで臭いは無くなります。もしも中まで酸化しているようでも上澄みをコップに取るだけで中は大丈夫なこともあります。安くなったとはいえ植物油としては高級な部類に入るオリーブオイルです。賞味期限切れとはいえ使えるものまで捨てない努力をしましょう。

オリーブオイルの保存方法

未開封でも温度の安定した暗い場所

開封前のオリーブオイルでも日光の光は厳禁です。ほとんどのオリーブオイルが緑や黒の色つき瓶に入っていますが、これは日光を避けるためです。中の葉緑素が光合成を起こして酸化するのを防いでいますが、日光からオリーブオイルを守るのを瓶任せにしてはいけません。またオリーブオイルの適温は16度から18度くらいだと言われています。賞味期限に関係なく開封前のものも含め涼しく暗い場所に保管しましょう。

開封前でも冷蔵庫はNG


オリーブオイルは開封前の未開封のものでも開封後のものでも冷蔵庫や冷凍庫に入れてはいけません。保存期間を問わず10度を下回ると白濁が始まり、5度前後で固まってしまいます。もちろん高い温度の場所に移動させればまた液状化しますが、賞味期限内外を問わず一気に風味が落ちます。酸化や腐れはありませんが、せっかくのオリーブオイルです。賞味したいですよね。

オリーブオイルの基本性能

オリーブオイルが酸化に強いわけ

オリーブオイルは酸化が一番の敵なのですが、実は酸化にはすこぶる強い性質を持っています。賞味期限内で開封前ならば当然ですが、開封後でも冷暗所にきちんと栓をしておけばかなりの保存期間に耐えます。これは(ここから理科的な解説になります)オリーブオイルを形成している「オレイン酸」に炭素原子間の二重結合が一つしか無いことに由来します。つまり安定質であると言えます。それに抗酸化作用の高いポリフェノールがたっぷり入っているのですから酸化しにくいことは明白ですよね。

実は高カロリー

オリーブオイルのオレイン酸と同じく安定物質なのが「バター」です。こちらは炭素原子間の二重結合がありません。それは置いておくとしまして、バターが高カロリーなのは皆さんご存じの通りですね。しかし実は大さじ一杯のバターのカロリーは89㎉しかありません。ところが同じ量のオリーブオイルのカロリーは111㎉もあります。毎日10から20gの摂取が望ましいとされるオリーブオイル。カロリー過多を上回る効能があると良いですね。

賞味期限切れのオリーブオイルの再利用①

賞味期限切れ再利用手作り石鹸

賞味期限が切れ、「あれ、ちょっとおかしな臭いがするぞ」と消費期限まで切れていそうな気のするオリーブオイル。捨てるのはもったいないですよね。そんな時はオリーブオイル100%の石鹸(キャスティール石鹸)を作ってみませんか。特別な材料は「苛性ソーダ」のみ。腐りにくいとはいえ保存期間中に消費期限が切れることはありますので、作り方を覚えておくと便利ですよ。耐熱のボウルと泡立て器を用意したらトライ開始です。ちなみにオリーブオイルと苛性ソーダの割合は500:57です。

オリーブオイル石鹸レシピ

まず苛性ソーダ57gを精製水175gで溶きます。この時に高熱(場合によっては100度ほど)が出ますので、耐熱ボウルは水に漬けながら行います。40度まで温度が下がったら40度に温めたオリーブオイル500gと混ぜていきます。ここからは泡立て器で20分混ぜては20分休むような感じで「乳化(鹸化)」するまで混ぜましょう。混ぜ方や温度などで2時間から24時間ほどの幅ができますので、「の」の字を書いて消えなくなるまでがんばりましょう。型に流し込んで48時間寝かせたら石鹸の形に切り分けて日陰で1ヶ月以上干せばできあがりです。

オリーブオイル石鹸の注意事項

苛性ソーダと精製水を混ぜる時には高温とアルカリ火傷に気を付けましょう。肌の出ない服とメガネ(ゴーグル)は必須です。また、エッセンシャルオイルや香料を少量入れると香りの良い石鹸ができますが、アレルギー症状などに気を付けましょう。あとオリーブオイル石鹸はあまり泡立ちません。泡立たなくてもしっとりとした使用感があります。失敗ではありませんよ。多少の危険が伴いますので、1年か2年分作っておくのもいいですね。

賞味期限切れのオリーブオイルの再利用②

賞味期限切れの一番良い使い方


少量のオリーブオイルで木製家具を磨くととても美しくなります。気を付けることはほんの少量をしっかり伸ばすことと、食品関係の棚などには使わないこと。アマニオイルなどと違い粘度が高いので、ベタつきが出るのがたまに傷なんです。賞味期限切れのオリーブオイルの一番良い使い方かも知れません。

楽器磨き

筆者はギターの弦の張り替え時にネック磨きに使っています。木目が美しく出て、握り心地もしっとりと良くなります。たださすがに鉱油と違って植物油は酸化のおそれがあるのでこれもほんの少量を伸ばすようにしています。弦に付くと錆が出ますからね。保存期間が長くなり賞味期限が切れ、消費期限も切れた臭いの薄くなったものを使いましょう。

賞味期限切れのオリーブオイルの再利用③

ボディマッサージオイル

本当は未開封のオリーブオイルを使うのがベストなのですが、保存期間が長くなり賞味期限が過ぎてしまって生食に抵抗があるオリーブオイルでも充分にボディマッサージオイルには使用できます。風呂上りに薄く肌に伸ばし、蒸しタオルで拭き取るだけで皮脂に近い性質を持つオリーブオイルが肌を守ってくれます。あまりの気持ちよさに賞味期限が切れるのが待ち遠しくなるかもしれません。ただしアレルギー反応が起こる危険性もありますから、パッチテストは必ず行って下さい。

オリーブオイルをきちんとご賞味下さい!

未開封でも開封後でもオリーブオイルは劣化の少ないオイルであることは分かっていただけましたでしょうか。もちろん表示されている賞味期限や消費期限は目安にしなければなりません。しかし個々のオリーブオイルがどのくらいの保存期間で消費期限が切れるのかは、その保存方法などによっても変わります。せっかくの美味しいオリーブオイルですから、上手に保存し、無駄の無いようにご賞味下さい。

オリーブオイルが気になった方はこちらもチェック!

今回の私の記事では賞味期限のことばかりでオリーブオイルの「美味しい」「ヘルシー」な部分を紹介できませんでした。「暮らし~の」のサイトの中にはこれらに詳しい記事がたくさんあります。合わせて目を通してみて下さい。