はじめに
アロカシアと言う植物をご存じですか?アロカシアは、丈夫でインテリア性もあるため、観葉植物として、さまざまな場所に飾られています。知らず知らずのうちに目にしている方も多いのではないでしょうか。この記事では、アロカシアの育て方について、基本の育て方から冬越しの仕方、病気対策など詳しく解説していきます。上手く育てるためのコツを紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
アロカシアとは
人気の観葉植物
アロカシアは、日本を含むアジアの熱帯地方に約70種類が分布しています。サトイモに似た芋と葉を付けますが、サトイモとは別の仲間で、食べることはできません。そのため、「クワズイモ」の別名もあります。どの種類も大きな葉を付け、インテリア性に富むため、古くから観葉植物として人気があります。
アロカシアの耐寒性
アロカシアの多くは熱帯~亜熱帯地方に分布しているため、耐寒性が弱いものが多いです。種類によっては冬になると休眠し、翌春に新たな芽を出します。栽培する場合は、その種類の耐寒性に合わせて冬の管理をする必要があります。
アロカシアの花
アロカシアの仲間は、長く栽培して株が充実してくると、花を咲かせます。開花時期は夏ころで、仏炎苞と呼ばれる苞に包まれているのが特徴です。この仏炎苞は、受粉を媒介する昆虫などを中に閉じ込めて受粉させやすくするためと言われています。
アロカシアの花言葉
アロカシアの花言葉は、「復縁」「仲直り」です。アロカシアの葉っぱはハートのような形をしているため、由来となったと考えられています。アロカシアの花は、簡単には咲かず、長く栽培する必要がありますが、ぜひ開花できるように育ててみたいですね。
アロカシアの仲間
アロカシア・オドラ
一般的には「クワズイモ」と呼ばれる、アロカシアの中では最も普及している種類です。国内でも沖縄などに自生し、アロカシアの中では耐寒性の強い種類で栽培も容易です。成長は非常に早く、草丈は2mほどになります。
シマクワズイモ
クワズイモを少しコンパクトにしたような種類ですが、葉の切れ込みが小さく、ハート形のような形をした、光沢のある葉が特徴です。また、幹立ちしやすい性質を持ち、他の種類とはまた違った雰囲気を楽しめます。耐寒性はやや劣り、冬の時期は最低でも10度ほどで管理をしましょう。
アロカシア・グリーンベルベット
アロカシア・グリーンベルベットは、その名前の通り、ベルベットのような光沢の強い葉が特徴の種類です。濃い緑の葉色と葉脈に沿った白い模様のコントラストが非常に美しく、人気があります。アロカシアの中では比較的耐寒性が強く、育てやすい種類です。
アロカシア・ロンギロバ
濃い緑に白い模様が入った矢じりのような葉が特徴的なアロカシアの仲間です。草丈は30cmほどと、それほど大きくなりませんが、葉に存在感があり、1株でも絵になります。耐寒性は強くないため、冬の時期は15~20度を維持して管理しましょう。
アロカシア・バンビーノ
アロカシア・バンビーノは、小型のアロカシアの仲間です。他の種類と比べて葉の幅が狭く、かわいらしい雰囲気を持つため、女性に人気があります。耐寒性があまりないので、冬の時期でも15度以上で管理したほうが安心です。
アロカシア・クプレア
ボルネオ島原産の珍しいアロカシアの仲間です。まるで金属のようなメタリックな葉が特徴的で、非常に存在感のある種類です。成長と共に、古い葉の光沢が失われますが、それもアンティークのように味として楽しめます。熱帯地方原産のため、耐寒性は弱く、通年暖かい場所で管理する必要があります。
アロカシアの育て方①鉢・用土
観葉植物用の用土がおすすめ
アロカシアは、一般的な観葉植物用の用土で十分に栽培することが可能です。市販の用土であれば、細かな配合がいらず、手軽に栽培をスタートすることができます。市販の観葉植物用の用土は、メーカーによって配合の割合が異なりますが、丈夫なアロカシアは、どれでも入手しやすいもので大丈夫です。
こだわり派はオリジナルで配合も
アロカシアは市販の用土で手軽に栽培が可能ですが、その反面、細かな調整ができません。自宅の栽培環境や、置き場所、手間にかけられる時間など、自分の栽培スタイルに合わせて配合すると、より健康に育てることができます。基本は、赤玉土、腐葉土、川砂を5:4:1で配合し、水はけをよくするためには軽石、保水性を高めるためにはバーミキュライトを混ぜるといいでしょう。
安定性のある鉢を
丈夫なアロカシアは、それほど鉢の材質を問わずに育てることができます。しかし、アロカシアは背丈が高くなり、大きな葉をつけるため、重心が高くなりやすいです。そのため、安定性を欠く小さな鉢では、バランスを崩して倒れてしまいます。適度に重量があり、安定性のある鉢を使用するようにしましょう。
アロカシアの育て方②置き場所
基本は半日陰に置く
アロカシアの多くは、熱帯林に自生しているものが多く、それほど強い光を必要としません。直射日光にあててしまうと、枯れてしまう原因となるため、半日陰に置くようにしましょう。しかし、葉が垂れさがって葉柄が折れてしまう場合は、暗すぎる証拠ですので、その場合は適度に光が入る場所におきましょう。
置き場所をローテーションする
アロカシアはそれほど強い光を必要としません。しかし、半日陰であっても一つの場所に長く置いていると、光が当たる面と当たらない面ができてしまいます。そのため、定期的に場所を移動するか、鉢の向きを変えてあげましょう。それによってバランスよく成長してくれます。また、置き場所が変わることによって、見る側の気分も変えることができます。
冬場は15度をキープ
暖かい地域に自生するアロカシアはそれほど耐寒性がありません。15度を下回ると、枯れ始める個体も出てきてしまいます。そのため、冬場は、水を切って休眠状態にし、室内の暖かい場所に置くようにしましょう。温室や加温装置がある場合は、水やりを減らす程度で大丈夫です。
アロカシアの育て方③水やり
水やりの基本
生育期である、春と秋は土が乾いてから、夏の暑い時期は土が乾ききる直前に水やりをするようにしましょう。この時、鉢底から水が溢れるくらいたっぷりの量の水を与えるのがコツです。鉢底から溢れる水と共に、用土内の不純物を洗い流すことができます。反対に、用土の表面が少し湿るくらいでは少なすぎます。
冬は水やりを控える
冬が近づき、気温が下がってきたら徐々に水やりの回数を減らしていきます。真冬の寒い時期は、加温設備がない場合は水やりをやめましょう。週に1度程度、霧吹きで葉水を与える程度で大丈夫です。春になって徐々に暖かくなってきたら、水やりを少しずつ再開します。
アロカシアの育て方④肥料
生育期に緩効性肥料を与える
生育期である春から秋にかけて、月に1回、市販の緩効性肥料を与えましょう。肥料を与えることによって新葉の展開を促進させることができます。生育期の間にしっかり養分を吸収させることによって、冬を乗り切る力をつけさせることができます。肥料を与える際は、肥料が苗に直接触れないように注意してください。
液肥も効果的
健康的なアロカシアは、緩効性肥料だけでも十分ですが、元気のない場合には液体肥料が効果的です。市販の液体肥料を規定量に薄め、水やりをかねて与えましょう。緩効性肥料と違い、即効性があるため、素早く吸収します。葉に艶が戻れば通常の緩効性肥料だけに戻して育てましょう。
アロカシアの育て方⑤病気・害虫対策
ハダニの発生に注意
アロカシアは、乾燥しすぎるとハダニが発生しやすくなります。ハダニに寄生されると、茎や葉の汁を吸い、生育不良を引き起こします。初期の段階であれば、葉水をかけることで水と一緒に洗い流すことができます。しかし、大量に発生してしまうと、それでは追い付かず、薬剤を散布しなければなりません。専用の薬剤を、既定の量に薄めて使用しましょう。
軟腐病に注意する
アロカシアに発生しやすい病気として、軟腐病が挙げられます。これは、地中の芋が腐る病気で、水やりが多すぎる場合に起こりやすいです。特に寒い時期に発症しやすいです。急に葉がばたばたと倒れる場合はこの病気を疑いましょう。対策として、排水性の高い用土に植えたり、水やりをしすぎないよう、調整してください。
軟腐病になってしまったら
万が一、軟腐病になってしまった場合は仕立て直しをしましょう。まず、茎の元気な部分で剪定をします。切り口をよく乾かすか、木灰を塗って水はけのよい用土に挿し、発根を待ちましょう。塊根部も患部を切り落としてよく乾かします。控えめに水やりをしていると、重症でなければ、しばらくすると新芽が出てきます。
アロカシアの育て方⑥増やし方
株分けで増やす
アロカシアの一番簡単な増やし方は株分けです。アロカシアが順調に生育すると、芋の部分から子株が出てきます。この子株を外し、新しい鉢に植え付けるだけで増やすことができます。株分けは、子株が成長しやすいように、生育期の初期の時期に行いましょう。
剪定後の挿し木
アロカシアは、挿し木で簡単に増やせる植物です。生育期の5~6月の暖かい時期に行います。まず、よく切れる刃物で、茎の部分を最低5cmの長さで剪定します。剪定後は、切り口をよく乾かし、病気を防ぎます。その後、湿らせた鹿沼土に挿し、乾燥させないよう半日影で管理をしましょう。1か月ほどで発根したら通常の用土に植え付けます。
取り木での増やし方
アロカシアは取り木でも増やすことができます。まず、剪定したい場所の皮を数cmはぎ取ります。乾燥防止に湿らせた水苔でくるみ、ビニールなどで覆って紐でしばります。約1か月すると発根してきますので、剪定して切り離し、新しい鉢に植え付けをしましょう。
まとめ
アロカシアの栽培についてご紹介してきました。アロカシアの育て方のポイントは、置き場所と水やりです。他の観葉植物のように、ついつい直射日光に当ててしまいがちですので、注意をしてください。また、水やりのし過ぎは病気を招くため、併せて注意しましょう。しかし、基本的には丈夫な植物ですので、機会があればぜひ栽培にチャレンジしてみて下さい。
アロカシアの栽培が気になる方はこちらもチェック!
今回はアロカシアの栽培についてご紹介しましたが、その他にも各観葉植物や草花など、さまざまな植物の栽培に関して、詳しく紹介した記事が沢山ありますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
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