はじめに
ハングライダーと言えば自分では体験することが難しいスポーツというイメージが強いですが、国内でハングライダーの体験ができるスポットを探すといくつかの施設が見つかります。ここでは競技でも使われるハングライダーが飛ぶ仕組みや原理を紹介すると共に国内で初心者でもハングライダーの魅力を肌で感じられる施設を紹介していきます。鳥の様に大空を飛んでみたいと思っていた方も気軽にその体験を行うことができるスポットがたくさんあるので、こちらの記事を参考に鳥の気分を味わうに出かけてみてはいかがでしょうか。(料金時間等は2019.11.24時点の情報です)
競技でも使われるハングライダーって何?
体験したことがなくともハングライダーやパラグライダーと言った言葉を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。ハングライダーとはどのような物でどのような仕組みで空を飛ぶことができるのか気になるところですね。そこでハングライダーについて少し紹介しておきましょう。
初心者から競技まで幅広い場で楽しめるハングライダーとは
ハングライダーとは、アルミ製のパイプとポリエステル製の布で構成されている空を飛ぶ道具です。パイプを三角に組み立て、そこに風をつかむ布を張りその下に人間がうつ伏せ状態でぶら下がり空中を滑空します。空のスポーツとして競技なども開催されており、上級者が競技を行うと時速100キロ近い速度で滑走する事も可能です。
競技でも使われるハングライダーに免許の取得は必要?
車を運転する人が必ず取得する必要がある免許と言えば自動車免許ですが、ハングライダーを操縦する場合、免許の取得は必要なのか気になる事をです。ハングライダーには自動車免許の様な免許制度は存在しません。ただし、免許の代わりに取得できるライセンスと言う存在があるのです。日本ハング・パラグライディング連盟が定めるライセンスで、9種類のライセンスに分類されているのです。
競技でも使われるハングライダーが飛ぶ仕組み①
ハングライダーが飛ぶ仕組みには翼に原理が隠されている
ハングライダーが飛ぶことができる仕組みは飛行機と同じ原理を持っています。それが翼に隠されているのです。ハングライダーは、前面から空気を受けて飛ぶことができます。しかしただ空気を受けていても飛ぶことはできません。そこで翼に隠された仕組みを見てみると翼の前部分が厚みを持ち、後ろへ行くにつれてその厚みは薄くなっています。
空気が2つに分かれて飛ぶ仕組みを作り出す。
ハングライダーの翼前面に当たった空気は上と下の2つの流れに分離し後ろへと流れていきます。そして前面から流れてきた空気は後ろで再び合流するわけですが、ただただ合流しただけでは飛ぶ原理は働かないのです。では、他にどのような仕組みが隠されているかと言うと、それはハングライダーの翼の断面を見てみるとわかります。ハングライダーの断面は上の部分と下の部分で長さが異なっておるのです。
空気の流れる速さを変えることで浮力が生まれる
ハングライダーの翼の上を流れる空気と下を流れる空気の流れる速さを計測すると翼の上の面の方が下の面に比べ長く作られている為上面の速度の方が早く流れ、翼の後ろで合流するベルヌーイの原理が働きます。その為、翼の上面と下面では圧力に差が生じ圧力は上方向へと働きます。そこでハングライダーは落ちることなく長い距離飛び続けることが可能なのです。
競技でも使われるハングライダーが飛ぶ仕組み②
競技でも使われるハングライダーが離陸する仕組み&原理
ハングライダーで空に飛び立つ為には上昇する必要があります。それをテイクオフと言いますが、どのような原理でテイクオフを行うのか紹介していきましょう。まず場所選びが重要になります。風向風力の安定した斜面で離陸させことで安定したテイクオフが可能となります。その場合風の強さも需要なポイントとなり、風が強く前面から吹いてる場合、滑走距離が短くてもテイクオフすることが可能です。一方風が弱い場合は、浮力を得る為に長い距離滑走する必要があると共に人の力で前に走り続けなくてはいけません。次に上昇気流を利用してハングライダーを長い距離飛ばす方法を紹介していきましょう。
上昇気流をうまく掴んでフライトする
競技でも使われるハングライダーは、上昇気流をうまく掴まなければ下降していくばかりです。上昇気流をうまくつかむと離陸した地点よりはるかに高い高度までハングライダーを飛ばすことができ、何千メートル上空まで飛行することも可能となります。では、上昇気流はどの様な場面で発生するかと言うと、太陽光で暖められた熱が上空へと移動する際に上昇気流を発生させます。つまり晴れた日の方が上昇気流が発生しやすく、ハングライダーをフライトさせるにはもってこいの気象条件とも言えます。ハングライダーを飛ばす際上昇気流をうまく掴むコツを覚えるといいですね。
競技でも使われるハングライダーが飛ぶ仕組み③
競技でも使われるハングライダーが着陸する仕組み&原理
ハングライダーを上昇気流が発生させる力によって空高くまで上昇させ空の旅を楽しんだら地上まで戻ってくる必要があります。ハングライダーが上昇気流を使って空高くまで上昇する原理は上記で紹介しましたが、着陸する仕組みも紹介しておきましょう。
風下から着陸する
ハングライダーを着陸させる方法は風下から侵入するのが基本となります。風下から侵入することでハングライダーと対地速度の差が小さくなり、同じ揚力を得ることで安全な着陸を可能とします。トンビなどが上空で旋回している姿を見たことがある方は想像がつきやすいと思いますが、ハングライダーも上空で旋回しながら風下からの風をうまく利用し徐々に高度を下げていきます。
最終着陸段階に入ったら行うこと
風下からの風の原理を利用して徐々に高度を下げたハングライダーは着陸場へ向けて最終の着陸段階へ入ります。その際に安全な着陸を行う為には、ハングライダーに取り付けられたコントロールバーを前へと押し出していきます。押し出すことで徐々に速度が落ちていきます。そして地面に足がつく段階で最終的にコントロールバーを強く前へ押し出すことでハングライダーは着陸し止まる仕組みとなっています。
コントロールバーの押し出し加減が重要
ハングライダーの速度を制御するコントロールバーですが、操作する力加減が重要になってきます。コントロールバーはハングライダーの速度を調整する重要な部分ですので、一気に強い力で押し出してしまうと速度が急激に低下し、墜落の経験が伴います。その為コントロールバーの操作は慎重に行う必要があるのです。
初心者もハングライダーが体験できるスポット①
京都エアースポーツ
京都と鳥取にオフィスを構える京都エアスポーツは、ハングライダー・パラグライダーの体験ができる施設です。初心者向けのハングライダー体験コースは、午前・午後と2回、約2時間のコースを用意しており、セーフティトーイングシステムを使用した滑空体験を実施しています。こちらのシステムは高さ5メートルの位置に敷かれたレールに沿って約100メートルの滑空体験が行えるシステムとなっており、初めてハングライダーを体験する方にはおすすめの滑空体験プログラムです。
京都エアースポーツ基本情報
【住所】京都府京都市山科区大塚野溝町76-4
【連絡先】075-593-7979
【アクセス】名神高速道「彦根IC」から約20分
【料金】2時間30分のプランで8500円から
初心者もハングライダーが体験できるスポット②
忍野スカイスポーツ倶楽部
富士山を眺められる場所に位置するハングライダー体験施設「忍野スカイスポーツ倶楽部」は年会費を払い入校するハングライダースクールを始め、初心者でも気軽にハングライダーを楽しむことができるトーイングハングライダーやタンデムハングライダー体験を開催しています。タンデムハングライダー体験の場合、インストラクター免許を取得したプロといっしょに所要時間60分約1.8キロの距離を5分前後で滑空する体験を味わうことができ地上360メートルから山梨県の絶景を眺めながら鳥になった気分を味わうことができます。
忍野スカイスポーツ倶楽部基本情報
【住所】山梨県南都留郡忍野村内野2661
【連絡先】0555-84-7561
【アクセス】内野バス停からは徒歩10~15分程度
【料金】タンデムハングライダー17600円
初心者もハングライダーが体験できるスポット③
ウエストウインド
新潟県で唯一ハングライダー体験ができる施設がウエストウインドです。ハングライダーのライセンス取得ができるスクールの開催、初心者でも気軽にハングライダーの魅力を感じられる体験コースを実施しており、タンデムフライトによる新潟の空の旅を楽しむことができます。こちらの施設には発射台が整備されており、安定した離陸ができる他、離陸前に丁寧な準備と説明を行ってくれます。高低差430メートルの地点から日本海に向けて飛び立つフライトは約2キロ!山の景色から始まったフライトは海岸線へとたどり着き、開放感のある絶景を楽しむことができます。
ウエストウインド基本情報
【住所】新潟県長岡市寺泊野積大野積10066
【連絡先】090-8723-7466
【アクセス】野積海水浴場からすぐ
【料金】タンデムフライト10000円
初心者もハングライダーが体験できるスポット④
橘ウインドパーク
1人でハングライダーを操縦できるライセンスを取得し、これからハングライダーを本格的に楽しんでいきたいと言う方におすすめの施設が山口県にある橘ウインドパークです。こちらの施設は風をテーマに作られた施設となっており、初心者がハングライダーを楽しむことのできる初心者専用スロープが設置されています。こちらの専用スロープを利用することで飛び立つ練習を安全に行うことが可能です。初心者用タンデム体験を何度も行い、スクールでのライセンス取得を終えた方はこちらで練習を行うと良いでしょう。
橘ウインドパーク基本情報
【住所】山口県大島郡周防大島町大字西安下庄3927-14
【連絡先】0820-77-2513
【アクセス】JR山陽本線大畠駅より屋代島方面へ車30分
【料金】1日1100円
初心者もハングライダーが体験できるスポット⑤
ハンググライダー・パラグライダースクールnasa
茨城県でハングラーダー体験ができる場所「ハンググライダー・パラグライダースクールnasa」は初心者向けの体験の他、ライセンス取得をサポートしてくれる内容が充実しています。初心者向け体験コースでは、緩やかな丘での浮遊体験の他、インストラクター免許を持つスタッフと2人で標高400メートルの地点からタンデムフライトを楽しむことができます。
ハンググライダー・パラグライダースクールnasa基本情報
【住所】茨城県石岡市上曽1389-1
【連絡先】0299-51-3215
【アクセス】常磐自動車道路土浦北インターチェンジより25分
【料金】タンデムハングライダー体験18000円
初心者もハングライダーが体験できるスポット⑥
ノブエアーファクトリー
山形県でハングライダー体験を開催している施設ノブエアーファクトリーは1日10000円と言う他の施設と比較すると安い料金でハングライダーを楽しむことのできる施設としておすすめです。ハングライダーを1人で楽しむ為に必要なライセンスの取得コースのほか、ハングライダー初心者向けのタンデム飛行体験コースが用意されています。体験には事前の予約が必要になりますが、ホームページをから申し込みを行う際、20パーセントの割引クーポンを入手し1日8000円で体験する方法もありますので、ぜひ利用してみてください。
ノブエアーファクトリー基本情報
【住所】山形県南陽市赤湯3102-3
【連絡先】0238-43-2927
【アクセス】最寄駅JR赤湯駅
【料金】タンデムフライト10000円
初心者もハングライダーが体験できるスポット⑦
オークハンググライダースクール
鳥取県でハングラーダーを体験できる施設がオークハンググライダースクールです。こちらの施設は人気観光地鳥取砂丘の側に位置しており、砂丘の絶景を鳥になった気分で楽しむことができる人気のスポットとなっています。砂丘で開催される体験コースでは、ハングライダーの飛ぶ原理を学んだり操縦の方法を学んだりした後、直線飛行を経験し、緩やかな斜面を利用してのテイクオフ体験へと移行していきます。約10メートルほどの浮遊体験でも空中に浮かんだ感覚をつかむことができますよ。
オークハンググライダースクール基本情報
【住所】鳥取県鳥取市河原町長瀬38-1
【連絡先】090-7379-0511
【アクセス】鳥取砂丘からすぐ
【料金】初心者向けコース11000円から
初心者もハングライダーが体験できるスポット⑧
今井浜フライングスクール
静岡県でハングライダー体験ができる場所今井浜フライングスクールは120メートルの地点からフライトを行える様にする3ヶ月、6ヶ月のスクールコースを始めハングライダー半日コース、ハングライダー1日コースを開催しています。ハングライダーの魅力や基礎知識を十分に学びながら最終的にインストラクター免許を取得したスタッフとタンデムフライトを楽しむことができます。こちらの施設では、親子で体験できる親子プランや、宿泊がセットになったプランなど楽しむ方法も様々です。
今井浜フライングスクール基本情報
【住所】静岡県賀茂郡河津町見高51-21
【連絡先】0558-34-0708
【アクセス】伊豆急伊東線河津駅から送迎実施
【料金】半日体験+タンデムフライトがセットで110000円
初心者もハングライダーが体験できるスポット⑨
湘南スカイスポーツスクール
湘南エリアでハングライダー体験を行うなら湘南スカイスポーツスクールがおすすめです。こちらの施設は平塚、横浜にオフィスを構えており、湘南海岸の絶景を低空飛行で飛行するプランが人気となっています。海岸線が続く湘南エリアでは、高い山からの滑空ができない為、ハングライダーにモーターを取り付けたモーターハングライダーを使用しています。もちろん初心者の方も安心してフライトができるタンデム飛行を実施しており、インストラクター免許を取得するスタッフと約10分間の湘南海岸の空中散歩を楽しむことが可能です。
湘南スカイスポーツスクール基本情報
【住所】神奈川県平塚市万田69-2
【連絡先】080-6756-8671
【アクセス】旭小学校入り口交差点からすぐ
【料金】タンデム飛行約10分のフライト9900円(土日祝日は2000円増し)
初心者もハングライダーが体験できるスポット⑩
東京から近いハングライダースポット!ウインドスポーツ
東京都心にオフィスを構えるハングライダー体験を開催するウインドスポーツは、茨城県にもショップを構えており、茨城県内の空でハングライダー体験を実施しています。ハングライダーを1人で操縦するためのライセンスの取得を手助けするライセンス取得コースを始め、初心者でも気軽にハングライダーの魅力を味わえる体験コースの実施も行なっています。体験コースではハングライダーの基礎知識を始め、扱い方を学んだ後インストラクター免許を取得したスタッフと一緒にタンデム飛行で茨城県の絶景を鳥になった気分で味わうことができます。
ウインドスポーツ基本情報
【住所】東京都渋谷区渋谷2-2-4青山アルコーブ812
【連絡先】03-3499-1840
【アクセス】つくば駅までの送迎サービスあり
【料金】初心者体験コースは13000円
まとめ
ハングライダーが空高く上昇し着陸するまでの仕組みや原理、初心者でも気軽にハングライダーを楽しむことのできる施設を紹介してきました。ハングライダーを長い距離飛ばすには上昇気流をうまく使う事が重要になってくることが分かったと思います。原理を理解することで操縦方法のイメージがつきやすくなりますので、上昇気流をうまく掴む感覚を手に入れ鳥の様に空を自由に飛び回る体験を楽しんでください。
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