ボルダリングはクライミングの1つ
ボルダリングはクライミングの1つで登山とおなじように人気のスポーツです。垂直に近い地形や岩稜、人工物を自分の手足、体だけで登ったり、登攀用道具を使って登ることをクライミングと言いますが趣味や競技用として行われています。(本記事は2019年9月15日時点の情報を基にしています)
ボルダリングはフリークライミングの仲間
クライミングは大きくフリークライミングとエイドクライミングに分けられます。フリークライミングは登るために道具は一切使用しないスタイルのもので、エイドクライミングは逆に道具を積極的に使って登るスタイルです。フリークライミングはロープクライミングとボルダリングに分けられます。ロープクライミングはさらにトップロープクライミングとリードクライミングに分けられます。
参考:ロープクライミングとは
ロープクライミングはトップロープクライミングとリードクライミングに分けられますが、いずれもロープを使用します。両方に共通していることはロープを使うことと、2人1組で行動することです。登る人をクライマーと言い、ロープを保持して、地上からクライマーの安全を確保する人をビレイヤーと言います。
トップロープクライミングはウオール(壁)のトップにロープがかけてあり、リードクライミングはクライマーが自分でロープを所定の突起物に掛けながら登っていきます。ロープはあくまで命綱の役割です。トップロープクライミングの難易度は優しいレベルですが、リードクライミングは自分でロープを掛けながら登りますから難易度がかなり高くなります。
ボルダリングとは
ボルダリングとは、クライミングの1種でフリークライミングとは異なり、道具やロープなどは一切使わないで高さ3~5mの壁に固定されたホールド(突起物)を使って登るスポーツです(実際にはクライミングシューズという専用のシューズと滑り防止の炭酸マグネシウムのチョークは使用する)。自分の身体1つで登るスタイルで、難しくなると*課題が複雑に設定されます。競技としては制限時間内にいくつ登れるかを競うことになります。オリンピックで注目を浴びることになるでしょう。
(*課題の意味はウオールに番号の付いたホールド(突起物)を確認し、その番号のホールドだけを使用して登るルートのこと)
ボルダリングとクライミングとの違い
クライミングは山や渓谷にある岩や人工的な岩壁などを登ることを全てクライミングと言います。代表的なクライミングはボルダリング以外にロッククライミングやアイスクライミングなどがあります。ロッククライミングは文字通り岩登りで垂直に切り立った岸壁をよじ登ります。ボルダリングと異なり屋外でロープを使って登ることでロープやハーネス、カラナビ、クイックドローやATCと言われるロープ制動器具などを使います。屋外のボルダリングポイントでもできるところがあります。
そしてアイスクライミングは冬期限定で凍った自然の滝や人工のアイスキャンディーと呼ばれる氷瀑を各種の道具を使って登るスポーツです。そのクライミングの1種としてボルダリングがあります。こちらは道具を一切使わないで、高さ5,6mの壁を登るボルダリングとロープを安全確保の手段として使いながら登るロープクライミングがあります。
インドアボルダリングの楽しみ方
東京オリンピックを控えて、ボルダリングジムが急増し、愛好家も若い人やビジネスマン中心に増加しつつあり、体験希望者が増え、今話題沸騰中のおすすめのスポーツジムです。ボルダリングのウオールを前にして仲間で盛り上がることができ、クライマーとの一体感が魅力的で楽しみ方の1つです。
1人だけでも問題なく体験、トライできます。女性は服装でも楽しめ、明るい色調の服装がコツです。ボルダリングは手軽なスポーツで全身運動ですから適度な運動ということで体力アップにはもってこいでおすすめのスポーツです。オリンピックの種目もトライしてみてください。
アウトドアボルダリングの楽しみ方
アウトドアボルダリングは自然の岩を登るスポーツ、知力と体力のスポーツです。素手で登り切った達成感は格別です。インドアボルダリングと違って、ケガ防止の分厚いマットはありません。(簡単なマットだけ)初心者はいきなり4~5mもあるような岩壁を登らないで3mくらいの低い岩から始めることがコツです。少しずつ高さを上げていき、ケガのリスクを減らしましょう。インドアのようにしっかりしたホールドもありません。天然の岩の出っ張りや窪みが、亀裂などがホールドで専用のシューズは必要です。しっかりルート設計をしてからトライしましょう。
安全の岩から降りることも大事です。あくまでクライムダウン(自力で降りること)で安全に着地しなければなりません。スポットという補助を必要とするかもしれません。初心者は登る前によく岩の全体を見て、登るルートや降りるルートを十分入力観察します。自然の中ですから枯葉や泥が岩に付いている場合が多いです。出来る限り掃除もしておきましょう。
十分注意していてもケガや捻挫は突然なってしまうもの。エマージェンシイキッド(救急治療セット)は必ず携帯しましょう。もしも捻挫したら、基本はRICEです。Rは安静、Iは冷却(冷湿布)、Cは圧迫固定(テーピング)、Eは患部を挙げる(心臓より上に患部を挙げる)、ことです。
ボルダリングのルール
ボルダリングは難しいルールはありません。次のルールだけはしっかり守ってください。通常初心者にはトライする前にレクチャーがあります。
◯ケガ防止のため、ボルダリングウオールの前に敷いてあるマットで休憩しないでください。
◯危険防止のため、1つのウオールにはクライマーは1人です。
これがルールです。そしてボルダリングするための基本的な手順やコツがあります。
①自分が登ろうとしているウオール(壁)の難易度を確認してください。難易度を示すグレード表が貼りだしてありますから、まず確認します。
②ウオールの中のスタートとゴールがどこか把握しておきましょう。ゴールを両手で保持できればゴールです。確認しておかないと特に初心者は途中で迷うことになります。
③同じ数字、色、形がホールドの横に貼ってあります(これが課題と言われるコースです)。コツはスタートからどのように登ってゴールにたどり着けるかイメージすることです。
ボルダリングの服装
ボルダリング体験のための特別な服装はありませんが、運動し易く、着やすい、ホルダーに引っかからないような服装がおすすめでこれがコツです。ボルダリングは全身運動で激しく大きく身体を動かします。基本的におすすめの服装はTシャツ+パンツ+靴下(+シューズ)ですが、服装選びのポイントはシンプルなコーデを心がけることです。特に女性の服装は注目の的になり易くコーデには気を使って欲しいです。胸元があかない、ストレッチ性のあるそして長袖という服装が基本です。
インナーの服装も気になる方は、フィットネス用のブラ着用、締め付けはきつめのものを選びましょう。胸の大きい人はフィットネス用ブラはきつめにするのがコツです。専用のシューズとチョークはジムで借りられます。シューズに普通は靴下なし、素足で履くのが基本ですが、最近では足の指などの動きを邪魔しない特殊な靴下が販売されています。できればシューズはご自分専用のものをシューズのフィット感を確認しながら購入しましょう。服装のコーデも楽しみ方の1つでおすすめです。
ボルダリング初心者が楽しむコツ
ボルダリングはおしゃれで服装も楽しめる新感覚のおすすめのスポーツです。しかし登っていると人に見られているのが恥ずかしいという人がいます。初心者に共通した感覚です。コツは初心者でもお構いなくどんどん体験を重ねることでやがて見られることに快感を憶えるようになります。
コツはゴールまでの距離を確認しながら膝を深く曲げて重心を低くして腕を完全に伸ばした状態が基本姿勢です。最初は難しいかもしれませんが、これを意識しながらトライしていると必ず達成できます。
東京都内のアウトドアーボルダリングボルダー
東京都はアウトドアボルダリングができるボルダー(ボルダリングができる巨大な岩のこと)の多いところです。東京都は数えたところ17個所ほどあることが判明しています。北海道(27個所)が最も多く続いて長野県(19個所)です。
東京都内のボルダー
東京都内の代表的なボルダーをご紹介します。
ボルダーの基本情報
【名称】奥日原ボルダー
【住所】東京都西多摩郡奥多摩町日原(日原川上流にボルダーが点在)
【連絡先】042-57-7500(奥多摩クライミング協会)
【特徴】ボルダーごとにレインマン初級、サラマンダー2級、鷹3級などの名前がついています。全般的に奥日原のボルダーはレベルが高めのようです。
【アクセス】国道411号線の奥多摩駅前から日原川沿い
【名称】青梅富岡岩井堂ボルダー
【住所】東京都青梅市富岡1(飯能市と青梅市富岡の境にある岩井堂近く)
【特徴】小さな沢の中にあるボルダーで比較的易しいレベルの岩のようです。
【アクセス】飯能市と青梅市富岡の境界に岩井観音堂があり、その道路上の小さな沢の中にあります。ボルダーは沢の左岸の青梅川沿いにあります。
東京都内のインドアボルダリングジム
どんどん増えつつあるボルダリングが体験できるジムですが、代表的なジムを4つご紹介します。いずれも施設が大型で初心者から上級者まで体験できる様々なウオールがあり、また、随時初心者には登り方、ルールなどのレクチャーがあります。仲間ができるチャンスの多い評判のおすすめのジムです。
①ボルダリングB-PUMP(秋葉原)
都内最大級のおすすめのボルダリングジムです。1階から3階まで丸ごとボルダリングで1階は初心者用、ビギナー道場もあり体験できるようになっています。体験してコツを憶えれば気楽に先に進めます。2階はウオールが強傾斜で中上級者向け、傾斜の強いルーフもあり、3階は異空間、薄暗い不思議な空間です。
基本情報
【名称】B-Pump秋葉原
【住所】東京都文京区湯島1-1-80
【連絡先】03-6206-9189
【営業時間】平日12:00-23:00、土祝祭日11:00-22:00、日曜日10:00-21:00
【定休日】年末年始
【料金】初回登録料2,000円、使用料金1,300円~2,000円(学生、高校生1,000円~1,500円)
【レンタル】シューズ300円(初回無料)、レンタルチョーク100円(初回無料)
【アクセス】JR秋葉原駅、お茶の水駅下車徒歩5分
②ボルダリングApex-Climbing Gim(新宿)
広さ80坪の大型ジムで収容人員60名~80名です。様々な傾斜角のクライミングウオールがあり、初心者から上級者まで楽しめ、居心地の良いジムにこだわっています。初心者には15分程度の初級講座が体験でき登り方のコツも教えてくれ初回料金内で受けられます。おすすめのジムです。
基本情報
【名称】Apex Climbing Gym新宿
【住所】東京都新宿区西新宿7-3-1三光パークビルB1F
【連絡先】03-5358-9939
【営業時間】月ー金10:00-23:00、土日祝10:00-22:00
【定休日】不定期
【料金】初回登録料1,620円、平日1,300円~1,620円、土日祝1,620円~2,160円
レンタルシューズ320円、チョーク110円
【アクセス】JR新宿駅より徒歩5分
③Rocky ボルダリングジム(品川)
品川ロッキーと言われる大型のボルダリングジムです。160人が同時に収容できます。様々な壁(ウオール)があり品川店では小学生から使用できますからおすすめです。壁の高さ3mが慣れてきたら4.2mの壁に挑戦しましょう。応援しながら頑張っていると新しい仲間ができます。傾斜角160°の壁もあります。またビギナーには無料のレッスン会で体験できます。ここでしっかりコツも憶えておきましょう。(要予約が必要です。)
基本情報
【名称】Rockyボルダリングジム品川
【住所】東京都港区港南5-4-38松岡品川埠頭ビル103
【連絡先】03-6712-9538
【営業時間】8:30-23:00
【料金】登録料1,000円、1時間使用男性1,400円、女性1,200円、1日使用男性1,800円、女性1,600円,メンバー制度あり(問い合わせください)
【レンタル】シューズ、チョーク
【アクセス】JR品川駅から循環バス5分、りんかい線天王洲アイル駅下車徒歩12分
④ボルダリングRockLands(葛西)
国内最大級のクライミング総合ジムです。ボルダリングを始めトップロープクライミング、リードクライミングなどが体験できます。ジム内のウオールは体力、年齢に応じて実に様々な多くのルートが設定されています。
ボリダリングは床に分厚いマットを敷き高さ4mほどのルートを登ります。ロープなしで登りますが落ちてもマットがありますから安心です。
トップロープクライミングは高さ10mのウオールに上からロープを吊り上げられた形で登るスタイルです。初心者はトップロープ講習を受けなければなりません。リードクライミングはビレイヤ(ロープ保持者)による下からの確保でロープを付けて登るスタイルです、リードクライミング講習を体験されてコツを教えてもらえますからおすすめです。
基本情報
【名称】クライミングジムROCKLANDS
【住所】東京都江戸川区東葛西5-27-16
【連絡先】03-5659-0808
【営業時間】平日14:00-23:00、土日祝10:00-21:00
【定休日】月曜日
【料金】初回登録料1,650円、1日2,200円、平日18:00まで1,650円
【レンタル】シューズ300円、チョーク200円、ハーネス300円、確保器210円、ロープ550円
【アクセス】東京メトロ東西線葛西駅より徒歩5分
ボルダリングも東京オリンピックの正式種目
ボルダリングはスポーツクライミング
東京オリンピックの正式種目となったスポーツクライミングは天然の岩場などで行うロッククライミングと異なり競技性を強く持たせたスポーツ的な要素を重点とした新しいジャンルのオリンピックのスポーツです。東京オリンピックはボルダリングとリードクライミング、スピードクライミングの3つの種目があります。ボルダリングは2008年から国民体育大会の山岳競技で既に採用されていますからお馴染みと思います。
3つの種目と楽しみ方
東京オリンピックスポーツクライミング3つの種目
◯ボルダリング:高さ3~5mの壁に固定されたホールドをロープを使わないで登るスタイルで極限に難しい課題が設定されている。制限時間内に「いくつ登れるか」を競う競技で課題の完登数を競う競技です。
◯リード:制限時間6分以内に高さ15m以上の壁(ウオール)を「どこまで登れるか」高さを競う競技で安全確保のためにロープを使用します。ロープはあらかじめ掛けてありますが、登るためには使用できません。途中で落ちても制限時間内なら何度でもトライできます。
◯スピード:世界共通ルールの高さ15mの壁を登るゴールまでの「速さ」を競う競技です。入賞するためには男子で5~6秒、女子では7~8秒のレベルが必要です。東京オリンピックではどのくらいの成績となるか注目です。現在日本ではこの施設が少ないのが問題となっています。オリンピックに向けて整備が急がれます。
まとめ
ボルダリングは既に2008年の国民体育大会で行われていましたから歴史が浅いとは言っても11年以上の実績があります。東京オリンピック開催が直前に迫って、ボルダリングも含めてクライミングジムが急に増加し、愛好家も増えつつあります。スポーツクライミングは正式種目ですが、関心度は今一つ、という感があり、ルールも知らない人がほとんどでしょう。オリンピックでトレンドスポーツとして脚光を浴びることは間違いないと思われますから、この機会にジムに入会して体を鍛えながら情報を仕入れましょう。
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