グルーガン(ヒートガン)とは
ホットボンドとも言われる便利な道具
グルーガンという道具を聞いたことありますか?DIYをあまりしない人は全く関係がないように思えるかもしれませんが、あると非常に便利な道具です。グルーガンとは見た目がピストルのような形状をした道具で、細長い棒状の樹脂の塊を背部から装填して、熱を加えて樹脂を溶かして糊(のり)のように使います。熱で溶けた樹脂は液体でドロッとした感じなのですが、すぐに冷えてだんだん固まってきてやがて固着するというわけです。
強度について
イメージしにくいかもしれませんが、グルーガンは棒状の樹脂を溶かして自然と冷えて固まるだけなので蝋(ろう)のようなものです。それだけのことなのでプラスチックや木、金属などを数秒でくっつける瞬間接着剤などの専門の接着剤のように強力な接着力はありません。瞬間接着剤は空気中の水分が原因で接着剤に科学的な変化がおきて強力に固まるので非常に強度が高いです。
グルーガンが買える場所
ホームセンターや手芸用品店
グルーガンはDIYには、欠かせない道具と言われるほど人気がありよく使われているアイテムです。ホットメルトとも言われていて通販サイトからホームセンター、手芸用品店などいろいろな場所で買えるようになりました。本体であるグルーガンだけあっても意味がないので棒状の樹脂「グルースティック」を買いましょう。ホットボンドと言われるゆえんは樹脂を高温で溶かして使うことから名付けられています。
100円均一ショップ
100円均一ショップ大手のダイソー、セリアなどでもグルーガン、グルースティックが販売されています。100円均一ショップは店舗によって品揃えが大きく異なることから、地域や場所によっては売ってない、取り扱っていないというケースもあります。このような場合は他の店舗に行ってみるなど何軒か行くと置いている店舗を見つけられますよ。グルーガンは100円均一ショップ以外では1000円前後するので非常にお得なアイテムです。
100均グルーガンの使い方
100円均一ショップのグルーガンの使い方は簡単
さまざまな工具のように使い方が難しいというわけではありません。接着剤やボンド、糊のようなものなので簡単です。使い方は本体の背面にある穴からグルースティックを入れていき入らなくなるまで押し込みます。次にコンセントに差し込んで数分待つと先端部分が熱くなり樹脂が溶けるので、トリガーを引けば出てきます。くっつけたい場所に溶けた樹脂を塗って冷える前にパーツをくっつけるだけです。
片付け方
先端が100度以上と熱いのでしっかり冷えてから片付けないと火傷や火事の原因になります。また冷えないと液状化した樹脂が流れ落ちることもありますよ。冷えたらスティックは挿したままでいいので片付けましょう。先端が樹脂で汚れているようならつまようじやたけぐしなどで剥がすようにすれば大丈夫です。また特に掃除しなくても次回使うときに溶けます。
スイッチがないので注意する
使い方は簡単ですが、加熱に関するスイッチはないのでコンセントに差し込むと常に温かい状態となります。この状態で先端を上に向けてしまうと差し込んだ方に溶けた樹脂が逆流してくるので火傷したりグルーガン自体が壊れる可能性があります。常に下向きになるようにダイソーやセリアのグルーガンでもスタンドがついていて下向きにおけるようになっています。コンセントに挿すと加熱されるということを意識しておきましょう。
100均グルーガンの使い方のコツ
糸になるので螺旋を描く
溶けたグルースティック(ホットボンド)は粘性が高く糸を引きます。お菓子作りが好きな方は水飴をイメージすると、わかりやすいかもしれませんね。すっと切れることはなくそのまますぐにグルーガンの先端を持ち上げると溶けた樹脂が予期せぬ場所に糸状にくっつくことが多々あります。透明の樹脂を使っても見栄えがいいとは言えないので樹脂を塗った後はそのまま持ち上げずにくるくるとグルーガンを回して糸を切るのがコツです。
しっかり待つ
しっかり溶けるまで待たないと低温度のホットボンドが出てくるので、何かをくっつける前に固まることもあります。ダイソーのグルーガンでの説明になりますが、樹脂自体は80度から溶け出します。しかしグルーガン自体は165度まで熱くなりますよ。説明書を読むと、何分後に使えるようになるか記載されているので必ず読んでおきましょう。
きれいにして使う
何かを貼り付ける時は油分や水分、埃などを取り除いて使いましょう。接着剤として使われますが強度は専門の接着剤のように強くないので、きれい接着できるようににゴミを取り除くというのが使い方で大切なポイントです。
100均グルーガンとグルーガンの比較
比較1:価格
前述したようにグルーガンの価格は安いもので1000円前後、高いものでは2000円ほどするものが多いです。価格差がこれだけあると一般的なグルーガンと大きな性能差があります。しかし100円均一ショップのグルーガンの性能が悪いというわけではないので比較しながら紹介していきますね。
比較2:温度差
グルースティックが溶ける温度が大きく異なり100円均一ショップのものは165度前後の温度となり樹脂自体は80度などの低温で溶けるようになっていて早く溶け、早く固まります。これはメリットでもデメリットでもあり素早く作業しないといけませんが、早く固定できます。高いグルーガンは170度などの高温タイプで接着力が強くなります。100円均一ショップは低温タイプなので高温タイプは使えません。
比較3:性能
100円均一ショップ以外のグルーガンは多機能なモデルがありスイッチの切替で低温、高温が切り替えられたり、USBで充電できるワイヤレスな充電式もあります。比較をまとめると100円均一ショップのグルーガンはコンセントが必要で低温の樹脂を使用することから高温タイプと比較すると接着力が落ちますが、すぐにくっつけたい時は早く不要な時は比較的簡単にはがせてリーズナブルということになります。
100均グルーガン同士の比較
ダイソーのグルーガンについて
大きなスーパーと併設して店舗を構えることも多くどこにでもある有名100円均一ショップ「DAISO」のグルーガンの基本的なスペックは以下のようになります。仕様は少し前のものとなり現在のものとは異なる可能性があります。
価格 | 200円(税別) |
最高温度 | 165度 |
消費電力 | 10W(新型15W) |
コードの長さ | 55cm(新型1m) |
グルースティックの直径 | 7.5mmに対応 |
セリアのグルーガン
おしゃれな100円均一ショップということで若い女性に人気の100均が「Seria」です。ダイソーと同じように格安でグルーガン、グルースティックが手に入ることから人気ですが、2019年9月現在廃盤と言われていて売っていない可能性が高いです。しかし新たに発売され仕様が異なる可能性もあります。
価格 | 100円(税別) |
最高温度 | 200度 |
消費電力 | 10W |
コードの長さ | 30cmほど |
グルースティックの直径 | 7mmに対応 |
100均グルーガンと接着剤の比較
似て非なるものなので注意
熱溶融型接着剤とも言われていて接着力はありますが、接着剤と比べると違いがいくつかあります。まずは大切なのは強度、接着力です。この点はすでに紹介したように接着剤のほうが強いです。固まる速さは、瞬間接着剤のような一瞬で固着できるもの以外ではグルーガンのほうが早いです。色は接着剤によっては固まると半透明になったり、変色しないものが一般的です。グルーガンは樹脂によってさまざまな色があり装飾にぴったりです。
使えるものが多い
専用の接着剤は万能に使えるものが少なく金属用なら金属以外に使えなかったり、木工用なら木か紙にしか使えないということもあります。グルーガンを使うと金属、木、紙(ダンボール)、プラスチックなど幅広く使える特徴があり便利です。ただし何でも貼り付けられる万能なものではなく素材との相性もあり、油分や水分があると使えないと言われていて表面がツルツルしているものも使えないので注意しましょう。
100均グルースティックについて
透明や白などの色も大切
ホットボンドやホットメルトとも呼ばれるグルースティック(グルーガン)には、いろいろな種類があります。前述した高温低温だけではなく樹脂の色を手作りの木工やアクセサリーの作品の雰囲気に合わせて変えることでより扱いやすい接着剤になります。例えば接着剤を目立たせたくないという方は透明のスティックを使用し逆に見せてもいいという場合にはラメ入りや色つきのものを使うといいでしょう。
ダイソーのみになりつつある
非常に便利なグルーガン、ホットボンドですが取り扱いがあるのはダイソーです。次点はキャンドゥとなります。セリアはホットボンドが廃盤になったことから最大手ではダイソーのみになりつつあります。なおキャンドゥのグルーガンは100円です。
100均グルースティックの比較
セリアの樹脂
すでにほとんど売り切れていますがセリアのほうが高温になることから接着力が大きく強度が高いと言われています。しかし現在は入手困難ということであまり比較しても意味がない状態になりつつあります。本数は100円で20本です。太さはセリアのグルーガンが7mmということもありダイソーと比較すると少し細い7mmとなりダイソーの樹脂より若干短いです。色数は少ないのですが茶色やピンクや半透明のものなどがあります。
ダイソーの樹脂
透明や白、茶やピンクなどのバリエーションが多く現在でも、安定して樹脂が手に入る場所です。80度で融解していくのでセリアと比較すると粘着力が落ちるので強度も落ちます。ですが人気商品なので使えないというわけではなく、本格的なDIYではなく手芸などでは十分使えるコスパのいいアイテムです。100円で色付きは20本、透明は25本など色によって多少本数が変わります。
100均グルーガンの使い道1
貼り付ける(留める)
基本的な使い方でいろいろな物を貼り付けることができます。前述したようにホットボンドとも呼ばれるものですので、貼り付けるという作業はコスパのいい100円均一のものでも得意です。金属でも布(フェルト、不織布)などに使え、さらにはタイル張りにも使用できます。大切なのは100円均一ショップのホットボンドでも貼れる汎用性の高さです。強度は前述したように荷重がかかる部分は避けて簡単な物を貼り付けるだけにしましょう。
手芸で使う
いろいろなものを感単に貼り付けられるということは手芸や工作で特に使われます。ちょっとした小物を貼る時に便利です。特に布は接着剤のように背面にしみるということがなくしっかり貼り付けられて、すぐに固着できるのでスピーディーに仕上がります。シルクのようにツルツルとしたものは使えないので注意しましょう。
100均グルーガンの使い道2
ホットボンド自体を作品にする
ただ何かを貼るという使い方だけではなく、溶けたホットボンド自体を作品にするという使い方もあります。液体のものが冷えると固形になるので好きな形を描いて手作りの雑貨として使えますよ。ここでポイントなるのがホットボンド、つまり樹脂の色です。透明のものを使えば透明になり色つきのものを使うと色付きになります。例えばLEDキャンドルライトのランプシェードを作るときなどは透明のものだと明るいです。
立体的なものも作れる
グラシン紙やクッキングシートなどを利用すると型紙となるので立体的な作品も作れます。固まるとただの樹脂なのでマニキュアなどで色付けすることも可能です。融解温度は80度なので大きなランプではなく小さなキャンドルライトなどあまり熱くならない場所に適し、白熱灯など熱いものの近くでは使えないので注意しましょう。何かを塗る場合は樹脂=プラスチックのようなものなので、プラスチックに塗れるものだと大丈夫です。
100均グルーガンの使い道3
修理・補修・補強
修理や修復と言ったこともグルーガンでできます。固まるとただの樹脂になるので水も染み込みません。水回りの一時的な修繕に利用することも可能です。切れた線をつなぐための補強や穴埋めなどにも使えます。この際も高温になる場所は樹脂が柔らかくなるので使えないとだけ覚えておきましょう。プラスチックでできたダンボール(プラダン)などにも利用できますが、強度は貼り合わせる素材によって変わります。
素材によってかわる強度
接点なども影響しますが、貼り合わせる素材によって強度が大きく変わってくるので使い方の参考にしてください。例えばプラスチックと金属、金属と金属では強度が変わってきます。また透明の樹脂と色付きの樹脂となどで変わると言われています。
100均グルーガンが使えない場所や作業
手ではがせることを意識する
先程紹介した動画のように、ほどんどの素材は手で剥がそうと思うとはがせるので、本棚、ラックなどの本格的なDIYでは使わないようにしましょう。他にも高熱になる場所には使えません。樹脂には絶縁体のように電気を遮る効果があると言われていますが、100円均一ショップの樹脂は電子工作には使えないので注意しましょう。絶縁できる樹脂は専用のものが販売されています。
なめらかなものには使えない
すべすべとしたガラスとすりガラスのように表面がガサガサとしたガラスとだと、すりガラスのようなガラスのほうが強度が高くなります。石やタイルのようにゴツゴツとした面だと強度が増します。基本的には仮止め、小さなDIY(アクセサリー作り、手芸など)で使用するというのが100円均一ショップのグルーガンの使い方になります。
100均グルーガンの注意点
火傷に注意
一番注意してほしいのが火傷です。グルーガン自体は200度近くにもなり、樹脂は80度以上もあり粘性を帯びていることから誤って皮膚に垂らしてしまうと大変です。絶対にグルーガンの先端を触らないようにして取り扱いに注意しましょう。コンセントにいれたら下向きにしておくことも忘れてはなりません。
延長コードを使う
ダイソーの旧型のグルーガンやセリア、キャンドゥは全体的にコードが短く机の上で作業しているとコンセントまで届かないことが多々あります。延長コードを用意しておくとどこでも作業がしやすくなりますよ。そしてグルーガンが使える場所、使えない場所があるので何を作るのか、何を貼るのかをよく考えてグルーガンでも大丈夫か一旦考えてから貼り付けましょう。
100均グルーガンのまとめ
グルーガン(スティック)は万能な接着剤
素材との相性を選びますが比較的万能な接着剤です。色も透明、半透明、白、茶、ピンク、ラメ入りなど装飾に使えたりグルーガンだけでおしゃれなシェードを作ることもでき便利なアイテムです。高温になるところだけ注意すると使い方自体は簡単で、コンセントに挿してガン(銃)型なので引き金を引くだけで誰でも使えますよ。粘性を帯びているのできれいに塗るにはそれなりに練習が必要です。
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