はじめに
シロザという植物は?花や実のアカザとの違いは
シロザという植物は野原などどこでも見かけることがある雑草とされている植物ですが、その昔は食用の植物(野菜)として日本に入ってきたものといわれています。よく似た植物にアカザというものがありますが、このふたつの違いをご存知ですか?今回はこの違いと見分け方・食用にするときのコツやレシピを解説していきます。
シロザについて
シロザの基本情報
科・属:アカザ科アカザ属
原産地:ユーラシア原産
学名/英語名:Chenopodium album/white goosefoot
*アカザ科アカザ属に分類されるがシロザの方が原種となっています。
草丈は1メートルほど
この植物は野に生える雑草で、冬になるとすっかり枯れてしまうので1年草とされています。春に芽吹き小さいうちはシロザとアカザの違いはとても明白です。成長し花が咲き実がなる頃になると見分け方が難しくなります。秋の最長のころは草丈が1メートルほどとなります。
シロザもアカザも食用になる雑草
この植物は雑草ではありますがほうれん草の仲間であり同じように調理して食べることが可能となっています。食用にできる野草はたくさんありますが、シロザはひじょうに多くあちらこちらに生えている雑草ですのでペットの糞尿や車の排気ガスの心配がないところであれば、気軽に摘んで食べやすい野草です。
シロザとアカザの違い・見分け方
見分け方1.若葉のうちの頂点部分の色の違い
ふたつの植物の違いが最もよくわかるのは若葉の時期。茎の頂点部分を上から見るとその根元が白いものがシロザ・赤いものがアカザとなっています。ふたつは成長時期はほぼ同じですので都合よく見比べるのによい大きさになっているはずです。ふたつの種類が生えている場所であれば、簡単に見分けられるでしょう。
見分け方2.シロザとアカザの葉の違いと見分け方
とても良く似たこのふたつの植物の違いは葉に現れるのをご存知でしょうか。アカザの方がいくぶん横幅が広くやや縦長に感じる方がシロザといわれているのが通説です。しかしこれには時期が関係しており、十分成長したものは最終的に葉の幅が変わって感じますがまだ若葉のうちには逆のときもまた然り。葉の幅が違うのは確かですが、ときおり逆転してしまうので確かな見分け方とはいいにくくなっています。
見分け方3.シロザとアカザの葉の裏の粉色の違い
もうひとつ葉を見ることで見分ける方法としてその裏に着目してみてください。葉についている粉は裏の方に集まっていてその粉もそれぞれで色が違っているからです。アカザには鮮やかな赤い色の粉が裏面にあるのですぐに見分けがつくでしょう。
見分け方4.花や実の違い・見分け方は
またこのふたつの植物の色は花にもいえます。花が付くようになると茎もだいぶ伸びるため色がついている部分が縦長に広く確認でき、葉よりもわかりやすい場合も多々あります。しかしこれが実がなるころになるとどちらも色が白っぽく変化してしまって見分けにくいという方が増えるようです。薄く色がついているので、まったく見分けられないことはありませんが実よりも花の方がわかりやすいでしょう。
シロザとコアカザの違い・見分け方
シロザ・アカザの他にコアカザという品種がある
シロザとアカザは色が違うだけでほぼ同じような葉・花・実を持った雑草だけれど、アカザ科の似た植物はそれだけではありません。このふたつと見分けがつかない似たものにコアカザがあります。
コアカザは色で見分けが付けにくい
コアカザとの違いがわかりにくいのは、色で判別できないというところです。コアカザという名前だけれどあまり赤くないからです。よくよく観察すると葉と花・実のつく時期などがずれるという特徴があるので、見分けるにはこれを利用すると良いでしょう。
見分け方や違いは葉の大きさと開花時期
コアカザは色による見分け方ができないアカザの仲間です。名前からわかるとおり小さいのが特徴。特に葉の横幅が狭くシュッとしているので並べてみるとわかります。また花が咲く時期(実のつく時期)もシロザ・アカザよりも早いので他よりも明らかに成長の早いものがあればコアカザと思って良いでしょう。
食用シロザの下ごしらえ
1.シロザを摘む
シロザは野草であり生えている場所によっても成長が変わってきます。食用にするのは花や実が出てくる前の若い葉の部分のごくごく一部。実際に目で見た方がどのあたりが美味しいのかわかりやすいでしょう。動画では上から2節くらいまでの小さな葉を使用しているようです。
2.粉を落とす
シロザは裏にたくさんの粉(ガラス状の白い毛)がたくさん生えているので、それを洗い流していただきます。水を張ったボウルや桶の中であまり力を入れずに軽く握って左右に振り落とすような感じにしてください。
3.お湯で茹でる
そのままではシュウ酸のために食べることができないので、どのような料理に使う場合でもまずは塩ゆでするのがよいでしょう。シュウ酸を摂取しすぎるとお腹を壊したりします。同種であるほうれん草と同様と考えるとよいでしょう。
4.水にさらして完成
茹で加減はお好みで。水にさらして色止めをするときれいな料理に仕上がります。このあと炒めものにしたりみそ汁の具にしたりと活用してください。
シロザ・アカザの食用レシピ1.
シロザの和え物レシピ
シロザ1束 モヤシ1/4袋 鰹節2.5g ★からし小さじ1/2 ★りん小さじ1/2 ★つゆの素又は醤油大さじ1
シロザはしっかり洗って茹でてしまえばほうれん草と同じように料理して食べることができます。こちらのレシピではもやしと合わせてからしでピリッとさせためんつゆで和えています。味もほとんどほうれん草と同じと感じる人も多いので、意外と美味しい食べられる野草として召し上がってみてはいかがでしょうか。
シロザ・アカザの食用レシピ2.
アカザのゴマよごし
アカザ1束 白ゴマ(摺り胡麻)小さじ3 麺つゆ小さじ2 あればカニカマなど適宜
レシピではアカザとなっているけれど、赤白ふたつのこの植物はひとつの名前で呼ぶ地域もあります。食用にするとき特に違いは意識する必要はなく数が多く手に入りやすいシロザで作ってもまったく問題はないでしょう。こちらも同じく和え物ですがゴマの風味とカニカマの旨味でいただく味付けです。
シロザ・アカザの食用レシピ3.
乾燥させ保存・お茶にしていただく
アカザ(シロザ)をお茶にしていただいている方がいらっしゃったのでこちらでもご紹介させていただきます。使用するのは上の方の比較的植物の若く柔らかな葉の部分。時期は花や実が付く前が良いですね。よく水洗いしてからザルなどの上におき風通しの良い場所でカラカラに乾燥させて使いましょう。
アカザ(シロザ)茶の材料・分量
分量は乾燥させた葉を大さじで計ってその分量に合わせた水で煮出してお茶にします。目安は大さじ1のアカザの葉に対して水が200ccです。
アカザ(シロザ)茶の作り方
このお茶の作り方は水から煮出すのがポイント。まずは葉を入れた容器に分量通りの水を入れ強火にかけます。沸騰したら弱火にして水量が半分くらいになるまで煮詰めていただいてください。
シロザ・アカザを食用にするコツ
食用のコツ1.若葉が柔らかく美味しい
いくら食べられる草といっても野草なので美味しい時期があります。花や実がついていない頃なのはいうまでもなく、まだ若い葉のほうが筋ばったところがなく食用に適しています。
食用のコツ2.少量ずつ摂取
シュウ酸はほうれん草にも含まれる成分で摂りすぎると下痢や腹痛など起こしたり、大量に摂取してから日光に当たると皮膚炎になるともいわれています。
まとめ
シロザは食用になる雑草
誰でも身近にあって一度は見たことがある雑草「シロザ」。この特徴や他の同種の植物との見分け方などをご紹介してきましたがいかがでしたか?野菜として日本に持ち込まれた植物でほうれん草の仲間であるため、下処理をしっかりすれば料理の食材として美味しく食べられます。和え物の他に炒めものにしても美味しいですよ。
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ひとくちに雑草といっても姿が可憐であったり、変わっていたり。シロザのように食べることができるものは野草などと呼ばれて珍味扱いされることも多いものです。雑草が気になる方は是非他の記事も見てくださいね。

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