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サイハイラン(采配蘭)とは?北海道に咲く花の特徴や豆知識を解説!

サイハイランというラン科の植物をご存知ですか?ランには様々な形をした花がありますが、その中でもサイハイラン(采配蘭)はその名の通り、勇ましく、しかし優美さも兼ね備えた美しい花です。サイハイランの特徴や豆知識まで詳しく紹介するので参考にしてみてください!
2020年8月27日
なつ
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サイハイラン(采配蘭)とは?

サイハイランとはラン科サイハイラン属で学名はCremastra appendiculata var. variabilisの多年草植物です。栽培に関しては、移植が難しいと言われる植物で、移植や採集したあとは、偽鱗茎に蓄積された養分で成長し、開花時期を迎えます。しかし、多くの場合、数年でこの偽鱗茎に蓄えられた養分はなくなってしまいますので、植物体自体が死んでしまいます。科学的なサイハイランの特徴は、菌従属栄養性という、菌に栄養成分を依存している植物で、その能力を発達させる途上にあります。栽培が難しいこともそうですが、まだまだ解明されていない謎は多い植物です。

サイハイラン(采配蘭)の原産地

サイハイランの原産地は正確にはわかっていません。現在言われているのは、日本では北海道、南千島です。また、サハリン南部、朝鮮半島南部、台湾、中国、ヒマラヤとも言われがあり、アジアが発症の地であることには間違いないようです。日本では北海道で有名なサイハイランですが、現在では北海道から九州まで幅広く生息しています。

サイハイラン(采配蘭)の特徴

サイハイランの特徴をご紹介します!サイハイランには地下の茎に卵型の偽鱗茎があるのが最大の特徴です。偽鱗茎とは、茎が膨らみ、貯蔵器官として発達した部分です。この偽鱗茎は、毎年1つずつできて繋がっていく特徴があります。植物の高さは、300mm~500mmで葉っぱの形は楕円形で先が尖っています。また、古い葉っぱもずっと残るため、みどりの多い植物です。多年草の植物ですが、偽鱗茎に蓄積した栄養がなくなってしまうと枯れることもあります。

サイハイラン(采配蘭)の生息地域

サイハイランの生息地は北海道で有名ですが、日本中どこでも分布しています。場所は狭山丘陵地域では一般的に見かけられるようです。しかし、近年生息数は減少しており、地方自治体によっては絶滅危惧種に指定されていることもあります。サイハイランは種子で繁殖する植物ですが、薬草としても採集されていたので、生息数の減少は確認されています。

サイハイラン(采配蘭)の由来

サイハイランの名前の由来は、昔の戦国時代に人ん中で武将が使っていた采配に見立てていると伝えられています。花の咲く様子がこの采配に似ていることに由来して、サイハイラン(采配蘭)と名付けられました。花が咲く時期にぜひチェックしてみてください。

サイハイラン(采配蘭)の昔からの使われ方

サイハイランはもともと薬草として使われていた植物です。使う部分は先ほどご紹介した偽球茎部分で、葉っぱや花、蕾は使用されません。この偽球茎を1日あたり2〜4グラム採取し、水は0.4Lで煎じて服用することで、胸焼けや胃腸の調子を整えることに繋がります。また、あかぎれなどに冬に悩まされる方は、この偽球茎を粉末にしたものを塗ることで治療に効くとも言われています。


サイハイラン(采配蘭)の開花時期

サイハイランの特徴や名前の由来などを紹介しましたが、ここからは、サイハイランをみて楽しむために必要な情報をご紹介します!サイハイランの開花時期は4月〜6月の暖かくなり始める時期です。葉っぱの脇から長い柄を出して、20〜30個ほどのピンクの花を開花させます。また、この時期になると、ピンクだけではなく紫などの色の花を開花させる株もあります。

サイハイランの花の形

とは言ってもサイハイランの開花時期だけわかっても花の形がわからなければ見つけることはできません。サイハイランを見つけられるように花の形について解説します。サイハイランの花は5枚の花弁からできていて、唇弁と言われる花弁があることから、あまり開いた形の花ではありません。蕾はほっそりとしており、花は下から順に咲くので、上の方が蕾になります。

サイハイラン(采配蘭)の花言葉

次にご紹介するのはサイハイランの花言葉です。サイハイランの花言葉は「人生の勝負師」です。みなさんがよく知るような花言葉は、比較的優美なものが多いかもしれませんが、サイハイランは少し変わった花言葉です。サイハイランの花は1株だけではインパクトはありませんが、複数が密集している場所に開花時期に見に行くとかなりインパクトある咲き方をしますので、ぜひ探して見てください。

サイハイラン(采配蘭)の花言葉「人生の勝負師」

人生の勝負師という花言葉は、やはり、サイハイランの名前の由来に関係しています。戦場で指揮をとるのに使った采配に似ていることから、「サイハイラン」という花の名前がつけられました。この花の名前にも由来して花言葉は、戦いで勝ち続けられるように、勝負ごとに強くなるようにと願いが込められ、人生の勝負師という勇ましい花言葉となっています。

サイハイラン(采配蘭)を育てよう!

サイハイランを育てるには用意するものが親株と、赤玉の桐生砂と落葉堆肥です。また、プランターで栽培できますので、深めのプランターを用意してください。サイハイランは腐生植物とも言われている植物です。腐生植物は菌根を形成しており、有機物を微生物から取ることができる種類です。そのため、栽培は難しいとも言われていますが、もし、お店で買ったサイハイランの株を分けて量を増やしたい人にはおすすめです。

サイハイランの育て方①

まず、株分けした球根を桐生砂を先に入れて、そのあと落葉堆肥を入れる順番で球根を植えます。先端が1センチほど出るくらいの深さに植えます。球根と言われている部分がいわゆる偽球形(偽鱗茎)と言われている植物の栄養貯蔵器官です。これが最初の着生には重要ですので大事に扱いましょう。


サイハイランの育て方②

サイハイランの次に重要なポイントは栽培する場所です。場所は日陰、もしくは広葉樹の木陰で栽培するようにしましょう。鉢の置き場所を季節によって変えることもいいかもしれません。また、肥料に関しては年中与える必要はなく、落葉堆肥に含まれている栄養分で十分足りるとも言われています。また、もし途中で植物の様子をみて元気がなかったり、蕾や花の色味が薄い時などは、有機肥料を与えるようにしましょう。

サイハイランの育て方③

サイハイランの育て方で最後にご紹介するのは、花や蕾の手入れの仕方です。サイハイランは栽培が難しいほど、とても繊細な植物です。そのため、花や蕾も特に枯れたからといって何もする必要はありません。蕾は一斉に形成されますが、咲いていく順番は下から上に順に咲いていきます。あまり開かない花の形をしていますが、蕾の数が減り、咲いている花の数が増えていくにしたがって、とても魅力的になります。

サイハイラン(采配蘭)の豆知識をご紹介!

ここからは、いくつかあるサイハイランの豆知識についてご紹介します!サイハイランを今回初めて知ったという方もマイナーな植物の面白い豆知識としてぜひチェックしてみてください!日本をはじめ、アジアが原産地とされている植物でもありますので、貴重な花でもあります。また、はじめは北海道を中心に分布していましたが、現在は九州まで幅広く生息しています。登山が好きな方は登山道の脇に咲いている、なんてこともあると思いますので、登山の楽しみの1つにしてみてはいかがですか?

サイハイラン(采配蘭)の豆知識①

はじめにご紹介するサイハイランの豆知識は、よく似た種類の花でエビネという花があることです。サイハイランとエビネの両方とも開花の時期には間違うことはありません。しかし、サイハイランとエビネは葉っぱの形が似ていることから、冬の時期など、開花時期ではないときに、間違いやすくなります。エビネの特徴について、サイハイランとの違いを交えて詳しく紹介します。

エビネの特徴

エビネとサイハイランは葉っぱの形はほぼ見分けがつきません。先が細くなった楕円形をしており、緑色の濃い葉っぱです。大きさもエビネとサイハイランであまり違いがないので、葉っぱで見分けるのではなく、開花の時期に花で見分ける必要があります。エビネの花は春咲と夏咲があり、小さいピンク色の花をいくつも咲かせるのが一般的です。色はピンクの他にしろや緑、赤もあります。

サイハイラン(采配蘭)の豆知識②

サイハイランの豆知識2つ目は、果実についてです。サイハイランは1つの蕾から1つの花をつけ、最後に1つの果実をつけます。その果実は蒴花と言われる果実です。種子は取れるのですが、ラン科の植物は、種子に栄養分を持たないため、繁殖は難しいとも言われています。北海道から生息地を拡大したことも非常に稀なことです。

蒴花とは


蒴花(さっか)とは、乾いた果実のことをさし、1つの果実は複数の癒着した袋の形をした果実から構成されます。この果実が成熟すると、自然と皮が裂け、その隙間から種子が出て繁殖に広がる仕組みです。サイハイランの群生もこのように自然の流れで広がったことが由来です。

サイハイラン(采配蘭)の豆知識③

サイハイランの葉っぱの種類にもいくつかあります。自然に生殖しているサイハイランは緑が鮮やかな葉っぱです。しかし、観賞用の葉っぱは銀葉という名前がつけられていて、とても貴重なタイプです。銀葉はありそうでもなかなか目にかかれないタイプです。

観賞用サイハイランの葉っぱ

観賞用サイハイランの葉っぱには銀葉と言われる艶が綺麗な葉っぱがあります。その他にも黄色の斑点がはいったタイプや、その斑点が大きく、縞模様を作っているタイプもあります。このようにサイハイランは観賞用としても家庭で育てるのに人気ですので、生息地に限らず楽しめるサイハイランを探してみてください!

まとめ

いかがでしたか?サイハイランの特徴から原産地、豆知識までを紹介してきました。サイハイランはもともと北海道で生息していましたが、現在はその分布を広げ、九州まで広がっています。しかし、絶滅危惧種にも指定されていますので、自然の中で見つかったものは大切にしましょう。また、サイハイランの名前の由来や花言葉からわかるように、昔の戦いや勝負事への意気込みが象徴されています。日本古来の植物でもありますので、大切にしていきたいですね。蕾から花が咲くまでを楽しめるので、ぜひ探してみてください!

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