インテリアデザイナーとは
インテリアデザイナーの仕事
簡単に言えば、建物の内装企画や設計をするお仕事です。何もない建物の空間をゼロからデザインして作り上げる仕事、というとわかりやすいかもしれません。
内装とは
インテリアデザイナーが手掛ける内装とは、壁や床、天井など、建物内の設備や装飾のことを言います。壁紙や床板だけでなく、家具や照明なども含めて内装として扱います。
仕事内容
建物の内装というと住宅をイメージしがちですが、インテリアデザイナーが手掛けるのは住宅だけではありません。オフィスや店舗、病院、美術館など様々な場所の内装デザインを行います。また壁紙や床板のデザインだけでなく、その空間に置く家具や照明も含めて総合的に作り上げることが仕事内容に含まれています。
インテリアデザイナーの仕事の流れ
インテリアデザイナーはどのように仕事を進めていくのでしょうか。3つの工程に分けて説明します。
①依頼主からヒアリング
依頼主からどのような要望があるのかをヒアリングします。「落ち着いた和モダン」「ぬくもりのある北欧風」などテーマによってがらりと印象が変わるため、依頼主のイメージ内容をしっかりと聞き出すことが大切です。
②デザインイメージの制作&提案
依頼主からヒアリングした要望内容をもとに、設計図等を作成していきます。具体的なデザインのイメージ画も合わせて作成し、改めて依頼主へ提案していきます。
③施工業者など現場との調整
実際の工事現場に入り、施工業者とのやり取りを行います。内装工事が完了したら、家具や照明を配置して受け渡しの準備を行います。
インテリアデザイナーに必要な知識とは
インテリアデザイナーになるためにはどのような知識が求められるのでしょうか。建築、設計・デザイン、インテリアの3つに分けてご紹介します。
①建築に関する知識
インテリアデザイナーは企画設計という内装をゼロから作り上げる仕事です。そのため建築構造や建築資材など、建築に関する知識が必要になります。
②設計やデザインに関する知識
設計をするにあたり、設計図面を扱える知識が必要になります。実際に設計図を書くためのツールであるCADを扱う技術や、イメージデザインを描くためにillustratorを扱う技術も必要になります。
③インテリアに関する知識
家具や照明、カーテンなど家具に関する知識も必要になります。それぞれの家具の特徴や魅力を知っておくことはもちろんですが、家具を組み合わせる前提としてカラーやディスプレイの知識も必要になります。
インテリアデザイナーになるためには①
幅広い知識が必要となるインテリアデザイナーですが、実際になるためにはどのような方法があるのでしょうか。様々な方法がありますが、ここでは一般的な流れをご紹介します。
知識を身につける
インテリアデザイナーになるためには、まずはインテリアデザイナーに関係する知識を総合的に学べる学校に通うのが一般的です。学校は専門学校、美術大学、総合大学でそれぞれ学ぶことができます。
専門学校
専門学校は就職にむけた実践的な基礎内容を多く扱っているのが特徴です。インテリアデザイナーを目指すための学科の中でも、さらに細分化されて専門分野を学べる学校があります。昼間だけでなく、夜間に通える学校も多くあるため、働きながらでも通いやすいというメリットもあります。
美術大学
インテリアデザイン科や空間デザイン科がある美術大学で学ぶことができます。インテリアデザイナーには知識も必要ですが、センスを磨いておくことも大切な要素です。美術大学ではインテリアデザインに関する基礎を学べるだけでなく、芸術に関して広く学べる環境が整っているのが特徴です。
大学(建築系学科)
建築系学科のある大学で学ぶことができます。建築とデザイン両方を合わせた学科が用意されている大学もあります。4年間かけて建築分野について深く学ぶことができるので、建築知識をしっかりと身につけたい人には一番合った学び方と言えるでしょう。
インテリアデザイナーになるためには②
経験を積む
インテリアデザイナーの中には個人で活動している人もいますが、最初は企業に就職してキャリアを積むのが一般的です。どのような場所や商品を扱いたいかによって就職先の選び方も変わってくるため、具体的にご紹介します。
住宅メーカー
一般的な住宅を専門に手掛けるなら、住宅メーカーに就職するのが良いでしょう。一戸建てやマンションのショールーム、住宅展示場などを中心とした仕事を行うことができます。
設計・デザイン事務所
オフィスや店舗、美術館等の公共施設を手掛けているのは設計・デザイン事務所が中心です。設計・デザイン事務所は小さい会社も多くありますが、その分自由度が高い仕事ができるのが特徴です。
設備メーカー
家具メーカーや照明器具メーカーが該当します。設備メーカーの場合は、自社製品を取り入れたコーディネートをするために、自社製品の商品知識についてしっかりと理解しておく必要があります。
建築家やインテリアコーディネーターとの違いとは
インテリアデザイナーと似た職業として、建築家やインテリアコーディネーターなどがあげられます。どれも建物を作り上げるという点では共通していますが、役割が少しずつ変わってきます。具体的な違いを見ていきましょう。
建築家とは
建築家とは、建物の設計や工事の監理を行う仕事です。「建築士」も同じような仕事ですが、「建築家」という言葉を使ったときの方が建物のデザインや芸術性が強いイメージになります。インテリアデザイナーが内装設計を行うのに対し、建築家は建物そのものの設計を行います。
インテリアコーディネーターとは
インテリアコーディネーターとは、家具やカーテンなどをコーディネートする(選ぶ)仕事です。既成のモノをどのように組み合わせればお客様の理想を実現させることができるか、お客様にとって魅力的な空間を作ることができるか、ということが大切な仕事になります。
建築家、インテリアデザイナー、インテリアコーディネーターの違い
それぞれの職業の違いをわかりやすくまとめると、以下の表のようになります。職業を選ぶ場合には、建物のどの部分を作り上げたいかによって変わってくるため、自分がどこを中心に仕事として関わりたいかを考える必要があります。
建築家 | 建物(入れ物)を作る |
インテリアデザイナー | 内装を作る |
インテリアコーディネーター | 出来上がった空間にモノを選ぶ |
インテリアデザイナーの職業に活かせる資格①
インテリアデザイナーになるためには、「この資格を取得しなければ職業にできない」という必須資格はありません。ただし幅広い知識が必要になる職業のため、関連した資格を取得することでより活躍の幅を広げることができます。そこでインテリアデザイナーに活かせる資格を4つご紹介します。
インテリアデザイナー
インテリアデザイナーという職業に一番身近な資格は、日本デザインプランナー協会が認定しているインテリアデザイナーです。家具や照明などのインテリアに関する商品知識、販売や技術等に関して、インテリアデザイナーとして幅広い知識を有していることが認められます。
インテリアデザイナー資格の詳細(2019/9/10現在)
受験資格は特になく、これからインテリアデザイナーを仕事にしたいと考えている人でも受験が可能です。
受験料 | 10,000円(税込み) |
申し込み | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験 |
インテリアデザイナーの職業に活かせる資格②
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、住まい手にとって快適な住空間を作るために適切な提案・助言を行うようになるインテリア産業協会の認定資格です。インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関することから、仕事、歴史、インテリア関連の法規に関することなど幅広く問われます。
インテリアコーディネーター資格の詳細(2019/9/10現在)
一次試験、二次試験があり、両方に合格する必要があります。受験資格は特になく、全12地域で受験ができます。
受験料(一次試験、二次試験) | 14,850円(税込) |
一次試験 | 学科(マークシートによる択一式) |
二次試験 | プレゼンテーション・論文(記述式) |
インテリアデザイナーの職業に活かせる資格③
インテリアプランナー
インテリアプランナーとは、建築技術教育普及センターが認定している高品質で魅力的なインテリア空間をトータルに実現できる設計能力を持った資格者に与えられる称号です。インテリアに関する知識が問われる学科試験に加えて、設計製図試験があるのが特徴です。
インテリアプランナー資格の詳細(2019/9/10現在)
受験資格は特になく、学科試験と設計製図試験に合格し登録を受けると認定されます。ただし、登録には所定の実務経験などが必要です。
受験手数料(学科) | 9,720円(うち消費税額720円) |
受験手数料(設計製図) | 16,500円(うち消費税額1,500円) |
アソシエイト・インテリアプランナー
インテリアプランナーの学科試験に合格した人は、アソシエイト・インテリアプランナーに登録できるようになります。アソシエイト・インテリアプランナーは登録の際に実務経験が不要のため、学生さんなど未経験の方はまずアソシエイト・インテリアプランナーを目標に勉強してみるのが良いでしょう。
インテリアデザイナーの職業に活かせる資格④
カラーコーディネーター
カラーコーディネーターは色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることで、色の持つ効果をビジネスシーンに活かすことができるようになる資格です。東京商工会議所が実施しており、全国各地で受験が可能です。インテリア関連そのものの資格ではありませんが、カラーの知識を身につけておくことで内装設計に役立てることができます。
カラーコーディネーター検定の詳細(2019/9/10現在)
カラーコーディネーター検定は1級、2級、3級に分かれています。3級では色の性質や配色についてなど、色に関する基本的な知識から問われます。受験資格は特になく、1・2級、2・3級の併願受験も可能です。
受験料(1級) | 9,620円(税込み) |
受験料(2級) | 7,480円(税込み) |
受験料(3級) | 5,340円(税込み) |
インテリアデザイナーに関するまとめ
インテリアデザイナーは、お客様の要望を聞き出しながら快適なお部屋の空間を作り上げる仕事です。インテリアデザイナーになるためには様々な知識が必要になるため、多くの学びが必要です。ですがその分、仕事の魅力も大きく、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
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