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スキー板の種類
スキー板の長の違いによる種類分け
スキー板の基本的な特徴を決めるうえで「長さ」はとても大きな要素です。スキー板が長いと直進安定性に優れ、スピードも出ます。例えば、スキージャンプ競技のスキー板は2m以上あり、直進安定性に優れますが、カーブはとても苦手です。逆にテクニカル競技のスラロームではR値が大きく、長さが短いスキー板を使用する事になります。
スキー板の材質による違いによる種類分け
スキー板はコア材と呼ばれる中心部分を金属やカーボン、プラスチックなどの素材で挟んで作られます。スキー板の特徴はコア材(木材や合成繊維で作られる)のしなやかさや、エッジの金属の種類などで決まり、各メーカーが各々独自の方法で制作しています。一般的には初心者向きのスキー板はしなやかで扱いやすく、重量は軽く作られることが多い傾向にあります。
スキー板の特徴における滑り方の違い
スキー板は材質の他に板そのものの形状によっても特徴が変わってきます。それは主にR値(ラディウス)と反発力によって決まってきます。
R値(ラディウス)による滑り方の違い
R値(ラディウス)とはスキー板のサイド部分の曲がり半径の値です。一般的なオールラウンドスキーのR値は15程度になっていますが、パウダースキーやモーグルスキーでは15より大きな値となっており、安定した大回り用のスキー板となります。逆にR値が小さいカービングスキーなどの競技用モデルであればキレのあるショートターンが得意な板となります。
スキー板のフレックスによる滑り方の違い
スキー板の特徴を決めるのにR値が重要とご紹介しましたが、実際の滑りではスキー板は谷側に「たわみ」ます。たわむことによって見かけ上のR値より値が小さくなります。つまり柔らかいスキー板ほどたわみ、R値が小さくなります。ですが、柔らかすぎるとターンの出口でスキー板が走らず、滑る速さが遅くなってしまいます。実際フレックスが高いスキー板は重く疲労度も大きいため上級者用が多く、初心者~中級者用ではスキー板を扱いやすくするためにフレックスは弱めなモデルが多い傾向があります。
スキー板の種類①:オールラウンドスキーの特徴と滑り方
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オールラウンドスキーの特徴
オールラウンドスキーは圧雪された雪面を滑る事が得意なスキー板です。平均的なラディウスと形状を持ち、長さについても身長から-10センチ程度が良く選ばれています。オールラウンドスキーはスキー板の万能選手で、ある程度のパウダーからモーグルまで対応する事が出来ます。初心者がまず初めに手に入れて欲しいスキー板はこのオールランウンドタイプの板になります。オールラウンドのスキー板は扱いやすいためスキー本来の楽しさを見つけることができます。
オールラウンドスキーの滑り方
オールラウンドスキーは平均的な特徴を持っているためどのような滑り方にもマッチします。ずらしながらのターンんでも癖がありませんし、しなやかさを利用してカービングターンも行うことが出来ます。一般的なスキーゲレンデではオールラウンドスキーが一番楽に楽しく滑る事が出来るでしょう。
スキー板の種類②:ショートスキーの特徴と滑り方
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ショートスキーの特徴
ショートスキー板の特徴は何といってもその短さにあります。1m以下の超ショートスキーから1m30cmまでの長めのスキー板まで様々なモデルがあります。どのスキー板も軽量で扱いやすく初心者にはぴったりです。それと転んでも立ち上がりやすいために初めてスキーをする方にもぴったりスキー板です。
ショートスキーの滑り方
ショートスキーは基本的にスピードは出ません。しかし、スピードが出ないからこそ、急ターンや横にくるくると回転する技も行う事が出来ます。逆にパウダーの斜面はスキー板の浮力が全く足りずにまったく滑る事が出来ません。上級者になればジャンプやトリックにも挑戦できますが、安定性が低いため練習が必要です。
スキー板の種類③:パウダースキーの特徴と滑り方
パウダースキーの特徴
パウダースキーは非圧雪の斜面を滑る事のみに特化したスキー板です。長さはとても長く、スキー板の幅もかなり太い形状をしています。スキー板の面積を増やすことによって浮力を高め、パウダーでも滑る事ができます。圧雪ゲレンデではその長さと重さ、形状が不利となり、普通に滑るだけでも難しいスキー板になります。非常に癖のある板が多いため、初心者や初スキーの方は選ばない方が良いでしょう。
パウダースキーの滑り方
パウダー斜面に特化したスキー板のため、通常の圧雪斜面を滑る事はあきらめましょう。パウダーを滑る事はとても楽しく、一度滑るとその魅力にはまってしまうほど熱狂的な人気があります。さらに近年ブームのバックカントリースキーにもこの板であれば挑戦する事ができます。スキー板の長さの選び方は浮力を得るため身長よりかなり長いスキー板を選ぶと良いでしょう。
スキー板の種類③:カービングスキーの特徴と滑り方
カービングスキーの特徴
カービングスキーの特徴はオールラウンドスキーと似ており、オールラウンドスキーの上位版のイメージです。オールラウンドスキーと同じような形状をしていますが、フレックスが強めで競技色が強くなります。デモスキーやレーシングスキーがこのスキー板のジャンルに含まれ、上級者向きのモデルが多い事が特徴です。
カービングスキーの滑り方
カービングスキーの名の通り、ターンはカービングターンが得意です。カービングスキーを乗りこなすためにはフレックスが強めの板が多いため、谷側の足にきちんと体重を乗せることが重要です。カービングターンはとても綺麗なターンのため、練習してマスターしましょう。
スキー板の種類④:クロカンスキーの特徴と滑り方
クロカンスキーの特徴
クロカンスキーは上記で紹介したスキー板とは滑る場所が違います。クロカンスキーは斜面ではなく平らな雪面を「走る」スキー板です。とても細身で軽く、雪面を滑るように走ります。ヨーロッパではオリンピックの人気種目となっており、日本勢でも有力な選手が大勢いるのがクロカンスキーの特徴です。
クロカンスキーの滑り方
クロカンスキーはアルペン競技と違って自分で歩くことが大前提です。大変そうに見えますが、スキー板もブーツもとても軽量となっております。最近は森の中をクロカンスキーで歩くイベントも開催されており、アルペンスキーが苦手な方でも気軽に楽しめるスキーとなっています。
スキー板の種類⑤:モーグル用スキー板の特徴と滑り方
モーグルスキーの特徴
モーグルスキーはコブの急斜面をいかに早く滑り降りるかを競う競技です。数年前に女子モーグル選手がオリンピックでメダルと獲得したりと人気がある種目です。モーグルスキーは軽量で細く、コブの間を滑り降りる事に特化したスキー板です。しかしフレックスが柔らかく扱いやすいため初心者にも人気があります。R値は大きくカービングターンはしづらい傾向にあります。
モーグルスキーの滑り方
モーグルスキー板の滑り方の基本はカービングスキーと違い、スキー板のテールをずらす事によってターンする方式が一般的です。他のスキー板と違いオールラウンドスキー板に近い特性のため初心者でも安心して滑ることができるでしょう。長さの選び方は身長より少し短めが良いでしょう。
人気のスキー板(バックカントリー用)
人気のスキー板の種類ですが、近年はバックカントリースキーブームによってパウダースキーの注目が高くなっています。
バックカントリースキーとは?
バックカントリースキーとは圧雪されていない斜面、ゲレンデの外の山の斜面を滑るスキーになります。もちろんゲレンデ外の斜面にリフトやゴンドラはありませんので、スタート地点まで自分の足で登る事になりますのでスキーだけではなく、ビンディングの重量なども考慮して選び方を考える必要があります。また、スキーゲレンデ外を滑る事になりますのでとても危険が伴います。場合によっては雪山登山の装備や技術が必要になります。
バックカントリースキーおすすめスキー板
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パウダースキーの有名メーカーであるK2から販売するスキー板になります。見ての通り、長く、太いスキー板になります。パウダー斜面のみを滑る事しか考えられていませんので。アイスバーンやこぶ斜面にはまったく歯が立ちませんので選び方には十分な注意が必要です。しかし、このような形状のスキー板でパウダー斜面に入れば雲の上を滑る様な滑り心地が味わえ、最高の体験になります。
人気のスキー板(デモ・レーシング用)
パウダースキーと並び人気のスキー板は中高年を中心としたデモスキーの復活です。デモスキーはいかに「美しく」滑るかを競う競技です。
デモ・レーシングとは?
デモスキー競技は決まった斜面を5ターンほど滑ります。その滑る姿勢やカービングターンの美しさによって点数が決まります。勝負は一瞬で決まりますので体力に自信のない方でも参加しやすく、多くの高齢者が参加しています。
デモ・レーシングおすすめスキー板
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スキー板の有名メーカーであるアトミック社から販売されるデモスキーになります。モデル名であるレッドスターは同社のラインナップの中でも上級者用のモデルになります。デモスキーはターンの切れ味が良すぎるため、初心者には少し扱いにくい事があります、またフレックスが強いため疲労が溜まりやすい事が特徴です。
人気のスキー板メーカー
世界各地には様々なスキー板を制作するメーカーがあります、特に人気なのがヨーロッパのメーカーであるATMICやSALOMON、アメリカ生まれのK2などが人気です。日本ではデモスキーを中心としてOGASAKAなどの国産メーカーもあります。
ATMIC
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ATMICはヨーロッパのオーストリア産のスキー板メーカーになります。近年ではレーシングモデルに力を入れており、ワールドカップに出場する様なプロのレーサーにも愛用者がいます。入門モデルも充実しており、ロッカーなどの最新技術を採用しているのが特徴です。
SALOMON
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SALOMONはフランス生まれの総合アウトドアメーカーになります。スキー板では扱いやすい板が多く、近年ではパウダースキーなどにも力を入れています。スキー板のデザインが非常に美しいことが特徴です。
K2
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アメリカ生まれのK2というスキー板メーカーはヨーロッパのスキー板メーカーと違い、「雪で遊ぶ」事に重点をたメーカーです。パウダースキーが得意で、びっくりするほど太いパウダースキーを制作したりするのが特徴です。
スキー板の選び方:初心者編
スキー板の種類はオールラウンドスキーを選ぶ!
ます、初心者が選ぶべきスキー板は短めのオールラウンドスキーです。オールラウンドスキーは癖がなく、様々な斜面に対応できるため、スキー本来の楽しさが味わえます。逆に初心者にパウダーなどの癖のあるスキー板は技術の向上にもつながらずおすすめできません。
扱いやすいショートスキーもおすすめ
初心者や初めてスキーをする人におすすめなのがショートスキーです。ショートスキーは軽量で扱いやすく、転んでも立ち上がりやすいため、超初心者や入門者におすすめです。スピードも出ないため子供にもおすすめできる種類のスキー板です。
スキー板の選び方:中級者編
自分の好きなゲレンデの雪の種類や状況で選ぶ
初心者を抜けて中級者のなれば、自分の滑りの方向性も見えてきます。パウダーが好きであればパウダースキーに挑戦してみたり、こぶ斜面を滑りたければモーグルスキーを選ぶようにしてみましょう。
パウダースキーに挑戦!
中級者ともなればある程度は非圧雪の斜面を滑ったことがあるとは思いますが、パウダーは体重移動やエッジの掛け方など、圧雪斜面とはまた違った技術を要求されます。ですが、パウダーはとても楽しく、また、雪が柔いためケガもしにくいスキーですので中級者の方も積極的に行ってみましょう。
デモ用で美しいスキーに挑戦
中級者から上級者の方はデモスキーに挑戦してみるもの良いかもしれません。デモスキーは日ごろから自分のスキー技術と向き合うことで、常に向上していくことができます。中級者の方にとってとても技術向上につながります。
注意点①スキー板とビンディングの相性
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ビンディングはスキー板にネジで固定し、ブーツをスキー板を接続する部品になります。ビンディングは転倒時などで無理な力が加わった際にブーツから外れる事によりケガを防止する大切な部品です。
流れ止めの幅と種類に注意
ビンディングの中心には「流れ止め」というパーツが付いており、ブーツを固定していない状態ではばねの力で雪面に食いついて、スキー板が勝手に滑る事を防止します。特にパウダースキーではスキー板の中心部分が広いモデルが多く、流れ止めが専用設計も板があります。パウダースキーはスキー板とビンディングが別売りになっている事が多く、通販などで購入する際には注意しましょう。
固定力はブーツと技術に合ったものを
ビンディングの開放値は自分の技術や体重、ブーツとの相性によって決まります。固定力が強すぎれば転倒した際にスキー板が外れず大けがに繋がりますし、固定力が弱ければ普通に滑っただけでもビンディングは外れてしまいます。初心者~中級者のかたは自分で調整せずに、ショップなどに相談しましょう。
注意点②スキー板とブーツの相性
ブーツの硬さに注意
スキーブーツの選び方はフレックス(硬さ)が重要になります。スキーブーツにはブーツごとに硬さが設定されており、初心者~中級者までは柔らかめのブーツがおすすめです。柔らかめのブーツは疲労度が少なく、歩きやすいのでスキーを快適に楽しむことができます。カービングターンを多用する様なデモ・レーシングおいてはブーツがガチガチに硬く、歩くのも大変ですが、足の力をダイレクトにスキー板に伝えることが出来るため、ブーツの硬さが重要になってきます。
硬いブーツは重量が重い
硬いブーツは剛性を出すために肉厚となっており重量が重い傾向にあります。しかし、各メーカーでカーボン繊維などの先進素材を使用する事によって、強度が硬いが軽量なブーツも開発されています。初心者~中級者はスキー板のフレックスが弱いモデルが多いため、ブーツ自体も柔らかめのほうが扱いやすく、スキーを楽しめます。
自分の技術に合ったスキー板を選ぼう
スキー板は自分の技術や滑るゲレンデによって変わってきます、スキー板自体にもここで紹介できなかったコブ斜面用のモーグル専用スキー板やパーフパイプやビックエア用のエアリアルスキー板など使用目的で違いがあります。しかし、数種類のスキー板を所有するには金額的に難しい方が多いと思いますので、まずは自分の一番滑ってみたいゲレンデに合わせたスキー板を選んでみてください。
無理して選んでも辛いだけ!
初心者や中級者にありがちなミスとして、スキーショップで見栄を張って上級者用のスキー板や超パウダースノー向きの癖があるスキー板を選んでしまう事です。上級者用の板は中級者までの板と違い、フレックスが硬く、乗りこなすにはそれ相応の技術と筋力が必要です。そんな板を中級者が履いてもターンできない、疲れる、扱いにくいといった事になってしまいます。まずは自分の技術をしっかりとみきわめてスキー板を選ぶ様にしましょう。
ゲレンデや滑る場所によってスキー板を選ぶ
上記でも説明した通り、スキー板には得意なシチュエーションがあります。パウダースキーでコブ斜面を滑ることはできませんし(滑れなくはありませんがとても苦痛です)。超ショートスキーでパウダーの斜面に入ったところでスキー板の浮力が足りずに雪の中で止まってしまいます。ゲレンデはシーズンの始めと終盤でも雪質が変化して一番滑りやすいスキー板が変わってきます。その時々の状況に合わせて最適なスキー板を選べる様にしましょう。
スキー板の種類講座まとめ
ここでは様々なジャンルのスキー板の特徴とそのスキー板に合った滑り方をご紹介していきましたが、自分の目指す方向性や行きたいゲレンデによってスキー板の選び方は違ってきます。自分によく合ったスキー板を選ぶことは技術の向上にもつながりますし、ケガの予防にもなります。自分に合ったスキー板を選んで気持ちいい滑りを満喫しましょう。
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