素晴らしい紅葉の涸沢カール
涸沢の紅葉は、北アルプスの中でもトップレベルの美しさです。紅葉の見ごろになると、登山家のみならず、カメラマンまでもが全国各地から押し寄せます。木々の色の変化の素晴らしさはもちろんのこと、北アルプスを代表する穂高連峰の山々のダイナミックスさをプラスして、人々の心をわしづかみにしていきます。
涸沢カールの地形がもたらす紅葉の美しさ
涸沢の紅葉の美しさを語るには、その地形抜きには語れません。涸沢はカールと呼ばれる氷河が作り出した地形です。涸沢カールを取り巻く山々は北アルプスを代表する岩峰である穂高連峰です。植物を寄せ付けない岩峰群とカールを彩る紅葉とがマッチする姿が涸沢の紅葉の特徴です。
紅葉の涸沢カールへ行くには
涸沢へのルートといえば、やはり上高地からのルートです。もちろん、穂高の山々から降りて涸沢へという方法もありますが、初心者が涸沢へというなら、上高地からアプローチする方法が一般的です。
上高地からのルート
上高地から涸沢までは、徒歩で約6時間かかります。上高地を出発して、明神、徳沢、横尾へと進みます。ここまでで約3時間です。横尾までは平坦であまりアップダウンもありません。横尾から登りが始まります。横尾から涸沢までが約3時間です。登山道は整備されていますし、紅葉の時期は多くの人が涸沢を目指しますので、道に迷うことはまずありません。
涸沢の紅葉時期、週末は大混雑
夏の涸沢も北アルプスの中ではかなり混雑する場所ですが、秋の涸沢はさらに混雑します。紅葉の見ごろという時期は限られていますから、その時期は涸沢が都会並みに混雑する時期になります。
ヒュッテも混雑
宿泊先を確保できたとしても、町中のホテルで1部屋確保できたのとは訳が違います。屋根がある場所が確保で来たにすぎません。寝るときには、布団ひとつに2人が割り当てられるというぐらいの混雑は普通です。ゆっくりと休める場所がないかもしれません。もちろん朝のトイレは大混雑です。山小屋初心者にとっては、混雑時の山小屋を体験するチャンスです。
テント場も混雑
紅葉の時期、週末にもなると、テント場には色とりどりのテントが張られて、もはやこれ以上テントも張れないというぐらいになります。できるだけ早い時間に涸沢に辿りつかないと、テントを張る場所を探すのに一苦労します。テント泊初心者なら特に、早々に到着して場所を確保してください。
登山口からも混雑
紅葉の時期になると、登山口の上高地へ入るのにも一苦労します。上高地はマイカー規制されていますので、タクシーかバスを利用します。そのため、バスに乗るところから混雑が始まります。上高地へ入る人は、登山客ばかりではありません。観光客も大勢います。二重の混雑が想定されます。
紅葉の涸沢カールで泊まるなら
涸沢カールで泊まるのなら、涸沢小屋か涸沢ヒュッテ、もしくは、テント泊になります。自分のスペースを確保したいなら、テント泊がいいかもしれません。
涸沢ヒュッテ
北アルプス屈指の混雑するヒュッテです。特に、9月の下旬時期は涸沢カールの紅葉を求める人で混雑します。夏山の時期よりも混雑します。名物のおでんを買うのにも行列ができます。2019年の9月下旬の連休時期にはかなりの混雑が予想されています。料金など詳しくは、下記ホームページを参照してください。
涸沢ヒュッテの基本情報
【住所】長野県松本市安曇上高地 4469-1
【連絡先】090-9002-2534(直通、夏時期専用)
【アクセス】上高地から徒歩約6時間
【備考】テント泊の受付は涸沢ヒュッテへ
涸沢小屋
涸沢ヒュッテよりは、幾分混雑はましかもしれません。でも、紅葉の時期はさすがに混雑します。テラスから涸沢カールを見下ろせるロケーションですので、涸沢の紅葉を眺めるにはいいです。料金など詳しくは、下記ホームページを参照してください。
涸沢小屋の基本情報
【住所】長野県松本市安曇上高地 4469-1
【連絡先】090-2204-1300(直通、夏時期専用)
【アクセス】上高地から徒歩約6時間
【備考】涸沢ヒュッテから谷を挟んで対面です。
テント泊
混雑時期にヒュッテに泊まると落ち着かないという人には、テント泊をおすすめします。テントの中では、自分の空間を保てますし、晴れていれば、満点の星空を存分に堪能できます。テント泊するなら、早めに涸沢へ到着するようにしましょう。遅いと、テントを張る場所がなくなります。
涸沢カールの紅葉の見ごろ
山の紅葉は下界よりも早く訪れます。彼岸になり、やっと涼しくなるかなといっている頃に、山では、紅葉の時期を迎えます。2019年もその時期になると、大勢の人が涸沢に集まってきます。
例年の見ごろ
涸沢カールの紅葉の時期は、例年なら9月下旬から10月上旬です。ちょうど、9月の連休あたりと10月の連休あたりが見ごろになります。連休と紅葉の時期が重なるので、多くの人で混雑します。登山客だけでなく、写真家も立派な機材を持って集まります。
2019年の見ごろ予想
2019年はどんな感じで紅葉の時期が訪れるのでしょうか。2019年は雪が多い年でした。また、2019年は梅雨が遅っかた年でした。そのため、2019年は高山植物の開花時期が例年に比べて遅かったです。おそらく、2019年の紅葉時期も例年通り9月下旬から10月上旬が見ごろの時期だと思われますが、少し、遅れるかもしれません。最新情報を確認してください。
涸沢カールの紅葉を見るには
下から見上げても、上から見下ろしてもどこから見ても紅葉の素晴らしさを堪能できるのが涸沢です。出来れば朝、稜線が陽の光に照らし出されるときに紅葉が浮かび上がる風景を楽しんでください。
涸沢ヒュッテから
涸沢岳がモルゲンロートに赤く染まる風景とともに、涸沢カールの紅葉も楽しめるのが涸沢ヒュッテのテラスです。涸沢岳を眺めながらおでんと生ビールで、今日の疲れを癒してください。
涸沢岳から
上から涸沢カールの全景と紅葉を見渡してみたいときは、涸沢岳の頂上をおすすめします。涸沢岳は初心者のかたでも登れます。穂高岳山荘まで登ると涸沢岳は目の前です。涸沢岳の眼下に広がる雄大な涸沢カールとそこに彩りを添える木々の紅葉の姿はとても美しいです。
涸沢への日帰り
涸沢まで行きたいけど、山小屋はすでに一杯というときには、涸沢まで日帰りで往復する手段もあります。上高地からだと初心者にとってはちょっと行程が長いかもしれません。
上高地からの日帰り
上高地から涸沢までは、約6時間ですから、上高地を早朝に出発できれば日帰りで往復できます。小梨平にテントを張って、涸沢往復というプランがあります。荷物が無ければ初心者でも日帰り可能なルートです。ただし、紅葉の時期は登山道も混雑しますので、自分のペースで歩行できるとは限りませんので、暗いうちに小梨平を出発しましょう。
小梨平キャンプ場
河童橋より徒歩約5分のところに、小梨平にキャンプ場があります。お風呂もありますので、ここをベースに涸沢までの日帰りが可能です。料金など詳しくは、下記ホームページを参照してください。
小梨平キャンプ場の基本情報
【住所】長野県松本市安曇上高地4468
【連絡先】0263-95-2321(上高地森のリゾート小梨)
【アクセス】河童橋より徒歩約5分
【備考】ケビンも利用できます。
横尾からの日帰り
もう少し時間に余裕を持って日帰りしたいと考えるなら、横尾からの日帰りはいかがでしょう。横尾から涸沢までは約3時間です。横尾を早朝にすれば、涸沢での滞在時間も十分取れ、紅葉もしっかり目に焼き付ける時間を取れます。
横尾山荘
お風呂のある綺麗な山小屋です。涸沢方面だけでなく、槍ヶ岳や蝶ヶ岳方面への分岐点になります。涸沢までの日帰りで酷使した身体をお風呂で癒してください。料金など詳しくは、下記ホームページを参照してください。
横尾山荘の基本情報
【住所】長野県松本市安曇上高地
【連絡先】0263-95-2421
【アクセス】上高地より徒歩約3時間
【備考】テント場もあります。(約100張)
紅葉の時期の装備について
紅葉の見ごろとなる9月下旬から10月上旬は、山々では冬の訪れを感じさせる時期でもあります。10月上旬ともなると、稜線上の山々は雪が降る可能性があります。
涸沢カールまでなら
涸沢カールまでなら、積雪のことをそれほど心配する必要はありません。夏山の装備で大丈夫です。ただし、朝はかなり冷え込みます。都会の冬の朝の冷え込みになります、防寒具はしっかりと準備してください。忘れがちなのが手袋です。ウールの帽子もあったほうがいいかもしれません。
稜線上を目指すなら
奥穂高岳や涸沢岳にも登ろうとする場合は、要注意です。天候の情報をしっかりと確認してください。天候次第では降雪の可能性があります。雪が降ったりすると、早朝には、その雪が凍りつきアイゼンが必要になります。3,000mでは冬の迎える時期になります。
上高地までのアクセス
紅葉の時期の上高地は、登山者だけでなく、観光客もたくさんやってきます。マイカー規制もあり、上高地へ入る手前から混雑します。この混雑に慣れていない上高地初心者のかたは、特に注意してください。
沢渡から
マイカーで来た場合、沢渡にマイカーを置いてバスに乗り換えます。この駐車場が大変混雑します。全体で約2,000台の駐車スペースがありますが、連休初日などはすぐに埋まりますので、注意してください。バスの行列もできます。マイカーを駐車できてもすぐにバスに乗り込めないこともあります。
平湯温泉から
岐阜県側からもシャトルバスが運行されています。平湯温泉のあかんだな駐車場は約850台の駐車スペースがあります。シャトルバスに乗車する時間が長くなりますが、沢渡よりも空いていることが多く、比較的スムーズに乗り換えができるかもしれません。
新島々から
公共交通機関を利用する場合は、松本電鉄の新島々からバスの乗り換えます。新島々から上高地まではバスで約1時間です。
まとめ
自分の足で辿りつかないと、絶景には巡り逢えません。涸沢はそれを満たしてくれる場所です。2019年の紅葉シーズンももうすぐです。ぜひ、涸沢へ足を運んでください。
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