ウッドチップとバークチップとは
各種チップはガーデニングで使われる資材の1つ
カワラナデシコやクリスマスローズなど水切れ、乾燥、寒さに耐性がない植物を育てる時に用いられる資材にウッドチップやバークチップがあります。どちらも木を使った天然由来の資材でガーデニングでは乾燥防止、景観の維持などいろいろなところで使われるため園芸用品店に行くと必ずウッドチップ、バークチップのどちらかは置かれています。燻製に使うスモークチップもウッドチップと実は大きな違いはありません。
各種チップはガーデニング以外でも使われる
エクステリアでもウッドチップ、バークチップは使われます。特にドッグランを庭に作る場合にウッドチップやバークチップは活躍。土のままだと雨の日に犬の足が汚れたり、雨が当たることで地面がえぐれて凸凹になったり跳ね返りで周囲が汚れたりしますが、木が原料のウッドチップやバークチップを敷いておけば土に直接雨が当たらないのでえぐれることなく簡単に雨対策ができます。
ウッドチップとバークチップの違い
製法による違い
ウッドチップとバークチップの違いは製品になるまでの過程、製法が異なっているだけです。木の皮の部分を使うか、どんな木材を使うのか細かな違いもありますが、バークチップとウッドチップでは多少作用も変わってくるので少しだけ注意が必要です。それでは詳しい違いを紹介します。
ウッドチップは木そのもの
ナチュラル ウッドチップ 50L×2袋(杉 サワラ 樹皮入り 国産 )
ウッドチップは木をまるごと粉砕して作ったものと覚えておきましょう。木を細かくしてチップ状にしたもので大きさは数cm程度ぐらいの小型です。燻製をしたことがある方ならわかるかもしれませんが、木にはフレグランスがあり、ウッドチップの効果にはフレグランスに影響します。例えば露天風呂の風呂桶や薬用入浴剤の芳香として日本人には馴染み深い香木のヒノキのチップはガーデニング、エクステリアに使うだけでリラックスできます。
バークチップは木の皮だけ
パインバークチップ 50リットル Mサイズ(約10kg)(1平米分)
ウッドチップは木をそのまま使用していますが、バークチップは木の木の皮だけを使用したものです。ガーデニングが好きな方はバーク堆肥というものを聞いたことはないでしょうか?木の皮を発酵させて作った肥料ですがそれと同じでバーク(bark)とは木の皮を意味します。木の皮だけではフレグランスがなくリラックスできるというこはないですが、ウッドチップより大きいので扱いやすく広範囲をカバーする時に使いやすいです。
ウッドチップ・バークチップの形状
ウッドチップは全体に細かく割れやすいのが特徴で、ささくれが出来ている場合があり手に刺さることも考えられます。バークチップは全体に大きて丸く薄いのですが割れてささくれができるようなことはないので手に刺さることはない資材です。詳しい効能や作用はこれから紹介しますがどちらも似ていて雑草対策、乾燥対策に使えます。
チップの効果1
チップで地面のグランドカバー
前述したようにブルーベリーやクリスマスローズなどの乾燥に耐性がない植物を育てている方はウッドチップやバークチップでグランドカバーしたほうがいいでしょう。グランドカバーすることで得られる作用は保湿になります。太陽が表面に当たらないことで蒸発が抑えられて乾燥に耐性がない植物も楽に栽培できます。ウッドチップでもグランドカバー可能ですが、基本的に面積が広く使いやすいバークチップのほうが使いやすいです。
ウッドチップ・バークチップは保温効果も期待できる
冬になると表面にウッドチップなどがあると直接寒い空気に触れず、霜も直接土の上に降りることはないので保温も期待できます。寒さに耐性がない柑橘類、南国の木、観葉植物などを植えている場合は表面に撒いておくといいでしょう。どちらでも保温、保湿はできますが鉢植えの場合は肥料を与える時にウッドチップだと細かいので邪魔になる場合があります。
ウッドチップ・バークチップは食害対策になる
コガネムシの幼虫は植物の根を食べて枯らしてしまう厄介者で一度侵入されると、植物が枯れ始めないと被害が分かりません。そこで、チップを使うとコガネムシが土の中に入れなくなり卵を産み付けられにくくなるので厄介な害虫対策としても有効。このようにクリスマスローズやカワラナデシコなどにチップを使うと保湿と害虫対策にもなって一石二鳥です。乾燥に耐性がない植物、寒さに耐性がない植物を栽培するならチップを活用しましょう。
チップの効果2
ウッドチップ・バークチップで雑草対策
ウッドチップなどで地面を覆ってグランドカバーすると保湿するだけではなく、ガーデニングの天敵である雑草が生えにくくなります。しつこいことで有名なイネ科の植物や酸性の土を好むスギナ(つくし)などの雑草は防ぐことはできませんが、他の雑草が生えにくくなるので役立ちます。雑草対策となるメカニズムは保湿と同じで太陽の光が当たらないことで芽吹かないようなっているだけなので、オーガニック栽培でも安心です。
チップは景色の維持に役立つ
雑草が生えにくくなるということは結果的に景色の維持に役立ちます。花壇やプランターだけではなくエクステリアとして雑草が生えてほしくない場所に敷いておきましょう。グランドカバーとして単に土を隠したいだけならバークチップを使用しグランドカバー以外にも効能を求めるのであればウッドチップがおすすめです。例えばヒノキにはαカジノール、ボルネオールなどの自然由来のリラックスできる成分が含まれています。
チップの効果3
チップは庭造りに役立つ
主にガーデニングで使われる資材ですが、全体的にエクステリアとしても使われ駐車場に敷き詰めたり、通路に敷き詰めることもあります。家庭以外では公園の遊具の周りに敷き詰めることもあります。ドッグランでは犬の体格に合わせてバークチップにすることがありますが、ウッドチップには木が持っている消臭作用、防カビ、防虫作用があるのでバークチップよりも向いている場合があります。
ウッドチップの効果は原材料で変わる
少しだけ前述したようにウッドチップは材料の気によって防虫、防カビ作用が変わるものです。例えば100%ヒノキを使用したウッドチップだとノミやダニを寄せ付けない効能があると言われていて、カビ対策にもなると言われています。杉を使ったウッドチップなら抗菌作用があると言われていたり空気を浄化すると言われています。殺虫効果はクスノキやヒバが優れているなどチップの原料で作用はさまざまです。
フィトンチッドとは
殺虫や抗菌作用があると人間に悪影響がありそうですが安心してください。これらの作用はフィトンチッドと呼ばれる現象でロシアで発見されました。フィトンチッドの正体は木が生まれながらに持っている芳香、フレグランスと言われています。芳香でリラックスできるのはフィトンチッドの作用で、木材になっても効力は衰えず、チップもフィトンチッドがあり、前述したαカジノールなどの成分はフィトンチッドに含まれています。
チップの使い方・敷き方1
チップでグランドカバーする使い方
ウッドチップ、バークチップでグランドカバーする方法は簡単です。特に敷き方には決まりがあるわけではないですが、鉢植えの土がきれいに隠れるといいので移植ゴテなどを使いながら3cmほどの高さになるようにチップを植木鉢やプランターに入れていきます。袋から直接プランターなどに入れた後に広げても大丈夫です。入れる前に草を根ごと抜いておくとより防草が期待できますよ。各種チップの一番ポピュラーな使い方になります。
チップに虫は寄ってくる
残念ながら防虫作用のあるウッドチップでも全ての虫に効くわけではありません。たとえばシロアリは寄ってきませんがダンゴムシは問題なかったり、ダニやノミは寄ってきませんが、アリは平気だったりします。グランドカバーする目的は防虫ではなく土の保温と保湿、雨の跳ね返りを防ぐことがメインとなります。副産物として防虫、防草が得られまる程度と考えましょう。
チップの使い方・敷き方2
チップで庭を作る使い方
デザイン的に庭を作ることは造園やガーデニングとなり、庭を作りながら防犯力などを高めるという場合はエクステリアと呼ばれます。どちらの面でもウッドチップやバークチップは活躍します。庭を作る時は粒子の小さいウッドチップだとバークチップより大量に必要になりますが、癒やしの作用があるフレグランスが出ます。敷き方は草を根ごと抜いて平らに整地し、チップを敷き詰めていき最後に水をまいて完成です。
ドッグランでの使い方
チップで庭を作るときと敷き方は同じです。整地したあとにウッドチップ、バークチップを敷き濡らすだけです。ウッドチップはフィトンチッドにより抗菌作用、防虫作用、脱臭作用があるため機能的にはバークチップよりウッドチップのほうが向きおしっこをしても片付け安いです。問題は面積が小さいのでたくさん必要になるので注意しましょう。抗菌、殺菌作用は動物に悪影響を及ばないと言われています。
チップの使い方・敷き方3
部屋で使う
ウッドチップにはバークチップにはないフィトンチッドによる脱臭、抗菌などのさまざまな作用がありフレグランスのように気持ちを落ち着かせる作用があるのでエクステリアで使うだけではなく室内でも利用できます。室内でも使われる代表的なチップはやはり露天風呂などでお馴染みのヒノキ、空気を浄化すると言われている杉などが有名です。フィトンチッドに含まれている成分は精油と同じで芳香があるほどが効力があります。
使い方
麻袋やおしゃれな陶器などにウッドチップを盛っておくと自然とフレグランスのように芳香が拡散してさまざまな作用をもたらします。言わばチップは天然の芳香剤なので玄関、リビング、トイレなどで活用できます。フィトンチッドの中には気持ちを落ち着かせるだけではなく集中力を高める効果もあるのでテスト勉強や試験勉強などにも有効と言われてエクステリアだけで利用せずインテリアにもチップを活用してみましょう。
木を餌とするシロアリについて
ウッドチップ・バークチップ共に問題なし
ウッドチップもバークチップも木が原料のため木を食い荒らすシロアリが心配になりますよね。チップを庭に敷いたらシロアリの住処になって家に来たらどうしようと考えるのも無理はありません。しかしシロアリは1cm以上の厚みがない木では巣ができないと言われているので基本的にウッドチップもバークチップも問題ありません。またシロアリが苦手とするヒノキなどの防虫作用があるウッドチップを使えば大丈夫です。
シロアリは匂いのあるチップを嫌う
完全にシロアリがウッドチップによってこないというわけではなく元からシロアリの住処になっている場所にチップを敷くと餌になる可能性があります。これはバークチップでも同じです。大切なのはシロアリが嫌うヒノキや杉、ヒバなどの防虫作用のある木を使っているかどうかになります。
チップの注意点
ウッドチップは分解され土になる
皮と比べると木は分解される速度が早いためだんだんと土になっていくので、定期的に補充しないとどんどん量が減ってしまい効果が薄れてきます。バークチップも分解されますが、木の皮は時間がかかるのでウッドチップと比べ長持ちします。しかし長持ちするということは苔むしたり、虫が発生したりと景観を悪くする可能性もあるのでメリットも多いですが手入れも少し大変です。
土が乾いているか分からない
地面に直接木を植えている場合は水やりをしなくても問題なく育つことが多いです。そのためグランドカバーしても問題ありませんが、プランターで栽培する場合は土の量が決まっているので土の表面が乾くとたっぷり水を与えないといけません。この時に各種チップで表面を覆っていると土が乾いているか確かめ時にチップをいちいちのけないと確かめられず手間がかかります。肥料を与える時も同様です。
生きている植物と同じ世話が必要
どちらのチップも天然由来のものなので、トラブルが起きないように使うには生きている植物と同じように扱いましょう。例えば日当たりが悪く課せ通しが悪いと常に湿っている状態になり、いくら防カビ、防虫作用がっても虫やカビが発生しやすくなります。また腐る原因にもなるので日当たりと風通しは大切です。他にも乾きすぎると軽くなり風で飛んだり埃っぽくなるので適度に水を撒かないといけないので注意しましょう。
チップは適度に湿らす
敷き方で大切なのは大量に敷くと埃っぽくなるので水を適度にまいてなじませる必要があります。グランドカバーをしたときだけではなく定期的に散水しましょう。ホースから直接撒いてしまうと軽いので水圧で飛んだりクレーターのようにえぐれたりする可能性があるので散水ノズル(ヘッド)を使って優しく撒きましょう。また草を抜いて整地した後に、防草シートを敷いてからチップを使うと効果的です。
ウッドチップのまとめ
ウッドチップ・バークチップ共に大切
ウッドチップもバークチップも効果はよく似ていてガーデニングやエクステリアではどちらのチップも大切です。ウッドチップだと保温、保湿、水はね防止、抗菌、防虫とさまざまな効能があるので植物を育てるときはバークチップが多いですが、庭造りや通路などエクステリアなってくるとウッドチップがおすすめです。ウッドチップもバークチップも天然由来のものなので虫が発生することもありますが、上手く使うとメリットが多いですよ。
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