ウッドチップとは?
ウッドチップとは、その名の通り木の木片です。何のために、どこでどのように利用されているのでしょうか?公園の花壇やガーデニングなどで、雰囲気づくりにウッドチップ(バークチップ)が施工されているところもあります。その効果と魅力、およびシロアリなど虫の心配について、詳しく解説してまいります。
ウッドチップは何の木片?
ウッドチップは、主に杉・ヒノキの木片です。杉チップやヒノキのウッドチップは消臭・抗菌効果に優れています。その香りはヒノキ風呂を想わせる、まさに森林の中にいるような、深呼吸したくなるような清々しい木の香りです。ウッドチップの木片は、年々土へと還っていくため定期的な追加・補充が必要になります。
珍しいくるみチップ
くるみの殻をバークチップとして使うくるみチップも人気です。見た目のかわいさもそうですが、くるみチップは踏むとカラカラ音が鳴るので、防犯砂利代わりに敷き詰めるバークチップとしての使い方もあります。
ウッドチップとバークチップの違い
ウッドチップ
ウッドチップには杉チップ、ヒノキチップ、クスノキチップ、ヒバチップなどがあります。クスノキはタンスにも使われているように防虫効果があり、サイプレスと呼ばれるオーストラリア産のヒノキのウッドチップも、シロアリに強いことで人気です。バークチップは樹皮のみ、ウッドチップは樹皮以外の内部まですべて使います。
バークチップ
バークチップは赤奴や黒松などの樹皮のチップです。使用しているのは樹皮のみで、それを細かく砕いたチップになります。ウッドチップとの違いは木片が丸みを帯びていることです。また、ウッドチップが白っぽいチップなのに対し、バークチップは樹皮を使用しているため赤みを帯びたチップになります。
ウッドチップの効果
ガーデニングの雰囲気づくり
ウッドチップは、ガーデニングの雰囲気づくりに役立ちます。庭土がむき出しの庭より、ウッドチップを一面に撒いたお庭や花壇の方が全体が明るく、景観もおしゃれです。ドッグランにウッドチップを使用したり、バーベキューが趣味の方は庭の焚火コーナーにウッドチップを活用されています。
雑草抑制効果
雑草というのはどこかから種が飛んできて勝手に繁茂するので、庭や花壇づくりにおいて頭を悩ませるものです。ウッドチップを土に敷き詰めることで土に当たる日光を遮断し、雑草の光合成を防ぐことができます。防草シートとウッドチップを併用すれば、雑草抑制効果はさらに期待できるでしょう。
土を温度変化から守る
ウッドチップを敷き詰めると地熱の上昇が抑えられ、夏の暑さ対策になります。また、ガーデニングの大敵「夏の日照り」は土をからからに乾燥させるので、植物は水切れをおこし枯れたり弱ったりします。その対策としてウッドチップで地表を覆い隠し、温度変化を穏やかなものにすることが大切です。
泥はね防止効果
特にバラ栽培において、雨水の中の病原菌が土の泥にはねて葉から侵入し、引き起こすのが黒点病です。黒点病とは葉が黄色くなり黒い斑点が浮き上がる病気で、やがて弱った葉は次々と落ちてしまいます。これを防ぐために、泥はね防止目的でバラの株元にウッドチップ(バークチップ)を撒くのが効果的です。
森林浴効果
特に杉チップ、ヒノキチップ、クスノキチップは、森の中にいるようなさわやかな木の香りが魅力です。これらは住宅の木材や家具にも使われる木で、新築のおうちやヒノキ風呂などでその香りをかいだことのある方は多いでしょう。ウッドチップの香りは自律神経の副交感神経に作用し、深いリラックス効果をもたらします。
ドッグランでの消臭効果
広い庭で思い切り犬を走らせたい!と思っても、庭が土だと泥汚れや匂いが気になります。庭にウッドチップを施工しておけば、ふかふかしてワンちゃんの足も楽です。また、消臭効果があるので、動物にウッドチップはおすすめのアイテム。ワンちゃんのトイレの後始末も、ウッドチップを取り除くだけなので簡単です。
防虫効果
雑草が生い茂っていると、夏場は蚊の発生場所になってしまいます。ウッドチップは雑草抑制効果もあるので、それが防虫効果(蚊よけ対策)にもつながるのです。雑草がはびこる前に、虫対策のウッドチップを撒いておきましょう。木の種類によっては防虫効果が高く、シロアリに強いサイプレスチップやクスノキチップがその代表です。
シロアリの心配は?
木を食べる虫、シロアリの心配についてはどうなのでしょうか?シロアリが好むのは暗い場所、枯れた木、腐った木、太い幹などです。細かく砕かれた木片(チップ)なので、ウッドチップにシロアリが巣を作ることは考えにくいといえます。シロアリが好む環境にならないよう、日陰や太い木材の近くへのウッドチップ施工は控えた方がいいですね。
ウッドチップのみの敷き方①
土の雑草を抜く
防草シートを使わず、土の上に直接ウッドチップを撒く敷き方についてご紹介します。花壇や植木鉢にも応用できるやり方です。まず、ウッドチップを敷きたい場所の土の雑草を抜きます。根っこが残らないようスコップを使い、徹底的に抜きましょう。
平らにならす
雑草を除去した後、掘った穴をうめて平らにならします。スコップを使ってたたいたり、足を使って踏みかためるとよいでしょう。こういった作業は、子供たちも喜んでお手伝いしてくれます。家族総出で楽しんで作業をしてください。ウッドチップのみを敷く方法は、花壇やガーデニングの景観づくりに向いています。
ウッドチップのみの敷き方②
ウッドチップを敷く
いよいよ、ウッドチップを敷いていきます。面積によっては大量に必要ですので、多めに用意しておいてください。地面から10cm程度の厚みをもたせるようにすると、雑草抑制効果が高まります。ただし、あまり厚すぎても湿気がこもる原因となりますので、ほどほどに調節しましょう。
ウッドチップを濡らす
敷き終わったら、ウッドチップの表面を平らにならしてください。竹ぼうきなどを使うと作業がしやすいです。ウッドチップの上を歩いて、まんべんなく踏み固めましょう。それが終わったら、ホースで水をまいてウッドチップ全体を濡らし、なじませます。以上で、作業は完了です。
ウッドチップ(防草シート有)敷き方①
雑草を抜いた後、防草シートを敷く
丁寧に雑草を抜いておきます。雑草の表面だけちぎれることがないよう、根っこからしっかり抜いてください。また、防草シートが破れる原因になるような、小石やクギが落ちていないかよく確認し、あれば取り除いておきます。それが終わったら、防草シートを敷きましょう。
防草シートの敷き方ポイント
防草シートは、ホームセンターなどで安価なものもありますし、ネットショップでも購入できます。シートを留めるためのU型ピンなどがセットになっていなければ、別で購入しておくと便利です。ピンは、シートが動かないよう留めるのに使います。シートの重なり部分はテープなどでふさいでください。
ウッドチップ(防草シート有)敷き方②
ウッドチップを敷く
防草シートの処理が終わったら、ウッドチップを敷いていきます。シートがあるので、ウッドチップの厚みは5cmほどでOKです。防草シート併用のメリットは、ウッドチップのコストを抑えられる点にあります。全体を見渡して、ウッドチップが薄くなってシートが見えているところがないか、チェックしましょう。
ウッドチップを濡らす
最後にホースでウッドチップに水をまいて全体を濡らします。軽量なウッドチップは風などで飛散しやすいため、この作業により予防するのです。防草シート併用の敷き方は、お庭の通路やドッグラン、遊び場など広い面積にウッドチップを敷き詰めるのにおすすめの方法になります。
ウッドチップの管理方法
ウッドチップのみの場合
ウッドチップがからからに乾燥してきたり、子供たちや犬の遊びで泥や砂にまみれてきたら、一度水をまきましょう。汚れが洗い流され、庭や花壇のウッドチップの見栄えがよくなります。また、年月を経るとウッドチップの腐食により全体の量が減り土肌が見えてきますので、適宜ウッドチップを足していきましょう。
防草シート使用の場合
防草シートを併用していても、飛んできた雑草の種がウッドチップの間で発芽し成長することがあります。見つけ次第こまめに取り除きましょう。また、ウッドチップのみの場合と同様に、チップの汚れ落としのために時々全体に水をまいて湿らせてください。
共通のウッドチップ管理方法
ウッドチップのみの場合、防草シート併用の場合ともにいえることは、ウッドチップは敷きっぱなしではなく、時々全体をかきまぜるように動かしましょう。チップの湿った面を表に出し乾燥させることができるので、カビや虫の発生を抑えることにつながります。
ウッドチップのメリット
チップがコガネムシの侵入を防ぐ
メリットは「ウッドチップの効果」の章で述べたこととほぼなのですが、さらなるメリットとしてはコガネムシ対策が挙げられます。ウッドチップ(バークチップ)を敷くことで、土中にもぐり植物の根を食べてしまう害虫、コガネムシの侵入および産卵を防ぐのです。
チップが自然素材だからエコ
花壇や庭にまいたウッドチップの木片は、年月を経て次第に土へと還るので、庭の景観や土の質を損なうことのないエコな素材といえます。ガーデニングにおいてナチュラルな雰囲気をこわすことなく、心をリラックスさせる良い香りを拡散してくれるウッドチップ(バークチップ)はおすすめです。
ウッドチップのデメリット
チップで土が隠れる
植物の水やりのタイミングは、鉢植えの場合でも地植えの場合でも、「土の表面が乾いたら水やりをする」育て方のものがほとんどです。そのため、ウッドチップ(バークチップ)を敷くことによって、木片が邪魔して土の表面が見えづらく、土の状態を確認しにくくなってしまいます。
細かいウッドチップは費用がかかる
細かいウッドチップを使用していると、水やりの度に少しずつですがチップが土中へ埋没していってしまうことがあります。そのため再び土が見えてくるので、ウッドチップを買い足さなければならなくなり、費用がかかるのがデメリットです。
チップが施肥を邪魔する
植物に肥料を施す際に、土に穴をあけるとそこへ周りのウッドチップが流れ込み、施肥しづらくなるのがデメリットです。流れ込んだウッドチップをいったん脇へ積み上げるなどの手間がかかるため、あまり細かいチップのものよりは、大きなチップのものが扱いやすいでしょう。
チップ内部がじめじめしやすい
特に日当たりのよくない場所や、日当たりの良い場所でも雨期などはウッドチップに土が隠れるため、内部がじめじめしやすくなります。そのため、南に面した庭でも梅雨時期などはウッドチップ内が蒸れ、キノコが生えたり虫がわくこともあるのです。
ウッドチップ(バークチップ):まとめ
ドッグランにも花壇にも使えるウッドチップ(バークチップ)は、庭の雰囲気を明るくします。また、ウッドチップには防虫効果や森林浴効果、雑草抑制効果などメリットが多いのも特徴です。デメリット対策に気をつけて、ぜひガーデニングに取り入れたいアイテムですね。
ウッドチップが気になる方はこちらをチェック!
ウッドチップ、バークチップについて、さらに知りたい方は、こちらの記事も併せてお読みください。使い方と効果、特徴など、ウッドチップの魅力について載っています。

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