アイリスオーヤマ カラー化粧棚板 LBC-930
アクリル板 5mm厚 450mm×600mm
光 KTP1894W-1
アクリサンデー 硬質塩ビ板 不透明タイプ サンデーシート
ナカトシ プラバン430-B5F
コーヨーソフトボード 45cm角×5mm厚
透明硬質PET板 ペット樹脂
プラスチックは大きく分けて2種類
一口でプラスチックといっても種類によって軽量や硬質、クリア度合いも異なってきますし、当然の事ながら価格も異なってきます。そんなプラスチックは、大きく「熱を加えると解けるタイプのもの」と「熱を加えると硬くなるか」の2種類に分類することができます。
とにかくちょっとのことでは曲げられない強度を重視するか、自由に加工できる柔軟性を重視するかが、プラスチック板を選ぶ一番の基準になります。
プラスチックの種類1:熱硬化性樹脂
熱を加えると硬くなるタイプのプラスチック。分子構造は立体網目状といわれ、加熱することで化学反応が生じ、高分子になって硬質化します。そして一度加熱して硬質化した状態から過熱しても、もとの流動状態に戻らないのも特徴です。また硬質化すれば耐熱性や耐薬品性にも優れます。
<熱硬化性>プラスチックの例1:メラミン樹脂
メラミン樹脂とは、メラミンとホルムアルデヒドが重縮合してできた合成樹脂です。非常に硬質であり、耐水性、耐候性、耐磨耗性に優れ、非常に軽量です。家具のほか、「割れにくい」「熱に強い」「汚れや傷がつきにくい」特徴から、食器に多く使われます。
またメラミン樹脂フォームというスポンジ素材(代表的なものに「激おち君」があります)は、この熱による硬質を利用し、汚れを研磨する状態で落としていきます。
<熱硬化性>プラスチックの例2:フェノール樹脂
フェノール樹脂とはフェノールとホルムアルデヒドを原料とし、世界で初めて人工的に作られたプラスチックです。熱や電気を通しにくいという特徴から、鍋のフタやコンセントプラグなど、熱や電気を扱う部分に使われています。
また「レゾール型」という常温で液状になっているフェノール樹脂がありますが、加熱すると硬質化し、非常に軽量であること、液状に戻らないという特徴から接着剤に使用されます。
<熱硬化性>プラスチックの例3:エポキシ樹脂
エポキシ樹脂とは、プレポリマーという縮合反応が起ききっていない中間生成物を、硬化剤と混合させることによって硬質化させたものです。液状のエポキシ樹脂はクラフト用品として販売されており、硬化剤と一緒に型に流し込むことでさまざまな造形ができます。
毒性や引火性をおさえているので扱いやすく、宇宙航空機といった最先端テクノロジーから、家具や屋外用パネル、サーフボードまで幅広く使われています。
プラスチックの種類2:熱可塑性樹脂
熱を加えると溶けるタイプのプラスチック。分子構造は非結晶性と結晶性、2種類あり、基本的には紐のような形状をしています。紐の構造が正しく並んでいる「結晶性」プラスチックが、熱可塑性樹脂の中でも耐熱性に優れています。加熱すると流動状態に、冷却すると固形状態になります。
<熱可塑性>プラスチックの例1:アクリル樹脂
1934年に製造・工業化された歴史あるプラスチックで、過去には窓ガラスなどにも使われていました。アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体で、クリアかつ軽量が特徴。非晶質のプラスチックのため、80~100℃で軟化します。
アクリル樹脂には、紫外線によってアクリルモノマーとアクリルパウダーが反応して硬質化するものがあり、これがUVレジンとして一般的に販売されているものです。
<熱可塑性>プラスチックの例2:ポリスチレン
プラスチックには「ポリスチレン」「ポリエチレン」「ポリカーボネイト」など「ポリ」がつく種類が沢山ありますが、そもそも「ポリ」はギリシャ語で「沢山」と言う意味で、「スチレンで形成されている」「エチレンで形成されている」という意味です。
中でもポリスチレンはスチレンを基調としたプラスチックであり、軽量かつ価格も安い事から多くのパッケージや日用品に使用されています。比較的硬質ですが強度はあまりなく、色はクリアまたは白。傷がつきやすく、経年劣化がしやすいです。
ベンジンやシンナー、アルコールにも溶けやすいので、塗装や接着には注意が必要です。
<熱可塑性>プラスチックの例3:ポリエチレン
一方、ポリエチレンはエチレンを基調としてあり、ポリスチレンと同様に日用品に使用されています。軽量で、燃えやすく、強度もありません。ただポリエチレンには高密度と低密度があり、密度が高いほどより硬質で薬品にも強いと言う特徴があります。シャンプーや潜在のパッケージ、ガソリンのタンクなどにもポリエチレンが使われます。
<熱可塑性>プラスチックの例4:ABS樹脂
アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを基調としていることから、ABS樹脂と呼ばれます。
衝撃に強く、酸やアルカリにも強いという特徴から、今やほとんどの工業製品に使用されているプラスチックです。70~100℃と、他に比べて軟化しやすいですが、その汎用性の高さから、3Dプリンターの材料としても多く使われています。
そのままでも十分な光沢と色味の美しさを誇りますが、表面加工や塗装にも優れているため、パネルなどにも多く使われます。
<熱可塑性>プラスチックの例5:ポリカーボネート
熱可塑性のプラスチック板でもトップクラスの強度と耐衝撃性のあるポリカーボネート。ビスフェノールAとホスゲンが基調となったプラスチックです。薬品耐久性はやや弱いですが、耐熱性で燃えにくく、一般的なガラス板の250倍もの耐衝撃性があります。
そのためポリカーボネートは、医療機器や防弾ガラスの材料、展示用パネルによく使われます。
<熱硬化性>プラスチック板1:メラミン化粧板
メラミン樹脂の特徴を生かしたプラスチック板が「メラミン化粧板」という商品名です。価格は1㎡だと1万円程度です。中間層は一部「フェノール樹脂」、化粧紙やコーティング用のクリアな表面に「メラミン樹脂」が使われています。
耐久性が強いので、テーブルボードやキッチンの壁パネルなど、「熱が加わる場所」「傷や汚れがつきやすい場所」に施工するときれいな状態をキープできます。
アイリスオーヤマ カラー化粧棚板 LBC-930
<熱硬化性>プラスチック板2:フェノール樹脂板
扱っているショップによって名称は違いますが、フェノール樹脂を使った板はだいたい木のような色合いをしています(商品によって着色されている)。これはフェノール樹脂を木質材料に含浸させ、真空高温で焼成しているからです。
これをクリア状のメラミン素材でコーティングすることで、より熱に強く、硬質もアップするのです。価格は0.5㎡でおよそ8000円と、やや高価です。一般的には配電盤、変圧器、車両など、電気を使う事を想定するDIYやクラフトに使われます。
フェノール樹脂板
<熱硬化性>プラスチック板3:エポキシ板
エポキシ樹脂とガラス繊維を複合させ、板状にしたものです。クリアなエポキシ板はほぼなく、通常は緑色をしていて経年変化とともに黄色っぽくなります。非常に硬質ですが、切断する場合は専用のダイヤモンドカッターで、繊維に沿ってカットする必要があります。
ガラスと違って耐熱に優れており、180度もの温度に2時間晒しても変化は見られないという特徴があります。これらの利点から、屋外の展示用のパネルや電子機器の基盤ボードなどに使います。「FRPボード」という商品名のものもあります。
FRP板
<熱可塑性>プラスチック板1:アクリル板
高熱でやわらかくなったアクリル樹脂を、ローラーから押し出して板状にしたものです。
分子量が粗い「押出し製法」と分子量が細かい「キャスト製法」の2種類あります。加工しやすく、価格帯も安価なものを選ぶなら押出し板を、厚みがあり屋外パネルや水槽用のボードなどに使用するのならキャスト板がおすすめです。
熱曲げやカットの加工がしやすく、クラフトに多く使われますが、温度の変化に弱く、比較的劣化しやすいという欠点もあります。炎によって硬質も弱くなるので、火まわりの使用も推奨しません。
アクリル板 5mm厚 450mm×600mm
<熱可塑性>プラスチック板2:ポリカーボネート板
ポリカーボネートを板状にしたものは、「ポリカ板」などの商品名で販売されています。ポリカーボネート板が使われる前はアクリル板が使われていました。
クリア度はアクリル板のほうがポリカーボネートよりも高いのですが、耐衝撃性や紫外線に対する耐久性、硬質もはるかにポリカーボネートのほうが高く、近年見直されるようになりました。
屋外の屋根や手すりボードと言った建材、展示用のパネル、ディスプレイ用に販売され、価格も熱硬化性のプラスチックに比べて安いという点がDIY好きに人気です。
光 KTP1894W-1
<熱可塑性>プラスチック板3:PET樹脂板
PET樹脂板は、クリアなものはアクリルと同じくらいの透明度ですが、アクリルとの違いは石油由来である事。テレフタル酸とエチレングリコールを高温・高真空下で化学反応させてつくられます。
単体では余り硬質ではないので屋外のパネルには使われませんが、燃やすと二酸化炭素と水になり有害なガスを発生させないという特徴もあり、アクリルに変わって使われだしています。
自宅でもカッターナイフで自在に加工ができるうえに、非常に軽量の上、安価な価格です。そのため、非常に手に入れやすいプラスチック板です。
透明硬質PET板 ペット樹脂
<熱可塑性>プラスチック板4:塩ビ板
幅広いサイズと厚みがあり、薄いものは0.1ミリから低価格で販売されている塩ビ版。塩ビとは「ポリ塩化ビニル」の略であり、安定性と耐久性があります。
高温でやわらかくなりやすいので、形を変えたいときは熱してやわらかくしてから形を作りたいものに押し当てる「ヒートプレス」がよく使われます。逆に高温で形が変わりやすいので、炎天下や熱を発しやすいものの周辺にはおすすめしません。
自宅で塩ビ版を取り扱うときは、「ヒートガン」というに熱風が出るものを持っていると楽です。
アクリサンデー 硬質塩ビ板 不透明タイプ サンデーシート
あの商品は何?プラスチック板の種類
ここまでは、「プラスチック板」といって上げられる代表的なプラスチックの種類を紹介しました。では、普段ホビーやインテリア、アクセサリー制作で使われる材料は、実は意外なプラスチックの素材が作られているのです。低価格で手に入れられて、気軽に使っているプラスチックの種類と特徴を紹介します。
1:プラ板<ポリスチレン>
アクセサリー作りなどで使ったことがある人も多い「プラ板」絵を書いて、オーブンで熱すとぐんと小さくなり、硬質もぐんとあがりますね。これは「ポリスチレン」という素材を使っています。熱して形が変わり、プラ板を温めてすぐも非常にやわらかいのは、「熱可塑性」の性質を生かしています。
ナカトシ プラバン430-B5F
2:ライオンボード<ポリエチレン>
コスプレイヤーが造形などによく利用する「ライオンボード」は、「リアラボード」「コスプレボード」など、販売元によって名称が違います。これはポリエチレン樹脂に炭酸カルシウムを配合し、発泡させた材料です。非常にやわらかく、熱で曲げたり、カッターでカットしたりしてさまざまな造形が楽しめます。
コーヨーソフトボード 45cm角×5mm厚
プラスチック板は用途によって使い分ける
プラスチック板をインテリアなどのボードとして活用する方や、カットや熱することで形を変えて使いたい方など、さまざまな理由でどのような種類を選べばいいのか分からないと言う方も非常に多かったはず。
プラスチックの種類は大きく2種類ですが、その中でも、さまざまな素材の組み合わせによって計量や硬質、価格なども大きく変わってきます、これまでなんとなくプラスチック板を選んできたと言う方も、どのような場面でどの種類のプラスチック板を選ぶべきか、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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