トラウトフィッシングにおける虫パターンとは!?
渓が緑で覆われる季節に成ると、至る所で「虫」を見掛ける様に成ります。虫の生涯は短く、ほとんどのモノが成虫に成って数日でその生涯を終えると云われています。自然界では動物たちが虫を食べて自然のサイクルの一部となりますが、私達が狙うトラウト達も水面に落ちた虫を食べているのです。
ルアーで虫を再現するカギ
フライフィッシングではより本物の虫に近い形・サイズ・色のフライを選んで違和感を与えずに喰わすマッチザベイトという釣りが主流です。しかしルアーの場合は、リアルに再現するには限界があります。また、キャストする為にウェイトの確保や空気抵抗の少ない形状等の制約も有り完璧な虫を再現したルアーというのは現実的でないのが現状です。そこで、ルアーフィッシングでは「サイズ」「カラー」「波紋」「波動」「レンジ」等、可能な範囲で虫っぽさを演出する事でトラウトに虫と認識させるのが虫パターンを成立させるカギと成るのです。
虫パターンお勧めルアー
虫をイミテートするにはサイズ・カラー・比重(ウェイト)・アクション・波動・等の要素で虫っぽさを演出する必要が有ります。ここではその要素を満たしたルアーをご紹介させて頂きます。
ミノープラグ
虫パターンでミノープラグというのは意外かと思いますが、実はサイズやカラー。レンジやアクションを意識的に虫に近付ける事で、しっかり虫を演出する事が出来るのです。
サイズは40mm程度。カラーはブラックやブラウン等のダーク系がお勧めです。虫が水面に落ちて流下する様を再現するにはサスペンドやフローティングのモデルが良いでしょう。トラウトの警戒心が強く水面に出てこない場合は、シンキングミノーを沈めてドリフトさせるのも有りでしょう。その場合は、ゆっくりと水平フォールするミノーで虫が沈む様子を演出する様意識しましょう。
アーティストFR55 カジカガエルカラー
アーティストFR55はトラウト用ミノープラグの中では強い波動を発生させるルアーです。このカジカガエルカラーは名前こそカジカガエルと成っていますが、フラッシングを抑えマダラ模様を施した事で、ミノープラグでありながら流下する昆虫を認識させるスペシャルカラーです。トゥイッチングアクションを加えながら悶える虫を演出してみて下さい。
巻き返しにアーティストFR55 カジカガエルカラーを落とすと岩陰からイワナが飛び出してきました。
奏40&45 カジカガエルカラー
奏シリーズは40㎜・45㎜・50㎜・60㎜・と4サイズがラインナップされています。虫パターンで使うにはコンパクトな40㎜と、コンパクト且つ低比重な45㎜がお勧めです。こちらも虫を連想させるカジカガエルカラーが良いでしょう。40㎜はタイトピッチなアクションで虫の発生させる微細な波動を発生させ、45㎜はゆっくりとしたシンクレートで流される昆虫を演出してくれます。
奏40カジカガエルカラーのショートトゥイッチにヒットしたアマゴ。
トラウトチューンフローティング イモムシカラー
カラーネームからも解る様に、正しくイモムシをイミテートしたフローティングミノー。細かくシェイキングを加える事で水面直下でモジモジと動きトラウトを表層に誘い出します。また、ベリーのチャートカラーは視認性にも優れ、使い易さも兼ね揃えた名ルアーでもあります。
表層でモジモジ動くトラウトチューンフローティング イモムシカラーに喰い付いたアマゴ。
アスリート55SFH アカハライモリカラー
ブラックは昆虫を意識したトラウトに効果的なカラーです。ベリー部分のレッドがアクション時の色調変化を生み、トラウトの捕食スイッチを刺激します。また、アスリート55SFHはサスペンド仕様と成っている為、水面に出切らない神経質なトラウトにも有効。逆に水面で使いたい場合は、フックをシングルフックに交換する事で、フローティングにチューニングする事も可能です。
ライトマジック
エリアトラウト向けに発売されたアイテムですが、このシルエットとカラーは虫パターンの渓流で使わない手は有りません。コンパクトでファットなハイフロートボディは、木から落ちた昆虫を忠実に再現しています。リトリーブのハイピッチアクションは虫がもがく姿そのものです。
カナブンとカメムシを多く見かけた渓でライトマジック甲虫カラーにヒットしたアマゴ。
トップウォータープラグ
虫パターンといえばトップウォータープラグをイメージする方が殆どではないでしょうか?近年エリアトラウトの人気により、トラウト用のトップウォータープラグも容易に手に入る様に成り、選択肢も増えました。その中でも渓流の様な流水でも使い易いプラグを紹介します。
T・ピボット
元祖トラウト専用トップウォータープラグ。ボディをくねらせるテーブルターンアクションが誰にでも簡単に出来る仕様となっています。ヒラキの様に水面が平らなポイントで引き波を立てて使って下さい。
キャールフロート
デザインはカエルですが、コンパクト且つハイフロートなボディが昆虫を連想させます。また、大きく開いたカップが抵抗を生んでくれるので移動距離を抑えた誘いも可能です。ポコポコと音を立てても面白いでしょう。
スピナー
ミノーイングの釣りが流行る遥か昔から存在していたルアーで、スプーンに次いで歴史のあるルアーがスピナーです。金属パーツで構成される為、虫とは似ても似つかないですが、クルクルと回るブレードが羽虫を連想させたり、同時に発生する波動は虫が水面でもがく際に発生する波動に似ている事から、虫パターンの代表各として今でも信頼されています。糸ヨレが発生し易いルアーなので牽制されがちでしたが、最近ではトラブルフリーのスピナーが登場し、より身近なルアーに成りました。
エディー
元祖糸ヨレしないスピナー。ボディ形状を船底型とした事で軸が回転せず糸ヨレの発生を防ぐ為、快適に使う事が出来ます。強みはコンパクトなサイズ感とブレードの回転によって発生する波動で、ミノーにスレたトラウトにも効果的です。
オーバーハング下から出て来たイワナ。
スピナーの波動とフラッシングは遠くから魚を寄せる力が有ります。
虫パターンでトラウトを狙うべきポイント
渓流域に行けば至る所に虫が居る為、どこを狙えば良いか迷ってしまいます。その中でも虫が落ちてきそうな場所や、流れて来た虫が溜まり易いポイントを重点的に狙う事がヒットへの近道と言えます。
ボサ際・オーバーハング
水際に木が生えていれば昆虫や毛虫が落ちてくる可能性大。トラウトも落ちてくる虫を意識しているポイントです。
ヒラキ
ヒラキと呼ばれる浅瀬に出ているトラウトは高確率で虫を意識しています。近付き過ぎると警戒心を与えてしまう為、アプローチは慎重に行いましょう!
石裏
石に流れがぶつかる事でその裏側には反転流れが発生します。流れに乗って流れてきた虫はその反転流に溜まる事が多いので、それを狙ったトラウトが居つくポイントでもあります。
虫パターントラウトフィッシングの推薦ロッド
トラウトアンリミテッド 451ULL-AS
虫パターンで釣りをする様な渓はボサが生い茂っていたり、頭上に木の枝が張り出している為、ロッドの取り回しが重要になります。4ft5inの長さは、邪魔に成らず遠投性能も兼ね揃えた虫パターンスペシャルロッドと言えそうです。また、オールソリッド仕様は、トップウォータープラグやスピナー(巻物)の様に魚がノリ難いルアーでも、フッキング率を高めてくれるはずです。
最後に
ミノーやスプーンでいつものスタイルで無難に釣りを楽しむのも悪くありませんが、せっかくトラウト達の意識が虫に向く季節です。水辺の様子を観察し、その渓に多くいるベイトに合わせた虫パターンで自分ならではの一尾を探してみては如何でしょうか?
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