四つ葉のクローバーについて
四つ葉のクローバーは幸運のシンボルと言われていますが、これは日本だけではなく西洋でも古くから言い伝えられてきました。
クローバーは南アメリカやアフリカにたくさんの種類が生息していています。地球全体では260種類あると言われ、日本でも身近に存在する植物です。しかしこれは主に三つ葉のクローバー。
四つ葉のクローバーはなかなか見つけにくく花言葉や由来も興味深いものになっています、それでは詳しくお話していきましょう。
クローバーの基本情報
科・属名:マメ科シャジクソウ属(トリフォリウム属)
学名:Trifolium repens
和名:白詰草(シロツメクサ)
別名:詰草(ツメクサ)、オランダ紫雲英(オランダゲンゲ)、馬肥やし(ウマゴヤシ)
英名:Clover, White clover, White Dutch clover
原産地:ヨーロッパ
シロツメクサの名前の由来
クローバーは、別名をシロツメクサ(白詰草)と言います。
名前の由来は、江戸時代、日本とオランダとの貿易で、硝子器をオランダから運ぶ際、破損を防ぐために枯れたクローバーを詰め物として用いたという由来からツメクサ(詰草)の名前が付きました。
またシロツメクサは明治以降に牧畜用にムラサキツメクサと共に持ち込まれ、野生化したという由来があります。
シロツメクサの姿形は?
花は1.5㎝くらいの丸い花に見えますが、たくさんの小さい白い花の集まりです。葉は卵型で3枚つながり、薄い白い模様や、赤褐色の斑点が見られる事もあります。
茎は地面を這うように伸び、背丈は15㎝から20㎝ほどに立ち、茎や葉には毛はありません。種から生長し、開花時期は春~夏。冬には枯れますが暖かい地方では越冬するものもあります。
シロツメクサは幸福の象徴?
シロツメクサは学名を「トリフォリウム」(Trifolium)といい、「三つ葉」を指しています。
またアイルランドでは、植物の三つ葉は「シャムロック(shamrock)」と呼ばれ、古くから縁起の良いものとして神聖化されていて、三つ葉のクローバーも幸運の象徴とされてきました。
西暦432年にアイルランドを訪れた司教聖パトリックは、キリスト教の「三位一体」の教義を三つ葉を使って説明した事で、布教が早く進んだと言われています。
四つ葉のクローバーの花言葉やその由来は?
花言葉「幸福」の由来
三つの葉は「希望」「信仰」「愛情」、そして残りの1枚は「幸福」の象徴と言われてきました。それゆえ、四つ葉のクローバーは幸運をもたらすものとして現在に至っています。
ヨーロッパでは四つ葉のクローバーを見つけると幸せがやって来るという言い伝えがあり、一年で一番夜の短かい夏至の夜に摘めば薬草や魔除けの力があると言い伝えられてきました。
「三位一体」の三つ葉と「十字架」の四つ葉の由来
ヨーロッパでは、「三つ葉のクローバー」は3枚の葉が1本の柄についている事からキリストの三位一体(父なる神・子なるキリスト・聖霊は、それぞれ独立した存在でありながら、一つの神である)を、また「四つ葉のクローバー」はキリストの十字架を象徴し、どちらも幸運や幸福をもたらすと言われています。
また三つ葉のクローバーが幸運の象徴なら、希少価値のある四つ葉のクローバーには、さらに強い力があると信じられています。
四つ葉のクローバーの花言葉
それではクローバー1枚1枚にに込められた花言葉の意味とはどんなものか、日本語と英語で見ていきましょう。
幸運の印と言われてきた四つ葉のクローバーには、葉の1枚1枚に意味が込められていて、日本では「希望」、「信仰」、「愛情」、「幸福」などの意味があります。
英語では「wealth(財産)」、「fame(名声)」、「faithful lover(満ち足りた愛)」、「glorious health(この上ない健康)」の意味があり、この4つが揃って「true Love(真実の愛)」という意味になります。
4つすべてを得た結果、“真実の愛こそ幸福”という事を悟ったという事かもしれません。
クローバーの西洋の花言葉(英語)
クローバー(Clover)全般の英語での花言葉は「think of me(私を思って)」。四つ葉のクローバー(Four‐leaf Clover)の英語での花言葉は「be mine(私のものになって)」「good luck(幸運)」などです。
ツメクサの西洋の花言葉(英語)
シロツメクサ(White Clover)の英語での花言葉は「think of me(私を思って)」「promise(約束)」。アカツメクサ(Red Clover)の英語での花言葉は「industry(勤勉)」です。
日本の花言葉
日本での四葉のクローバーの花言葉には「私を想って」「私のものになって」「幸運」「約束」などの花言葉があります。どれも秘めた思いを相手に伝える言葉ですね。
それゆえ、初恋の人に贈る花として密かな話題になっていますが、実はもう1つ怖い花言葉「復讐」があります。ではなぜこのような怖い言葉があるのでしょうか。次の章で詳しくお話いたしましょう。
四葉のクローバーの花言葉は怖い!?
「私を思って」や「幸福」などの素敵な言葉とは裏腹な怖い復讐という花言葉。実は宗教的な観点から「約束」や「幸福」は「不幸」と表裏一体であるという考えがあります。
アイルランドはクローバーを国花とし、国中でクローバーが親しまれる中で、三位一体を三つ葉、十字架を四つ葉としたキリスト教の布教はとても使いやすかったわけですが、四つ葉の十字架は怖いはりつけを連想させ「復讐」という花言葉が生まれたという訳なのです。
失恋の悲しみが復讐心に?
また、この花言葉には、「私を想って」や「私のものになって」という恋の願いを叶えたいという意味がありますが、そういう想いを込めて四つ葉のクローバーを相手に贈り、思いが叶い「幸運」を手に入れた一方で、
思いを込めて四つ葉のクローバーを贈った相手に受け入れて貰えなかったり、願いが叶い「幸運」を「約束」しあい、結ばれた相手に裏切られる場合もあり、その悲しみが怖い復讐心に変わるという訳です。愛と憎しみは紙一重と言いますよね。
色による違いや1枚ごとの葉の花言葉は?
怖い花言葉の意味が分かったところで次はツメクサの色別の花言葉や、四つ葉のクローバーの葉1枚1枚の花言葉や、クローバーの誕生花などを見ていきましょう。
四つ葉のクローバーの色別の花言葉
クローバーにはシロツメクサとアカツメクサ(ムラサキツメクサ)の二種がありますが、シロツメクサの花言葉は「私を思って」や「約束」、「忠節」、「思い出して」などがあります。
そしてアカツメクサの花言葉には「勤勉」、「実直」、「楽しいだけでなくためになる」などがあります。さらに濃いアカツメクサにも花言葉があり、「華美でなく上品」、「控え目」、「注意深い」などがあります。
四つ葉のクローバーの4枚の花言葉
四つ葉のクローバーには一枚一枚にラッキーな花言葉があります。1枚目は「名声」、2枚目は「富」、3枚目は「満ち足りた愛」、4枚目が「素晴らしい健康」です。これら4枚すべて揃う事で「真実の愛(True love)」が得られ、幸せをもたらすと言われています。
四つ葉のクローバーの誕生花
クローバーの誕生花は、四葉のクローバーの誕生花が4月2日、6月17日、11月16日。シロツメクサの誕生花は3月3日、3月8日、5月9日、5月29日、8月31日。アカツメクサの誕生花は4月7日、4月18日、5月24日、5月29日です。
他の植物の誕生花よりも多い印象がありますが、それだけに誕生花で祝ってあげられる人が多いという訳です。贈る時は大切な人に喜んでもらえる花言葉を添えて贈りましょう。
一つ葉・二つ葉・三つ葉の花言葉
ここまで四つ葉のクローバーの花言葉に関するお話をしてきましたが、では一つ葉のクローバーや二つ葉のクローバーにはどんな花言葉があるのでしょうか、ここからはそれぞれの花言葉について見ていきましょう
一つ葉の花言葉
一つ葉の花言葉は「困難に打ち勝つ」、「始まり」、「開拓」、「初恋」の4つです。それぞれ数字の1に起因した花言葉になっています。一から成長して困難に打ち勝って開拓していくという事を表現していて、前向きな印象を受ける花言葉です。
二つ葉の花言葉
二つ葉の花言葉は「平和」、「調和」、「素敵な出会い」の3つです。これは二つ葉の2枚の葉が対になっている形を表した二つ葉ならではの花言葉です。
一つ葉の花言葉のいきいきした印象に対して二つ葉の花言葉は関係がうまくいくように願った花言葉であり、穏やかで平和な印象のメッセージになっています。
三つ葉の花言葉
三つ葉の花言葉も二つ葉の花言葉に負けないくらい素敵な花言葉で「愛」、「希望」、「信仰」と言った花言葉ですが、もう1つ「私を思い出して」というちょっと切ない花言葉があります。
これは四つ葉だけに人気が集まり価値をわかってもらえない三つ葉の健気さやはかなさを意味しています。
発生確率が1/100万の花言葉は?
四つ葉のクローバーの発生確率は1/10万といわれていますが、さらにすごい1/100万といわれるのが五つ葉のクローバーです。どんな花言葉なのでしょう。
五つ葉の花言葉
発生確率1/100万。五つ葉の花言葉は「財運」、「経済的繁栄」です。発生確率もさることながら二つ葉の花言葉の「平和」や「調和」とは違い、財運となると、なかなか縁遠い花言葉ですね。
その他にも六つ葉は発生確率が1/1600万とさらに確率が高くなっています。花言葉は「地位」、「名声」です。七つ葉は 発生確率が1/2億5000万!花言葉は「無限の幸福」ですが、ラッキー過ぎてどんな状況なのか想像がつきません。
四つ葉のクローバーはどうやって生まれたの?
生まれる仕組みは2つ!
四つ葉のクローバーが生まれた経緯は2つ考えられます。1つには成長の段階で踏みつけられるなどで傷つき、その傷から分裂した事によるものです。その裏付けとして、道端など人が踏み入れやすい場所で見つかる確率が高いようです。
2つ目は突然変異です。この場合は突然変異が遺伝した四つ葉が集まって生えている可能性がある事と、必ず四つ葉になる株があり、それらが多く見つかるエリアがあるという事です。
ギネス記録は56枚!
そんなクローバーですが、世界最多の葉をつけたクローバーが2009年に岩手県で見つかっています。その葉の枚数は56枚!一本の茎に56枚の葉が重なるようについていて、形はまさにミニサイズのブロッコリーのようだということです。
翌2010年に発見者がギネスに申請し、認定されました。
56枚発見者はどんな人?
発見者は農業の傍ら複数葉クローバーの自然勾配の研究を長年行っていた小原繁男さんという方です。
彼はこれまでも18枚、21枚、27枚、33枚の枚数のクローバーを発見し、33枚の葉を発見した時点でギネスに申請する事を決めたのですが、それから7日後に更に多い56枚の葉のクローバーが見つかったという事です。
しかしギネス認定書を受け取る前に85歳で他界され、認定書は大学講師をしている彼の長男の方に渡されたそうです。
幸せのラッキークローバー
素敵な名前に惹かれますが、残念ながらラッキークローバーはクローバーではありません。
別名を「オキザリス・テトラフィラ」と言い、カタバミの仲間なのです。ではどうしてラッキークローバーという名前が付いたのかと言いますとこの植物の葉っぱが四つ葉のクローバーにそっくりだからです。
葉にはクローバーに似た斑まで入っていますが、花は、花弁が5枚の小さな花で、花色は濃桃色をしています。
ラッキークローバーの花言葉は
ラッキークローバーの花言葉には「けっしてあなたを捨てません」、「輝く心」などがあります。オキザリスは生命力が強く、取ってもまたすぐ生えてくるので「けっしてあなたを捨てません」という花言葉が付いたと言われています。
また「輝く心」は銅や真鍮製の物をオキザリスで磨いていたことからこの花言葉が付きました。
まとめ
ここまで四つ葉のクローバーのお話をしてきましたが、いかがでしたか。道端に普通に生えていて気にも留めなかったクローバーですが、なかなか奥が深くて興味深い植物ということがお分かり頂けたのではないでしょうか。
傷つくことによって四つ葉が生まれやすいという事で現在では若芽を針で刺すなどして人工的に四つ葉のクローバーを作り、鉢植えなどもあるようですが、どうでしょう、出来る事なら自分で見つけてみたいものですね。
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