ジャクソン アスリート17SSV・17FSVを開発者の立場から徹底解説

ジャクソン アスリート17SSV・17FSVを開発者の立場から徹底解説

驚きの飛距離を安定して出すことが出来る、ボルテックスジェネレーターとは?
ロングミノーはその長さゆえ、きれいにキャストすることは技術を要します。ルアーの飛距離が伸びない原因は、ボディのブレ。
ルアーのブレを制御するのが、このボルテックスジェネレーターです。

記事の目次

  1. 1.不朽の名作ルアー、アスリートシリーズの更なる進化!!
  2. 2.ルアーの飛行姿勢が乱れるの大きな原因とは!?
  3. 3.VGって何?ルアーの飛距離が伸びる魔法のリップ!?
  4. 4.ミノーが泳ぐ原理を解説
  5. 5.科学的にも証明されたルアーの飛行姿勢の安定
  6. 6.実際に飛距離の計測をしてみた!?
  7. 7.ジャクソンのルアーには他にもVG搭載のルアーが

不朽の名作ルアー、アスリートシリーズの更なる進化!!

ジャクソンのアスリートはミノーを中心とした定番ブランド。アスリートの歴史がスタートしたのは28年前。有り難いことに、未だに愛されている製品ということで極めて息の長いシリーズになります。その超ロングセラールアーに追加ラインナップされた、17SSVと17FSV。2019年春に発売された17cmのモデルは、シリーズでも最大の大きさ。SSVはシンキングタイプ、FSVはフローティングタイプです。発売早々、北海道を中心に人気が爆発し、2019年現在は入手困難なルアーの一つとなっています。

ロングミノーの弱点を克服したルアー

17SSV・17FSVの最大の特徴は飛距離。『大きいミノー=良く飛ぶ』とイメージしがちですが、実際には細くて長いミノーをきれいに飛ばすことは難しく、技術がないと投げにくいものです。しかし17SSV・17FSVはそのロングミノーの弱点を解消し、非常に投げやすいロングミノーとなっています。

ルアーの飛行姿勢が乱れるの大きな原因とは!?

ルアーの飛距離が落ちる大きな要因のひとつとして、飛行姿勢の乱れがあります。テールからきれいに飛んでいく時に比べ、飛行姿勢が乱れてしまうと投影面積が増えてしまい、空気抵抗が増加します。それによって急激に失速し、飛距離が低下してしまいます。同じ人が同じように投げていても、『良く飛んだ時』と『飛ばなかった時』があるのは、この飛行姿勢の乱れ具合によるところが大きいわけです。

ならば飛行姿勢が乱れないようにすれは常に『良く飛んだ時』になり、平均飛距離を伸ばすことが出来ます。そこで17SSV・17FSVではリップにボルテックスジェネレーター(以下VG)を搭載しました。

VGって何?ルアーの飛距離が伸びる魔法のリップ!?

VGは自動車や飛行機の空力抵抗を軽減したり、安定性を向上させるために付けられている小さな突起です。この小さな突起で空気の流れを乱して小さな渦をつくり、本体の移動時に後方に出来る大きな渦の影響を軽減するためのものです。17SSV・17FSVではリップの裏面に設けてあります。

ミノーが泳ぐ原理を解説

なぜルアーはブリブリと泳ぐのか!?

ミノーが泳ぐ原理は、水の中でルアーを引くことによりリップで水を受け、そこから受け流された流れがリップ裏面で左右交互に渦を巻きます。その影響で頭が左右に振られて泳ぎを作り出しているのです。これをキャスト時に置き換えると、後方から飛んで行き、リップ裏面(テール側)で受けた空気がリップ表面(ヘッド側)で渦をつくります。その渦によって頭が左右に振られ、飛行姿勢を乱してしまうのです。

科学的に実証された形状

17SSV・17FSVではリップ裏面に適切な角度でVGが設置されているため、VGに当たった空気がリップ表面側で小さな渦をつくり、リップ全体で作られた大きな渦を遠ざけてその影響を軽減し、飛行姿勢の乱れを抑えます。このことはスーパーコンピュータを使用しておこなった流体シミュレーション実験でも科学的に実証されました。

科学的にも証明されたルアーの飛行姿勢の安定

このVGの設置には飛行時のときだけではなくリトリーブして泳がせることも計算しておりますので、キャスト時には効果を発揮するが、リトリーブ時には泳ぎの妨げにならないようにしてあります。

開発時のテストではVGを搭載したサンプルとVGが付いていないサンプルとを用意し、釣り初心者から上級者まで様々なスタッフに何回も投げてもらい、その平均飛距離を拾っていきました。結果はスタッフ全員、VG搭載サンプルの方が飛距離が伸びており、全体の平均では10.3%向上しておりました。

こんな小さな突起で平均飛距離が10%以上向上するということは、にわかに信じがたいことですが(開発した私自身も最初は結果を疑いました)、機会がございましたらぜひ試してみてください。

実際に飛距離の計測をしてみた!?

普段ルアーをキャストして実際何m飛んでいるかは、なかなかわからないですよね。
というわけで、芝生の運動場をお借りして飛距離の計測を行ってみました。

六畳一間の狼SUUくんと釣りジャック井熊亮が実際に芝生の上で、VGありとVGなしを投げ比べて見た動画はこちら!!こちらでもやはり、VGありが安定した飛行姿勢で飛距離UPをしております。

ジャクソンのルアーには他にもVG搭載のルアーが

スピード感という新しいコンセプトの渓流ミノー雫。こちらにもVG(ボルテックスジェネレーター)が搭載されており、どのジャンルどの場面においても飛行姿勢の安定はメリットがあります。リップ周りに発生する空気の渦を小さくすることで、飛行姿勢を安定させるボルテックスジェネレーター。今後も、ジャクソンからリリースされるルアーには、リップに注目して是非一度手にとってみてください。
 

ジャクソンのルアーが気になる方はこちらもチェック!

このほかにも暮らし~のではジャクソンのルアーに関する記事を掲載しています。オフショアでもガンガン使える新作ミノーに興味のある方はこちらもチェックしてみて下さい。

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ピンテールサワラチューンは、ジャクソンの2019年新作ミノーです。評価の高かった「ピンテールサゴシチューン」のサイズアップバージョンで、サワラ向けにウェイトとシルエットを強化。オフショアでもガンガン使えるランカー仕様のルアーに仕上がっています。
河西幸彦
ライター

河西幸彦

ルアー開発のお仕事をしておりますので、ルアーは熟知しております。少しでも皆様のヒントになれればと思います。


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