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サンスベリアの育て方!植え替えの方法や手入れ・増やし方のコツもご紹介!

種類も多い観葉植物のなかでも、場所も取らず、育て方など管理の仕方も手間が掛からないのが「サンスベリア」です。空気の清浄効果があることでも知られていますね。そんな「サンスベリア」の育て方と手入れの方法、増やすのはどの様にしたら良いのかをご紹介してみます。
2020年8月27日
Meigen Oka
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サンスベリア(虎の尾)ってどんな植物

サンスベリアは、熱帯アフリカ、マダガスカル、南アジアの乾燥地帯原産で約70種ほどが自生しています。多肉質の葉を持ち乾燥に強くサボテンに似た性質の植物です。スズラン亜科チトセラン属、学名「サンセベリア・トリファスキアタ」ちなみにトロファスキアタは”3本の横縞”の意味です。英名が、蛇の様にくねりながら伸びる形態が似ていることから「Snake Plant(スネークプラント)」と付けられています。サンスベリアが日本に渡来したのは明治後期の頃で、和名が「アツバチトセラン」。虎の尾の縞のある模様にも似ていることから別名「虎の尾(トラノオ)」とも呼ばれます。

サンスベリア(虎の尾)の特徴

サンスベリアは、地中にある地下茎から多肉質の平たい葉や、棒状の葉茎を伸ばして生育するものや、ロゼット(地面に平たく放射状に葉を伸ばす状態)状になる形状のものがあります。サンスベリアは気温の高い地域が原産ですので乾燥には強く低温や湿度に弱く、サンスベリアを日本で生育させる場合冬期は休眠しますので水やりは行いません。

サンスベリアはCAM植物

多肉植物

多肉植物

植物は通常の光合成を行い夜間は酸素は出しませんが、水分が不足している乾燥地帯が原産のサンスベリアは、サボテン類や多肉植物と同じCAM植物に分類されますので、昼間は気孔を閉じて水分が損失することを避け、涼しくなる夜に気孔を開いてCO2(二酸化炭素)を取り込み酸素を放出します。この様な作用によって、サンスベリア(虎の尾)は空気清浄効果があるとされています。

サンスベリア(虎の尾)はエコプラント

アメリカNASA(国際航空宇宙局)が、宇宙ステーション内の密閉された居住空間において、換気が困難な状態でいかに新鮮な空気を維持するかの研究が行われ、その一環として、「屋内の大氣汚染防止のための植物研究」の結果、サンスベリアなどの観葉植物の特性が、空気清浄効果が期待できると発表され一躍話題となりました。

エコプラントの科学物質削減効果

エコプラント

エコプラント(イメージ)

現在では建築資材や家具類などに使用される新建材に含まれるホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン・キシレン、トリクロロエチレン、アンモニアなどの物質がシックハウス症候群の原因とされています。エコプラントとされるサンスベリアなどを含む観葉植物が、これらの化学物質を取り除く効果があると報告されています。

空気の浄化作用のある観葉植物

スパティフィラム

エコプラント(スパティフィラム)

サンスベリアは、夜間でも酸素を放出し続けるという特性から安眠できる効果があるとされ、アンモニアを除き四つの科学物質を除去すると言われています。ちなみに、エコプラントとされている他の観葉植物は次ぎの通りですが、五つの科学物質のうち一部については除去できるものと除去できないものとがあります。スパティフィラム、アイビー、ドラセナ・マルギナータ、ポトス、アンセリューム、ベンジャミンゴム、インドゴム、アレカヤシ、オリヅルランの各種です。

サンスベリア(虎の尾)の種類

サンスベリアは育て方など管理が易しいことと、スタイリッシュさを持つ利点から人気が高い観葉植物です。そのサンスベリアの種類は原種を含め大変多くあります。

サンスベリアの主な流通品種

主なものとして、流通品種ではお馴染みなのが「サンスベリア・ローレンチ」です。細長い肉厚の葉に黄色の横縞が入ります。特に乾燥に強く、縞模様がきれいな「サンスベリア・ゼラニカ」、幅広のずんぐりした葉をロゼット状に広げる「サンスベリア・ハニー」はコンパクトさが人気です。和名をボウチトセランといい、横縞模様を帯び、棒状に伸びる「サンスベリア・スタッキー」、中型種で、ベロ状の幅広でコンパクトな葉を重なり合せる様に伸ばし、縁取りのある模様がきれいで人気種の「サンスベリア・ムーンシャイン」、小型ですがきれいな銀色の葉を持つ「サンスベリア・シルバーキング」、等々、サンスベリアには他にも希少種など豊富な品種が出回っています。

サンスベリア(虎の尾)の花言葉

サンスベリアの和名は「千歳蘭(チトセラン)」です。千歳とは千年の意で長い年月を経たということから、とても長生きした、お目出度いことの意味に譬えられます。サンスベリアは、乾燥にも強く、寒い冬季には休眠状態でも春にまた土に戻すと生長するという強い特性をもっていることから「永久」「不滅」という花言葉とされています。サンスベリアはこの様な良い解釈の花言葉から、長寿や開業のお祝いなどの贈答にも利用されています。

風水効果

また、サンスベリアの葉の先は尖っていて、真っ直ぐに伸ばすスタイルから、風水環境学では、邪気を払い”陽の気”を発して悪い気を取り除くとされていることから、サンスベリアの空気浄化作用のことにも繋がりがあるのでしょう。玄関や家の陰とされる水回りの場所に置くと邪気を祓うとされています。

サンスベリア(虎の尾)の育て方①


手入れ方法・生育環境

サンスベリアは陽光を好みますが、耐陰性(日光が当らない日影の場所)もありますので、育てる環境としては、明るい場所であれば陽の光が射さない場所でも生育しますが、湿気に弱いので湿度の高い場所では根元から腐ってしまう場合がありますので注意しましょう。また、サンスベリアは気温が10℃を下がると生育を止めて休眠状態になりますので水をまったく与えてはいけません。冬の間は鉢から抜いて株ごと新聞紙に包んで湿度のない場所に寝かせて置き、春になって鉢に植え戻す方法も手段のひとつです。

サンスベリア(虎の尾)の育て方②

手入れ方法・置き場所

サンスベリアを置く場所は、春から秋にかけては明るい陽差しが入る場所がベストです。耐陰性があるので、少々日光が当らなくて生育しますが、まったく陽が当らないと葉が軟弱になってしまいます。夏場の直射日光は葉焼けを起しますから、レースのカーテン越しに置く様な育て方をします。冬季は気温10℃以下になると休眠します。温かい部屋で育てれば良いだろうと思われますが、常に室温が15℃程度を保っていれば問題ありませんが、昼と夜の温度差がある、特に夜間10℃以下になってしまうのはNGです。

サンスベリア(虎の尾)の育て方③

手入れ方法・水やり

サンスベリアを育てるなかで一番難しいのが水やりです。気温や湿度によって水やりの方法も変ります。サンスベリアは多肉植物と類似しているので、葉に水分を蓄えておく性質があります。乾燥には強いので水やりは控え目にします。水を与え過ぎると地下茎が腐り株が根元から枯れてしまいますから、水やりには十分注意が必要です。

注意したい水やり

水やり

水ヤリ・ジョーロ

サンスベリアの水やりでは注意しましょう。春から秋にかけては鉢の用土の表面が乾いていたら指で触ってみて、まったく水気を感じない様でしたら鉢底から水が出るまでたっぷりと水を与えます。周期としては1週間か10日おき程度で確認をして水やりをします。鉢皿を敷いている場合、水を溜めたままにしておくのはNGです。葉には適宜霧吹きをして柔らかい布かティッシュペーパーでホコリなどを拭き取りましょう。11月末~3月中旬頃までは水やりはしません。また、植え替え、株分けをしたら一定の日数は水やりをしないでおきます。

サンスベリア(虎の尾)の育て方④

手入れ方法・肥料

肥料は植物などに与えるとしっかりした強い株になり生長を助ける役割をします。但し、むやみに与え過ぎると肥料焼けを起し、却って枯らしてしまうことになりますから、植物に合った用法と適量を与える様にすることが大切です。観葉としてサンスベリアは室内に置くものですから、臭気が有って虫も発生しやすい有機質肥料は不可です。成長期の春から秋にかけて1ヶ月に1回程度、緩効性の化学肥料を与えます。または、希釈した液体肥料を月に2回程度与えても良いでしょう。冬季は与える必要はありません。

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サンスベリア(虎の尾)の育て方⑤

手入れ方法・植え替えて元気に育てる

サンスベリアは生育が早く、直ぐに地下茎が伸び過ぎて鉢いっぱいになってしまいますので、放置すると根詰まりを起して株を弱らせてしまいますので、植え替えをして元気に育てます。2年に1度か出来れば毎年植え替えを行うと良いでしょう。適期は生長の始まる5月~6月初旬頃です。一回り大きめの鉢を用意するか、株分けにします。

植え替え手順

植え替え

用土

株を鉢から抜き、根元を水でざっと洗い流します。そのまま風通しの良い所に水気を取って1日ほど乾燥させます。植える鉢を用意し、底に大粒の軽石を敷き、水捌けの良い用土(赤玉土小粒5:軽石小粒か鹿沼土小粒3:腐葉土かバーミュキライト2)に株を植え付け、隙間が出来ない様にヘラか棒で突いておきます。植え替え後は直ぐに水は与えずに10日ほど経てから与えます。株を寄せた場合は落着くまでヒモで軽く縛っておくと良いでしょう。

サンスベリア(虎の尾)の育て方⑥

手入れ方法・増やして育てる

サンスベリアを増やして育てるには、株分けなどで比較的簡単に行えます。生育が速く良く育つ植物ですので成長期には株元から幾つも新しい芽を出し葉数を増やします。その様な場合の方法として、増えた株を植え替え時に株分けをすると良いでしょう。また、葉挿しや水挿しの方法もあります。小型の品種のものでしたら水挿しの仕方と同じハイドロカルチャーとして楽しむこともできます。

株分け


株分けの適期は植え替えと同様5月~6月です。株分けを行うには、湿度の多い梅雨時と真夏の高温時、冬はもちろん避けます。鉢から抜いたら根を洗い、ハサミかカッターナイフで地下茎を3株ずつに切り分けます。白っぽい色の子株が付いていたら、そのまま傷を付けない様に親株に付けておきます。発根剤に一度浸け、一両日乾燥させた後にそれぞれを植え込み株分け完了です。すぐに水やりはせず、10日ほど置いてからにしましょう。

葉挿し

葉挿しも、後で述べる水挿しも途中までは要領は同じです。5月~7月頃までが適期で、根元から切り取った葉を約10cm間隔で切り分けます。切り口を挿しますので、マーカーで挿し口に目印を付けておきます。発根剤に浸けてから一両日乾燥させ、用土(赤玉土小粒4:鹿沼土小粒4:バーミュキライト2)に目印を付けた方を4~5cm程挿し込みます。水やりをせずにおいて1ヶ月程で発根します。新しい芽が出てから十分に伸びたら鉢に植えます。注意したいのは、斑入りの葉挿し(水挿しも同じ)を行うと原種に戻り斑が消えてしまうことがあります。

水挿し

水挿しとは、水に入れたままで発根させる方法です。観葉植物のポトスやアイビー、カボック、モンステラ他なども水挿しで発根が可能です。サンスベリアも葉挿しと同様切り分けた葉の根を出す方を容器に入れた水に入れます。水挿し適期は生長期の5月~6月で、真夏や休眠期に入る秋は避けましょう。水挿しでは水の取替えに注意が必要です。水は腐りやすいですから2日に1度程度は必ず容器の水は新鮮な水に替えます。真夏の気温の高い時期は水はすぐにぬるま湯の様になりますから毎日取り替えます。水挿しで十分に根が伸びたら鉢に植えます。

サンスベリア(虎の尾)の育て方⑦

手入れ方法・ハイドロカルチャーで育てる

水挿しとやり方は同じで、違いは水を入れた透明のガラス容器のなかに「ハイドロボール(発泡煉石)」という粘土質の土を高温で焼き、多孔質の小粒状にした園芸用土を入れ、植物を挿して生育させ観賞するものです。水の交換が難しいため、根腐れ防止剤をまず容器の中に入れておきます。水挿しと同様発根して根が落着いたら水耕栽培用の液体肥料を2週間に1度程度与えます。株分けをした子株でもOKです。

冬の管理

冬の管理

温室

難しいのは冬の管理方法です。観葉植物は冬は苦手とします。サンスベリアをハイドロカルチャーにして育てている場合、冬の管理は、日中は窓越しの温かい日光に当て、夜間は出来れば室内の温度が10℃以下にならない場所に置き、ダンボールなどを被せて、なお毛布などを掛けるなどの工夫が必要です。

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サンスベリア(虎の尾)の育て方⑧

手入れ方法・病害

サンスベリアは割合に病害には強い植物ですが、病害としては、「斑点病」や「立枯病」が心配されます。冬の休眠に入る前に殺菌剤を散布しておくと予防に役立ちます。

斑点病

葉に小さな褐色を帯びた斑点が出来、病斑が次第に大きくなると葉全体が生育不良となって弱ってきます。風通しが悪かったり、葉が密植状態になったりしていると発症しますので、こまめに株分けをするか、風通しの良い場所に置く様にします。他の葉に感染しない様に発症した葉を早めに取り除き殺菌剤を散布します。

立枯病

病害

病害の葉

立枯病はサンスベリアに限らずあらゆる植物に発症する病害です。土壌から感染する病害で病原菌は糸状菌(カビ)で、株の内部で冬を越し、春になって胞子が飛び散ります。最初に根や地下茎が感染しますので株元が褐色に変色して、放置すると根元から腐れて枯れてしまいます。病変に気付いたら病葉茎を取り除き廃棄して、殺菌剤を散布します。

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サンスベリア(虎の尾)の育て方⑨

手入れ方法・害虫対策と防除

サンスベリアは乾燥に強い植物ですので、湿気があまり無いので害虫などには比較的強いのですが、まったく発生しない訳ではありません。早期発見が絶対条件ですが、見つけたら直ぐに戸外に出して殺虫剤を散布します。サンスベリアは湿気を嫌いますが、時折葉水を掛けて直ぐに柔らかい布かティッシュペーパーで拭き取ることを心掛けると防除対策になりますし、発見も早いでしょう。また、植え替えや株分け時に浸透性殺虫剤をバラ撒きし、用土を薄く被せておくと発生を抑えられます。

ハダニ


害虫・ハダニ

ハダニ

乾燥を好む害虫で「ハダニ」があります。1mmに満たない程小さく葉裏に寄生するので見つけにくいのが難です。

アブラムシ

害虫・アブラムシ

アブラムシ

2~3mm程で最初は葉色と同じ緑色をしていますので、見つけるのが遅れてしまい勝ちです。葉茎の養分を吸汁して弱らせてしまい、排泄物がスス病などの誘引となります。

カイガラムシ

カメムシの仲間で、体長は3mm程。最初は白い綿毛状のものに覆われていますが、次第に黒褐色を帯びたロウ状の硬い物質に覆われて、見た目も悪く、葉茎の養分を吸汁して弱らせてしまいます。

ナメクジ・ダンゴムシ

害虫・ナメクジ

ナメクジ

戸外などに一時出しておいた時などに注意したいのが、「ナメクジ」や「ダンゴムシ」です。ナメクジは、葉茎を這い回り食害します。粘液状の白っぽく光る這った後が残りますので、見つけ次第割り箸などで駆除します。一方、ダンゴムシは鉢底などに無数に発生します。見た目も悪く、室内に入れた時など這い周りますから、室内に取り込む時に鉢底を良く確認して下さい。

サンスベリア(虎の尾)の育て方⑩

手入れ方法・花を咲かせよう

珍しいことですが、サンスベリアは年数を経て、株が大きくなると花を咲かせます。花の形状は筒状の「穂状花序(すいじょうかじょ:長い花軸に小さい花を無数に付ける)」で良い香りを漂わせます。花を咲かせる時期は8月から秋口にかけてが一般的です。花は月下美人と同じ夜間に咲き、明け方には花を閉じます。夜に咲く花は香りが強いものが多いのですが、これは、僅かに出る花蜜に集まる夜行性の昆虫などを誘引するためです。花を咲かせるには前述した管理を怠り無く、適当な施肥や植え替えなども心掛ければ時間は掛かりますが、いつか花を見ることが可能となるでしょう。

まとめ

サンスベリアの育て方も容易で、生育も速く株分けなどで簡単に増やせる植物です。見た目もスタイリッシュで置く場所にも困りません。近年空気清浄効果があるとされて急に人気が出た観葉植物です。但し、生きている植物ですから、管理を怠ると弱らせて枯らしてしまう場合もあります。そんなサンスベリアの育て方や手入れの方法などをご紹介してみました。

サンスベリアをもっと知りたい方はこちらもチェック!

記事をお読みになって「サンスベリア」に興味を抱かれた方は、「暮らし~の」では他にもサンスベリアの事や他の観葉植物に関連した記事をご紹介していますので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。