えごまとは?
えごまとは、みなさんがよく知っているごまとは全く違います。えごまは一年草の植物で、しそ科植物です。薬味などによく用いられる青しそによく似た葉をつけることが特徴です。日本では近年、健康食品として気になる効果、効能が人気を集めています。もともと、韓国ではえごまの文化があり、葉を食しています。
えごまの原産地
えごまの原産地は、日本ではなく、インドの高地や中国の雲南省の方から入ってきたと言われています。インド、中国から韓国に入り、日本へ渡ってきたというルートです。日本でえごまが使用されるようになったのは縄文時代からと伝わっており、えごまの実が発見された場所はかなり曖昧な部分が残っています。
日本のえごまの産地
日本の中でのえごまの栽培産地は幅広くなっています。理由は、えごまが冷涼な気候でも、温暖な気候でも栽培可能のためです。東北から北海道が昔は多かったようですが、最近では日本海側の福島県の高原でも栽培されているようです。温暖気候でも栽培できるとはいえ、高原などの気候が適していると言われています。
えごまとごまの違いとは
えごまとごまの違いで、まずご紹介するのが植物の科の違いです。えごまは先ほど紹介しましたが、しそ科です。一方、ごまはゴマ科です。種子の形も栄養成分にも違いがありますので、詳しくご紹介します。えごま油とごま油の作り方では、どちらも種子を焙煎し、そこから搾油して作るため、作り方は同じです。
えごまとごまの形の違い
ごまの形は皆さんご存知かと思いますが、卵型です。一方、えごまの形は綺麗な球形をしています。葉の形も違っていて、えごまの葉の形はしその葉に似ています。ごまの葉も一見しその葉に似ていますが、周りのギザギザが細かいのがごまの葉です。油にするとわからないですが、えごまの形とごまの形は全く違います。ぜひ、えごまを種子のまま見ることがあれば、ごまと見比べてみてください!
えごまとごまの栄養成分の違い
えごまとごまの栄養成分にはどちらも共通して不飽和脂肪酸が含まれています。脂肪酸は人間が生きていく上で必要ですが、体内で作られない必須栄養成分でもあります。取りすぎは体に良くないですが、不飽和脂肪酸はエネルギーに変わりますので、一定は必要です。その不飽和脂肪酸には種類があり、えごまにはαリノレン酸が含まれますが、ごまにはそれが含まれません。これが大きな栄養成分の違いです。
えごまの気になる栄養成分・効能をご紹介!
それでは、ここから、えごまの気になる栄養成分とその効能、効果をご紹介します!動物性脂肪は取りすぎると、肥満につながりますが、植物性脂肪には、不飽和脂肪酸が含まれ、これは人間が自力で作り出せない必須の脂肪酸です。これらは、血中のコレステロールを下げる働きがあります。では、それぞれの効果、効能を詳しくご紹介します。
えごまの気になる栄養成分・効能とは①
初めに紹介するのは、えごまの栄養成分で一番重要なαリノレン酸です。多価不飽和脂肪酸と言われ、体内に入ると、EPAやDHAなどの青魚によく含まれる栄養成分に変換されます。えごまにはアラギドン酸と言われる別の不飽和脂肪酸が含まれますが、こちらは過剰摂取するとアレルギー症状を引き起こします。そのアレルギー症状の発生を抑制する役割をこのαリノレン酸が担っています。
αリノレン酸
αリノレン酸が体内に入った時の効果、効能は先ほど紹介したように、EPAやDHAを作ることが大きな役割です。これらを生成することで、近年ではうつ病の発生を防ぐと調査発表がされました。また、αリノレン酸を摂取することで、心血管疾患の発症危険性が下がるという効果もあると言われています。
えごまの気になる栄養成分・効能とは②
次に紹介するえごまの栄養成分は、同じく不飽和脂肪酸のアラギドン酸です。アラギドン酸は注意点として、過剰摂取により、アレルギー症状を引き起こしてしまう危険性があります。しかし、えごまにはこのアレルギー症状を抑えてくれるαリノレン酸が含まれていますので、これがえごまの人気の秘訣です。
アラギドン酸
アラギドン酸の気になる効果は、人間に必要な脂肪酸であると同時に、人間の「学ぶ」習慣に大変深い関わりを持っています。また、学ぶだけではなく、物忘れなどの記憶力にも関わっている栄養成分です。人間はアラギドン酸を体内で作ることもできますが、十分でないことから、肉や卵、そしてえごまのような健康食品から摂取する必要があります。
えごまの気になる栄養成分・効能とは③
次に紹介するのは、リノール酸です。リノール酸も他の栄養成分と同じ効果があり、血中のコレステロールを抑える役割があります。リノール酸は動物油にはなく、植物油に多いです。えごま油の他に、ひまわり油やとうもろこし油に含まれます。やはり、動物性油よりも植物性油の方が健康にも良い効果がありますので、健康のためにもえごま油や他の植物油を選んでみてください。
リノール酸
リノール酸も同じく、必要脂肪酸ですが、過剰摂取には注意点が存在します。リノール酸を過剰に摂ってしまうと、大腸癌などの危険性があります。また、アレルギーの悪化の危険性もありますので、こちらも注意点です。髪の毛や肌の油分の補給に効果があり、石鹸や、ヘアクリームなどの工業的な用途で広く知られています。
えごまの気になる栄養成分・効能とは④
次に紹介するのは、脂肪酸とは違って、βカロテンです。βカロテンは体内に入ることで、ビタミンAに変換される栄養成分です。ビタミンに共通いて言える効果、効能は病気に対する免疫力と向上させ、老化防止にも繋がります。
βカロテン
βカロテンは体内に入るとビタミンAに変換されることは紹介しましたが、そのビタミンAは特に、皮膚や生体内の粘膜の健康促進に効果があります。ビタミンAは男性では1日に300〜650μg、女性では1日に250〜500μgと言われています。注意点としてはあまり多く取りすぎないことですので、えごま油も適量摂取してくださいね。
えごまの気になる栄養成分・効能とは⑤
最後にご紹介するのは、えごまの香り成分である、ペリラケトンです。ぺリラケトンは、人間には害はありませんが、牛などの反芻動物に対しては大量に摂取すると毒だと言われています。この他にも、エゴマケトンというえごまの香り成分もあります。香り成分は料理した時に食味の向上にも働きますし、食欲向上にも繋がります。
ペリラケトン
ペリラケトンはえごまの葉や種子に含まれている香り成分です。えごまの葉に含まれていることからわかるように、えごまはしその味と似ています。シソの葉にもこのペリラケトンが含まれています。えごまはエゴマ油としてだけではなく、えごま茶としても食されます。このえごま茶もシソ味で爽やかな味わいです。
えごま油とは
えごま油というのは、その名の通り、えごまから作られた油です。えごま油の味はシソ味で、原料が100%えごまの場合は、約60%以上のαリノレン酸が含まれていると言われています。詳しくは各えごま油の成分表示をご覧ください。このリノレン酸は先ほどご紹介したように食生活には欠かせない脂肪酸です。
生活習慣予防につながる
えごま油には、不飽和脂肪酸のリノール酸、オレイン酸、リノレン酸が含まれていますので、血中のコレステロールを下げる働きがあります。そのため、生活習慣病の肥満を促進することを防ぐ役割があります。また、心血管疾患や動脈硬化などの生活習慣病予防にも繋がります。その理由は、αリノレン酸が体内に入った時に、動脈硬化を予防するEPAやDHAに変換されるためです。
えごまの気になる注意点とは
えごま油は、ここまで紹介した中ではとても健康に良い油だとわかります。しかし、正しい量や使い方がありますので、それを守ることが大切です。具体的に何を気をつけるべきかの注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
加熱しない
油は通常料理に使う時に、フライパンに敷いて加熱して使います。しかし、えごま油に含まれるオレイン酸などの不飽和脂肪酸は加熱はおすすめしません。なぜなら不飽和脂肪酸は酸化しやすく、加熱によって促進されるためです。もし、加熱して酸化すると体に悪い油に変わってしまいます。そのため、注意点として、料理に使うときは加熱せずに料理に混ぜ合わせるだけにしましょう。
1日の摂取量を守る
次の注意点は、1日の摂取量を守ることです。成人男性、女性が1日に摂取するべき不飽和脂肪酸は、だいたい2.0gです。これをえごま油の成分で換算すると、3.4gとなります。量にすると、だいたいティースプーン1杯分です。健康に良いとは言え、食べすぎは栄養の過剰摂取になりますので、この注意点は十分に守ってくださいね。
えごま油を使おう
えごま油は風味の良い調味料です。どのようなおかずに使っても好評ですよ。しかし、適正量や、加熱をしないといった注意点がありますので、こちらは気をつけるようにしてくださいね。新鮮な野菜を使ったサラダが特にえごま油の風味が際立ちますので、ぜひ試してみてください!
新鮮サラダ
えごま油はしその風味もあり、何にかけてもよく合います。新鮮な野菜に、塩とえごま油をかけて食べるだけでも美味しいサラダになります。新玉ねぎやトマト、アスパラガス、きゅうりなどでが人気です。お好みの野菜と一緒にえごま油をかけて健康的な食生活をしてみてはいかがですか?
・お好きな野菜 適量 ・塩こしょう 少々 ・えごま油 ティースプーン1杯
まとめ
いかがでしたか?気になるえごまの栄養成分やその効果、効能を詳しくご紹介してきました。えごまには、人間の食生活に必要な不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。そのため、えごま油を使うことは健康的な食生活に繋がります。しかし、健康に良いえごま油ですが、使う時に注意点があります。その注意点は、使用する時に加熱しないこと、適正量を守ることがあります。この2点には十分注意して、えごま油を料理に使ってみてください!
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