自転車メーカーのジャイアントとは
ジャイアントは1971年に創業した台湾の総合自転車メーカーです。外注時代に蓄積したノウハウを利用して自社ブランドを立ち上げ、素晴らしい自転車を作っています。ジャイアントの作る自転車はコストパフォーマンスが良いことで有名で、高額なグレードに手が届かない入門者や中級者に支持されています。コストパフォーマンスの良い自転車を作る一方で、その技術は高く、トップグレードにあってはグランツールで活躍するようなプロライダーに愛用されています。
ジャイアント・TCRシリーズとは
シリーズの特徴
TCRシリーズはジャイアントのラインナップの中でも、峠道のヒルクライムから平地の高速巡行、石畳の様な悪路走破までオールマイティに使用する事が出来るシリーズです。TCRシリーズは優れたフレームレイアウトによりシャキッとした踏み心地のフレームが多いのが特徴です。また、使用者のレベルに応じてフレームの素材や構造を採用しており、どんなライダーでも自分のレベルに応じたライディングが楽しめます。
コスパが良いロードレーサー
ジャイアントは非常にコスパのいいメーカーです。TCRシリーズは本格的なロードレーサーにも関わらず、同じ様なスペックのロードレーサーを他のメーカーの8割ほどの購入金額で購入する事が出来ます。ロードレーサー本体を安く購入し、余った予算でホイール交換等のカスタムを楽しむのも良いでしょう。TCRシリーズは安かろう悪かろうではなく、確かな品質がありますのでロードレーサーに乗ってみた初心者の方におすすめです。
ジャイアント・TCRシリーズの特徴
高品質のアルミフレーム
初心者、入門者向けのTCR・SL/SLRについてはSLはALUXX SL-Grade Aluminumという重量剛性比を最適化した軽量のアルミフレームを採用しています。SLRについてはALUXX SLR-Grade AluminumというSLモデルより高性能なアルミ素材使用しています。アルミフレームのインプレですが、素材の特性上、衝撃吸収能力が低いので慣れないうちはおしりが痛くなってしまうかもしれません。その代わり瞬発力は上位のカーボンフレームに匹敵します。
しなやかで強靭なカーボンフレーム
中級モデルから上のグレードについてはAdvanced-Compositeというカーボン素材でできたフレームとなります。ジャイアントではグレードごとにカーボンの材質や貼り合わせを工夫してライダーのレベルに最適化しています。フレームのインプレですが、全体的にタテ方向の剛性が高くとても軽量で踏めば踏むだけ進むような剛性感のあるフレームです。その代わりシートポスト周辺はしなやかでロングライドも問題ありません。
ジャイアントのコンポーネントの特徴
ジャイアントのTCRシリーズはグレード毎にコンポーネント(変速機やブレーキ)を変えています。初心者、入門者向けのTCR SL/SLRについてはシマノTIAAGRAや105を中心とした20速のエントリーグレードを採用しています。中級車から上のグレードについてはシマノULTEGRAやDi2(電動変速)の22速を採用しています。
ディスクブレーキモデル
最近の流行であるディスクブレーキのモデルも充実しています。ディスクブレーキはリムブレーキに比べ雨天時の効きが良く、メンテナンス性にも優れています。ジャイアントでは中級モデルから上位モデルにディスクブレーキを搭載しているモデルがあります。ディスクブレーキ搭載モデルは他のメーカーでも増えており、今後ますます普及していくでしょう。
ジャイアント・TCRシリーズの売れ筋
TCR ADVANCED 1 KOM
TCR ADVANCED 1 KOMはTCRシリーズの中で、「ヒルクライム」に特化したモデルになります。KOMはKing-of-Mountainの略になります。ヒルクライムは主に峠道をレース会場とし、麓からスタートして頂上のゴールを目指す競技です。ヒルクライムは他の種目に比べて平均スピードが遅いため転倒した際のダメージが低く、他のロードレースに比べて安全性が高いのが特徴です。
KOMの特徴
TCR ADVANCED 1 KOMの2019モデルは軽量化に特化したフルカーボンフレームを採用しており、ヒルクライムで重要な軽量化と脚力を逃さない高剛性の両立を図っています。コンポーネンツはシマノULTEGRAをフルで採用しています。また、コストパフォーマンスがとても良く、上記のスペックで約25万円で購入できます。インプレはフレーム自体の性能が高く、軽量化とタテ方向の剛性が高い印象でした。
TCRシリーズ各モデルの違い
フームの素材による違い
ジャイアントTCRシリーズのモデルによる違いですが、フレームの材質で分かれます。初心者~のグレードにはアルミフレームとカーボンフォークのセットになります。アルミの品質は6000番台の高品質のアルミとなり、アルミ素材の中でも高品質のグレードになります。中級者〜のモデルではカーボンフレームにカーボンフォークのセットになります。上級者〜のグレードではもちろん最高品質のカーボンをフレームとフォークに採用しています。
コンポーネントによる違い
コンポーネントに関しては初心者用のモデルでは20速仕様のTIAGRAか105となります。中級者からのグレードでは22速のULTEGRAがメインになります。シマノのコンポーネントは作動が安定しており、下級グレードのTIAGRAであっても十分は変速性能を持ちます。上級グレードは電動シフトやカーボンなどの先進素材を使用して軽量化を図っています。
TCRの特徴とインプレ(入門モデル)
ジャイアントTCR SL2
TCR SL2はTCRシリーズの中では初心者モデルとなります。これからロードバイクを始めてみたい方や、通勤の足として使用したいライダーにもってこいのグレードです。インプレはアルミならではのシャキッとした心地が特徴で、街中での信号ダッシュや急な坂道がとても楽しいです。コンポーネントは20速のTIAGRAが採用されています。コスパの非常に良い初心者モデルになります。
ジャイアントTCR SL1
ジャイアントTCR SL1はSL2のコンポーネントをシマノ105にグレードアップしたモデルになります。アルミフレームはカーボンフレームに比べ扱いやすく(カーボンは倒しただけで割れてしまう可能性が有る)駐輪場などにも気軽に駐車できるるためロードレーサーの扱いに慣れていない初心者でも安心して乗る事ができます。
ジャイアントTCR SLR2
TCR SLR2は上で紹介しました「TCR SL2」の上位モデルとなります。TCR SLR2のコンポーネントはシマノ105で統一されています。他のメーカーはシフターやディレイラーだけシマノで、ブレーキやクランクは3流メーカーの部品を採用するのが普通ですが、TCR2はすべてシマノ105で統一されています。
ジャイアントTCR SLR1
ジャイアントTCR SLR1はコンポーネントにULTEGRAをフルで採用しており、アルミフレームモデルのトップグレードになります。SLR1はSL1と同じフレームですが、軽量化が進んでおりフレーム単体では960gという非常に軽いフレームを採用しております。そのため車両重量は全体で8kgととても軽量です。基本性能が良いモデルですので、初心者から中上級者のサブ機まで幅広く対応できるロードレーサーです
TCRの特徴とインプレ(中級モデル)
ジャイアントTCR ADVANCED2
TCR ADVANCED2ですが、ジャイアントの中で、このグレードからフレームにカーボンを採用しています。カーボンの品質自体は上位モデルより劣りますが、同じ成形技術を採用していますので全体の性能はかなり高いモデルになります。インプレですが、カーボンフレームの特徴である振動吸収性が良く、上位モデルに比べ乗り心地が良い印象です。他の性能もバランスよくまとまっており、サンデーレースやロングライドまで柔軟に対応できるオールラウンドな中級モデルです。
TCR ADVANCED 1 KOM
TCR ADVANCED 1 KOMはヒルクライムに特化したモデルで、最軽量のフレームを採用し、11-34Tの上り専用のギアを採用しています。軽量化に特化したフレームですが縦方向の剛性はしっかりしており、ペダリングの力をしっかりと後輪に伝えます。タイヤとホイールは純正で軽量なチューブラーホイールですので後から交換しなくても大丈夫です。
TCR ADVANCED 1 SE
TCR ADVANCED 1 SEはPOWER PROというジャイアント自社製のパワーメーターを装備しています。パワーメーターはペダリングの力を数値として表示するパーツです。そのためトレーニングやロングライドで自分の脚力を客観的に見ながら走ることが出来ます。フルカーボン+フルULTEGRA+パワーメーター装備で30万円弱ですので非常にコスパの良いモデルです。
ジャイアントTCR ADVANCED PRO1
ADVANCED PRO1はTCRシリーズの中で中級モデルとなります。ADVANCED PRO1はフロント及ぶリアブレーキに油圧ディスクブレーキを採用したモデルになります。ディスクブレーキは天候の変化、特に雨天時での制動に優れており、さらにホイールのリムを傷めないので高額なホイールでも日常使いができるメリットがあります。ADVANCED2はオールラウンドが特徴のモデルでしたが、PRO1はさらに全天候型のオールラウンドモデルとなります。
TCRの特徴とインプレ(上級モデル)
ジャイアントTCR ADVANCED SL
TCRシリーズの中でのADVANCED SLは上級者・プロのレーサーが使用するトップグレードになります。価格は60万円を超えますので一般ライダーにはなかなか手が届かないモデルではありますが、ジャイアントの最新技術と最高品質のカーボンを惜しみなく使用したフレームは軽量・しなやかさ・高剛性という相反する要素すべてを高レベルで達成しています。インプレはまさにプロ用の器材ですので、とても硬い乗り心地ですのでしっかりライディングフォームが出来ていないと少し辛いかもしれません。
2019モデルのスペック(初心者モデル)
ジャイアントTCR SL2
TCR SL2の2019年モデルですが2018年と同様にフレームはALUXXSLという6000番台アルミフレームを採用しています。ジャイアントのシリーズでは一番下のフレームになりますがアルミの利点を生かした高剛性のフレームになります。フロントフォークには2018モデルと同様にOVERDRIVEフォークというカーボンフォークを採用しています。メインのコンポーネントは2018モデルと同様にTIAGRAですがブレーキなど一部にTEKTRO等の部品が採用されていますので、気に入らなかったら交換してしまうのも手でしょう。
2019モデルのスペック(中級モデル)
ジャイアントTCR ADVANCED2
中級者向きのモデルであるTCR ADVANCED2の2019モデルのスペックですが2018モデルに比べ更に軽量化と剛性をアップさせています。フレームは上位モデルのADVANCEDPROと同じフレームを採用しています。2018モデルと比べてさらにオールラウンド性能を高めていますので、初心者からのステップアップした中級者にベストな選択となります。このモデルの他にも油圧ディスクブレーキを採用したモデルやヒルクライムに特化したモデルありますので、使用目的に応じて選ぶことが出来ます。
2019モデルのスペック(上級モデル)
ジャイアントTCR ADVANCED SL1
ADVANCEDSL1の2019モデルですが、フレームは2018モデルと同様にOPTIMIZED TUBE SHAPINGというフレームの最適化技術を採用しジャイアント最高性能の剛性/重量比と操作性と快適性を両立しています。コンポーネントは2018モデルと同様にシマノULTEGRADi2という22速の電動シフトを採用しています。2019モデルと2018モデルの違いはカラーリングとなり2018もでるはブラックメインでにジャイアントのロゴがイエローでしたが2019モデルはブラックにブルートいうスタイリッシュなカラーリングとなりました。
2019年おすすめのTCR(初心者)
ジャイアントTCR SLR 2
初心者・入門者のおすすめのモデルはSLR2をおすすめします。2019モデルは2018モデルのカラーリングを変更したモデルになります。SLR2はエントリーグレードとしての日常での使いやすさを追求したグレードでですが、アルミフレームの硬さによりヒルクライムレースなど瞬発力が活かせるレースにも出場できるでしょう。コンポーネントがシマノ105で統一されていますので、ブレーキなど、特に購入してからする様な部品はありません。コスパが非常にいいのでロードレーサーに乗ってみたい初心者に最適です。
2019年おすすめのTCR(中級者)
TCR ADVANCED PRO TEAM 42
TCR ADVANCED PRO TEAM 42は上位モデル(ADVANCED SL)の技術のすべてを採用したフレームにOD2規格のフルカーボンフォークと
リム高42mmハイトのフルカーボンホイールを採用したモデルです。このスペックで35万円ほどですので破格といっていいモデルです。カラーリングもチームカラーで目立ちます。
2019年おすすめのTCR(ヒルクライム)
ジャイアントTCR ADVANCED 1 KOM
ヒルクライムレースにおすすめなモデルはADVANCED1KOMになります。2019モデルは2018モデルと同様に軽量化に特化したフレームヒルクライムに最適化されたギア(11-34T)を装備しています。ヒルクライムは機材の重量がとても需要な要素になりますので1gでも軽い方がタイムの短縮に繋がります。2019モデル2018モデル共に全体重量が8Kgを切っており、最軽量な部類に入ります。
2019年おすすめのTCR(ロングライド)
ジャイアントTCR ADVANCED PRO 1 DISC
ロングライドでおすすめしたいモデルはADVANCED PRO 1 DISCとなります。金額は高いですがディスクブレーキの安定性のおかげでロングライド時の雨にも対応できます。2018モデルとの違いはホイールです。2018モデルよりも高いリムハイトのホイールを純正採用しており、空気抵抗が小さくなりますのでロングライドの平均速度のアップにつながります。
ジャイアント・TCRシリーズのライバル
MERIDA
MERIDAはジャイアントと同じ台湾の自転車メーカーです。エアロデザインが特徴で、エントリーモデルでも空気抵抗の少ないフレームの形状になっています。また、コスパも非常によくジャイアントとよく比較されます。まだまだ知名度の低いメーカーですが、今後ジャイアントの強力なライバルになるでしょう。
ブリジストン・ANCHOR
ANCHORは日本のブリジストンが制作するスポーツバイクのシリーズです。日本製ですので品質が良く、日本人の体形に合った自転車作りで有名です。アルミやカーボンフレームだけではなくクロモリ(スチール)フレームのロードレーサーも作成しており、バラエティに富んだラインナップが特徴です。
ジャイアント・TCRシリーズまとめ
ジャイアントTCRシリーズのインプレと2019モデルを紹介しましたが、TCRシリーズは入門者や中級者をメインとしたエントリーグレードのモデルとヒルクライム特化型やプロレース用に分かれていますので選ぶ側にとっては非常にわかりやすいです。初心者用のグレードのアルミフレームでも性能に問題はありませんし、中級以上のカーボンフレームも軽量と剛性を両立しています。コンポーネントを含めた金額が安いので非常にコスパが良く、どのレベルの方も満足できるでしょう。
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