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西洋芝の特徴と育て方を解説!種まきの時期や方法、日々の管理は何をする?

西洋芝と日本芝は特徴や育て方が違い、管理方法も異なります。西洋芝はシート苗ではなく種まきでふやすのが一般的。ただ、シート苗よりも若干手間がかかるので基本をしっかり押さえておきましょう。日本芝よりも美しい西洋芝、庭を明るくしたい方におすすめです。
更新: 2022年1月27日
吉岡てんぱ
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西洋芝の特徴

Photo by PinkMoose

西洋芝はその名の通り、本来に日本には生息していなかった芝です。そのため、日本に自生している芝よりも手入れがやや難しく、気候によっては全く生長せずに枯れてしまうこともあります。西洋芝は色が明るく美しいためゴルフ場やグラウンドで利用されることが多いですが、害虫による芝の食害を防ぐには農薬の散布が必須。日本芝よりも手入れが難しい西洋芝を利用したが故に農薬による環境破壊が問題視されている地域もあるので、家庭で西洋芝を育てる際は除草剤・農薬の使用には十分配慮しましょう。

西洋芝と日本芝の違い

Photo byPexels

日本で栽培されている芝は「日本芝」が最も多く、次いで「西洋芝」が多いです。日本芝は日本に自生している芝なので管理や手入れが簡単ですが、冬に休眠するという特徴があります。そのため、冬も美しい緑色を保つために夏の気温が低い地域では耐寒性の強い西洋芝を単独で植え、夏の気温が高い地域では日本芝と西洋芝を混合して植えることもよくあります。

違い1.西洋芝の方が葉が美しい

Photo byPublicDomainPictures

日本芝は葉の色が深いものが多く、葉の幅が広いという特徴があります。一方西洋芝は葉の色が明るく葉が細い品種が多いです。西洋芝は葉が柔らかく、芝に寝そべったときにふわふわとした感触が。素足にも気持ちがよいので、西洋芝は一般家庭のグラウンドカバーにも向いています。

違い2.西洋芝は西日本では育ちにくい

西洋芝は寒冷地向けの芝なので、西日本では育ちにくいという特徴があります。ただ近年は東日本や北日本でも気温が上昇傾向にあり、今まで難なく育ってきた西洋芝が「夏枯れ」を起こしたという例も出てきました。西洋芝を自身で張る際は芝を購入する店舗等で最近の傾向を尋ね、場合によっては西洋芝ではなく日本芝を張ることも検討しましょう。

違い3.西洋芝は冬も緑を保てる

日本芝は夏の暑さや湿度にも耐性があり、梅雨時期でも元気に育ちます。しかし冬になると葉が茶色く変色し、抜け落ちるという特徴が。一方西洋芝は耐寒性が強いので、寒い時期でも緑色の芝を楽しめます。先述のような芝の「夏枯れ」が起こらない限り西洋芝は1年を通して緑色に保てるので、庭づくりの楽しみが増しますよ。

違い4.西洋芝は手入れや管理がやや難しい

西洋芝は日本芝に比べて生長速度が非常に速いです。そのため、芝刈りを怠るとあっという間に見た目が悪くなります。芝の手入れに時間が割けるなら問題ありませんが、芝の手入れにあまり時間を作れない場合は日本芝を植えた方が無難。伸びすぎた西洋芝は雑草のような見た目になり、景観を大きく損ないます。

西洋芝の主な種類

Photo byAKuptsova

西洋芝には大きく分けて「暖地型芝」と「寒地型芝」があります。どちらも苗として販売されているものは少なく、種まきで育てる場合がほとんどです。種まきは数種類の芝を混ぜても行えるので、芝の特徴や管理方法を確認しながらブレンドしてみてもいいですね。また、最近は暖地型芝と寒地型芝の特徴を持ち合わせた品種も人気があります。

暖地型芝・寒地型芝の特徴を持つ「フェスク」

「フェスク」は暖地型芝・寒地型芝の特徴をあわせ持った西洋芝。耐寒性・耐暑性に優れているため、道路工事等の法面(のりめん)保護に利用される芝としても知られています。その優れた特徴から、最近は園芸品種も登場。ただ、日本芝に比べ流通量は少ないため、入手するのは困難です。「フェスク」が気になる方は園芸店で相談してみてくださいね。

西洋芝(暖地型)の主な品種

暖地型芝「バミューダグラス」


西洋芝の中でも人気があるのがこの「バミューダグラス」です。芝の手入れを怠ると50cmくらいまで伸びることもあり、こまめな芝刈りが欠かせません。ただ、耐寒性・耐潮性に優れていて砂地でも栽培できるため、西日本のグラウンド等でもよく利用されます。

暖地型芝「ティフトン」

「ティフトン」は「バミューダグラス」の仲間ですが、踏まれても枯れにくいという特徴があります。そのため、ゴルフ場でもよく利用される西洋芝です。ただ、1日5~6時間の日照が必要。一般家庭の庭では栽培が難しいかもしれません。

西洋芝(寒地型)の主な品種

寒地型芝「ベントグラス」

「ベントグラス」は寒地型芝の中で最も管理しやすい種類。耐暑性がないため、梅雨時期~夏の間に25℃以上になる場所では枯れてしまいます。一般的な西洋芝よりも葉が密集して生えるため、刈り込むと非常に美しいグラウンドに仕上がります。ただ、酸性の土壌が苦手なので植え付け前の土壌改良が欠かせません。

寒地型芝「ライグラス」

「ライグラス」はとにかく生長速度が速い芝。管理を怠ってもぐんぐん広がり、葉の密度も高いため東日本の公園等で利用されることが多いです。頻繁に人が往来する場所では枯れてしまいますが、株分けで簡単に増やせるので短期間での修復が可能。ただ暑さには非常に弱いです。

西洋芝は張芝での植え付けが難しい

芝の植え付けと言えば長方形にカットされたシート状の苗を張り付ける「張芝」を想像する人も多いですよね。しかし西洋芝を張芝で植え付ける方法は一般的ではありません。そもそも西洋芝のシート苗を販売している業者もごくわずか。どちらかというとポット苗の方が流通しています。ただ、西洋芝のポット苗自体も希少。一般家庭なら種から育てる方がコストも抑えられ簡単です。

西洋芝の種まきの時期と注意点

西洋芝の種は袋入りのものから缶入りのものまでさまざま。庭の広さに合わせて適切な量を選びましょう。芝の種は発芽率が70%前後な上、生育途中に枯れてしまった場所に適宜まくこともできます。種の量に迷ったら多めに購入しておくのが賢明。芝の種の使用期限ができるだけ長いものを選び、上手に活用していきましょう。

暖地型西洋芝の種まき

暖地型の西洋芝の場合、20℃を超えると発芽が始まります。最近の気候で考えると4月~5月頃が最適。梅雨時期に入ると種が雨で流れる恐れもあるので、梅雨入り前に発芽するよう種まきの時期を調整しましょう。秋に西洋芝の種まきをする場合は9月初旬~中旬に行うのがおすすめです。

寒地型西洋芝の種まき

寒地型の西洋芝の場合、15℃を超えると発芽が始まります。西洋芝の種まきをする地域にもよりますが、3月~4月頃が種まきの目安の時期。北海道の一部地域では6月頃まで種まきができます。秋に西洋芝の種まきをする場合は9月~10月ごろがおすすめ。寒地型の西洋芝は夏枯れの危険があるので、残暑が厳しい年は適宜種まきの時期を調整しましょう。

西洋芝の種まきで必要なもの

西洋芝の種

出典: https://image.rakuten.co.jp/engei2/cabinet/libimg/36/36111i1.jpg

お好みの西洋芝の種を用意しましょう。大量に必要な場合は通販で購入した方がお得になることが多いです。

土ふるい

土と種を混ぜてまくときや西洋芝の種まきのあと、目土をかける際に利用します。100均等でも売っていますが、広範囲に種まきをする際は大きめのものを買っていた方が作業が楽です。

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熊手

芝の種まきの際は土をならしておかなければ芝の目が出ても表面がぼこぼこになってしまいます。土をならす際に便利なのが熊手。芝生の管理にも使えるので1個は用意しておきましょう。先端の幅を自在に変えられるタイプの熊手は手入れが簡単なのでおすすめです。

床土・目土

西洋芝の種まきの際は、水はけのよい床土を入れておくと発芽率も高く、発芽後の生長もスムーズです。芝の床土・目土を使用せず、川砂や真砂土で代用することもありますが、長期間美しい芝を保つには不向き。水はけが悪くなると、西洋芝が蒸れて枯れやすくなります。

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農業用不織布

西洋芝の種を水やりや雨で流れにくくし、鳥類による食害を防ぎます。種まきの範囲が狭い場合は100均で販売されている不織布でも十分。種まきの範囲が広い場合は農業用の大きな不織布を購入しておきましょう。

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西洋芝の種まきの手順

1.整地

西洋芝の種まきをする場所は事前に草抜きをし、整地しておきましょう。地面は3~5cmほど耕して、熊手を使ってならしておきます。小石類は取り除き、やせ地の場合は床土を入れることを忘れずに。土の状態が良ければ、床土は少なめでも大丈夫です。地面の表面が整ったら熊手で薄くあとをつけ、水やり時に種が流れにくいようにしてあげましょう。

2.種まき

西洋芝の種をまく範囲が狭いなら、種を手に取り地面に撒くだけで大丈夫です。その際、芝の種の裏に書かれている播種量(はしゅりょう)を確認しておくことが大切。種は多くまきすぎても少なすぎてもよくありません。広い範囲に種をまく場合は、少量の床土に種を混ぜてから土ふるいを使って種まきをするとムラなくまけます。

3.目土かけ

西洋芝の種まきが終わったら、土ふるいを使って目土を2~3mm程度かけていきます。目土をかけたら不織布で地面を覆い、不織布が飛ばないよう杭を打つか重りを置きます。

4.水やり

西洋芝の芽が生えて十分に育つまでは毎日欠かさず水をあげましょう。乾燥している時期や暑い時期は朝晩の2度水やりをすると安心です。

西洋芝の管理方法


西洋芝は日本芝と違い手入れを怠ると見栄えがあっという間に悪くなります。種類によっては草丈が50cm以上に伸びることも。美しい西洋芝を楽しむためにも、手入れを怠らないようにしましょう。

芝刈り

西洋芝は種類によって育て方が異なります。ベントグラスのように生長が早い芝は4月から10月頃まで1週間に1~2回程度の芝刈りが必要。その他の西洋芝も、4月~10月頃は2週間に1回は芝刈りをしましょう。日当たりや土壌、育て方により生育スピードは異なります。どのくらいの草丈で育てたいか決め、それ以上伸びたら速やかに芝刈りをする習慣をつけておくといいですね。

肥料

西洋芝は3月~12月頃まで芝専用の肥料を与えます。肥料を与える目安は2週間に1回程度。一般的な草花用の肥料ではなく、芝専用の肥料を与えましょう。芝の肥料は手でまいてもいいですが、肥料が偏るとその部分だけ草丈が伸びすぎることも。種まきの時のように目土に芝の肥料を混ぜ、土ふるいを使ってまくと肥料がムラなく行き届きます。

エアレーション・目土入れ

芝は生長が旺盛なので、土の中があっという間に根でいっぱいになります。土の中が根でいっぱいになると酸欠状態になったり透水性や水はけが悪くなったり、芝にとって過酷な環境に。そうならないためにも、芝生用スパイクを使って地面に穴をあけ、新し目土を入れます。エアレーションと目土入れは4月頃と9月頃の2回行いましょう。

害虫対策

芝生の正しい育て方を実践しているのに一部分急に枯れてきた場合、土壌に害虫が潜んでいる可能性が高いです。芝につく害虫はヨトウムシやシバツトガなど数種類いますが、汎用性の高い農薬「オルトラン粒剤」を散布すると駆除できることがほとんど。害虫による食害範囲が広い場合は、「オルトラン水和剤」をサインプするという駆除方法を使ってもいいですね。

西洋芝の種を数種類まいてみよう

Photo byArcaion

西洋芝は日本芝とは見た目も育て方も違います。そのため環境を選びますが、先述の通り日本芝や西洋芝の暖地型・寒地型の種を数種類混ぜて種まきする方法もあります。芝はできれば1年中緑に保ちたいもの。芝は枯れてもまた同じ場所に種まきができます。お住まいの地域に合う芝と出会えるまでいろいろな種類の種をまいてみるのもいいですね。

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