はじめに
四千年の歴史を持つ中国は、国土も広大でそれぞれの地域は文化や風土も異なり特色が有り、また世界遺産の登録数もイタリアの54件に次いで53件と世界第二位となっています。その内訳は文化遺産が36件、自然遺産が13件、複合遺産が4件となっており、行くべきおすすめの観光地がたくさんあります。今回は中国の観光で行くべきおすすめの観光地を厳選してご紹介していきます。
中国観光で行くべき人気のスポット①
定番の名所や穴場:故宮(紫禁城)
世界遺産にも登録されている北京を代表する観光スポット「故宮」は、その昔「紫禁城(しきんじょう)」と呼ばれた世界最大の宮殿で、1421年に南京から北京に遷都された以降、明と清の24代にわたり歴代皇帝が暮らす皇居であり、同時に政治の中心地にもなっていました。この紫禁城はわずか三歳で清王朝の皇帝に即位し清朝最後の皇帝・溥儀を描いた映画「ラストエンペラー」の舞台ともなり、その広大さに多くの人が感嘆しました。
中国の歴史と文化が集約されている場所!
この紫禁城は現在は「故宮博物院」として歴代皇帝が集めた絵画や陶器、彫刻、織物など、150万点もの収蔵物があり歴代王朝が誇る珍しい宝物が展示されています。また敷地内の中央に建つ「太和殿(たいわでん)」は、長さ約64mで高さが36m近くもあり、中国最大の木造建築物となっており、この故宮には建物や内部の展示物など見どころがたくさんあり、中国の歴史や文化を知る上でも是非訪れたいスポットとなっています。
中国観光地の基本情報
【住所】北京市東城区景山前街4号
【開館時間】 4~10月/8:30~17:00。 11~3月/8:30~16:30
中国観光で行くべき人気のスポット②
定番の名所や穴場:頤和園(いわえん)
頤和園は、故宮から北西に約20kmに位置する中国でも屈指の世界遺産の名園となっており、十八世紀に清朝第六代皇帝の乾隆帝(けんりゅうてい)が、母親の還暦を祝って造営したという北京でも最大の皇族庭園です。美しく広がる昆明湖のほとりの万寿山の中腹に立つ仏香閣(ぶっこうかく)は八角三層の安定感のある見事なデザインの塔で高さは約37mあり頤和園のシンボルともなっており、また宗教的な祭壇にもなっている円形の均整のとれた「天壇」(画像下)も人気となっています。
自然と調和した美しい名園!
この中国でも屈指の名園「頤和園」は約290万平方メートルの面積があり、皇居の2倍以上という広さを誇っていましたが、乾隆帝の治世から約百年後の1856年に第二次アヘン戦争が勃発し、英仏軍により破壊されてしまいました。しかしその後、清の咸豊帝(かんぽうてい)の妃として権力を振るった西太后(せいたいごう)により再建され、昆明湖の西端にある「清晏舫(せいあんほう)」(画像下)は全長約36mの石造りの船で、西太后は特にここが気に入ってこの沈まぬ石の船の上でしばしば豪華な宴会を催したとされており、今も当時の栄華の跡を留めています。
中国観光地の基本情報
【住所】海淀区新建宮門路19号
【開館時間】 4~10月/6:30~20:00。11~3月/7:00~19:00
中国観光で行くべき人気のスポット③
定番の名所や穴場:万里の長城
万里の長城といえば、中国を代表する代名詞のように有名な観光地ですが、中国で初めて世界遺産にも登録されており、南米ペルーの「マチュ・ピチュ」やローマの「コロッセオ」、インドの「タジマハール」などと共に「新・世界七不思議」にも選ばれている遺跡で、長城の総延長は2万kmを超し、日本の北から南までの長さが3500kmなのでその約6倍の長さとなりいかに膨大かが分かります。
気の遠くなるような規模の長城!
この長城は、紀元前200年頃に秦代の始皇帝によって建設が開始され、その後歴代の王朝によって延長と修築、移転が繰り返されていきました。この長城を見るのは北京郊外の車で約1時間の場所にある「八達嶺(はったつれい)」の長城が特に城壁の保存状態が良いとされ長城観光の人気のスポットになっています。
中国観光地の基本情報
【住所】延慶県八達嶺長城
【開館時間】4~10月/6:30~19:00。 11~3月/7:30~18:00。定休日:なし
中国観光で行くべき人気のスポット④
定番の名所や穴場:拙政園(せっせいえん)
拙政園は蘇州にある最大の明朝庭園で世界文化遺産にも登録されており、中国四大庭園の1つに数えられており、蘇州という水の都に相応しく庭園の約七割に池が配されています。池の周辺には自然の樹木が繁り、邸宅とあずまやを繋ぐ回廊や橋などが優雅な設計で造られていて、池には睡蓮が咲きその水面に映った美しい景観に旅の疲れも癒されます。
水を駆使した庭園!
この庭園は、明の時代の政府の官吏であった王献臣が官職を追われ、故郷の蘇州に戻てきて寺を買い取って約8年の歳月をかけて庭園にしたとされてます。拙政園という名は「愚かな者が政治をおこなっている」という意味から付けられており、庭園は大きく東園と中園、西園の三つに分けられ、それぞれが蓮池に囲まれ、特に中園の「遠香堂」からの蓮池の眺めは美しく絶景と評判になっています。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 江蘇省 蘇州市 姑蘇区
【開館時間】7:30~17:00
中国観光で行くべき人気のスポット⑤
定番の名所や穴場:七彩山
中国の北部・甘粛(かんしゅく)省にある「張掖丹霞(ちょうえきたんか)国家地質公園」の中に、まるで七色のペンキで塗ったような、または山肌に虹が広がったような七彩山という山があります。この山の発見は2002年で一般公開は2008年と割と最近なので、中国人の間でもまだ知られていない秘境となっています。この周辺の山々は地質に含まれる様々な鉱物が年代と共に蓄積して層をなし、特に強い日差しがあたった時や、夕焼けの時が美しいとされています。
七彩山へ行くには中国北部の「蘭州市」からさらに北西へ高速鉄道で約3時間半の「張掖(ちょうえき)」という街に行き、そこからバスで地方道を1時間ほど走って行きます。七彩山のある周辺はもう新疆ウイグル地区にも近くかつてはシルクロードが通っていましたが、ロードから少し外れた場所のために発見が遅れ、未だに自然が色濃く残る秘境となっています。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 甘粛省 張掖市 粛南ユグル族自治県
中国観光で行くべき人気のスポット⑥
定番の名所や穴場:秦始皇帝陵及び兵馬俑(へいばよう)
中国で最初の皇帝であった秦の始皇帝は、強大な力を持って諸国を制圧し、生前より自分の陵墓を建造していましたが、紀元前二百十年に崩御し、この陵墓の中央に埋葬されました。この陵墓は西安の市街地から車で一時間弱の所に位置し、周囲は約6kmで高さ76mという巨大な規模を誇り、陵の上にはかつては宮殿や楼閣が築かれていたとのことです。そして1974年にこの陵墓を取り囲んで皇帝を守るように地下にある兵馬俑坑が発見され当時ビッグニュースにもなり、世界文化遺産にも登録されました。
皆、敵の居る東を向いている!
この兵馬俑坑は陵墓を取り巻くように配置されており、その規模は極めて大きく現在は博物館になっていて、三つある俑坑には戦車が百台、陶馬が六百体、平均身長約1.8mの兵士俑はそれぞれ顔や髪方も違っていて八千体ほどもあり、皆当時敵となってなっていた東を向いていて、上から眺める俑坑の景観は奥が見えなほど続いていて壮観で迫力があります。また館内には等身大の戦車兵や騎兵、歩兵、弩弓兵などが置かれ、陶器の四頭立ての戦車も見事で、見応えがあります。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 陝西省 西安市 臨潼区
【開館時間】8時30分~17時00分
中国観光で行くべき人気のスポット⑦
定番の名所や穴場:武陵源(ぶりょうげん)
武陵源は、湖南省にある自然保護区の中にあり、高さ二百から三百メートルを超す岩の柱が約三千本も立ち並ぶ不思議な迫力ある景観が見られ、また他にも滝や渓流、湖、鍾乳洞などさまざまな豊かな自然が色濃く残っており、1992年には世界自然遺産にも登録され、大ヒットした映画「アバター」に出てくる惑星のモデルにもなったとのことです。
石柱の間を走り抜けるロープウェイはスリル満点!
武陵源の岩の柱はほとんどが二酸化珪素が成分の珪岩で出来ており、それが長い間に浸食を繰り返し現在の景観を形作ったとのことです。そしてここでのおすすめが高低差が約330mの「百龍エレベーター」と、岩の柱の間をすり抜けるように走行するロープウェイで、よくここに建設したと感心する程で、霧や霞みで地面が見えない足がすくむような高さを、巨大な岩の柱をすり抜けるように通る時は爽快でスリル満点です。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 湖南省 張家界市 武陵源区
中国観光で行くべき人気のスポット⑧
定番の名所や穴場:九寨溝(きゅうさいこう)
九寨溝は四川省北部の山奥にある自然保護区であり、原生林が生い茂った渓谷が50kmほど続き、そこに大小百近くの美しい湖沼や滝が点在しており、九寨溝の名前はかつて渓谷沿いに九つの村落があったことから付けられ、世界自然遺産にも登録されており、付近はジャイアント・パンダの生息地にもなっています。
アクアブルーの水に癒される!
岷山(みんざん)山脈の山奥から流れ出た水流が長い間に山あいを浸食して渓谷を作り、透明度の高い水はある所では滝となって落ち、また棚田状の湖沼をつくり、水分に含まれる石灰分が水底に堆積し、太陽の光が射す日中はアクアブルーに、また夕方にはオレンジ色などの独特の色を放って、訪れた人々を魅了しています。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 四川省 アバ 九寨溝県
中国観光で行くべき人気のスポット⑨
定番の名所や穴場:紅海灘(こうかいたん)
紅海灘は、中国と朝鮮半島の付け根の渤海湾の最奥部に位置し、ここには遼河、双台子河、小凌河という三つの大河が合流する大三角州地帯で総面積百平方キロメートルにも及ぶ世界最大規模の湿地帯となっています。
幻想的に広がる深紅にため息!
この湿原は「紅海灘風景区」としてヨシ原が延々と続き、水鳥が舞い、そしてここに群生するマツナ(松菜)が春先きには淡い赤色で咲き始め、夏になると紫に変色し、秋になると深紅になって辺り一面を染め上げ幻想的な光景を作り出し、この珍しい風景は「海の紅葉」とか「Red Beach」、「紅の浜辺」などさまざまに呼ばれ人々を感動させています。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 遼寧省 盤錦市 大窪県
中国観光で行くべき人気のスポット⑩
定番の名所や穴場:大足石刻(だいそくせっこく)
大足石刻は、重慶市の市街地から西へ約90km、車で約2時間の所にある大足県にあり、ここにはおおよそ七十ヶ所にも及ぶ石刻が点在し、九世紀から十三世紀頃までの大乗仏教の石仏が岩の壁をくり抜いて彫刻されており、仏教の石仏に混じって中国らしい道教の神々の像も彫刻されていて、1999年にユネスコの世界文化遺産にも登録されました。
涅槃像の表情に癒される!
石仏の中でも「宝頂山」の岩に彫られた仏陀の入滅を描いた長さ31m、高さ約7mにもなる「釈迦涅槃(ねはん)像」は世界でも最大の涅槃仏と言われ、眼を静かに閉じて安らかな表情で横たわり、仏の周りには菩薩や弟子たちが穏やかで静かな表情で見守り、厳かな中にも安らぎが感じられ思わず手を合わせたくなります。またちかくにある金箔を張った「千手観音菩薩」像は、実際に千以上の手を有していると言われ、見ていると菩薩の荘厳さが迫力となって伝ってきます。
中国観光地の基本情報
【住所】中国 重慶市 大足区
中国観光で行くべき人気のスポット⑪
定番の名所や穴場:成都パンダ繁育研究基地
四川省の成都には、「成都パンダ繁育研究基地」というジャイアントパンダの繁殖や生態の研究をしている施設があります。パンダは成都の周辺の山々に多く生息し、化石などから四千年前にはすでに野生として生育していたことが分っていますが、現在は絶滅危惧種となっており、ここの基地では手厚くパンダを生育しています。また成都を中心に「四川省のジャイアントパンダ保護区」が指定されていて世界遺産にも登録されています。
パンダの愛くるしい姿に癒される!
ここの基地では常に50頭を超えるパンダを生育しているとされ、餌やりから始まり出産から育児など全ての面のサポートを行っています。また保育器に入っている生まれたてのパンダや部屋の中でたくさの赤ちゃんパンダが並んで寝ている姿なども見ることができ思わずその愛くるしい姿に見とれてしまいます。さらに屋外では複数のパンダが並んで仲良く竹を食べている様子や木の上でじゃれながら遊ぶ姿が見られ、日本では中々見る機会のない集団のパンダの可愛らしい姿を見ることができ、時の経つのを忘れるほどです。
中国観光地の基本情報
【住所】中国四川成都外北成都大熊猫繁育研究基地
【開館時間】7時30分~17時00分
中国観光で行くべき人気のスポット⑫
定番の名所や穴場:豫園(よえん)
豫園は上海市の繁華街として人気の安仁街にある明代の庭園で、「豫」は「愉」の字を示し「楽しい園」という意味を持っています。この庭園はその昔、四川省の上級官吏が父に贈る為に十八年の歳月をかけて造営された庭園でしたが、完成した時には贈る相手の父は亡くなっていたと言われています。
上海の人気の繁華街にある庭園!
その後年月を重ね荒廃した時期もありましたが、近年になって上海の有力者たちにより修復・再建され、現在では当時の面影を残す優雅な噴水や渡りの橋、赤い豪華な造りの建物などが市民や観光客の人気となっています。また周辺にはたくさんの中華飯店などが軒を連ねて活気に溢れ、小籠包(しょうろんぽう)の人気店もあり時には行列もできています。
中国観光地の基本情報
【住所】上海市黄浦区安仁街218号
中国観光で行くべき人気のスポット⑬
定番の名所や穴場:西湖(せいこ)
西湖は杭州市にある湖で、この湖の中には自然の島である「孤山」があり、湖の水面に架かる回廊を渡っていくと御堂が建っており、周りには幾重にも睡蓮が生えていて、花の季節になると美しい薄紅色の花が咲いて人気となっており、毎年多くの観光客が訪れる中国らしい自然が残る名所です。
中国らしい佇まいの美しい湖!
西湖はまたその美しい佇まいから国家による「5A級旅行景区」に指定され、世界自然遺産にも登録されています。さらに「西湖十景」と呼ばれる各季節ごと違う優美な景観を見ることができ、その一つとして「蘇堤春暁」と呼ばれる春の暁に映える蘇堤の堤防の美しさや、「平湖秋月」として秋の湖の水面に映る名月の美しさなどが讃えられています。
中国観光地の基本情報
【住所】中華人民共和国 杭州市 西湖区
まとめ
中国観光で行くべきおすすめのスポットのご紹介、いかがでしたか?4000年の歴史を持つ中国はその国土も広く、行くべきおすすめの観光地もたくさんありますね。令和元年のホリディーには改めて隣人さんを知る上でも是非中国に旅をしてみてください。
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