軽自動車の高速料金は果たして安いのか?
ドライブなどでバンをはじめ軽自動車を使う際、便利で快適に走れる高速道路を活用する人も多いです。高速を使って軽自動車でどこかに出かけようと考えるとき、高速料金が普通車と同じなのかそれとも異なるのか気になる方もいるでしょう。
今回は軽自動車で高速を走る際の料金が、普通車に比べて安くなるのかを見ていきます(当記事で触れている情報は、2020年1月28日時点のもの)。
高速を走る際の軽自動車の料金はいくら?
バンなどのユーザーにとって、軽自動車の高速料金がいくらなのかはとても気になる点です。もし普通車に比べて高速料金が安く済むのであれば、高速を走行しながらのドライブも心行くまで楽しめるでしょう。
普通車と比べつつ、軽自動車の高速料金が具体的にいくらくらいなのか見ていきましょう。
軽自動車の高速料金を計算する式とは?
軽自動車は普通車よりも一定程度安めの料金で高速道路を走れます。具体的にどのくらいの安さかといえば、普通車のものに0.8を掛けた数字、つまり8割程度の金額と決められています。なおこの金額になったのは1989年のことで、現在に至るまでずっと普通車の8割程度です。
二輪車と軽自動車の高速料金は同じなのか?
料金所に掲げられた案内や、NEXCOのルート検索機能を見ると、軽自動車と二輪車が同じ扱いとなっています。両者は高速の利用料金が同じになっているうえ、検索サイトでも車種で「軽自動車等」を選べば算出する仕組みのためです。
ただし二輪車については、軽自動車と同じ料金の状態は不公平とする声も上がっていて、与党で改定案も出ているため、今後変更の可能性もあります。
首都高速などでも軽自動車の料金は安い?
一般的に高速といえば、東名高速道路や東北自動車道などだけではなく、首都高など大都市を走るものもイメージされます。そしてこれらの都市内高速は、法律上では全国の各地域を走る高速とは別物です。
しかしこの場合も軽自動車は一定程度安い高速料金で走れます。このため首都高など都市高速を使う際も、普通の高速と同じく安めの料金になる仕組みです。
高速以外の有料道路では料金は安くなる?
自動車専用の道路として、ほかにも京葉道路をはじめとする有料道路も日本中にたくさん路線が造られています。。有料道路の中には、軽自動車の高速料金は普通車と変わらない場合もあるため、注意が必要です。
もちろん高速と同じく軽自動車の料金が安くなるケースもあるため、事前に利用する有料道路の情報を確認しておくとよいでしょう。
なぜ軽自動車の高速料金は安い設定なのか?
なぜ軽自動車は普通車に比べると、高速を走る際の料金がある程度安めに設定されているのでしょうか。その理由として、以下の3つが挙げられます。
いずれも普通車と比較して道路に対する影響が軽微な点という、私たちの生活ではあまりなじみのないもので考えられているものの、知っておくと役立ちます。
理由①:道路に及ぼす影響が小さい
まず理由の第1は、軽自動車が路面に影響を及ぼしにくいためです。高速は使われただけ表面が傷むというように劣化します。高速を安全に走れる状態を保つには定期的なメンテナンスを行う費用が欠かせず、費用は利用者が払った高速料金が元手です。
軽自動車は普通車に比べて路面に及ぼすダメージが少ないため、ダメージの少なさに応じて高速料金も若干安くなります。
理由②:普通車と比べ道路に占める度合いが低い
第2の理由は、軽自動車が普通車と比べて道路に占める度合いが低いためです。両者を並べて比較すると、当然ながら軽自動車の方がサイズで一回り小さく、それに合わせて高速での時間や空間が少なくなります。この点でも最終的には維持のコストに関係し、高速料金が安めです。
理由③:高速で受けられる便益が少なめ
最後に軽自動車が高速を走って得られるメリットが少ない点も挙げられます。軽自動車は普通車に比べてパワーが低いうえに速度が出にくいため、普通車よりも高速を走った際に得られる時間短縮のメリットが低いです。
だからこそ普通車利用ほど高速を走るメリットが感じられにくいでしょう。ただ軽自動車で感じられるメリットが低い一方、普通車よりも安めの料金で高速を走れます。
軽自動車の高速道路料金は検索もできる
高速で目的地に向かう際、通るべき経路を調べる方は多いでしょう。軽自動車で高速を使うときの料金も簡単に計算でき、「車種」の部分を選ぶときに「軽自動車等」に切り替えるだけです。あとはいつもと同じく区間を入力すれば計算できます。
早見表を参考にするのも1つの方法
自分でルートを入力するのが面倒なときは、早見表の使うのも1つの方法です。早見表は高速道路会社のホームページにPDFで載っているもので、早見表を使うとあっさり高速料金を調べられます。
方法は簡単で、「軽・二輪」専用のものを開くだけです。あとは早見表で調べたい区間の欄を見れば、料金がわかるようになっています。もちろん長距離の移動にも便利です。
軽自動車のETC割引には何があるのか?
軽自動車の高速料金はここまで見てきたように幾分か安く、そのために長距離のドライブなどで非常に安心できます。加えて高速料金にはETCで受けられる割引制度もあり、軽自動車の場合でも適用されます。
走行区間が長距離であるほど割引額も大きいため、遠いところへ高速経由で軽自動車に乗ってドライブするときは、ぜひ使ってみてください。
平日朝夕割引
平日朝夕時間帯の割引です。1ヶ月間の利用回数に応じて割引率が決まってくる仕組みで、最大100㎞に対し5~9回の場合は約30%、それ以上で約50%となります。ただし回数が5回未満の場合は適用されません。ほかにも適用を受けられるのは1日1回のみの点と、東京や大阪では受けられない区間もあり注意が必要です。
休日割引
休日や年始に地方の高速を走ったときに30%安くなります。基本的に国内に設置されている主要な高速路線のほとんどで受けられる制度です。軽自動車も含め、休日の休みを使ってどこか遠くへドライブなどに出かける際におすすめでしょう。
深夜割引
0~4時の深夜帯に地方の高速を走ったときの料金が30%もお得になるもので、多くの路線で深夜に長距離移動したりドライブに出かけたりする際に役立ちます。高速を利用した距離や回数によって割引率は変化しないため、安心して料金の割引を受けられるでしょう。
ETC2.0割引
ETC2.0を搭載した自動車が受けられる割引制度で、対象路線は圏央道などです。ETC2.0は交通情報を画像とともに配信するなど、普通のバージョンよりも高性能になっています。圏央道などの路線を走るときにおすすめでしょう。
軽自動車の高速料金の例を地域別にご紹介!
今まで見てきたように軽自動車の高速料金は比較的安くなっています。それでは具体的にいくらくらいになるのでしょうか。ここでは軽自動車の高速料金を計算した例をいくつかのパターンに分けてご紹介します。軽自動車で休日などを使って長距離移動やドライブする際、お役立てください。
北海道の場合
面積が非常に広い北海道では、自動車で高速を走って長距離をドライブするケースも多いでしょう。ここでは札幌から旭川へ向かうケースで計算します。札幌~旭川鷹栖間を軽自動車で走る高速料金は3060円で、普通車のケースと比べて740円安くなる数字です。ETC搭載のケースでは、休日や深夜の割引で2140円となります。
東名高速道路の場合
東名高速道路を使って長距離を移動しようとするとき、東京~名古屋の料金を調べると通常であれば5810円で、普通車と比較して1400円ほど安くなる計算です。ETC搭載の軽自動車は休日や深夜の割引で4290円となっており、高速料金がさらに約1500円安く、約300㎞と長距離であっても安心して走れるでしょう。
名神高速道路の場合
名古屋と神戸を結ぶ名神高速道路を走るとき、名古屋~京都南では普通に走る場合で軽自動車の高速料金が3390円で、普通車と比較して800円ほど安くなる計算です。ETC搭載の軽自動車は休日や深夜の割引で2460円と、さらに900円ほど安い料金になります。
四国の場合
四国の場合は、高松~松山のケースで見ていきましょう。高松中央~松山で調べると、通常の軽自動車は3160円で、普通車と比較して750円安くなる計算です。ETCを搭載した軽自動車では休日や深夜の割引で2210円となり、さらに950円高速料金がお得となります。
九州の場合
九州については、福岡~鹿児島の高速料金で見ていきましょう。通常の軽自動車が高速を走る際の料金で5100円で、普通車に比べると約1200円安くなる数字です。ETCを搭載した軽自動車は休日や深夜の割引で3570円で、さらに1500円ほど高速をお得に移動できます。
軽自動車を使い高速を走行する際の注意点
バンをはじめ軽自動車は高速の料金が安く設定されています。しかし軽自動車の高速料金が比較的安くなっている一方、運転で注意すべき点がいくつかあります。話題が高速を移動する際の料金からは少し外れますが、この項目も見たうえで、安全かつお得に高速を走るのがミソです。
注意点①:疲れやすい
バンなど軽自動車は本来、高速の移動や長距離移動を前提とした設計になっていません。このような特徴から軽自動車は速度が出にくいうえに、移動に時間もかかって疲れがちです。
軽自動車を運転して時間が経ち体に疲れが溜まってくると、事故にもつながる可能性があります。だからこそ高速を軽自動車を運転する際はこまめな休息が大切です。
注意点②:風圧に弱い
また軽自動車は普通車に比べて軽く重量感が足りない一方、風圧に弱いのも特徴です。
高速を早い速度で移動していると風圧を受けるケースが多く、特に長い橋の上を移動する時や横を大きな車体の自動車に高速で抜かれたときは、風の影響をもろに受けるケースもあります。このため風が強い日に高速を使って出かけたりドライブしたりする場合は、普通車の方が軽自動車よりも安全性が高いといえるでしょう。
注意点③:小さくて見えないことがある
バンをはじめ軽自動車はほかの車から確認されない場合があります。例えば高速で軽自動車が大型車の前にいると、大型車からは隠れて見えにくいです。
あまりにも車間距離を詰めすぎると事故に巻き込まれ、高速走行がもたらすリスクの大きさから大けがを負うケースもあるでしょう。だからこそ軽自動車で高速を移動する際は、車間距離を十分にとりつつ、左車線などで安全な速度で移動することが大切です。
まとめ
軽自動車の高速料金が安いのかどうかを見てきました。軽自動車の高速料金は安く、ETCを搭載していれば条件次第でさらに安く利用できます。一方軽自動車は見かけが小さく、パワーも劣るため、高速を利用する際は注意すべきです。
休日などに高速を経由してどこかドライブに出かける際は、無理のない速度で安全運転を心がけるとよいでしょう。本当に軽自動車で高速をお得に利用したいのであれば安全第一が大切です。
高速道路関係がさらに気になる方はこちらも
なお今回は軽自動車の高速料金を取り上げましたが、軽自動車も含め高速を有意義かつお得さを感じつつ走りたい場合は、ほかにも以下のような記事がおすすめです。仕事や休みで高速を走る際にいろいろと役立ちます。自動車を使ってお得かつ安全な速度で高速を移動する際にぜひともご活用いただければ幸いです。
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