飛行機に乗る際の荷物ってどうするの?
「さあ、いよいよ明日から楽しみにしていた旅行。でも、飛行機って荷物預けるんだっけ?持ち込むんだっけ?」「調べてみよう!…よくわからない。」「制汗、消臭デオドランドスプレーってOK?スプレーとエアゾールって違うの?」こんなことを誰しもが思ったことがあるのではないでしょうか。特に女子はいろいろ準備が必要ですよね。ここでは国際線搭乗の際のよくある疑問を解決します。しっかり準備してスマートな旅立ちにしましょう。
飛行機の「預け荷物」と「手荷物」
飛行機に持ち込むことが可能な荷物は二種類あります。また、荷物の規定は、各航空会社や搭乗クラスにより異なりますので、各社ホームページの荷物規定にて確認をしておきましょう。スーツケースならどれでもOKなわけではありません。取材機材など荷物が多い場合は、この荷物規定によって航空会社を決めることもあるくらいです。
預け荷物
飛行機の貨物に預ける荷物のことです。スーツケースやバックパックなど大型の荷物で、チェックインの際に預けます。着替えや洗面用具などが主です。
手荷物
その名の通り、身につけて機内に持ち込むことができる荷物のことです。ショルダーバッグやポーチ、最近では手荷物サイズの小さいスーツケースもあります。本やタブレット、上着などが主です。ペンも入国カードを書く際に使うのであると重宝します。
飛行機内持ち込みの基本ルール
まずは各社に共通する基本ルールをおさえておきましょう。
危険物は持ち込み禁止
全航空会社共通の認識として「ハイジャックやテロ行為を未然に防ぐ」ということがあります。そのためには凶器や危険物・爆発物を飛行機に持ち込ませないことが課題となりますので、当然持ち込み禁止となります。さらに保安検査は航空法によって実施が義務付けられています。
無料で持ち込める荷物の大きさや重さには制限がある
航空会社により規定は異なりますが、通常は一人一個ずつ預け荷物と手荷物の持ち込みが可能です。ビジネスクラスを利用すると二個ずつ許可されたり、エコノミークラスでも二個の持ち込みが許される航空会社もあります。また、LCC(格安航空)では預け荷物は有料の場合もあります。どの航空会社を利用するにせよ、必ず確認をしておきましょう。
事前に申請が必要なものもある
医療用の酸素ボンベや車いすなど事前に申請をしておかないと持ち込みができないものや、当日用意ができないものがあります。日常的に使用しているものがあれば、余裕をもって航空会社に確認をしておきましょう。
スプレー缶を飛行機内に持ち込むことはできる?
「刃物や火薬などの凶器や爆発物を持ち込むことはできない」という規定はわかりやすく納得できると思いますし、このようなものを持ち込むこともほぼないでしょう。ただ、曖昧なものの代表例がスプレー缶(エアゾール)です。ヘアスプレー、消臭デオドランドスプレーや制汗スプレーなどは多くの方が使用していますし、もちろん旅行の時にも使いたいものがあると思います。でもスプレー缶(エアゾール)は爆発するという話を聞いたことがるし、持ち込んで大丈夫だろうかという疑問をお持ちの方。結論を言うと、スプレー缶(エアゾール)の持ち込みは可能です。ただし条件があります。
スプレー缶は飛行機内で爆発する?
スプレー缶は爆発しません。離着陸の前後15-30分ほどで、飛行機の機内は0.8気圧程度に調整され、これは標高2000mの山に登っているのと同じような状態になります。ただ、機内に持ち込むことができるスプレー缶は、この程度の気圧では破裂しないようにできていますのでご安心ください。
「機内預け」も「手荷物」でもOKなスプレー缶
化粧品スプレーや医薬部外品スプレーなど、肌に直接つけるものは大丈夫です。下記が主な例です。美容・保湿スプレー、育毛剤スプレー、日焼け止めスプレー、虫刺されやかゆみ止めスプレー、消臭デオドランドスプレー、制汗スプレー、ヘアスプレー、消毒・冷却スプレー、消炎鎮痛スプレー、花粉対策用スプレー、芳香スプレー、シェービングフォーム。身だしなみを整えるものや香りに関するもの(制汗・消臭デオドランド)は問題ないです。ただ、その数量は「1容器0.5kgまたは0.5L以下のものを1人につき2kgまたは2Lまで」と規定されています。それ以上は、上記であっても禁止されています。
「機内預け」だけOKなスプレー缶
日用品やスポーツ用スプレーのうち「引火性を示す表示がなく、毒性・腐食性もないもの」については、機内預けだけOKです。下記が主な例です。防水スプレー、静電気防止スプレー、滑り止めスプレー、スプレーのり(衣服用)。現地の生活において使用する、というものばかりなのでスーツケースに入れて預けておきましょう。こちらも「1容器0.5kgまたは0.5L以下のものを1人につき2kgまたは2Lまで」との規定があり、中身が漏れ出さないよう噴射口が保護されていることが条件となります。
「機内預け」も「手荷物」でもNGなスプレー缶
引火性ガスや工業用スプレーについては、機内預け荷物だろうと手荷物だろうと一切禁止です。まさに「危険物は持ち込み禁止」の「危険物」に相当するものです。下記が主な例です。塗料スプレー、模型用スプレー、酸素スプレー、防塵スプレー、カセットコンロ用ガス、キャンプ用ガス、催涙スプレー、殺虫スプレー(害虫駆除用)、農薬スプレー。これらのスプレーには「火気と高温に注意」と表記があるのでわかりやすいです。これは引火性のガスを使用していることを表しています。一方「高温に注意」だけの表記の場合は非引火性のガスを使用していることを表しているので、「機内預け」だけOKのスプレー缶として持ち込みが可能です。
スプレー缶は「飛行機持ち込みの液体物規定」が適用される
ここまでスプレー缶の種類についてお伝えしてきましたが、もう一つやっかいな壁があります。液体物の規定です。そうです、スプレー缶(=エアゾール「煙霧質」)は液体物に規定されるので、手荷物として持ち込む際には次の条件を満たす必要があります。「すべての液体物(エアゾール含)は100ml(または100g)以下の容器に入れる。」「縦横の長さが合計約40cm以内かつ容量が1L以下の、密封ができる透明のプラスチック袋に入れる。」さらっと書いてありますが、結構小さいです。目薬や化粧水なら小さい容器に移すことも簡単ですが、制汗・消臭デオドランドスプレーなどはできません。小さいものも販売されてありますが、決して種類は多くありません。スプレー缶自体の条件と液体物としての条件の両方を満たしているか、手荷物で持ち込む場合にはこの二つの確認が必要です。
国内線から国際線へ乗り継ぐ場合の注意点
これまでの液体物の規定は国際線の規定であり、日本国内線では適用されません。よって、国内線で北海道へ行ったり沖縄へ行ったりする際には、お茶などの飲み物を手荷物として持ち込むことが可能です。ただし、国内線であっても国際線の規定を適用する場合があります。これは航空券の買い方にもよるのですが、例えば「新千歳空港から成田空港を経由してハワイへのフライト」などです。
空港によっての規定に注意
新千歳から成田間はもちろん日本国内のフライトですが、成田からハワイへの国際線のフライトがメインであり、そこに新千歳-成田間がくっついているという認識になるため、新千歳空港出発時から国際線の規定が適用されることになります。したがって、今回の例の場合は新千歳空港の保安検査から液体物やスプレー缶の規定に注意をしなければならないのです。「成田で彼氏と合流するから、制汗スプレーと消臭デオドランドスプレーを手荷物に入れていこう」というパターンは没収されてしまいます。
日本に飛行機で到着後、国際線へ乗り継ぐ際の注意点
これは「ソウルから日本へ帰ってきてニューヨークへ飛び立つ」というようなケースです。日本の乗り継ぎ保安検査時に、日本発国際線の規定に準じることになるので「ソウルの保安検査は無事通過したから、通過した後の免税店や機内でお酒や香水を購入した」というような場合は、日本の保安検査が通過できません。せっかく買ったのに一度も体験することなく捨てることになっては泣くに泣けません。意外と盲点です。
スプレー缶の飛行機内持ち込み対策
対策はシンプルです。「スプレー缶(エアゾール)は基本的にスーツケースに入れる」機内預け荷物としてスーツケースに入れておけば、普段使いの日用品スプレーはまず平気です。フライトも日本からの直行便であれば12時間程、乗り継ぎを繰り返して長くても24時間程ではないでしょうか。その間だけの辛抱です。よくよく考えると、どうしても機内に持ち込まなければいけないスプレー缶というは少ないのではないでしょうか。
規定外だと飛行機に乗る前に没収されることも
条件を満たしていないものや禁止されているものが見つかると、その場で没収または廃棄になります。筆者も前の仕事で使っていた愛用のハサミがバッグの底に入っていることを忘れており、泣く泣く処分したこともあります。郵送している時間はないですし、見送りがいなければ人に預けることもできません。思っているよりもショックは大きいですし、旅行初日から気分が損なわれるのは誰もが嫌なはずです。ぜひ細心の注意をして荷物をチェックしておきましょう。
実際どこでチェックされるの?
根本的なところを確認しておきましょう。わかっているようでわかっていない点かもしれません。チェックされるのは出国審査前の手荷物検査場です。空港での主な流れは次のようになります。空港へ到着したら各航空会社のチェックインカウンターでスーツケースを預ける。次に保安検査へ向かい、ここで手荷物の検査があります。そのまま出国審査を経て搭乗ゲートへ進み、時間になれば出発となります。特に外国では保安検査や出国審査に想像以上に時間がかかることも多いので、早め早めの行動で損はないでしょう。
スプレー缶持ち込みの裏技
最後に、ちょっとした裏技を紹介させていただきます。保安検査を通過すると、フロア全体に免税店やレストラン・カフェなど多くのお店が展開されています。ここは「クリーンエリア」と呼ばれており、すべての搭乗者の手荷物が検査された後のため、安全が保証されているエリアとなります。つまり飛行機と同じ安全基準が満たされているという認識ですので、これまでの制限に関わらず購入及び機内への持ち込みが可能です。
ポイントは「保安検査を通過したあと」
保安検査通過前のお店で購入したものは、たとえ空港敷地内のお店であっても対象外です。制汗スプレーや消臭デオドランドスプレーなどは、この「クリーンエリア」で調達するという発想もできますね。早めに保安検査を済ませ、買い物や食事を楽しんでから、ゆったりと搭乗ゲートへ向かっていくことは旅の上級者と言えるでしょう。
まとめ
細かい規定の多い飛行機ですが、「飛行が安全に行われるようにするため」ということが大前提です。よって簡単に言い換えると「事故や事件につながるものは持ち込み禁止」「手を触れなければ安全なものは預け荷物でスーツケースへ」「それ以外のものは小さくして持ち込んでください」となります。そこに該当のスプレー缶がどう当てはまるかですね。地球上で最も安全な乗り物と言われているのが飛行機です。一人一人がルールを守り、全員で安全な乗り物にし続けていきたいものです。
機内での過ごし方が気になる方はこちらをチェック!
今回は飛行機に搭乗する前の荷物規定について紹介しましたが、搭乗してからの過ごし方が気になる方は、ぜひ下記リンクをチェックしてみてください。機内の過ごし方を想定すると、手荷物に何を入れたらいいのかがより具体的になってくると思います!
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