プルメリアについて
プルメリアと言えばまずハワイを思い浮かべますが実はラオスやニカラグアの国花でもあります。自生地も中南米やメキシコ、東南アジアに広く分布しています。それでもプルメリアはやはりハワイを代表する花なんです。プルメリアはハワイの人々にとってなくてはならない存在です。そんなプルメリアの花や花言葉などについてこれからお話していきます。
プルメリアの基本情報
科・属:キョウチクトウ科インドソケイ属
原産地:メキシコ、中米、南米北部
学名:Plumeria rubra
英名: Plumeria, Frangipani, Temple tree
プルメリアの特徴と開花時期
プルメリアの花
花色は赤やピンク、白、黄色などがありますが、花の中心が黄色い「シンガポールホワイト」という品種や、赤色の花で中心が黄色のインドソケイなどがレイに好んで用いられるため1年を通して栽培されています。
プルメリアの香り
プルメリアの一番の特徴は、何といっても花の優しく甘やかな香りでしょう。香りは花の色によっても少し違ってきますが、フルーティで優雅な香りは気持ちをほっとさせてくれるので、香水や芳香剤としても人気があります。
プルメリアの樹木
プルメリアはキョウチクトウ科の樹木です。ハイビスカスとともにハワイの人々に親しまれていて、一般家庭の庭や公園など色んな場所に植えられています。育つと7m~8mの高さになる常緑樹です。
プルメリアの開花時期は?
プルメリアは通常は冬の時期に落葉し、春先に芽吹いて開花し始めます。開花時期は5~10月頃までの季節になりますが、熱帯地方でのプルメリアは常緑で季節を問わず、四季を通じて開花します。
プルメリアの樹液に注意!
プルメリアの美しい花やかぐわしい香りに反して、プルメリアの葉や茎を切ると毒性分の白い樹液が出てきます。その樹液が肌に触れると皮膚炎をおこしたりひどいときは嘔吐などの症状が出ることもあります。剪定などの作業の際は必ず手袋をして樹液に直接触れないように注意して下さい。
プルメリアの花名の由来と言い伝え
プルメリアの花名の由来①
フランス人のシャルル・プリュミエは南米探検調査に3度も出かけ、新種の植物を数多く発見した優れた植物学者ですが、プルメリアはそのシャルル・プリュミエの名が由来と言われています。
プルメリアの花名の由来②
プルメリアは英語で「Temple tree(寺院の木)」と言われています。ハワイなど熱帯地方の多くの寺院や墓地にプルメリアの樹木が植えられている事からこの英語の花名が付きました。そしてその地域ではプルメリアは亡くなった人へ捧げる花とされています。
プルメリアの花名の由来③
プルメリアは地域によっても「インドソケイ」や「チャンパ」、「パゴダツリー」、「カラチュチ」などたくさんの花名があります。またイランの一部では、「ヤスミン」などと呼ばれています。プルメリアでレイを作っているハワイではハワイアンレイフラワーとの呼び名もあります。
プルメリアの言い伝え
ハワイの言い伝えとして、満月の夜が明けた早朝、朝霧に濡れたプルメリアの花を摘み取ってレイを作り、意中の人に渡すとその熱い思いが叶うと言われています。またハワイではプルメリアは5枚の花びら1枚1枚に『ALOHA』の意味が込められているとの言い伝えがあります。どんな意味なのでしょう。次の章で詳しく見ていきましょう。
プルメリアとハワイの言葉との関係
ハワイ語の「ALOHA」は、ハワイ以外の人にもなじみ深く「こんにちは」「さようなら」といった意味は広く知られていますね、でも実は単なる挨拶だけではなく、ALOHAの一文字一文字には深い意味が込められていて、それがプルメリアの5枚の花弁1枚1枚に当てられています。
プルメリアと「ALOHA」の意味
A……Akahai [あかはい]優しさ、真心
L……Lokahi [ろかひ] 協調性、調和を重んじる、
O……Olu’olu[おるおる]喜び、心躍る
H……Ha’Ha’a[はあはあ]謙虚、慎ましやか
A……Ahonui[あほぬい]忍耐、辛抱づよさ
これら1つ1つに込められた大切なメッセージは、アロハスピリットそのものなのです。ではアロハスピリットとはどのようなものでしょうか。次の章で詳しく見て行きましょう。
アロハスピリット
ハワイの文化アロハスピリットとは?
ハワイはその昔ポリネシア系の先住民が国を形成していましたが、そこに白人や色んな国からの移民が加わり、多くの民族グループが出来た結果、単一民族での社会が成り立たなくなってしまいました。そこで個々の民族がお互いの文化や考え方を受け入れ合い、相手の民族を尊重し、強調しあい、礼儀を重んじ、謙虚に、辛抱強く接する事でハワイという共同体を作り上げていきました。これがアロハスピリットなのです。
意味深いハワイの言葉
「ALOHA」
ハワイ語は英語に加え、ハワイ州の公用語に指定されていますが、その「ALOHA」の「ALO」は「分け合う」「共有する」等の意味があり、「HA」は「息」という意味があります。ハワイにはお互いのおでこと鼻を付けあう「ホニ」という挨拶がありますが、「ALO」と「HA」の意味からも「ALOHA」は挨拶を表していることが理解できると思います。
「ワイ・キキ」
Waikikiビーチは世界でも有数な浜辺ですが、「Waikiki」はハワイ語で「wai (水)」と「kiki (湧く)」の2つの単語から出来ています。かつては水が湧き出す湿地帯だったことが解ります。
プルメリアの花言葉
前述で花弁1枚1枚に素晴らしい意味がこめらているお話をしましたが、ここでは神が宿ると言われているプルメリアの花言葉をご紹介していきましょう。
プルメリアの花言葉の由来
プルメリアの花言葉1:「気品・上品」
「気品・上品」の花言葉の由来は、プルメリアの優雅で美しい花姿と、花が放つ上品な香りから来ています。プルメリアの気品ある見た目と上品な香りから生まれた言葉です。
プルメリアの花言葉2:「恵まれた人」
「恵まれた人」という花言葉の由来はかわいい花とプルメリアの高貴な香りが、幸せな気分にさせてくれることから来ています。また、プルメリアで作られたレイは大切な人へのプレゼントとなる事からとも言われています。
プルメリアの花言葉3:「陽だまり・輝いている」
常夏のハワイに咲くプルメリアは太陽の光をいっぱいに浴びて咲きますが、そんな情景から「陽だまり」という花言葉が生まれました。また「輝いているは」陽だまりで咲き誇るプルメリアが輝いて見えることから来ています。
プルメリアの花言葉4:「内気な乙女」
内気な乙女という花言葉は、プルメリアの上品で清楚な花の印象から内気な乙女という花言葉がつけられました。
プルメリアの花言葉5:「愛情・情熱・熱心」
これは、プルメリアの甘い香りとハワイの印象から生まれた花言葉です。プルメリアを渡すと恋が成就するという言い伝えにも由来します。
プルメリアの英語での花言葉と誕生花
英語での花言葉
上品で可愛らしいプルメリアには英語でも素敵な花言葉があります。
Beauty……美しさ
Charm……魅力
Grace……上品、優雅
英語での花言葉もプルメリアの香りやイメージから生まれているようですね。
プルメリアの誕生花
プルメリアの誕生花は1月27日と11月16日です。
プルメリアの誕生花:1月27日生まれの人
誕生花がプルメリアの1月27日生まれの人はサービス精神が旺盛で一緒にいる人をハッピーな気持ちにしてくれます。また自由や平等を尊重し、人間関係も安定させることができます。
プルメリアの誕生花:11月16日生まれの人
誕生花がプルメリアの11月16日生まれの人は、とても優れたセンスの持ち主です。また1つの事をひたすらに追求し、一度決めたことはどんな困難をも乗り越えて行く性格で、研究者や職人にむいています。
祝福の気持ちを伝えよう!
身近に誕生花が1月27日や11月16日の人がいたらぜひプルメリアの花に添えて英語の花言葉を贈ってあげましょう。きっと喜ばれますよ。
装飾品としてのプルメリア
ハワイではプルメリアの花は装飾品としてレイや髪飾りに、またタイではコサージュにしてドレスの胸元に飾るようです。詳しく見て行きましょう。
プルメリアのレイ
プルメリアの装飾品と言えば真っ先にハワイのレイが思い浮かびますね、レイを贈るしきたりは、ホノルル港に着いた船旅の観光客に渡したのが始まりと言われています。その他にもレイは冠婚葬祭や儀式、誕生日などいろいろな行事で用いられていて、レイにまつわる色んなマナーがあるようです。
プルメリアのレイの注意点
レイを贈られたら断るのはタブーとされています。贈ってくれた相手と別れるまで身に付けておかなければなりません。レイを渡す場合は手渡しではなく相手の首に優しくかけてあげます。また、送られたレイは役目を終えても廃棄しないでドライフラワーにするか、自然に帰します。
プルメリアの髪飾り
また、ハワイでは、髪飾りとしてもプルメリアの花が使われています。未婚者は右側に、既婚者や、恋人がいる人は左側につけるというしきたりがあるようです。
プルメリアのジュエリー
プルメリアはレイだけではなくハワイアンジュエリーにもモチーフとして多く使われています。ハワイには古くから受け継がれてきた手彫りの技術があり、この伝統的な技術がハワイアンジュエリーにも生かされていているのです。プルメリアやハワイ特有のモチーフが繊細に彫り上げられ、格調高いジュエリーとなっています。
プルメリアを育ててみよう!
プルメリアを育てる5つのポイント
熱帯アメリカ原産のプルメリアは寒さに弱く、日本での栽培は難しいと思われがちですが、冬の季節の温度管理やプルメリアの性質を知っていればどなたでも容易に栽培可能です。栽培のコツなどを見ていきましょう。
①日光に当てる
プルメリアは直射日光を喜びます。15℃を超える季節になったら日当たりが良く風通しの良い屋外で管理すると開花しやすくしっかりしたプルメリアに育ちます。
②生育期に肥料を施す
プルメリアは春から秋が成長時期なのでこの時期に開花に必要な栄養素を与えます。花をたくさん開花させるには「リン酸(P)」が多く含まれた肥料を選ぶと良いでしょう。花をたくさん開花させたくて肥料を与えすぎたり、与える回数が多いと枯れる心配があるので気をつけましょう。
③冬の時期の管理が大事!
プルメリアは暑い季節の花なので日本の寒い冬の季節はとても苦手です。15℃以下になったら屋内の、日当たりが良くて風通しの良い場所で管理するようにしてください。
④水やりは土が完全に乾いてから
プルメリアは乾燥に強い植物なので鉢の土が乾いてから水が鉢底から垂れるほどたっぷりと与えます。受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるので忘れずに捨てましょう。
⑤大切な剪定作業
プルメリアは成長が早く、放って置くどんどん背丈が伸びて行きますので冬の季節に室内で管理する前か、季節が陽気なり屋外での管理に移る前のどちらかの時期に剪定をし、枝を整えたり、混みあった枝どうしを切ってあげます。剪定の際、毒性のある白い樹液が出てきますので手袋をして直接液に触れないように注意してください。
まとめ
ハワイを代表する花プルメリア。「ALOHA」の文字との深い結びつきや花言葉などを知ることでハワイ文化の根底にある人間愛を感じることが出来たのではないでしょうか。寒さに弱く日本では育てにくいイメージがありましたが、冬は屋内で管理すれば手近にプルメリアの美しい花と甘い香りを楽しむことが出来るようになりました。遠くハワイを思いながら育てるのもエキゾチックな気分にひたれて素敵だと思いませんか。
プルメリアの育て方が気になる方はこちらもチェック
プルメリアの詳しい育て方を知りたい方はぜひこちららを参考にして下さい。
【プルメリアの育て方】剪定の方法や植え替え・切り戻しの時期もご紹介!
南国チックな花といえば、ハイビスカスと並びプルメリアも人気です。温暖な地域な原産なので、プルメリアは育て方が難しいと躊躇していませんか?育て...